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建設業特集!建設業界の特徴と売上高ランキングトップ20の企業を解説

建設業は、規模の大きい建設物やインフラなどの建設工事を請け負う企業をいいます。2018年における日本の国内総支出*のうち、建設投資は53.4兆円で全体の9.7%を担っています。オリンピックイヤーの2020年の今年は、建設業界にとっても大きな節目を迎えようとしています。

建設業界とオリンピックは非常に大きく関係しています。オリンピックを開催するためには、40以上の競技会場が必要です。全てを作り替えるわけではありませんが、一時は3,000億円を超える建設費用で話題になったオリンピックのメイン会場の新国立競技場や大井ホッケー競技場など新設する競技場もあります。

また、オリンピックに向けて、日本に観光に来る外国人や地方から観戦・観光に来る日本人の宿泊施設もキャパを広げるニーズに対応するホテル等の建設も増加しました。
そして、人の移動を支える高速道路や電車といった交通インフラの整備や商業施設の新設や整備も加わります。

交通インフラの整備

つまり、競技場の新設や整備やホテルの建設や交通インフラの整備などが建設業界の仕事量を大幅に引き上げる要因になっています。
これらの建設需要は2018年から2019年がピークと予測されてきました。建設業界の好景気と共に、深刻な人手不足や人材確保の問題がクローズアップされてきました。また、人手不足が人件費の高騰につながり、建築費用やマンション等の修繕費などの高騰につながりました。

これらオリンピックの好景気が終焉する2020年に大きな節目を迎える建設業界の現在の特徴と売上高トップランク企業の特徴について解説します。

1 建設業界の現状

建設業界の現状

建設業界は2019年をピークに市場縮小の傾向が懸念されています。長期的には市場の縮小や厳しい市場環境が懸念されています。そのため、現在の需要に対応しながら、今後の成長分野をどのように取り組んでいくかという事が課題となっています。今後の注目すべき取組としては、“人材の確保や育成”や“生産性の向上”や“海外事業の拡大”などがあげられています。

今後の注目すべき取組

一方で、明るい材料としては“都市の再開発”や“社会資本ストックの整備”や“リニア中央新幹線の建設”などがあります。この中でも社会資本の整備については今後継続的に需要が見込まれると予想されています。

明るい材料

〇社会資本ストックの整備

社会資本とは、国民福祉や経済発展のインフラになる公共施設をいいます。具体的には、産業関連と生活関連に分かれます。産業関連は道路や湾岸や工業用地などがあります。また生活関連は、住宅や学校や上下水道などがあります。これらのすでにある公共施設を社会資本ストックといいます。

内閣府ではこの社会資本ストックの推計を1960年以降に実施しており、最新は『日本の社会資本2017』になります。これによると粗資本ストック*で953兆円となっており、2001年に800兆円に到達してから成長のペースは緩やかになったものの継続的に増加しています。

この社会資本を整備する事で、以下の効果が見込まれるとされています。

  • ・安全安心インフラ…防災や減災につながり、国民の生命や財産を守る事に直接影響し、災害による経済的な影響を最小化する事で投資を呼び込む事も期待できます。
  • ・成長インフラ…掲載成長への貢献につながります。例えば交通道路を整備する事で、物流施設の強化や移動時間の縮小による輸送力の強化により産業復興につながります。また空港を整備する事で日本への旅行者が増加し、観光や宿泊施設が強化され観光復興につながります。
  • ・生活維持インフラ…日本国内の人口減少や高齢化に対応するためのコンパクト化やネットワーク化による地域生活サービスの効率化を持続的に提供する事ができます。

*粗資本ストックは、今ある社会資本を評価時点で新しく建設し直した場合の価値をいいます。粗資本ストックの内訳で最も大きいのが『道路(35.3%)』となります。その後に『下水道(10.3%)』『治水(10.1%)』と続きます。

1-1 業界規模

業界規模

業界動向サーチドットコムによると2019年時点で建設業界の業界規模*は16兆6,893億円となり、伸び率は2.8%となります。業界規模としては、136ある業界の中で21番目と中位に位置しています。一方で伸び率は同81位となっているため、成長については他の業界と比較すると苦戦している事がわかります。
また、業界規模はサブプライムローンなどで記憶に残る2009年の不況で落ち込みを見せた後は、継続した成長をみせています。

*業界規模は、主要対象企業63社の売上高の合計になります。

◯建設投資額

建設業の規模を示す数値として、建設投資額があります。建設投資額とは、国土交通省が建設市場規模や構造を示すために公表している、日本国内の建設実績を売買の成立数量である出来高ベースの投資額になります。

建設投資は大きく、「建築*投資」と「土木*投資」に分けられます。また、それぞれを住宅と非住宅、政府と民間とに分類します。

「建築投資」と「土木投資」

この建設投資額は、国土交通省が発表による2019年の建設投資見通しで62兆9,400億円(前年比3.4%増加)となっています。2010年を境に東日本大震災の復興需要(2011年から)や政府主導の国土強靭化計画(2014年から)やと東京オリンピック開催決定による施設や首都圏のホテルなどの宿泊施設の強化などによって増加傾向が継続しています

年度 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
建設投資額 51.3 47.6 48.1 42.9 41.9 42.1 42.4 48.2 47.4 56.6 58.7 60.6 60.8 62.9

(建設投資額の単位は兆円)

この建設投資の中に、法人と個人の投資である民間投資と公共事業や地方公営関係事業等の政府投資があります。

62.9兆円の2019年の建設投資額見込みのうち、民間投資が41.3兆円(前年比2.8%増加)で政府投資が21.6兆円(前年比4.5兆円)となっています。過去から政府投資は20兆円前後で推移していますが、民間投資は景気の影響により増減します。
なお、公共投資では土木が90%弱を占めて、建築/非住宅が10%弱で、残りが建築/住宅になります。一方で、民間投資においては建築が80%強になっています。
ゼネコンの受注内容の変化からも同様の事がみてとれます。1994~1998年度と2014~2018年度の各5年間の事業年度の平均受注内容を日建連法人会員の48社で調査した結果があります。

受注全体割合で政府機関からの受注は1994~1998年度平均では35.4%でしたが、2014~2018年度平均では27.7%と21.7%減少しています。政府機関の中で特に減少傾向にあるのは、地方自治体からの受注割合が減少しています。政府投資の割合で地方自治体機関からの受注は1994~1998年度平均では55.8%でしたが、2014~2018年度平均では34.1%と37.1%減少しています。

*建設業は、工事する対象によって『建築』と『土木』の2つに分かれます。

  • ・建築…オフィスや商業ビルやマンションや戸建て住居などの建物建築や整備をいいます。
  • ・土木…道路やトンネルや上下水道やダムなどのインフラ建築や整備をいいます。

〇建設業許可業者数と就業者人数

同様に建設業に必要な許可を有している事業者*の数と建設業界で働く人の推移は2010年から2018年までの推移をみていきます。

建設業許可業者数は、2010年には49.9万社でしたが、2018年には46.8万社に3.1万社(▲6.2%)減少しています。建設業者数のピークは1999年で60.0万社となっていました。

*建設業に必要な許可は大きく、1つの都道府県のみに営業所を設けるか、2つ以上の都道府県に営業所を設けるかで許可を与える監督官庁が異なってきます。1つの都道府県のみの場合には、都道府県知事の許可になります。一方で、2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合には国土交通大臣の許可が必要になります。

2018年時点では、都道府県知事の許可は458,072社(全体比97.8%)で、国土交通大臣の許可は10,239社(全体比2.2%)となります。

また、許可内容は取り扱う工事種類によって異なります。許可の種類は、土木一式工事と建築一式工事の他には、専門的な工事業種が27種あり、合計29種類あります。
なお、ゼネコンなどの特定建設業はその他の一般建設業と比較して規制が強化されています。特定建設業とは、発注者から直接請け負う工事費用が4,000万円以上となる下請契約を締結する場合になります。建築工事業の場合には金額上限が6,000万円となります。

これらの金額を下回った工事費用の契約を取り扱っている場合には、一般建設業の許可のみを取得しておけば問題ありません。なお、それぞれの金額は平成28年6月から金額が引きあがっていますので、注意してください。

許可の有効期限は5年になり、5年ごとに更新手続きが必要になります。更新申請は有効期限が満了する30日までに実施する事が必要になりますので、注意してください。

就業労働者は2010年には504万人でしたが、2018年には503万人と1万人(▲0.2%)減少しています。なお、就業者のピークは1997年で685万人となっていましたので、およそ20年で1/4の182万人が減少したことになります。

年度 10 11 12 13 14 15 16 17 18
建設業許可業者数 498,806 483,639 469,900 470,639 472,921 467,635 465,454 464,889 468,311
就業者数 504万人 502万人 503万人 500万人 507万人 502万人 495万人 498万人 503万人

日本全体の就業者数が2018年には6,664万人になりますので、建設業はそのうち7.5%を占める形になります。なお、日本全体の就業者数上位5業種は以下のようになります。

1位 サービス業(医療・福祉を含む) 2,546万人 38.2%
2位 卸売り/小売業 1,072万人 16.1%
3位 製造業 1,060万人 15.9%
4位 運輸/郵送/情報通信業 561万人 8.4%
5位 建設業 503万人 7.5%

建設業の許可業者と就業者の推移を確認しました。概要は、許可業者が減少しましたが、引き続き就業者の数が維持されているという事がいえます。また、許可業者も就業者数もピーク時に比較すると許可業者が▲22.0%となり、就業者数が▲26.6%と大きく減少している事が分かります。

事業者規模に注目すると個人事業主は1999年時点では15.8万社でしたが、2018年時点では7.7万社と8.1万社(▲51.3%)半減しています。全体として1999年には60.1万社でしたが、2018年には46.8万社と13.2万社(▲22.0%)の減少の中の半数が個人事業主となっています。

個人事業主に次いで減少しているのが、最も事業規模の大きい資本金1,000万円~5,000万円の事業者になります。1999年時点の23.0万社から2018年には16.4万社と6.6万社(▲28.7%)と減少しています。

なお、今後の建築業界の労働者の問題として少子高齢化問題は他の業界同様に問題視されています。国土交通省調べでは、就業者のうち55歳以上が34%になっているのに対して29歳以下が11%となっています。

建設業の新卒採用(高卒を除く)は2014年以降4.1万人程度で推移しています。同じように新卒全体の中で建設業に就職する割合は5%強で安定しています。

しかし、日本の就業者数も減少傾向の中でそれ以上のスピードで建設業の就業者人数は減少しています。1999年には全就業者数の中の建設業の就業者人数の割合は10.2%でしたが、継続的にその割合は減少し続けて2018年の段階では7.5%と減少しています。20年後には約171万人が引退していくため、少子高齢化が顕著に問題化しているといえます。2025年には90万人の人材不足になるというリスクも警鐘があります。

今後相対的に高いといわれている労働時間や年間出勤日数の改善をしながら、労働賃金も改善傾向を継続していく事が求められます。

〇国内事業と海外事業展開

国内受注総額は2010年には9.2兆円でしたが、2018年には15.6兆円と約1.8倍に増加しています。一方で、海外受注総額は2010年の0.5兆円から2013年は0.9兆円と約1.8倍になりましたが、それ以降は減少しました。結果、2018年には0.7兆円と1.4倍の増加に落ち着いています。日本政府はアジアにおける建設需要の獲得を目指し『インフラシステム輸出戦略』を2016年から決定・実施しています。今後の建設業の課題の一つであり、アジアを中心とする海外市場での活躍で建設業界の成長度が変わってきます。

年度 10 11 12 13 14 15 16 17 18
国内受注総額 92,575 102,592 115,166 139,220 152,311 150,126 152,095 154,259 166,546
海外受注総額 4,905 5,909 5,207 8,600 7,909 5,645 2,935 5,802 6,633

1-2 建設業界の構造

建設業界の構造

建設業界は複数の層から構成されている“下請け構造“が形成されています。その層は、以下の3つの層に分かれています。

下請け構造

  • ●「ゼネコン」
  • ●「サブコン(下請け大手)」
  • ●「下請け」

建設業界の構造

1-2-1 ゼネコン

ゼネコンとは、建設を依頼する人である発注者から直接仕事を請け負う層をいい、『総合建設業者』や『元請』ともいいます。ビルなどの施設に該当する建物を建設業者の中で、売上高が大きい会社をいいます。その中でも完成工事売上高が1兆円を超える上位5社をスーパーゼネコンといいます。

スーパーゼネコンは、以下の5社になります。

  1. ①大林組
  2. ②鹿島
  3. ③清水建設 
  4. ④大成建設
  5. ⑤竹中工務店

また、スーパーゼネコンに次ぐ大手を準大手ゼネコンといいます。スーパーゼネコンは5社でしたが、準大手ゼネコンは9社あります。

  1. ①五洋建設
  2. ②長谷工コーポレーション
  3. ③戸田建設
  4. ④熊谷組
  5. ⑤前田建設工業
  6. ⑥西松建設
  7. ⑦三井住友建設
  8. ⑧安藤ハザマ
  9. ⑨東急建設

また、海洋土木工事に専門的な技術をもつゼネコンを『マリコン』などもあります。

〇ゼネコンの特徴

ゼネコンの特徴は、発注者から建設物の建設を全て総合的に引き受けることにあります。そのため、General Contractor(総合的請負業)を省略してゼネコンと呼ばれます。

すでに記載しましたが、建設業界は下請け構造が形成されているため、事業規模と比較すると社員の数が多いわけではありません。それは、ゼネコンの役割が仕事を受注して外注に作業を任せる事に集約されます。そのため、施工全体の管理をする必要から下請け会社の管理義務も発生します。

施工(せこう)とは、工作物や建築などの工事することをいい、工事することを施工するというのが一般的です。また施工管理とは、施工が安全かつ計画通りに進捗をコントロールすることをいいます。

また、ゼネコンが建設業界で求められている機能は、施工とともに設計と研究の3つになります。

設計とは、建設主から確認した建設の概要(目的や予算等)と建設予定地に合わせた基本構想を構築し、基本設計*と実施設計を作成し、計画書にまとめる事です。そして、基本設計が出来た時点で概算の施工費の見積もりが出来ます。また、実施設計計画に基づいて、施工会社を決定していきます。

研究とは、継続的に変化・多様化するニーズに応える品質を確保するために、技術の開発・改善に努めています。

1-2-2 サブコン

サブコンは、ゼネコンから仕事を引き受ける下請会社の役割を担います。ゼネコンから直接仕事を請け負うことから1次受けともいいます。

サブコンの特徴は、事業領域の幅にあります。サブコンは一般的には許認可を必要とする専門分野に特化しています。そのため、ゼネコンからの仕事を一手に引き受けるのではあく、電気工事や空調工事などといった専門とする分野の仕事のみを受け持つことになります。また、現在サブコンが請け負う工事は設備工事がメインになっています。ゼネコンとサブコンの関係は、ゼネコンが工事の設計と管理をおこない、サブコンが請け負った施工する関係にあります。

1-2-3 下請け

下請けには、大きく以下2つの意味が含まれます。

・元請けから仕事を受注する会社をいいます。

この場合には、サブコンを含めて下請けになります。

・サブコンから仕事を受注する会社をいいます。

この場合には、サブコンを含めず、1次受けから仕事を受注するため“2次受け”といったりします。また、サブコンを下請けとすると、下請けから仕事を受けるため“孫請け”などといいます。

下請けは直接工事を行う役割になります。一方で、ゼネコンやサブコンから仕事を受けた場合には、もともと直接仕事を受注するよりも仕事の単価は安くなります。それは、ゼネコンやサブコンの利益分は差し引かれるためです。
悪い面では仕事の単価が安くなりますが、良い面では営業よりも工事に特化した人員配置が可能になります。

2 建設業企業の特徴

建設業企業の特徴

ゼネコンを中心とした建設業の企業について2019年3月期の売上高ベースで上位20社についてまとめています。まずは売上高トップ10になります。

順位 会社名 市場 売上高
1 大和ハウス工業 東証1部(1925) 4.1兆円
2 積水ハウス 東証1部(1928) 2.1兆円
3 大林組 東証1部(1802) 2.0兆円
4 鹿島建設 東証1部(1812) 1.9兆円
5 清水建設 東証1部(1803) 1.6兆円
6 大成建設 東証1部(1801) 1.6兆円
7 大東建託 東証1部(1878) 1.5兆円
8 竹中工務店 非上場 1.3兆円
9 住友林業 東証1部(1911) 1.3兆円
10 長谷工コーポレーション 東証1部(1808) 0.9兆円

()は証券コードになります。

1位の大和ハウス工業と2位の積水ハウスは社名のとおりハウスメーカーですが、現在売上高でみると建設業のトップとなっています。大和ハウス工業は唯一4兆円代の売上高を記録しています。また2位の積水ハウスも同様にスーパーゼネコン5社を超える売上高となっています。

大和ハウスや積水ハウスなどのハウスメーカーは建材や施工について一定の標準化を行う事が出来て生産性を高める事が比較的簡単である点などが功を奏しています。また、バブル崩壊後の長い不況の磁気においても減少傾向はあったものの年間で新設住宅着工が100万前後の数で安定的に推移した事もハウスメーカーに優位に働きました。

一方、先述したスーパーゼネコンでは唯一大林組だけが業界トップ3にランクインしています。
4位以下はスーパーゼネコンの名前が続きます。また、10位には準大手ゼネコンの長谷工コーポレーションがランクインしています。一方で、大東建託や住友林業といった名前もあります。

続いては売上高トップ11から20になります。

順位 会社名 市場 売上高
11 日揮ホールディングス 東証1部(1963) 6,192億円
12 関電工 東証1部(1942) 5,635億円
13 五洋建設 東証1部(1893) 5,419億円
14 きんでん 東証1部(1944) 5,212億円
15 戸田建設 東証1部(1860) 5,104億円
16 前田建設工業 東証1部(1824) 4,920億円
17 コムシスホールディングス 東証1部(1721) 4,817億円
18 三井住友建設 東証1部(1821) 4,487億円
19 フジタ 非上場(上場廃止) 4,306億円
20 協和エクシオ 東証1部(1951) 4,237億円

()は証券コードになります。

11位以下のランキングにおいては、準大手ゼネコンがランクインしています。但し、西松建設とNIPROは売上高で20位以下となっています。その代わりに、日揮ホールディングスや関電工などの準大手以外のゼネコンがランクインしています。

ランキングをみていくと、大和ハウスや積水ハウスなどがNo.1と2になっている事や準大手でもランキング外になっているなどの動きはありますが、金融業界でおきたみずほFGや三菱UFJや三井住友FGなどへの統合や、長期信用銀行などの破綻と比較すれば安定的な地位を確保しているともいえます。

それでは、建設業界における代表的な企業の特徴を確認しましょう。

2-1 大和ハウス工業

大和ハウス工業が建設業の売上高で最も大きい理由には、過去進めてきたM&A戦略の結果ともいえます。2012年には準大手ゼネコンであるフジタを買収し、翌年の2013年にはコスモスイニシアを子会社化しています。

その結果、ハウスメーカーとしての住宅事業のみではなく、ビルなどの事業施設や商業施設などの多角化に成功しています。また、海外進出も積極的に行っており、2020年に入っても『米国において商業施設事業を開始』や『Stanley-Martin Communities, LLCによるEssex Homes Southeast, Inc.他の戸建住宅事業の譲受』などのニュースリリースが発表されています。2019年3月期の経常利益は3,595億円となっており、前期比4.3%の成長を遂げています。

2-2 積水ハウス

積水ハウスも大和ハウスと同様にハウスメーカーの強みである戸建て住宅や賃貸住宅事業を中心に、高齢化の日本の流れを受けた介護や医療や福祉などの施設や海外事業への事業領域の拡大をさせています。また、M&Aでは2016年に鳳ホールディングスを持分適用会社にしました。その結果、鳳ホールディングスの完全子会社の中堅ゼネコンの鴻池組を傘下に収めました。

海外事業については、2018年から始まった中期経営計画で国際ビジネスの育成を打ち出し、アメリカでの住宅販売事業に参入しています。2020年1月期の営業利益予想は2,050億円で前年比8.3%と好調な決算となっています。

2-3 大林組

大林組は誰もが一度は利用した事や少なくとも聞いた事がある施設を多く手掛けています。例えば、東京駅や六本木ヒルズや東京スカイツリーなどです。事業セグメントでは約6割が日本国内の建築でその次には海外建築が約2割となっており、国内土木が約2割弱と続きます。また現在は建築と土木と開発の他に新領域という事業領域を設けて事業の拡大と進化とグローバル化を進めています。
2019年3月期の経常利益は1,630億円で前期比13.3%の増加と好決算でした。

2-4 鹿島建設

鹿島建設は、日本で初めての建設を請け負う事が多い点が特徴になります。明治13年に日本で初めての鉄道工事の請負を行い、昭和24年には業界初の研究所を設立し、昭和32年に日本初の原子炉の建設完成や昭和43年には日本初の超高層ビルである霞が関ビルを建設しています。

事業セグメントでは50%弱が建築事業で、そこに海外関連会社と土木事業が続きます。2019年3月期の経常利益は1,629億円で前期比▲9.4%の悪化と芳しくありませんでした。

2-5 大成建設

大成建設は都市開発事業に強みがある点が特徴としてあげられます。赤坂9丁目北地区や目黒駅前地区や東池袋4丁目地区など様々な都市開発事例があります。今後も都市の再開発のニーズに対応した事業展開が期待されています。2019年3月期の経常利益は1,579億円で前期比▲14.8%の悪化となり、2020年3月期の経常利益予想が1,490億円になるなど近年は苦戦が続いています。

2-6 清水建設

清水建設は近年では歌舞伎座の修復など伝統的な社寺建築に強い点が特徴の一つです。また特許保有技術が多彩である事も競合他社に勝る特徴になっています。代表的な建築物にはサンシャイン60や横浜スタジアムなどがあります。2019年3月期の経常利益は1,339億円で前期比7.9%の良化となっています。

2-7 竹中工務店

竹中工務店は、創業から400年以上もの歴史をもつ点がまず大きな特徴です。東京ドームやあべのハルカスなどの建築を手掛けています。また、他のゼネコンは複数の事業を進めているのに対して、竹中工務店は建築事業に特化している点も特徴になります。また、非上場であるために自由な経営を行う事が出来る点も特徴になります。

2019年3月期の経常利益は939億円で前期比▲18.5%と悪化しています。2020年3月期の経常利益予想も850億円(前期比▲9.5%)と減少傾向が続く苦しい経営環境であるといえます。

3 まとめ

まとめ

建設業界はオリンピックイヤーの2020年以降景気が悪化する予想がなされています。景気悪化の局面においては、古くからの課題がイノベーションにより解決する事もあります。新たに参入を検討する企業にも、現在も建設業として活躍する企業も今後の建設業界の動向には注目する必要があります。

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