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職種別に見る建設業の仕事内容とメリット・デメリットをわかりやすく紹介!

転職などで会社を探す場合には、その会社の事と同じくらい業界の事を理解する事が必要です。特に最近の建設業界は人手不足・人材不足に見舞われているため、職種別の仕事内容を正しく把握しておかないと、ミスマッチを防ぐことはできません

そこで今回の記事では、建設業界で働こうとする人など建設業を知りたいと思う方に向けて、複数ある業種別の仕事内容や求められるスキル、建設業で働くメリットとデメリットについて分かりやすく解説するので、ご参考ください。

1 建設業の職種と仕事内容

建設業の職種と仕事内容

建設業とは、住宅やマンション、商業ビルやアミューズメント施設、道路や湾岸など全ての建築と土木の工事を担っている業界になります。

建設業の市場規模を建設投資額でみると、2019年には62.9兆円となります。1992年に84兆円と最高潮になってから2010年の41.9兆円まで減少しました。しかし、第2次安倍内閣がスタートした2012年から現在まで建設投資額の回復傾向が続いています。

また、建設投資額は民間による投資と、政府による投資の二つに分けられます。2009年と2019年を比較すると、政府の建設投資は120%の増加に対して、民間の建設投資165%の伸びが大きくなっています。

1992 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
合計 84.0 43.0 41.9 42.1 42.4 48.3 47.5 56.6 58.7 60.7 60.9 62.9
政府 32.3 18.0 18.0 16.3 16.0 18.4 18.6 20.2 21.0 21.3 20.7 21.6
民間 51.7 25.0 23.9 25.8 25.4 29.9 28.9 36.4 37.7 39.4 40.2 41.3

一般社団法人日本建設業連合会の『建設業ハンドブック2019』より

非常に大きな規模を誇る建設業になりますが、仕事のスケールも様々で、多くの専門的な技術や知識を持った人が携わります。また、規模が大きくなると一つの建設現場で複数の業者が同時に仕事をすることが多くなります。つまり、建設業には複数の職種が存在し、お互いが協力し一つの建築や土木を作り上げていっています。

1-1 特定技能として認められている建設業の18業種

職種とは、異なる業務内容を示す仕事の名称です。つまり、職種が多い業界というのは、それだけ様々な仕事があるという事です。一般的な代表例としては、“販売”や“営業”や“事務”等があります。

建設業は様々な職種がある事は前述のとおりですが、特定技能である事が認められている職種だけで18職種あります。これは従来の11職種に加えて、令和2年2月28日に7職種が追加となりました。

No 新/旧 職種名 仕事内容
1 従来 型枠施工 コンクリートを思う形に固めるための枠組を製作・施工する仕事です。
2 左官 快適さや耐久性や装飾を目的として、壁塗りやタイル張りなどを行う仕事です。
3 コンクリート圧送 生コンクリートを油圧等により型枠内に流しいれる仕事です。生コンクリートが固まった際に品質が設計通りにさせるために、経験・知識・技能が必要です。
4 トンネル推進工 下水管や道路などを建築するために、地下地面などを掘削する仕事です。
5 建設機械施工 建設現場で利用するブルドーザーやショベルカーを代表とする機械を操作して工事をする仕事です。
6 土工 建築現場の基礎支えのために、地面を掘る(根切り)や、掘った穴を埋めて戻す(埋戻し)などをする仕事です。
7 屋根ふき 瓦やスレートや金属薄板等を使って屋根を葺く(ふく)仕事をいいます。
8 電気通信 有線・無線電機通信設備やデータ通信設備等の弱電*の電気通信設備を設置する仕事をいいます。
9 鉄筋施工 鉄筋や鉄骨鉄筋コンクリート造建築や橋やトンネルなどで、骨組みとなる鉄筋を組んでいく仕事をいいます。
10 鉄筋継手 建設・建築現場で鉄筋の組んでいく下準備として、鉄筋を必要な長さや形にするための鉄筋同士の接合をする仕事をいいます。
11 内装仕上げ/表装 住宅やオフィスや商業施設等の建築物の床や天井や壁の内装をタイルやシートを張って仕上げる仕事をいいます。
12 とび 建設や土木工事の現場の、足場の設営と撤去をする「足場鳶(とび)」や、クレーンでつり上げた鉄筋の組立てと固定をする「鉄筋鳶」の他に、「町場鳶」や「送電鳶」など様々な仕事があります。
13 建築大工 木造住宅を代表とする、木造の建物を建築する仕事をいいます。
14 配管 各種の配管(給水管や排水管、ガス管、エアコンなどの空調設備等)を通す仕事をいいます。
15 建築板金 金属板を加工して屋根や外壁や水回り工事などを施工する仕事をいいます。
16 保温保冷 マンションやオフィスの冷暖房換気設備や、ビル群にエネルギー供給を行う地域冷暖房の配管網などの保温と保冷工事を行う仕事をいいます。
17 吹付ウレタン断熱 プラスチック樹脂のポリウレタンを原料とするウレタンフォームを新築、リフォームなどの壁や天井に吹き付ける仕事をいいます。
18 海洋土木工 埋め立てや水底の土砂などを取り除く浚渫(しゅんせつ)や、水害を防ぐための川岸や海岸に堤防を築く護岸(ごがん)などのマリコン**が主に行う仕事をいいます。

*弱電が電気通信工事業になり、強電が電気工事業になります。弱電とは、電話やインターネットなどの信号を伝える事を目的とする電気です。強電は、機器を動かすなどの動力を供給する電気をいいます。
**マリコンとは、マリンコンストラクター(marin constructor)の略称になります。ゼネコンとは大手建設業を指しますが、マリコンはゼネコンの中でも海洋土木工事などに特化した建設業者になります。

1-2 現場組織

現場組織

様々な企業・組織が集団で1つの建設や土木工事を効率的に行うためには、現場を組織化してその組織を取り仕切る人が必要になります。そのためには、現場における管理者が必要になります。それが現場監督や施工管理職になります。

◯現場監督

現場監督

現場監督とは、建設現場で従事する作業員たちの仕事を監督・統括します。その上で、工期(完成期限)に間に合うように組み立てられた建設スケジュールを管理していきます。スケジュールによって工賃計算や現場環境を整えながら、作業人数や資材や機材の調整を行います。
施工管理職と現場監督は同じ立場です。現場監督と呼ばれる資格はなく、施工管理技士の資格がある人が現場監督を担います。
また、一部の企業や現場では施工管理職の職務を事務と現場の業務を分離させて、「施工管理」と「現場監督」と職務と担当者を分ける事も行われます。
建設現場の規模によって、配属されている現場監督の人数も異なってきます。そして組織を維持するためには、同じ現場監督であっても、指示系統を明確にする必要があります。

1-3 現場組織の役職やその他の責任者

現場組織は以下の役職・肩書の序列になっています。規模の大きい現場は数百人単位の職人が工事に関わるため、指示命令系統が機能しないと業務効率が著しく低下してしまうだけではなく、安全面での配慮が不足するリスクが増加してしまいます。そのため、現場組織では指示命令が適切に行き届くように役職・肩書の序列が明確に機能しています。

1 所長
2 工事長
3 主任
4 係員

所長が工事長に指示を出し、工事長が主任や係員に指示を出します。また、その他の責任者として“職長”や“現場代理人”や“主任技術者”等もあります。ここで、それぞれの名称について解説します。

◯所長

所長

所長は、その建設現場のトップに位置する最高責任者になります。会社でいえば「社長」になります。現場における権限は大きいのと同時に、責任も大きくなります。
所長の仕事は、求められた建設物や建築物を求められた期間と費用内で完成させるための“管理”になります。

  • ・原価管理…受注総額に応じて実行予算を構築し、必要な利益を出すために建設・建築の原価を管理します。原価管理を失敗すると、必要な利益が出ない場合や、発注者へ追加費用を求める事になってしまいます。
  • ・契約管理…締結している契約の約款や諸条件と、実際の建設・建築現場の状況を合致させていきます。
  • ・工程管理…現場全体の最適な作業順序に応じて、資材の搬入タイミングや人員数や配置を調整していきます。

所長は全体のマネジメントを行うため、大きな現場になると現場の工事を行う職人に直接指示を出す事は少なくなっていきます。主任などの現場監督に指示を出し、組織全体を動かしていく事が求められます。

所長に求められる能力に“求心力”があります。現場という組織は、常に数年一緒に働く集団ではありません。お互い初めて現場で会うような人も多くなります。
そんな状況下でも組織や集団として、“良いものを作りたい”という思いを職人の一人一人が持てるようにすると良い現場になります。そのためには、現場の雰囲気も重要な要素になります。

現場の雰囲気をつくるのは、所長の働きかけによるところも大きくなります。職人から所長が慕われる事で、「この所長と一緒に良い仕事をしよう」という職人たちの想いが一丸となって組織力の向上が図れます。

〇現場代理人

現場代理人

現場代理人は、仕事の依頼を請けた受注企業を代表して建設現場に入っている人をいいます。そのため、受注者のほぼ全て*の権利を有しているため、その現場の代表する人になります。一般的には現場代理人は現場所長と同一人物として兼務しています。
所長は一般用語であるのに対して、現場代理人は建設業法に規定されている名称になります。
なお、現場代理人は主任技術者や管理技術者や専門技術者は、これらを兼ねる事が出来ます。

*『請負代金の変更』『請負代金の請求と受領』『工期の変更』などの権限は現場代理人にはありません。

〇工事長

工事長

建設現場において、所長の次に位置する役職者になり、担当現場において最も責任がある立場になります。

具体的には、部下にあたる施工管理担当者(主任や係員)へ工事が適切な工程で進むように指示・教育を行っていきます。所長より現場に近いため、具体的な工事の進行状況を観察し、作業の抜け漏れや遅れが発生していないか部材が計画通りに搬入や製作がされているかを監督します。

また、発注者や設計者との打ち合わせも密に行う機会が多いため、比較的現場の職人へ直接指示を出す機会は少なくなります。

設計者と工程表や設計図を基に打ち合わせを重ねて、数か月単位の工事計画を作り上げて指示や発注を行います。また、人員配置を行う事で各職種のプロフェッショナルなスキルを集結させて、建設物を作り上げていきます。

さらに、工事長は主任や係員といった将来を担う施工管理者を育成するという重要な仕事もあります。自らがだした指示を主任や係員が効率的に実施して、求めた結果を獲得しているかを確認していきます。そして上手くいかない場合には、部下の行動を修正・補足します。

〇主任と係員

主任と係員

現場で10年前後の施工管理者としてのキャリアを積んでいった係員が昇格するのが一般的です。主任は工事長と異なり、基本は現場に張り付きます。その上で、現場の状況をチェックし、工事それぞれが適切に指示通りに行われているかを管理していきます。

現場で活躍する主任には、常に建設会社や建設機器や資材の最新技術や情報に立ち遅れないような、情報収集と自己学習が必要になります。
主任が行うのは、主に“安全管理”と“環境管理”と“品質管理”の3つの管理になります。

安全管理とは、工事の基本である安全を適切に管理していきます。具体的には、現場作業の点検や、問題点の是正措置などを行います。また、日々の仕事として職人との朝礼やKY活動や現場に入る職人向けの研修・教育などを行います。
環境管理とは、産業廃棄物の処理などになります。現場で発生する廃棄物の分別を徹底し、産業廃棄物処理業者へ処分を委託していきます。これらの産業廃棄物の処理に関わる一連の作業が適切に実施される事を管理します。

また、工事現場の周辺の環境へも配慮し、騒音や振動に対する対策を講じます。
品質管理とは、主に“出来形管理”と“材料の品質管理”に分ける事が出来ます
出来形管理は、工事施工が設計図通りの形状寸法に合致する事を管理します。品質管理では、工種毎に設定された品質管理項目があります。その項目を検査と検査結果データを管理します。建設や建築現場で工事後に撮影されている写真が品質管理のための記録写真になります。

管理項目が膨大になるため、事前に管理対象と管理のタイミングを考えてリストアップを行っておくのが一般的です。

係員は、現場で職人と最も近い位置で業務を行う施工管理者になります。日々の作業内容を伝達する事や作業の円滑化のための調整を行います。発生する事象にタイムリーに対応して解決していく事が求められます。また、解決できない問題については即座に主任へ連携していきます。

〇職長

職長

建設現場ではヒトやモノや資機材が絶え間なく流動的に変化しながら動き続けるため、危険や有害要因も変化し続けます。そのため、安全面を考慮するなら作業全体を監視・監督する事が求められます。

職長とは、建設現場で部下を直接指揮監督するための指揮監督権を有した、作業の直接の責任者をいいます。なお、職長は所長や工事長などの会社内の役職ではありません。指揮監督権は、職長教育を受講した場合においてのみ有する事が出来ます(安衛法第60条)。
職長は建設現場において事業者と職人を結ぶ立場の統率者になります。また、現場の第一線で活動をしながら、災害防止に努める主導者になります。具体的には以下の6つの管理を行う事が求められます。

安全さを求める“安全衛生管理”と、クオリティが高いものを求める“品質管理”と、よりスピーディになる事を求める“工程管理”と、よりコストを抑える“原価管理”と、建設を行う事で生じる廃棄物の適正な処理などを求める“環境管理”と、明るい工事現場を作り上げる“人間関係管理”があります

これらの職長の6つの管理項目の中で最も大きく注意を払う事が求められている業務が、安全衛生業務となっています。それは、自分の部下の安全を確保する必要があるからです。また、労働安全衛生法に違反行為があった場合には、事業者責任の実行責任者として責任を問われる立場である事は覚えておく必要があります。

〇主任技術者

主任技術者

主任技術者とは、建設業法により工事現場に必ず配置する事を求められる技術者をいいます(法第26条)。元請や下請けなどや、工事受注額の大小も関係なく、全ての工事現場に配置が義務付けられています。なお、主任技術者は現場で活動する事が求められているため、複数の現場を兼務する事は出来ず、一つの営業所に勤務する事が求められます。また、元請または下請け会社の恒常的な正社員である事も求められます。つまり、スポットの正社員や派遣社員などでは主任技術者にはなれません

なお、下請契約の請負代金が3,500万円*以上になる時には、主任技術者の上位資格になる管理技術者を置く必要があります(平成28年6月金額要件が引き上げられています)。なお、管理技術者を置く場合には、主任技術者を置く必要はありません。

主任技術者は、建設工事を適切に実施するために以下の職務を行う事が求められます(建設業法第26条の3)。

  • ・建設工事施工計画の作成
  • ・工程管理
  • ・品質管理
  • ・その他の技術上の管理
  • ・従事する者の技術上の指導監督

主任技術者になるには、実務経験を修了している課目によって3年から10年**が必要になります。また、職種によって必要な資格は異なりますが、2級建築施工管理技士や2級土木工施工管理技士の資格などが求められます。

*工事の種類が建築一式工事に該当する場合には、金額部分は変わり“7,000万円以上”になります。
**高等専門学校で指定学科を修了、または大学における指定学科を修了している場合には実務経験が3年になります。高校の指定学科を修了している場合には5年以上になります。また、それ以外の学歴の場合には、10年以上になります。

1-4 現場以外

現場以外

現場以外の事業所や営業所にも建設の仕事はあります。代表的な職種として、『設計』と『営業』について解説します。

◯設計

図面を作成する事が仕事になります。建築における設計を建築設計といいます。一級建築士や二級建築士などの建築士がいます。
設計の決定の流れは、発注者の要望と構造上必要な条件を満たした基本設計が作成されます。その基本設計をもって発注者の設計の合意を得ます。この段階で契約を締結するパターンが多くなっています。

基本設計の合意後は、詳細設計を作成します。
詳細設計とは、設計に沿って工事を実施するために必要な詳細な情報を落とし込んだ設計をいいます。

なお、設計は以下の3つに分かれます。

設計

  • ・意匠設計…発注者からの要望をヒアリングし、建築の間取りやデザインや必要面積*を設計します。建築は意匠設計からスタートします。予算と要望のバランスをとり、基本的な設計を決定します。
  • ・構造設計…耐震のための構造強度の確保や、建築物に必要な構造を確保するための設計になります。構造設計は「構造計算**」と「構造計画」と「構造図」の3つの作成・実施が義務化されています。意匠設計とともに必要となる柱や壁の大きさや位置など構造上の必要条件に合致しているかを基本設計の段階から確認していきます。また、詳細設計の段階においては構造計算**を実施します。
  • ・設備設計…空調や光や配管などの生活や施設の利用をする上で必要な設備を設計します。

なお、意匠設計にはデザイン力や提案力が必要になるため、美的感覚や全体像を作るイメージ力やコミュニケーション能力が求められます。一方、構造設計は必要とされる構造強度をいかにして建築物に持たせるかという、解析能力が必要になります。そのため、物理学や力学や建物の基礎となる地質や地盤や素材強度などの理解が求められます。

*必要面積とは、人が生活するのに必要とする面積をいいます。国土交通省が公表している基準になります。
**構造計算とは、構造設計の主要業務になる、建物の安全性を検討・確認するための計算になります。具体的には、荷重計算と応力計算と変形計算と断面算定などの計算を行います。

◯営業

建設の注文は官庁と民間に大分しますが、官庁と民間で建設会社の営業も部門を分けている事が一般的です。

官庁の仕事は一般的には入札を経て発注されます。入札とは、仕事内容と契約内容を公示したうえで、複数の事業者から契約条件を広く受け付けます。その契約条件の優劣により、どの業者に発注するかを決定する注文先の選定方式をいいます。また、入札によって目的の契約を受注する事を“落札”といいます。

入札を行う背景には、適正な契約の選定を公正に行う狙いがあります。そのために官庁が発注する公共事業においては、入札に参加する業者を限定しない“一般競争入札”によって受注業者を決定する事になります。一般入札は価格勝負になるため中小企業にも受注チャンスがあります。一方で価格競争が行き過ぎると受注業者に必要な利益が確保できない状況になります。

公共工事の受注業者を決定する入札方法を大分すると一般競争入札の他に“指名競争入札”と“随意契約”の3つに分ける事が出来ます。その中でも公共工事の入札において最も利用されている入札方法は公平性・公正性が高い一般競争入札になります。

  • ・指名競争入札とは、発注側が指名した複数の企業の中から最も有利な条件提示を行った企業へ発注する入札方法になります。指名する企業は、工事の規模や種類によって企業評価に基づく指名基準に則って行われます。一般競争入札との大きな違いは、依頼者からの入札参加の指名がないと、入札に参加できない点になります。
  • ・随意契約とは、入札などを行わず発注先を決定する、入札の例外的な方法になります。但し、随意契約であっても複数企業から見積もりを取得する事が一般的です。また、選定される企業についても過去の落札や工事実績がある企業を対象とする事で、選定プロセスを簡素化する事を目的とする場合がほとんどになります。

民間の営業は、一般企業を相手にする営業が主になります。建設になると機会がそれほど多くない事もあり、ターゲットとなる法人顧客を見つけたら足しげく通うなどの地道な努力が必要になる事が多いです。また、地主などの土地や資金がある個人に対して、マンション建設の提案を行う事もあります。

また、ハウスメーカーには個人に新築住宅の提案・営業を行う営業スタッフもいます。公共工事の入札などとは異なり、個人の新築住宅の提案には購入を検討する人に親身になる事が求められます。家を購入する場合は、投資目的などでなければ一生に1度の買い物になるため、信用される相手から購入したいという思いに応えらえる人間性と幅広い知識が必要となります。

2 建設業で働くメリット・デメリット

建設業で働くメリット・デメリット

どの業界で働く場合にも共通して、その業界に合うか合わないかという個人的な感覚があります。相性の良い業界で働くことが出来れば、転職した場合でもそのキャリアは同じ業界では有効に活用する事が出来ます。

一方で、業界とあわない感覚を持つと、転職する場合には業界を変える事になります。そうなると、今までのキャリアは役に立たない場合も発生してきます。また、キャリアを失いたくない場合には、合わない事への我慢を続ける必要があり、精神衛生上よくない状況になってしまいます。

建設業で働く主要なメリットは以下の3点になります。

建設業で働く主要なメリット

  1. ①需要が無くなりにくい
  2. ②業界内の転職は比較的簡単
  3. ③人に自慢できる仕事が出来る

2-1 需要が無くなりにくい

現代は、ITサービスの発展などから既存のビジネスの需要が取って変わられる時代です。世の中に絶対はありませんが、衣食住の住を担う建設業の需要は簡単には取って変えられるものではありません

また、現在の日本においても公共事業等で作られた生活インフラの保守・メンテナンスなども引き続き必要になります。ITの発展は建設業の仕事のやり方を発展させる事はありますが、その需要自体が引き続き継続する事が予想されます。

2-2 業界内の転職は比較的簡単

建設業のキャリアと資格は業界内の転職において非常に有効です。人手不足が継続していたこともあり、キャリアと資格があれば建設業界内では人手は流動的でした。しかも、2019年4月から本格スタートした建設キャリアアップシステムは、建設業界全体でデータベース化したキャリアや資格を適正に評価していこうという仕組みになります。まだ始まってから十分な時間が経っていませんが、正しく機能すれば業界内の転職やステップアップに非常に有効になる事が期待できます。

2-3 人に自慢できる仕事が出来る

人に自慢できる仕事が出来る

建設業界の仕事は、長い時間存在し続ける建物などを作る事が出来る仕事です。例えば、2020年の今年に開催される東京オリンピックの開会式と閉会式が行われる“オリンピックスタジアム(旧国立競技場)”は、世界中の人の記憶に残る可能性の高い施設です。そのような施設の建設に関わることができればモチベーションアップにつながるでしょう。

また、規模の大小に関わらず何かを作り上げるという事が建設業で働く人にとっての誇りであり、自分が携わって完成した建物を見る事は喜びになります。

一方で、主要なデメリットは以下の2点になります。

建設業で働く主要なデメリット

  1. ①景気に影響を受けやすい
  2. ②忙しい時期や厳しい現場もある

2-4 景気に影響を受けやすい

建設の発注者は、官公庁と民間に大分されるという事は前述のとおりです。建設案件は1件あたりの単価が高額になるため、景気が悪くなると依頼が滞りやすくなります。大手ゼネコンであってもその影響を回避する事は難しい状況です。

但し、建設業の中でも大和ハウス工業や積水ハウスといった単価がビルやマンションなどと比較して単価が小さいハウスメーカーは建設業の中では不景気の影響を受けにくいと言えます。

2-5 繁忙期が多い

繁忙期が多い

過去に比べると建設業界で従事する環境は改善されてきています。特に社会保険の加入率などは他の業界と遜色が無い状況になっています。

しかし、期末に向けて現場も忙しくなる傾向は引き続き継続しています。また、建設現場は天候による影響を受ける事もあります。そして、受注した金額から利益を差し引いた金額が建築予算になるため、受注金額が適切でないと現場にしわ寄せが来てしまう事もあります。

一方で、納期遵守は求められるため、工期が迫って工程が計画より遅れている場合などは残業が続く事や週1回の休みが続くなどという事もあります。

3 まとめ

建設業界は幅広い職種があり、またその職種の中で経験を経ていく事と資格を取得する事でキャリアを積み上げていける業界です。また、現在も需要はありながら人材不足を課題としている業界であるため、業界内の転職は比較的やりやすいという事もあります。

また、後世に残るような建設に携われるチャンスがあるという点では夢のある業界とも言えます。ぜひ、建設業界に興味を持っている方がいたら、もう一歩足を踏み出してみてはいかがでしょうか。

建設業許可申請が全国一律76,000円!KiND行政書士事務所:東京