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建設業者の方必見!産業廃棄物の収集運搬業許可を取るメリットや方法を徹底解説

産業廃棄物とは事業活動に伴って生じる廃棄物で、建築現場で発生する産業廃棄物を処理場へ運ぶための許可が、収集運搬許可になります。建設業を営む場合、産業廃棄物の収集運搬業許可は対外的な社会的信用が増したり、仕事の幅を広げたりできるなど、ほぼ必須になりつつあります。

そこで今回は、産業廃棄物収集運搬業についての基本的な内容と、建設業にとっての収集運搬業の許可をとるメリットや取得方法を詳しく解説していきます。

1 産業廃棄物の収集運搬業とは

産業廃棄物の収集運搬業とは

産業廃棄物とは事業活動に伴って生じる廃棄物をいいます。産業廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物に分けられ、産業廃棄物に特別管理産業廃棄物があります。これらの詳細は公益財団法人日本産業廃棄物処理復興センター(JWセンター)のホームページで確認することができます。

また、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物をいいます。規定された20種類の廃棄物の中で、建設業に関わりが多い廃棄物が以下の4つになります。

  • ・がれき類…工作物の新築や改築や除去によって生じる(以下「建設業に係る」とする)コンクリートやアスファルトなどの破片等
  • ・紙くず…建設業に係る紙くず等
  • ・木くず…建設業に係る木くず等
  • ・繊維くず…建設業に係る繊維くず等

これらの建築現場で発生する産業廃棄物を処理場へ運ぶための許可が、収集運搬許可になります。産業廃棄物の収集運搬業は、事業として産業廃棄物を集めて運ぶことをいいます。

産業廃棄物の収集運搬業は以下の3点によって許可の必要性や、必要な許可が変わってきます。

産業廃棄物の収集運搬業の3点

①どこからでた廃棄物か ・事業者自身から出た産業廃棄物は、産廃業の許可がなくても自分で運ぶことができます。
②どんな廃棄物か ・一般廃棄物や産業廃棄物の中でも特別管理産業廃棄物は、それぞれ『一般廃棄物収集運搬業許可』と『特別産業廃棄物収集運搬業許可』が必要になります。
・市場的価値がある場合には、古物商許可が必要になります。
③積替え保管業務を含むか 産廃業の積替え保管業務を行う場合には、『積替え保管あり』という申請が必要です。積替え保管とは、運搬する産廃物を一時的に降ろして別の車両に積み替えや保管を行うことをいいます。積替え保管ありの許可があれば、積替え保管施設が設置できます。そのため、収集運搬業として運搬効率が向上させることができます。

具体的な運搬効率向上のポイントは以下になります。

・運送コストを抑えられる。

排出事業所から出た産業廃棄物が少ない場合でも小まめに廃棄物を保管場所まで運搬・保管でき、保管場所に一定量がたまった段階でまとめて処分所に運搬できます。
(積替え保管ができない場合には、排出事業所から処分所に毎回直接運搬が必要です。)

・有価物の選別と収集ができる

有価物とは、第3者にとっては価値がありうることができるものをいいます。産業廃棄物に含まれる有価物とは、具体的には鉄やアルミなどになります。これらの有価物を積み替え保管施設で、選別と収集が可能です。ただし、有価物の選別と収集には排出事業者の承諾合意が必要です。

しかし、一般的には積替え保管無しの申請が多くなっています。その理由として、積替え保管ありの許可要件に適合することが簡単ではないからです。具体的な許可要件の代表例は以下のようになります。

・2つの保管基準を順守すること

産廃物の保管をするためには、保管基準があります。それに加えて積替え保管施設を設置すると発生する保管基準があります。

・保管施設の設置についての事前協議を経ていること

保管施設の設置することで周辺の生活環境に影響がないかなど、適切な保管が実現を確認、協議します。地域によっては周辺住民の同意が必要な場合もあります。

・立地による法的制限に抵触しないこと

住居専用地域では、法的制限が非常に厳しくなっています。その他、建築基準法や山林法や河川法や文化財保護法などによる制限もあります。

1-1 産業廃棄物処理の許可概要

産業廃棄物収集運搬は、産業廃棄物処分と合わせて『産業廃棄物処理業』と区分されます。産業廃棄物処理業は、経済活動などによって環境や資源に与える負荷を軽減させる静脈産業と呼ばれます。

静脈産業は、“廃棄物の回収”から“再生資源・部品生産”し、“再生品の製造と販売”や“エネルギーの回収や供給”のビジネスサイクルをもつ産業をいいます。循環型社会の実現を目指して環境や資源問題への関心が高まっている現代の動きを反映して、今後の成長分野として発展が注目されています。

〇産業廃棄物処理業

日本の産業廃棄物排出量は、2018年度(平成30年)の推計で約3.75憶万トンになります。2017年が3.85憶万トンで前年比97.4%となります。過去の推移はほぼ横ばいになっています。

産業廃棄物処理業は、細かく業態やその許認可も分かれています。産業廃棄物処理業は、その収集運搬を担う『産業廃棄物収集運搬業』と運搬された産業廃棄物を処理する『産業廃棄物処分業』に分かれます

さらに、産業廃棄物収集運搬業は運ぶことができる『集積運搬』と保管することができる『積立保管』に分かれます。
産業廃棄物処分業も、『中間処理』と『最終処分』に分かれます。また、最終処分は『安定型』『管理型』『遮断型』の3つに分かれます。

〈産業廃棄物処理業の分類〉

産業廃棄物処理業 産業廃棄物収集運搬業 収集運搬
積替保管
産業廃棄物処分業 中間処理
最終処理 安定型
管理型
遮断型

〇産業廃棄物処理業の許可

産業廃棄物処理業の許可件数(平成29年4月1日現在)は、224,579件になります。以下は許可件数の内訳です。産業廃棄物処理業の中で、収集運搬業の積替なしの許可件数が182,417件(全体構成比81.2%)と高いことが分かります。許可件数の()内は前年度許可件数になります。

〈産業廃棄物処理業の許可件数〉

許可件数
1 産業廃棄物処理業(1-1 + 1-2) 204,132(198,279)
 1-1 収集運搬業(1-1-1 + 1-1-2) 190,943(185,037)
  1-1-1 積替なし 182,417(176,497)
  1-1-2 積替あり 8,526(8,540)
 1-2 処分業 13,189(13,242)
2.特別管理産業廃棄物処理業 20,447(19,857)
3.合計(1+2) 224,579(218,136)

詳細は環境省『産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許認可に関する状況』でも確認できます。

産廃物処理業の許可の種類は、以下の4種類に分類できます。

  1. ①産業廃棄物収集運搬業(廃棄物処理法法第14条第1項)
  2. ②産業廃棄物処分業(廃棄物処理法法第14条第6項)
  3. ③特別管理産業廃棄物収集運搬業(廃棄物処理法法第14条の4第1項)
  4. ④特別管理産業廃棄物処分業(廃棄物処理法法第14条の4第6項)

産業廃棄物が、特別管理が必要なものとそうではないものに分かれています。また、産業廃棄物の取り扱い方を『収集運搬』と『処分』に分けて許可が設定されています。

産業廃棄物の収集運搬(積替なし)の新規許可件数は、平成28年度で11,983件となっています。

1-2 産廃物収集運搬の許可要件

産廃物収集運搬の許可要件

産業廃棄物処理業の許可を得るためには、要件に適合することが必要です。許可の要件の大枠では次の2つになります。

  1. ①事業を継続的に的確に行う上で必要な『施設』と『申請者の能力』があること
  2. ②欠格要件に該当しないこと

つまり、産業廃棄物収集運搬の許可はその業を行う上で必要とされる『施設』と『申請者の能力』があって、『欠格要件に該当しない』ことが求められます

産業廃棄物収集運搬(積替なし)に関わる『施設』『申請者の能力』『欠格要件』の詳細は次の通りです。

〇施設

産業廃棄物収集運搬(積替なし)の施設においては、施設基準に合致した施設が必要になります。必要となる施設は、以下の3項目になります。

  • ・収集運搬を行う車両と容器
  • ・車両の駐車場
  • ・車両の洗車施設

また、施設基準は以下の事象が発生するおそれがないことが求められます。

  • ・飛散
  • ・流出
  • ・悪臭の発散

そのため、収集運搬する産業廃棄物に応じた車両や容器などの施設が必要になります。

〇申請者の能力

求められる申請者の能力は、事業を継続的に的確に行う上で必要になる以下の2つです。

  • ・知識や技術
  • ・経理的基礎

知識や技術は、講習会の受講を修了することで要件を満たすことができます。講習会は公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センターが「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物業の許可申請に関する講習会」を定期的に実施しています。

収集運搬の講習の受講には2日間必要です。開催は毎月日本各地で実施していて、例えば東京開催は2~3ヶ月に1度の頻度になります。講習会の申込は、webまたは郵送で実施できます。日程や会場などの詳細は日本産業廃棄物処理復興センターのwebサイトで確認できます(令和2年5月5日現在、新型コロナの影響で令和2年5月の講習会の開催ならびに6月以降の講習会申込の受付は実施されていません)。

〇欠格要件

欠格要件は、産業廃棄物処理に係る事業を適切に実施できない業者を排除することを目的に設定された条件になります。そのため、欠格要件に該当すると新規の許可が受けられないだけではなく、すでに取得した許可も取り消しになります。

欠格要件は、廃棄物処理法第7条第5項第4号ならびに同法第14条第5項第2号に規定されています。代表的な欠格要件は以下の通りです。

  1. ①会社ならびにその役員が、環境関連法の罰金刑を受けた場合または会社の役員が禁固刑または懲役刑を受けた場合
  2. ②会社ならびにその役員が、破産手続きの開始決定を受けて復権を得ていない場合
  3. ③会社の役員が、暴力団による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員である、又は暴力団員でなくなった日から5年を経過していない場合
  4. ④会社の役員が、欠格要件に該当した会社の役員を兼務している場合

・会社ならびにその役員が、環境関連法の罰金刑を受けた場合または会社の役員が禁固刑または懲役刑を受けた場合

環境関連法とは、廃棄物処理法や水質汚濁防止法などをいいます。環境関連法に違反して罰金刑を受けた会社ならびにその会社の役員は許可を得ることができません。

また、どの法律かに関わらず、会社の役員が禁固刑や懲役刑を受けた場合には欠格要件に該当します。交通違反や脱税などでも対象となります。また、執行猶予が付いた場合でも対象となります。また、有罪確定時点で欠格要件に該当したこととなり、有罪確定後の5年間はその欠格要件は継続します。

・会社ならびにその役員が、破産手続きの開始決定を受けて復権を得ていない場合
会社の役員になっている人物に対して、裁判所が破産手続きの開始手続きを開始した場合には欠格要件に該当します。

・会社の役員が、欠格要件に該当した会社の役員を兼務している場合
複数の会社で役員を兼務している場合、1つの会社で欠格要件に該当した場合にはそのほかの全ての役員を兼務する会社も欠格要件に該当することになります。

2 建設業が産廃業許可を取得するメリットとデメリット

建設業が産廃業許可を取得するメリットとデメリット

産業廃棄物収集運搬の許可を取得するメリットから見ていきましょう。

建設業が産廃業許可を取得するメリットとデメリット

2-1 下請け事業者としてはほぼ必須

建設業の下請け事業者として元請けから仕事を受けていく上で、産業廃棄物収集運搬の許可取得は大きなメリットになります。

建設現場では廃材やがれきなどの建設廃棄物が必ず出ますが、この建設廃棄物の排出事業者は『元請業者』になります。つまり、建設現場で発生する廃棄物は元請業者が適正に処理する責任を負います。

一方で、下請け事業者は排出事業者ではありません。そのため、建設現場での作業一切を請け負っていたとしても、産業廃棄物収集運搬業許可がない場合には運搬や処分を行うことができません。

仮に、許可がない下請け業者が運搬した場合には無許可運搬となり、元請業者と共に下記の罪に問われます。

  • ・下請業者は無許可営業違反として、3億円以下の罰金
  • ・元請業者は委託基準違反として、1,000万円以下の罰金

つまり、建設業において下請けに仕事を回す場合には、必須で「工事」と「産業廃棄物処理」の2つの許可が必要になります。

元請業者は建設と産業廃棄物の収集運搬のそれぞれを別の業者に仕事を回すことも可能です。しかし、産業廃棄物の収集運搬の許可を持つ業者であれば工事の材料を現場に運んできたトラックを活用して建設廃棄物を運搬するなどの建設現場の効率性を測ることができます。

また、解体工事などは多くの産業廃棄物がでます。これらの廃棄物には建設リサイクル法によって再資源化するために現場での分別が必要になります。そのため、工事を行う解体工事業者がこの分別や収集運搬を行うことが効率的になります。

これらの建設現場での効率化を考えて、一般的には工事と運搬は切り分けること無く同じ業者に発注されています。

2-2 仕事の幅を広げることができる

工事とセットに産業廃棄物の収集運搬許可を得ていることで、同業他社と差別化ができます。そのため、受注機会を増やすことが可能になります。

また、建設工事だけだと時期によって仕事量の大小の波ができますが、収集運搬業を行うことで仕事が少ない時に新しい仕事を受注することも目指せます。

2-3 対外的な社会的信用が増える

対外的な社会的信用が増える

収集運搬の許可があれば前述の要件をクリアしていることを示し、『真っ当な経営を行っている』という社会的信用にもつながります。社会的信用の有無は、仕事を受注する際や資金調達のために金融機関に融資申込を行う際に実感することもあります。

・経営が黒字を継続している

許可を得るためには、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を作成・提出する必要があります。さらに新規取得時点では問われませんが、許可の更新の際には経営が黒字であることが必要になります。つまり、赤字では更新ができないことになります。

・会社の役員に欠格要件に該当する人がいない

禁固や懲役刑の確定した者や破産してから復権を得ていない者や暴力団員がいないということを示します。

・安定的に仕事を受けやすい

下請け業者として仕事を受けていくことは、安定的に仕事を受けられる条件の一つになります。

2-4 新規での許可取得ならびに更新に手間と費用がかかる

新規の許可取得では手続きと費用がかかります。収集運搬業の許可は複数の都道府県をまたいで作業をする場合、作業を行う都道府県毎の許可が必要です。本店所在地を管轄する都道府県の許可を必要とする建設業の許可とは異なりますので、注意してください。

具体的には、東京都と神奈川県と埼玉県の1都2県で収集運搬業を行おうとすると、1都2県からの許可が必要になります。

新規の収集運搬業(積替え保管なし)の申請においては、各都道府県で設定された手数料が必要になります。東京都や神奈川県や埼玉県では新規の手数料は81,000円となっています。

なお5年に1回、更新の手続きが必要になります。更新の申請にも同様に手数料が必要です。更新手数料にはばらつきがあり、42,000円~73,000円となっています。

3 産業廃棄物の収集運搬業許可を申請する手順

産業廃棄物の収集運搬業許可を申請する手順

産業廃棄物収集運搬の許可は、都道府県知事に申請します。また、前述のとおり収集する建設現場の都道府県と運搬していく都道府県が異なる場合にはそれぞれの都道府県の申請が必要になります。

詳細は後述しますが、申請から許可が下りて事業を開始する迄には3ヶ月前後の期間が必要です。そのため、事業を行う範囲が都道府県をまたがることが予想できる場合には、複数の都道府県に申請を行っておくことが無難です。

3-1 申請の流れ

申請において、各都道府県にて窓口が異なります。必要書類や確認する部分が一部異なります。しかし、大枠の申請の流れは同じになります。

ここで大枠の流れを理解し、詳細については各都道府県の窓口に相談することを推奨します。なお、各都道府県のwebサイトでは必要書類や添付書類など詳細を確認できるようになっています。

申請の大枠は以下の3つのステップに分けることができます。

申請の大枠は以下の3つのステップ

  1. ①新規講習会を受講する
  2. ②申請を実施する
  3. ③許可を得て事業を開始する

ここではそれぞれ詳細を解説します。

①新規講習会を受講する

前述のとおり、日本産業廃棄物処理復興センターが開催する『産収過程』の講習会を修了する必要があります。講習は2日間実施され、費用は31,000円*になります。

なお、講習会をただ受講するだけで修了にはなりません。
受講後の修了試験に合格する必要があります。修了試験に合格すれば、修了証を受け取ることができます。修了証は講習会から10日前後で郵送されます。

もし、修了試験に不合格の場合には2回まで再試験を受けることができます。2回ともに不合格の場合には、講習会を再度申込から再受講する必要があります。

修了試験の合格率は8割程度になりますので、講習会をしっかり受ければ合格できます。

*Web申込の場合には500円割引になります。

②申請の実施

申請の流れは、『申請書の作成』と都道府県窓口へ『申請の予約』を行います。そして、実際に申請を行います。

申請の予約の連絡を行いながら、申請書類とその添付書類について問い合わせを行うことが抜け漏れを回避するためには得策になります。

詳細後述しますが、申請書類や添付書類は非常に多くなっています。また、運搬車両や容器の写真も必要となり、その写真の撮影方法等にも決まりがあるため必ず事前に確認することを怠らないようにします。

書類作成段階で余裕のある日程を組んで仮予約を行います。そして、申請書類とその添付書類が完成した段階で予約を確定します。

申請を実施する際には、申請書類等の確認や質問が行われます。そのため、書類を作成した人間が申請に行くことをお勧めします。
また、申請時には提出用と手元保管用の2部申請書類を用意します。

申請書類が受理されると、各都道府県での審査期間に入ります。審査には60日前後かかります。
そのため、審査時点で申請書類に不備が発見された場合には、さらに審査に時間がかかります。

産業廃棄物収集運搬業の新規許可の申請書類は、以下の5つに分けることができます。

  • ・申請書類
  • ・申請者に関する添付書類
  • ・財政能力や技術的能力に関する添付書類
  • ・施設に関する添付書類
  • ・その他の添付書類

詳細な必要書類は以下のようになっています。

No 必要書類
≪申請書類≫
1 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
2 事業計画概要
3 運搬車両のカラー写真
4 運搬容器等のカラー写真
5 事業開始時点で必要とする資金の総額とその調達方法
6 誓約書
7 (個人事業主のみ)資産調書
≪申請者に関する添付書類≫
8 定款コピー
9 法人登記履歴事項全部証明書*(交付日から3ヶ月以内のものを用意する)
10 主要人物(監査役や顧問などを含む会社役員と持株比率が5%以上の株主や政令使用人***など)の住民票謄本**(交付日から3ヶ月以内のものを用意する)
11 主要人物の成年被後見人等に該当しない旨の登記事項証明書等
12 政令使用人がいる場合には、政令使用人に関する証明書
13 他の都道府県において許可されている産業廃棄物に関わる許可がある場合には、その許可証のコピー
≪財政能力や技術的能力に関する添付書類≫
14 貸借対照表(直近3年分)****
15 損益計算書(直近3年分)****
16 株主資本等変動計算書(直近3年分)****
17 個別注記表((直近3年分)****
18 法人税の納税証明書(直近3年分)****
19 講習会修了証コピー
≪施設に関する添付書類≫
20 使用する全車両の自動車検査証コピー
≪その他≫
21 委任状(他社に申請書の作成を委任する場合で、かつ必要な申請書が揃っていない場合や許可証受取を委任する場合などには必須になります。

*株主が法人の場合で、かつその持株比率が5%を超える場合には、その株主である法人の登記履歴事項全部証明書も必要になります。
**本籍の記載があり、マイナンバーの記載がないものが必要です。
***廃棄物処理法における政令使用人とは、以下の3種類になります。
・本店代表者
・支店代表者
・継続的に業務を実施する施設において廃棄物処理委託契約等を締結の権限を有する場所の代表者
****設立してから1回目の決算がまだ確定していない場合などは、No14~18は不要になります。代替として、開始貸借対照表(会社法台435条または第617条に規定)を提出します。
また、個人事業主も同様にNo14~18は不要になります。

③許可を得て事業を開始する

申請が許可されると、許可決定となり『許可証』が交付されます。許可証の交付には、事前連絡の有無やその受け渡し方法は地域差があります。

許可証の交付後に、申請している全ての収集運搬車両へ必要事項の表示を行います。必要事項は以下の3点になります。

  • ・社名(略称やサービス名ではありません)
  • ・産業廃棄物の収集運搬車両である旨
  • ・交付された許可番号(下6桁以上)

なお、表示方法には制限がありません。マグネットシートや直接塗装等で行うのが一般的です。

表示には以下の表示基準に準じて行うことが求められます。

  • ・『産業廃棄物の収集運搬車両である旨』の表示は5㎝以上、それ以外の社名と許可番号は3㎝以上で表示する。
  • ・見やすいこと
  • ・鮮明であること
  • ・両側面に表示すること
  • ・識別しやすい色で文字を記載すること

表示が隠れてしまうと、表示義務違反になるので注意が必要です。

この表示を行った後に、収集運搬業の事業を開始することが可能です。

3-2 申請書類の詳細

申請書類の詳細

申請書類は各都道府県のホームページ等にフォーマットならびに記載方法について説明があります。実際に申請書類の準備をする際にはホームページで確認し、不明な点があれば問い合わせをしましょう。

なお、申請書類の中で作成に時間が最もかかるのは『事業計画の概要』になります。この書類は、これから取得する産業廃棄物収集運搬業をどのように運営していくかという計画・予定を記載するものです。

新規での申請は、実績がないことを前提とするためあくまで予定している計画を記載することで問題ありません。しかし、5年後の更新があるため、実態と大きく異なると更新の際につじつまが合わなくなり、苦労します。

また、審査の段階で確認や問い合わせが入る部分になります。想定できる範囲で現実可能で、建設業とその工事内容における一般的な内容であることが望まれます。

建設業の工事内容によって発生する産業廃棄物はある程度絞られます。その絞られた産業廃棄物の取り扱いができるように、業務内容を計画し、運搬車両や運搬容器や必要人員数などの具体的なイメージが取りやすくなっていきます。

事業計画の概要で記載する事項は以下の通りです(各都道府県の必要項目は異なります)。

①事業の全体計画像
②取り扱いを行う予定の産業廃棄物に関する種類と運搬量などの情報
③運搬施設に関する概要
・運搬車両の詳細情報
・事務所所在地
・駐車場所在地
・運搬容器の詳細情報
④収集運搬業務の計画
・業務内容
・業務時間(休業日を含む)
・従業員人数と役員や運転手などの内訳
・車両毎の用途(異なる場合)
⑤環境保全措置
・収集と運搬時に講じる処置

4 まとめ

全ての建設工事業者に産業廃棄物収集運搬業の許可が必要というわけではないですが、今後、東京オリンピックの建設需要が落ち着いてくる2020年以降に確実に仕事を確保する際に、その必要性が高まってくるでしょう。なお、申請書類の準備や手続きが手間に感じる場合は外部の専門家に委託することも検討することも大切です。

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