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簡単な工事は建設業許可がいらない? 許可が必要な場合・要らない場合を詳細解説

建設業許可は、建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に、国土交通大臣または都道府県知事から受ける許可をいいます。許可を受けなければならないのは、一定規模以上の建設工事を請け負う場合とされており、簡単な工事は許可を受ける必要はありません。

しかし、建設業許可の要・不要の判断については、注意を要するポイントがあるため事前に把握しておくことが必要です。

この記事では、建設業許可が必要な工事や不要な工事、また、建設業許可の要・不要にかかる注意事項について解説しています。建設業許可について調べている方は、ぜひ参考にしてください。

1 建設業許可とは

「建設業許可」とは、建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う場合は、国土交通大臣または都道府県知事から受けることとされている許可をいいます(※一定規模以上とはどの程度の水準かについては、後述します)。

建設業許可は、許可のあった日から5年を経過する日の前日で有効期間が満了します。建設業許可を更新する場合は、有効期間が満了する30日前までに更新の許可申請書を提出する必要があります。

【国土交通大臣許可と都道府県知事許可】

建設業許可は、営業所の所在により、国土交通大臣許可と都道府県知事許可の2種類に分かれています。この大臣許可と知事許可の要件は、建設業法第3条に定められています。

  1. 〇建設業法 第3条第1項
    建設業を営もうとする者は、…(中略)… 2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合にあっては国土交通大臣の、1の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあっては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

すなわち、

  1. ①営業所が複数の都道府県にある場合は、国土交通大臣の許可を受ける
  2. ②営業所が1つの都道府県だけにしかない場合は、その営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受ける

ことになります。

(例)

  1. 営業所が東京都内と神奈川県内の2か所にあれば、営業所が複数の都道府県にあるため、国土交通大臣の許可を受けなければなりません。
    一方、営業所が5か所あっても、すべての営業所が千葉県内にあれば、千葉県知事の許可を受ければよいことになります。

また、大臣許可か知事許可かは、営業所の所在で決まるため、工事エリアの場所とは関係がありません。どちらの業者も日本全国の工事を請け負い、施工することが可能です。

(例)

  1. 埼玉県知事の許可を受けた建設業者であっても、四国や九州の工事を請け負い、施工することができます。

【一般建設業許可と特定建設業許可】

建設業許可は、元請として下請に出す金額がどの程度かにより、一般建設業許可と特定建設業許可に分かれます。

工事の発注者から直接工事を請け負う者(元請)が、1件の工事について下請代金合計額4,000万円以上(建築工事一式の場合は、1件の工事につき下請代金合計額6,000万円以上)で下請に任せる場合は、特定建設業の許可を受ける必要があります。

上記の要件に該当しないときは、後で説明する「軽微な建設工事」を請け負う場合等に該当しないかぎり、一般建設業の許可を受けることになります。

元請としての立場で、一定規模以上の金額により下請に出すことが許されることを勘案し、特定建設業許可は、一般建設業許可と比べて厳しい許可基準が適用されています。

一般か特定かにかかわらず、建設業許可を受けなければならない場合に無許可で工事を請け負ってしまうと、建設業法違反として罰則が適用されるため、注意が必要です。

 1-1 建設業の許可業種

建設業の許可は、建設業法に定められた工事・業種ごとに受けなければなりません。この建設業法に定める工事・業種は、次の29工事・29業種となります。

工事の区分 業種
〇2工事
土木一式工事
建築一式工事
〇2業種
土木工事業
建築工事業
〇27工事
専門工事
〇27業種
大工工事業、左官工事業、とび・土木工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業

上表で、「土木一式工事」、「建築一式工事」とは、専門工事を複数組み合わせた総合的な土木工事、または建築工事をいいます。

建設業法に定める工事では、一式工事が土木一式工事と建築一式工事の2工事となっており、それぞれに対応する業種は、土木工事業と建築工事業の2業種です。また、専門工事は大工工事をはじめ27工事となっており、その27工事に対応する業種は大工工事業以下の27業種となっています。

建設業許可は、上表の工事区分に対応する業種ごとに受けることになります。例えば、東京都内にのみ営業所がある会社が、北海道で屋根工事と内装工事を請け負う場合は、屋根工事業と内装仕上工事業の一般建設業の東京都知事許可を受けることになります(特定建設業許可に該当しない場合)。

2 建設業許可が不要な工事

次に、建設業許可が不要な工事から見ていきましょう。

 2-1 軽微な建設工事

建設業を営もうとする人は、原則として、国土交通大臣または都道府県知事の建設業許可を受けなければなりません。しかし、この原則には例外があり、一定の規模に達しない工事のみを請け負う場合は、建設業の許可を受けなくてもよいことになっています。

  1. 〇建設業法 第3条第1項
    建設業を営もうとする者は、…(中略)… 許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。

建設業法第3条第1項では、政令で定める「軽微な建設工事」のみを請け負う営業形態であれば、建設業許可は不要と規定されています。

  1. 〇建設業法施行令 第1条の2
    法第3条第1項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が500万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあっては、1,500万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

この政令で規定されている軽微な建設工事を整理すると、以下の通りです。

  1. 〇建築一式工事の場合
    ・工事1件の請負金額が1,500万円未満の工事
    ・延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
  2. 〇建築一式工事以外の建設工事の場合
    ・工事1件の請負金額が500万円未満の工事

(注)金額は、材料費込みの税込金額

政令で定める軽微な建設工事とは、建築一式工事の場合は、工事1件の請負金額が1,500万円未満の工事、または、延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事をいいます。また、建築一式工事以外の建設工事の場合は、工事1件の請負金額が500万円未満の工事のことです。

一般的に「軽微」というと、「わずかである」、「少しである」などの意味に使いますが、この場合の軽微な建設工事とされる請負金額のラインは、日常的な金銭感覚からみると、少しかけ離れているように感じる方も多いでしょう。

このことからも、通常の建設工事の請負金額は、かなりまとまった大きな金額であることがわかります。

上の区分で、「建築一式工事」とは、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事とされています。すなわち、個々の専門工事では施工が難しい大規模かつ複雑な建設工事をいいます。

具体的には、建築確認を要する新築工事や増改築工事、大規模改修工事などが建築一式工事に該当します。

また、電気工事や配管工事などの工事でも、個別の専門工事として施工するのが難しい規模の工事も、建築一式工事となります。

また、「延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事」に該当するためには、次の要件を満たす必要があります。

  1. ①主要構造部分が木造であること
  2. ②住宅、共同住宅および店舗等との併用住宅で、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するものであること
  3. ③建築基準法の延べ面積の定義に準拠し、建築物の各階の床面積の合計が150㎡未満であること

以上の基準を満たした工事が建設法上の「軽微な建設工事」であり、それのみを請け負う場合は建設業許可が不要となります。

 2-2 附帯工事

建設業許可が不要なケースの2つ目は、附帯工事を請け負う場合です。

建設業の許可は、すでに説明したように29の業種ごとになされます。したがって、許可を受けた業種以外の建設工事(許可を受けていない業種の建設工事)は、原則として請け負うことができません。

例えば、電気工事業の許可しか受けていない業者は、水道施設工事を請け負うことはできません。同じように、水道施設工事業の許可しか持っていなければ、左官工事を請け負うことは禁止されているのです。

しかし、実際の建設工事の多くは単体の専門工事だけで構成されることはなく、複数の専門工事からなっています。この場合、発注者がそれぞれの専門業種の許可を受けた業者と個別に請負契約を結ばなければならないとすると、発注者と請負業者双方に非常に煩雑な負担を負わせてしまうことになります。

そのため、建設業法では、許可を受けた業種の建設工事を請け負う場合に、その工事に附帯する他の業種の建設工事を請け負うことができると定めています。

  1. 〇建設業法 第4条
    建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。

この「許可を受けた建設業に係る建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事」のことを附帯工事といいます。すなわち、建設業法第4条では、許可を受けた業種の建設工事に附帯する工事であれば、許可を受けていない業種の工事であっても請け負うことができると定められているのです。

それでは、どのような工事が附帯工事に該当するのでしょうか。附帯工事は、許可を受けた業種にかかる建設工事(主たる工事)に付随して施工される許可を受けていない業種の建設工事(従たる工事)です。つまり、附帯工事は、主たる工事の目的を達成するために行われる付随的な工事であり、それ自体が独立した使用目的を持たないものです。

国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」には、次のように、附帯工事の判断基準が示されています。

附帯工事の具体的な判断に当たっては、建設工事の注文者の利便、建設工事の請負契約の慣行等 を基準とし、当該建設工事の準備、実施、仕上げ等に当たり一連又は一体の工事として施工することが必要又は相当と認められるか否かを総合的に検討する。

この基準によると、以下が附帯工事に該当するための要件となります。

  1. ①注文者の利便や請負契約の慣行等を基準にして、一連・一体的な施工が必要・相当であること
  2. ②工事の準備・実施・仕上げ等にあたり、一連・一体的な施工が必要・相当であること

なお、上記の判断基準には請負金額の記述が見当たりませんが、通常は、附帯工事(従たる工事)の請負金額が「主たる工事」の金額を超えることはありません。そのため、「③主たる工事の請負金額より少額であること」も判断基準に追加して差し支えありません。

附帯工事の具体的な例をあげると、次のとおりです。

①住宅の屋根・外壁の補修工事に付随する塗装工事

主たる工事は屋根・外壁の補修工事ですが、屋根・外壁を補修した後は塗装工事が一連・一体的な附帯工事として必要となります。この場合、屋根工事業の許可を受けていれば、塗装工事業の許可がなくても請け負うことができます。

②建物の電気工事に付随する内装工事

主たる工事は建物の電気工事ですが、電気の配線は屋根裏・床下や壁面内を通っている関係で、電気工事を行うために天井や床、壁などを剥がす必要があります。そのため、天井や床、壁などを元通りの状態にする内装工事が一連・一体的な附帯工事として必要となります。この場合、電気工事業の許可を受けていれば、内装工事業の許可がなくても請け負うことができます。

③住宅の建具工事に付随する左官工事

主たる工事として住宅の玄関ドアを交換する場合、玄関のコンクリート土間を一部壊す必要があります(玄関ドアの枠が土間に埋まっているため)。そのため、玄関ドアを交換した後は、玄関土間を元通りの状態にする左官工事が一連・一体的な附帯工事として必要となります。この場合、建具工事業の許可を受けていれば、左官工事業の許可がなくても請け負うことが可能です。

このように、附帯工事の要件を満たしていれば、該当業種の建設業許可を得ずに、工事を請け負うことができます。

ここで1つ注意すべき事項は、附帯工事を請け負った後の実際の施工についてです。それは、500万円以上の付帯工事を施工する場合は、「専門技術者」を配置する必要があることです。500万円未満の軽微な建設工事については、専門技術者の配置は必要ありません。

  1. 〇建設業法 第26条の2 第2項
    建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事に附帯する他の建設工事(第3条第1項ただし書の政令で定める軽微な建設工事を除く。)を施工する場合においては、当該建設工事に関し第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における当該建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるものを置いて自ら施工する場合のほか、当該建設工事に係る建設業の許可を受けた建設業者に当該建設工事を施工させなければならない。

上で、「建設業法第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者」とされていますが、附帯工事における専門技術者は、後で説明する一般建設業許可で営業所に配置する専任技術者の要件を満たす者のことです。

500万円以上の付帯工事を施工する場合は、このような要件を満たす専門技術者を配置しなければなりませんが、この専門技術者を確保・配置できない場合は、自社で付帯工事を施工することはできません。その場合は、付帯工事に該当する専門業種の建設業許可を受けている業者に施工を依頼する(下請けに出す)ことになります。

 2-3 完成を請け負わない工事

物理的にみると建設工事であっても、その完成を請け負わない工事は、建設業法における建設業が行う工事に該当しません。建設業法には、以下の通り、建設業の定義が規定されています。

  1. 〇建設業法 第2条第2項
    この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。

建設業法によると、建設業とは、建設工事の完成を請け負う営業であると定義されています。建設業法、そしてその中に規定されている建設業許可は、この「建設業」を対象にしています。

したがって、物理的には建設工事であっても、その完成を請け負うものでなければ、建設業法上の建設業が行う工事とはみなされず、建設業許可の対象にはならないわけです。

実際の例をあげてみましょう。

①自分で自分のために施工する工事

以下のように、自分で自分のために施工する工事は、契約相手に対して工事の完成を請け負っているわけではないため、建設業が行う建設工事には該当せず、建設業許可の対象ではありません。

(例)

  1. ・自分で自分のログハウスを建てる工事
  2. ・不動産会社が自社で住宅を建設する工事(その後販売)
  3. ・自社の作業員が行う工場の屋根・外壁の塗装工事 など

②委託を受けて施工する工事

委託は、請負のように工事の完成を求められるのではなく、工事の進行過程上で必要な業務を依頼される契約形態です。

このため、委託を受けて施工する工事はその完成を請け負っているわけではなく、建設業が行う建設工事に該当しないことから、建設業許可の対象にはなりません。

(例)

  1. ・A社がB社から委託を受けて行う倉庫の補修工事 など

 2-4 建設工事に該当しない作業

元々、建設工事に該当しない作業は、建設業許可の対象にはなりません。建設工事の定義は、建設業法に規定されています。

  1. 〇建設業法 第2条第1項
    この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第1の上欄に掲げるものをいう

この条文中、「別表第1の上欄」とは、上で説明した29種類の工事を示しています。そのため、建設工事に関連した作業であっても、この29種類の工事に該当しなければ、建設業法における建設工事に該当せず、建設業許可の対象にはなりません。

しかし、建設工事に該当しない作業であっても、建設工事と混同しやすいものもあるため、ここで整理してみましょう。

(例)

  1. ①建設工事に関連した作業
    ・測量や地盤調査
    ・建設用機械の搬入出
    ・土砂の運搬
    ・建設資材の搬入
    ・建設現場の養生
    ・建設用機械・器具の保守点検
    ・建設現場の警備

などは、建設工事に関連した作業ではあっても建設工事ではありません。

(例)

  1. ②建設用地の整備・清掃
    ・樹木の伐採
    ・草刈
    ・道路清掃
    ・除雪

なども建設工事ではありません。

3 建設業許可が必要な工事

次に、建設業許可が必要な工事についてみていきましょう。

 3-1 建設業許可が必要な工事

建設業の許可が必要な工事は、建設業法における「建設業」が行う「建設工事」です。

〇建設業法 第3条

  1. 第1項
    建設業を営もうとする者は、…(中略)… 許可を受けなければならない。
  2. 第2項
    前項の許可は、別表第1の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。

建設業法第3条では、「建設業」を営もうとする者は、建設業の許可を受けなければならず、その許可は、建設業法別表第1に掲げる「建設工事」の種類に対応した建設業に付与すると規定されているからです。

しかし、その「建設業」が行う「建設工事」にも例外として、建設業の許可が不要な建設工事があります。これまでの説明で、建設業の許可が不要な建設工事は、①軽微な建設工事、②附帯工事でした。

また、「建設業」が行う「建設工事」に該当しない工事・作業としては、③完成を請け負わない工事(建設業でない者が行う工事のため)、④建設工事に該当しない作業(建設工事ではない作業のため)、がありました。

以上のことをまとめると、建設業許可が必要な工事とは、㋐建設業法における「建設業」が行う「建設工事」に該当する工事であること、かつ㋑上記の①軽微な建設工事、②附帯工事に該当しないものであること、となります。

すなわち、建設業許可が必要な工事とは、①建設工事の完成を請け負う者が施工する =「建設業」が行う、②建設業法で規定された29種類のどれかに該当する工事 =「建設工事」であるという要件を満たした上で、

  1. 〇建築一式工事では、
    ・工事1件の請負金額が1,500万円以上の工事
    ・延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事
      
  2.       

  3. 〇建築一式工事以外の建設工事では、
    ・工事1件の請負金額が500万円以上の工事
      

(注)金額は、材料費込みの税込金額

となります。

 3-2 建設業許可が必要な理由

建設業法第1条には、建設業法の目的が規定されています。

  1. 〇建設業法 第1条
    この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることにより、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
      

建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることにより、

  1. ①建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護する
  2. ②建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与する

ことを目的としているのです。

建設業法が、上記のことを目的としているのは、以下の理由によります。

  1. ①建設工事は専門性が高い
  2. ②建設工事の成果物について、発注者(一般消費者)が欠陥を見抜くことが難しい
  3. ③建設工事の取引金額が、非常に大きい

①の「建設工事は専門性が高い」ですが、

建設物は構造力学上一定の耐震性能を有し、かつ、風水害や気候変動に対して耐圧・耐水・耐久性を持つよう設計されます。そのため、構造材や各種金物などを用いた施工には専門的な技術が必要です。

しかし、一般の発注者は、建設工事にかかる専門的な知識や技術を持っていないため、建設業者に対して対等な立場から意見することが困難です。

②の「建設工事の成果物について、発注者が欠陥を見抜くことが難しい」については、上記のように、建設工事は専門性が高いにもかかわらず、一般の発注者は、建設工事にかかる専門的な知識や技術を持っていないため、成果物の瑕疵を発見することが難しい状況に置かれています。

また、建設物の完成後は、床下や屋根裏、壁の内部などが覆い隠されるため、発注者が、建設物完成後の状況を詳細に確認することが困難です。

このため、使用材料そのものや材料の使用方法・接合方法などに誤りがある場合、また、設計内容と施工結果に食い違いが生じているなどの不都合があっても、発注者がその欠陥を見抜いて指摘することは非常に難しいといわざるを得ません。

③の「建設工事の取引金額が、非常に大きい」ですが、建設工事は、建設物や工作物の完成を請け負う工事であるため、着工から完成までに時間を要し、また、まとまった金額の材料費や人件費がかかります。そのため、一般的な商取引などと比べると、建設工事の取引金額は非常に大きく膨らみます。

以上のように、建設工事は取引金額が非常に大きいにもかかわらず、その専門性の高さや工事の性格などから、発注者が瑕疵や欠陥を見抜くことが難しく、そのため、場合によっては発注者が大きな損失を被る危険性をはらんでいるといえます。

このことから、上でみたように、

  1. ①建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護する
  2. ②建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与する

という目的を達成するため、一定規模以上の建設工事を請け負う業者に対して、建設業の許可を受けることを義務付けたのです。

建設業者が、建設業の許可を得るためには、

  1. ①適正な経営体制を有し、適切な社会保険に加入していること
  2. ②営業所ごとに専任技術者を置くこと
  3. ③請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと
  4. ④請負契約を履行できる財産的基礎や金銭的信用を有していること

などの基準をクリアする必要があります。

適正な経営体制があり、技術力の高い技術者がおり、素行にも問題がなく、一定の資本力や信用力を持つ業者に対して、建設業の許可が与えられるのです。

建設工事を請け負った業者には、建設物を完成・引渡しても、瑕疵担保責任があります。

2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」では、住宅の施工業者に瑕疵担保責任を義務付けています。

同法では、工務店など住宅を施工した業者は、住宅を引き渡したときから10年間にわたり、瑕疵担保責任を負う旨が規定されています。

しかし、法律でいくら10年間の瑕疵担保責任を義務付けても、住宅引渡し後2~3年で施工業者が倒産、あるいは夜逃げしてしまっては、法律の趣旨が生かされず、消費者が泣き寝入りせざるを得なくなってしまいます。

このように、簡単に倒産してしまうような資本力・信用力の虚弱な業者や素行に問題がある業者に、一定規模以上の建設工事を請け負わせないためにも、建設業許可制度があるといってもよいでしょう。

以上をまとめると、建設業の許可は、素行に問題がなく、適正な経営体制と高い技術力、一定の資本力や信用力を持つ業者に対して与えられることで、①建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するという目的を達成すると同時に、このような優良な許可業者が増えることにより、②建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与することに繋がるのです。

4 建設業許可の要・不要にかかる注意事項

次に、建設業許可の要・不要に関係する注意事項についてみていきましょう。

 4-1 一連の建設工事で複数契約の合計金額が500万円以上は建設業許可が必要

一連の建設工事が複数契約に分割されている場合は、請負金額が500万円未満の軽微な建設工事に該当するか否かの判断に注意が必要です。

すなわち、一連の建設工事が工種ごとに複数の契約に分割され、それぞれの契約の請負金額が500万円未満であっても、それら複数契約の請負金額合計額が500万円以上の場合は、軽微な建設工事には該当しません。

例えば、一つの宅地造成工事が、樹木伐採工事100万円、掘削工事200万円、土砂搬出100万円、地ならし工事200万円の4つの契約で構成されていた場合は、宅地造成工事全体の請負金額は、樹木伐採工事100万円+掘削工事200万円+土砂搬出100万円+地ならし工事200万円=600万円となり、工事1件の請負金額が500万円以上となるため、軽微な建設工事には該当しません。

したがって、この場合には建設業の許可を受ける必要があります。

また、建設工事の工期が長期にわたり、

  1. ①第1期工事 請負金額300万円
  2. ②期間を置いて第2期工事 請負金額400万円

など、請負金額が500万円未満の工事が別の時期に行われる場合でも、軽微な建設工事に該当するか否かは、これら複数の請負金額を合計した額で判断されます。

この場合は、工事全体の請負金額合計額が700万円であるため、軽微な建設工事には該当せず、建設業の許可を受けなければなりません。

上記以外にも、建設工事の契約には様々なパターンがあり、雑工事にかかる小口契約が複数締結される場合などがありますが、この場合もすべての契約の請負金額合計額が500万円以上となれば、建設業許可の対象となります。

 4-2 材料費・消費税は請負金額に含まれる

建設工事では、発注者が材料を提供する場合がありますが、この場合の材料費の市場価格や材料の運送費を当初の請負金額に加算した金額が最終的な請負金額とされます。このため、これらの合算金額が500万円以上である場合は、建設法上の軽微な建設工事には該当しなくなります。

例えば、ある建設工事の請負金額が400万円の場合に、発注者が材料を提供するとしましょう。この材料費の市場価格が80万円、材料の運送費が40万円かかる場合には、請負金額は、当初の請負金額400万円+材料費の市場価格80万円+材料の運送費40万円=最終的な請負金額520万円となり、工事1件の請負金額が500万円以上となるため、軽微な建設工事には該当せず、建設業の許可を受ける必要があります。

また、消費税も、税込の請負金額に換算して500万円未満となるかを判断する必要があります。

これを、材料費や消費税を除いた元々の請負金額が500万円未満だからといって、建設業許可を受けないまま請け負ってしまうと、無許可営業になってしまいます。

 4-3 無許可営業は罰則の対象

建設業の許可が必要であるにもかかわらず、許可を受けないで工事を請け負ってしまうと、無許可営業として行政処分の対象になってしまいます。

  1. 〇建設業法 第47条

    次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

    1 第3条第1項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだ者

この場合の罰則は、「3年以下の懲役、または300万円以下の罰金」となります。この3年以下の懲役と300万円以下の罰金は、場合によっては併科される場合もあるため、注意が必要です。

 4-4 建設業許可が不要でも建設業法は適用される

建設業許可が不要な軽微な建設工事を専門に請け負う業者であれば、建設業の許可を受ける必要はありません。

しかし、軽微な建設工事を専門に請け負う業者であっても、建設業法の適用対象となることは注意すべきです。

建設業法の目的は、①建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護する、②建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与することです。

この場合の建設業とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業であるとされています。

このため、建設業法では、建設業の許可制度以外にも、建設工事の請負契約の適正化や建設工事の施工技術の確保を図るための様々なルールが定められ、それらに違反した場合の罰則も規定されています。

自社が建設業者であれば、仮に建設業許可の対象にならなくても、建設業法の適用対象に変わりはないことは認識しておく必要があります。

 4-5 建設業許可が不要でも許可を受ければメリットがある

これまで、建設業の許可が不要な工事、必要な工事についてみてきました。

【建設業許可が不要な工事】

  1. 〇建築一式工事の場合

    ・工事1件の請負金額が1,500万円未満の工事

    ・延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
  2. 〇建築一式工事の場合

    ・工事1件の請負金額が1,500万円未満の工事

    ・延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
  3. 〇建築一式工事以外の建設工事の場合

    ・工事1件の請負金額が500万円未満の工事
  4. 〇附帯工事

    ・許可を受けた業種の建設工事に附帯する工事

上記の工事であれば、建設業の許可を受けることなく、請負契約を結ぶことができます。しかし、このように建設業許可が不要な工事であっても、建設業の許可を受けることは可能です。

この場合に注意すべきは、建設業許可が不要な工事であっても、許可を受けている業者は許可のない業者に比べ、より有利に受注することができることです。

建設業の許可は、どのような建設業者でも受けることができるわけではありません。建設業許可を受けるためには、建設業者が備えておくべき一定の基準があるのです。建設業法第7条および第15条では、建設業の許可を行うための基準が定められています。

【一般建設業許可の基準】

  1. ①適正な経営体制を有しており、適切な社会保険に加入していること
  2. ②営業所ごとに専任技術者を置くこと
  3. ③請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと
  4. ④請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していること

①の「適正な経営体制を有しており、適切な社会保険に加入していること」の基準を満たすには、建設業に関し一定の経験を持つ「経営業務の管理責任者」を配置し、適正な経営体制を確保することです。

すなわち、

  1. ・法人の場合は、「常勤役員」のうち1人が
  2. ・個人の場合は、本人または支配人のうち1人が
    ㋐建設業に関し、経営業務の管理責任者としての経験が5年以上あること
    ㋑建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務を管理した経験が5年以上あること
    ㋒建設業に関し、経営業務管理責任者に準ずる地位にあって、経営者を補佐した経験が6年以上あること
    ㋓常勤役員等が、建設業に関し2年以上役員としての経験を有し、かつ、5年以上役員等または役員に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理・労務管理・業務管理の担当に限る)としての経験を有していること
    ㋔常勤役員等が5年以上役員としての経験を有し、かつ、建設業に関し2年以上役員等としての経験を有していること

以下の㋐~㋔のいずれかに該当することが必要です。

また、社会保険や雇用保険に適切に加入していることも必要です。建設業の許可を得るためには、健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法の適用事業所に該当するすべての営業所について、適正に届出がされていなければなりません。

②の「営業所ごとに専任技術者を置くこと」の基準を満たすには、すべての営業所に、許可を受けようとする建設業にかかる一定の資格や経験を持つ技術者を専任で置く必要があります。専任技術者であるため、営業所に常勤し、専らその職務に従事する者でなければなりません。

この専任技術者になるための要件は厳しく定められており、一般建設業の許可では、

  1. ㋐一定の国家資格者
  2. ㋑学校卒業後に、許可を受けようとする建設業の工事にかかる実務を経験した者
  3. ㋒許可を受けようとする建設業の工事にかかる実務経験者
  4. ㋓国土交通大臣の認定した者

のいずれかである必要があります。

③の「請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと」の基準を満たすには、建設業の許可を受けようとする者が、請負契約の締結や履行において、詐欺・脅迫・横領など法律に違反する行為や工事内容・工期・天災など不可抗力による損害の負担などについて、請負契約に違反する行為などを行う危険性がないことが必要です。

④の「請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していること」の基準を満たすには、建設業の請負契約を履行できる財産的な基礎または金銭的な信用を持っていることが必要とされます。

具体的には、一般建設業の許可では、

  1. ㋐自己資本の額が500万円以上であること
  2. ㋑500万円以上の資金を調達する能力を有すること
  3. ㋒許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有すること

のうち、いずれかを満たす必要があります。

以上のように、建設業の許可を受けるには、建設業法で定める厳しい基準をクリアしていることが必要なことから、建設業許可業者は一定の社会的・経済的な信用を得ることができるのです。

例えば、発注者が建設工事を外注しようとする場合に、建設業許可が不要な軽微な建設工事であっても、無許可業者に依頼するよりも、社会的・経済的な信用がある許可業者に任せたいと考えるのは当然のことといえるでしょう。

また、自社が建設業の許可業者であることを対外的にPRすることで、建設工事の受注実績を向上させていくことが可能です。

このことからも、仮に建設業許可が不要な軽微な建設工事のみを請け負う業者であっても、建設業許可を受けていれば、大変有利な立場で営業を展開することができます。

 4-6 建設業許可が不要でも登録が必要な工事がある

建設工事には、建設業の許可が不要な軽微な建設工事を請け負う場合でも、建設業法とは別の法規により、行政庁への登録が必要なものがあります。

主なものをあげてみると、

①解体工事

解体工事を請け負う場合は、請負金額にかかわらず、都道府県に「解体工事業の登録」を行う必要があります。

解体工事業の登録は、「建設リサイクル法」に基づき、解体工事を請け負い、または施工しようとする区域を管轄する都道府県に事前登録を行う制度です。

解体工事業登録は、解体工事現場の区域を管轄する都道府県ごとに登録を行うことになっており、例えば、愛知県、三重県、奈良県で解体工事を施工する場合は、それぞれの都道府県に事前登録を行わなければなりません。

②電気工事

電気工事業を営むためには、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づき、電気工事業者の登録を行わなければなりません。

また、建設業許可業者が電気工事業を始めたときは、遅滞なく届出が必要です。この電気工事業の登録は、営業所が単独の都道府県内にある場合は、その営業所所在地を管轄する都道府県に、また営業所が複数の都道府県にある場合は国への登録・届出となります。

③浄化槽工事

浄化槽工事業を営もうとする場合は、営業所所在地を管轄する都道府県に登録が必要です。
また、浄化槽工事を行う場合は、工事の区域を管轄する都道府県に登録を行わなければなりません。

また、建設業法に基づく土木工事業、建築工事業、管工事業のいずれかの許可を受けている建設業者が浄化槽工事業を始めるときは、その営業所所在地および工事を行う区域を管轄する都道府県に届出を行うことになっています。

5 まとめ

建設業法では、建設業の許可が必要なのは一定規模以上の建設工事を請け負う場合とされており、「軽微な建設工事」「附帯工事」など簡単な工事は許可を受ける必要はありません。

しかし、許可の要・不要を判断する際には、一連の建設工事について複数の契約の合計金額が500万円未満に収まるか、材料費や消費税を加えても基準額を下回るかなどについて特に注意を要します。

また、上記のように建設業許可が不要な工事でも、建設業法自体は広く適用されるため、建設工事の請負契約の適正化や建設工事の施工技術の確保を図るための様々な規定を遵守する必要があることは常に念頭に置く必要があります。

さらに、軽微な建設工事のみを請け負うことで建設業許可が不要な業者であっても、建設業許可を受けることによる社会的・経済的な信用度の向上という大きなメリットについて認識・検討することは、非常に重要であるといえます。

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