建設業のやりがい・魅力とは?建設業界に就職するメリットを紹介!
建設業界の需要は今後さらに高まると見込まれていますが、技術者の高齢化や継続的な人手不足の問題が深刻です。しかし、建設業の仕事にはさまざまなやりがいや魅力があります。この記事では建設業のやりがい・魅力、建設業に向いている人の特徴、建設業界の現状と今後の課題等について解説するので、参考にしてみてください。
目次
1 建設業界にはどんな分野がある?
建設業の仕事はとても幅広く、道路や学校・ダム・トンネル・病院などすべての人に関わる施設や設備をはじめ、災害防止のための工事や人々の生活には必要不可欠となる住居など、さまざまなものを作っています。
具体的な建設業界の分野には、以下の3つの形態があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
1-1 ゼネコン
ゼネコンとは「ゼネラル・コンストラクター」の略で、総合請負業者となります。建設業界における建設会社として、各種土木工事や建築工事・設備工事などを元請会社として発注者から直接請け負う企業です。
国や地方自治体・企業から建設業務を請け負い、商業施設や超高層ビル・橋やトンネル・タワー・駅や鉄道などの建築を行っています。
<施工例>
市役所・美術館・トンネル・テーマパーク・駅・ダム・ホテルなどの建設や設備
1-2 ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、個人向け住宅(戸建て・マンション・アパート)の設計や施工・販売を行う企業です。住宅メーカーなどとも呼ばれており、正式な定義はないとされています。
独自のブランドを持って全国展開をしていますが、販売を最優先にしている企業が多く、基本的には施工をするのは下請けである工務店などで行います。
会社によっては、販売だけではなく点検やリフォームまで対応しているところもあり、家に関するすべてのことを相談することができます。また、家の規模や間取りが規格化されているので、工期が短いのが特徴です。
<ハウスメーカーの例>
セキスイハウム・ダイワハウス・タマホーム・ミサワホーム等
1-3 工務店
工務店は、比較的狭い営業エリア内で地域密着型の建設会社が多く、個人向けの注文住宅やリフォームなどを行っている企業です。地域密着型であることから、困ったことがあった場合にも素早い対応が期待できます。
規格化しているハウスメーカーとは異なり、住宅のデザインを自由に決めることができるため、理想の家を建てることができます。また、住宅を建てる際は施工主(顧客)と話し合いながら家を建てます。
2 建設業のやりがい・魅力とは?
建設業界の仕事は「3K(きつい・危険・汚い)」のマイナスイメージがありますが、たくさんの魅力とやりがいがあります。
それでは、建設業の魅力とやりがいを7つ紹介していきます。
2-1 社会貢献ができる
建設業の仕事は、建物や公共設備などの街づくりでもあります。自分の仕事で街が豊かになり、災害や事故から人々を守ることに繋がっていることから、社会貢献ができる仕事だといえます。
このことから、社会貢献に繋がる仕事がしたい・自分の街をより豊かにしたいと考える人には、とてもやりがいのある職業です。
2-2 自分の仕事が地図に残る
建設業がつくる大きな建物や橋・道路などは、多くの人々が日常で利用するものです。ビルや施設は、仕事場や学校・誰かと会う場所になります。自分が建築の仕事に携わった建物や施設は地図に残り、この喜びは建設業従事者の多くの人のやりがいとなっています。
地図に残るような大きな建物や道路などの建設は、決して簡単な仕事ではありません。しかし、苦労した分や長期間携わった仕事を終えたときの達成感は、大きなやりがいとなります。
また、自分が携わった建物が自分の子供や孫の世代まで残る感動は、建設業でしか得られないものです。
2-3 ビックプロジェクトに携われる
建設業の仕事には、駅の開発や高速道路のリニューアル工事・テーマパークの建設などのビックプロジェクトがあります。大規模な建築物の工事に携われるということは、モチベーションの向上・レベルアップに対する原動力ともなります。
また、大規模商業施設や大規模開発・地図に残るような仕事は、人々の生活を支えるとともに、人々が安全快適に過ごせる建造物を提供することができます。
2-4 手に職がつく
建設業の仕事は、経験を積むほど職人の技術が磨かれていきます。腕の良い職人になれば、さまざまな現場の仕事ができるようになり、どの会社にいってもやっていくことができます。
また、建設業界は人手が足りていないことや、資格や経験年数が必要になることから手に職をつけてしまえば引手数多なのはもちろんですが、独立して企業をしたり、1人親方になることで大きな収入にも繋がっていきます。
手に職をつけて独立をしたいと考える人には、建設業界の仕事は最適だといえます。
2-5 チームで物事を成し遂げる喜びを得られる
建設業の仕事は多くの企業や人々が関わっており、ひとつのチームとなって建設物を作り上げています。技術力も必要ですが、チームワークに必要な協調性やコミュニケーション能力が大切となります。
チーム一体となって建設物を作ることで、従業員やその他の企業の人達とも絆が生まれ、一緒に物事を成し遂げた喜びを感じることができます。このことから、人が好きな人や、人と関わりながらものづくりをしたい人に最適な職業といえます。
2-6 ものづくりの楽しさや達成感がある
自分の手で何かを作るのが好き・作りたいと思う人にとって、建設業界での仕事は理想の職業です。建設業の仕事は、建物など建築物をつくる仕事のため、自分の手で実際に建築物ができあがったときの楽しさや感動を得ることができます。
このことから建設業の仕事は、ものづくりが好きな人にとっては、自分の仕事の価値を実感できるとともに、達成感を味わえる職業だといえます。
2-7 海外進出の可能性もある
日本の建築技術は世界でも注目されており、東南アジアやヨーロッパでも活躍している建築技師は数多くいます。そのため、建設業界の会社でも海外事業部や国際部など、海外向けのサービスを展開しているところもあります。
このことから、海外事業に力を入れている建設業の会社で実績を積み、成果をあげることで海外進出のチャンスがあるといえます。
3 建設業界の新3K
「3K」とは「きつい・危険・汚い」の頭文字を取った言葉で、「3K職場」「3K職種」とも呼ばれています。近年では「厳しい・帰れない・給料が安い」の意味もあるますが、この3Kが人手不足の要因のひとつでもあることから、イメージ払拭を目的として「新3K」に向けた取り組みが進められています。
また、建設業界の各会社でも独自の新たな定義を作り上げるため、イメージ向上を目的とした取組みが行われています。
3-1 新3Kの定義
「新3K」の定義である「給料・休暇・希望」ですが、この3つの定義について国土交通省が実施している取り組みについて解説していきます。
<給与に関しての取り組み>
1.「労働費見積もり尊重宣言」促進モデル工事
- ●日建連による「労働費見積もり尊重宣言」を踏まえ、下請け企業からの労務費見積を尊重する企業を、総合評価は成績評定において優位に評価
- ●R2.1月より大規模工事を対象に、関東地整で先行的にモデル工事を発注
- ●R2年度は全国でモデル工事を発注(促進モデル工事/約20件)
2.CCUS義務化モデル工事等
- ●新たに、一般土木(WTO対象工事)において、CCUS活用の目標の達成状況に応じて成績評定を加減点するモデル工事を発注
(R2年度の義務化モデル工事/約20件:活用促進モデル工事/約20件) - ●R2.1月より大規模工事を対象に、関東地整で先行的にモデル工事を発注
- ●R2年度は全国でモデル工事を発注(促進モデル工事/約20件)
<休暇に関しての取り組み>>
1.週休2日対象工事
- ●週休2日の確保状況に応じて、労務費等を補正するとともに成績判定を加減点する「週休2日対象工事」を発注
(これまでの実績/H28年度165件/H29年度1,106件/H30年度3,129件/R1年度4,835件) - ●R2年度は原則すべての工事を「週休2日対象工事」として広告
2.適正な工期設定指針
- ●適正な工期を設定するための具体的、定量的な指針をR2,3年に策定・公表
-
【主な内容】
- ●施工実日数のほか、準備・後片付け期間、休日、天候等を考慮
- ●余裕期間制度の原則活用
- ●受発注者間の工事工程の共有
<希望に関する取り組み>
1.I-Constructionの推進
- ●建設現場の生産性を向上するために、必要経費の計上とともに総合評価や成績評定を加減点する「ICT施工」を発注
(これまでの実績:H28年度584件/H29年度918件/H30年度1,105件/R1年度2,132件) - ●その他、BIM/CIM活用、規格の標準化、施工時期の標準化、新技術の活用などを推進
2.中長期的な発注見通しの公表
- ●改正品確法を踏まえ、R2年度より中長期的な工事発注見直しを作成・公表
3.誇り・魅力・やりがいの醸成
- ●建設業のリブランディングに向けた提言をR2.1年にとりまとめ
3-2 新3Kの実現には
建設業界では、2024年4月1日から時間外労働に対する上限規制(原則として月45時間、年間360時間)が適用されます。
「新3K(給与・休暇・希望)」を実現するためには、2024年4月までに建設技術者の技術や経験などを積んでいき、さらなる人材確保に向けて労働環境や処遇の改善を行うことが重要です。
このように、建設業界の各企業が新3Kの実現に向けて積極的に活動をすることで、建設業界全体の新3K実現を目指すことに繋がっていくといえます。
4 建設業界に就職するメリット
つぎは建設業に就職するメリットについて解説していきます。
建設業界に就職するメリットは以下の4つです。
- ●高収入が期待できる
- ●仕事が安定している
- ●業界内で転職しやすい
- ●資格やスキルが身に着く
それぞれ詳しく解説していきます。
●高収入が期待できる
建設業界の平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査結果により約500万円となっています。この数字は、全業界の平均年収を大きく上回っているため、建設業界の収入は高収入であるといえます。
また、建設業界では比較的若い年齢から高収入を得やすい傾向にあります。技術の向上や資格を取得することで、さらに収入アップを狙うことが可能です。
●仕事が安定している
建設業の仕事は日本各地で行われており、個人からの依頼から公共事業・国からの依頼とさまざまです。人々が生活するうえで必要不可欠である施設や道路などの工事も建設業界の仕事であることから、仕事がなくなる心配がなく安定しているといえます。
最近では仕事の簡素化や機械化なども進んでいますが、機械ではできない人の手による技術に関しては今後もなくなる心配はありません。また、建築のみでなくリフォームなどの需要が増えていることから、身につけた技術をさまざまな場面で活かすことができます。
●仕事が安定している
2019年4月からスタートした建設キャリアアップシステムにより、建設業界全体でデータベース化したキャリアや資格を適正に評価していこうという仕組みになっています。このシステムがこれから正しく機能していけば、業界内での転職やステップアップに非常に有効になるといえます。
●資格やスキルが身に着
建設業界での仕事は、誰でも簡単にできるようなものではなく、専門的な知識や技術が必要になります。現場での作業に必要な技術や図面などの設計、施工管理など各種作業を行っていくことで、さまざまなスキルを身につけることができます。
5 建設業界に就職するデメリット
建設業界に就職するデメリットは以下の3つです。
- ●仕事量が多い
- ●景気に影響されやすい
- ●プレッシャーが大きい
それぞれ詳しく解説していきます。
●仕事量が多い
建設業界のデメリットのひとつとして、仕事量の多さが挙げられます。工事には工期が設けられていますが、建設業界での人手不足により人手が足りていないなかでも決められた日時までには必ず完了しなければなりません。
また、地盤の状況や部材の納入遅れなど、さまざまな問題が起こることも珍しいことではなく、予期せぬ仕事が増えて労働時間が長くなるケースもあります。
労働環境は改善傾向にありますが、携わるプロジェクトにより臨機応変な対応が求められます。
●景気に影響されやすい
建築の仕事は受注生産になるため、景気が良ければ注文が増え、景気が悪ければ注文が減ります。このことから、景気に影響されやすい職業といえます。国からの投資はあるものの、常に期待できるものではないこともあり、景気により売上が変動することは避けられません。
●プレッシャーが大きい
建設業界の仕事は、基本的に納期厳守です。体力的な負担だけでなく大きなレッシャーとなり、精神的な負担を感じることがあります。また、事故が起きた際には命に関わる場合があることも理解しておく必要があります。このようなことがプッシャーとなり精神的な負担にならないか、自分のなかで認識しておきましょう。
6 建設業界で役立つ資格
建設業界で働くうえで業務の幅が広がるなど、役に立つ資格や検定は以下のとおりです。
国家資格 | 民間資格 |
---|---|
建築士 | 基礎施工士 |
電気工事士 | 再開発プランナー |
とび技能士 |
それぞれ詳しく解説していきます。
<国家資格>
6-1 建築士
建設業界にかかわる資格で、最もメジャーであるのが建築士です。建築士には「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類となり、それぞれ扱える建物の規模が異なります。
「一級建築士」は面積や高さなどの制限が一切ないため、オリンピックなどの大規模な会場や大型シッピングモールなどの建設に携わることができます。ただし、資格取得の試験の合格率は約10%と、難易度が高いといえます。
「二級建築士」は、木造・鉄骨コンクリート造・鉄骨造・石造・れん瓦造・コンクリートブロック造・無筋コンクリート造などの材質の建物の設計が可能です。面積は1,000平方メートル・高さ13メートルもしくは軒の高さ9メートルまでの建物の設計ができます。
「木造建築士」は、木造の建物のみ設計ができます。また、設計ができる大きさには制限があり、延床面積300平方メートル・建物高さは2階までと定められています。
6-2 電気工事士
建物には必ず電気が必要ですが、ここで必要となるのが電気工事士の資格です。電気工事士には「第一種電気工事士」「第二種電気工事士」の2種類があり、それぞれできる作業が異なります。
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模施設の電気工事しか行えないのに対し、第一種電気工事士は第二種電気工事士が行える作業範囲に加えてビルや工場・病院など大規模の電気工事を行うことができます。
第一種電気工事士の筆記試験の合格率は約48%となり、第二種電気工事士の合格率は約60%となります。
6-3 とび技能士
とび技能士とは、建築工事だけでなく、土木工事や解体工事などさまざまな工事現場で活躍する資格のひとつです。とび技能士の資格には「1級」「2級」「3級」の3つあります。
「3級」の受験資格は不問となっており、とび職で働くための知識が備わっていれば資格取得が可能となっています。
「2級」の場合は、3級合格者で実務経験が2年以上の方が対象です。ただし、学歴により実務経験が不要な場合もあります。
「1級」の資格取得は、7年以上の実務経験、2級合格後2年以上の実務経験、3級合格後3年以上の実務経験等があります。どのレベルのとび技能資格を取得しているかにより条件が異なります。ただし、学歴により必要な実務経験年数も異なります。
<民間資格>
6-4 基礎施工士
建物をつくる際に、最初に行う基礎工事に必要な資格が、基礎施工士です。基礎工事がおろそかなまま建築工事を行うと、最悪の場合は建物が倒壊してまったり、ゆがみが発生することもあります。そのため、基礎工事に精通した基礎施工士の資格をもっていると、現場での活躍はおおいに期待できるといえます。
6-5 再開発プランナー
再開発プランナーは、町の建物の建て替えや街づくりにかかわる計画の立案など、街づくりの専門家ともいえる資格となります。都市開発や街の再開発などの大規模な建設に携われるため、再開発プランナーの資格があれば、ビックプロジェクトにも携われることができます。
7 建設業界の職種と仕事内容
建設業界に関連する職種6つと仕事内容について、それぞれ解説していきます。
7-1 建築士
前述でも建築士についてお話ししましたが、建築士とは、建物の設計や工事管理を行う建築のプロであり、建築士法の定められた建築士の資格を取得しなければなりません。
具体的な仕事は、規模の用途や予算に合わせた基本設計・設計平面図や模型による建物完成後の表明です。また、壁の材質など細かい部分の設計も行い、依頼主の要望に応えられる知識と経験が必要となります。
7-2 CADオペレーター
CADとは、Computer-Aided Design(コンピューター支援設計)の略で、コンピューターを使用して設計やデザインを行うソフトウェアです。CADオペレーターはCADを駆使して設計などを行います。
建設業では、建築基準法などの専門的な知識が必要となるため、主に設計補助の作業を行うとされています。コンピューターでの図面修正が基本の作業となり、CADオペレーターはフリーでの活躍も可能です。
資格としては「建築CAD検定」「CADアドミニストレーター」「2次元CAD利用者技術者試験」などがあります。
7-3 施工管理技士
施工管理は、工事全体における品質や安全・工程・原価なの管理を行う仕事です。建設業法では、建設工事の現場には監理技術者や主任技術者の配置が規模に応じて義務付けられていますが、以下の資格を取得することで、役職に就くことができます。
- ●建築施工管理技士
- ●土木施工管理技士
- ●管工事施工管理技士
- ●電気工事施工管理技士
- ●電気通信工事施工管理技士
- ●建設機器施工管理技士
- 造園施工管理技士
これらの資格を取得するには、実務経験などを積む必要があります。すぐに取得できるものではありませんが、建設業界でのキャリアアップにはおおいに役立つ資格といえます。
7-4 技術士
技術士とは、建設業界も含めたすべての業界において技術的な専門知識と専門的な応用力および、豊富な実務経験を持つ技術者の育成を図るための資格承認制度です。
建設業界では、公共事業全体の計画・管理・設計・評価などを行う建設コンサルティングや、土木や一般住宅などの設計を行ったりと、さまざまな活躍の場があります。
試験の合格率は1割にも満たないほど難しい資格ですが、転職の際や起業を考えている方は、取得を目指す資格といえます。
7-5 技能士
技能士とは、職業開発能力協会が実施する技能検定に合格することで得られる国家資格で、127種類の試験があります。
型枠施工・建築大工・ガラス施工・トビ・園芸・左官など建設工事で行われるほぼ全ての職種に試験が用意されています。実技試験と学科試験ともに合格することで取得ができます。
7-6 技術開発
建設業界における技術開発では、設計・施工・コントラクション・マネジメントに関する技術面の検討や研修を行います。工事全体の生産性向上を目的としており、基本的に建築現場ではなくオフィスで働きます。
8 建設業に向いている人の特徴
建設業に向いている人の特徴をそれぞれ紹介していきます。
8-1 体を動かすことが得意
建設業の仕事は、主に日中は現場仕事で体を動かし、夜はデスクワークを行うといった流れになります。体を動かすことが好きな人や、体力に自信のある人は、建設業に向いているといえます。
労働環境の改善は進んでいるものの、長時間労働や残業があることもあり、全く体力に自信のない人にとっては少々厳しい世界でもあるといえます。
8-2 コミュニケーション能力がある
建設業では、たくさんの人々と関わり協力しながら建設物を作り上げていくため、コミュニケーション能力が必要となります。また、意思疎通ができていないと事故に繋がる可能性もあるため、コミュニケーションをしっかり取ることが大切です。
また、各方面へ素早く報・連・相ができないと作業の進歩へ大きな支障がででしまう可能性もあるため、大事なスキルとなります。
8-3 人を引っ張っていける
現場監督や施工管理者を目指したい場合には、他人に指示を出したり、人を動かすなどのリーダーシップが必要です。人の上に立って指示を出すのが得意な人や、人を引っ張って物事を進めていきたいという人に向いています。
8-4 臨機応変な行動がとれる
建設現場では予期せぬことが起こることも少なくありません。そのときに起きた出来事に柔軟に対応していかなければならないため、気持ちの切り替えや適切な判断で行動することが重要です。
たとえば、天候による工期の変更・資材の変更・事故の際の対応などに、臨機応変な行動がとれるような人は建設業に向いています。
8-5 予測・予定などの計画を立てられる
建設現場には危険が多く、安全管理が重要になります。事前に事故が起きやすそうな場所を把握して、監視を増やすなど安全対策を行いながら施工計画を立てなければなりません。
また、工期などを確認するうえで遅延が起きそうな施工部分を予測して人員を増やしたり、納期を増やすなどの計画を立てる力が必要となりため、予測や予定など計画を立てるのが得意な人に向いているといえます。
9 建設業界の現状と今後の課題
建設業界では、今後さらに需要が高まると見込まれていますが、慢性的な人手不足に加え、建設業界の技術者の高齢化から、さらに人材不足が進むとされています。
現在の建設業界は、作業員や施工管理者など技術者の高齢化が進んでおり、このまま働く人が先細りしていくと、2025年時点には技能労働者数が約90万人も不足するといわれています。
また、建設業界は危険・残業が多く労働時間が長い・休みが少ないなど、労働環境が良くないというイメージがあることが、若い世代が増えない原因のひとつとなっています。
建設業界が抱える「人材不足」の課題は、労働環境や給与水準の改善と向上・IT化による業務の効率化などを進める必要があります。
2024年4月1日には、これまで建設業で除外となっていた改正労働基準法が適用されます。36協定で定める時間外労働の上限規則が見直され、時間外労働の上限は原則として月45時間、年間にすると360時間となり、違反した場合には罰則が科せられます。
適切で安定した仕事量を確保しつつ、残業時間の削減・週休2日に合わせた工事工程の拡大、適切な給与水準を確保する必要があります。そのためにもITやAIなどを導入して業務の効率化を図ることが必須となります。
10 まとめ
今回は、建設業に就職するメリットと建設業のやりがいや魅力とともに、建設業の現状と今後の課題について解説してきましたが、建設業界のことを少しでも理解していただけましたでしょうか。
建設業界には、建築物を作り上げるさまざまな職種があり、その仕事内容は多岐にわたります。近年では高齢化や人手不足が深刻ですが、新3Kの実現に向けて労働環境の改善に向けた取り組みも行っており、建設業界のイメージ向上を目指していることからも、建設業界に転職する人も増加傾向にあります。
また、建設業の需要は今後さらに高まると見込まれており、人手の確保が重要です。建設業界の仕事は、スキルが身につくなどさまざまなメリットや魅力があり、資格の取得や役職を目指すなどやりがいもあることから、この機会に建設業界に視点を当ててみてもいいのではないでしょうか。