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建設業でクラウドツールを導入するメリットは?おすすめのツール紹介も

建設業者の75.4%が導入*しているのが、“クラウドコンピューティングサービス“いわゆる『クラウドサービス』です。AIやIotなど今後ますます活用が進むことが予想されているITツールの中でも、建設業者に比較的導入が進んでいるのがクラウドサービスになります。

クラウドサービスの導入自体にコスト削減や業務負担の軽減などメリットが大きいことに加えて、令和5年3月時点では政府による補助金制度も活用できます。

クラウドサービスは、今後も発展していくサービスです。そんなクラウドサービスやクラウドツールを自社の業務での活用機会を増やしていくことで建設業のDX化や効率化が進んでいきます。ただし、クラウドサービスの導入有無に関わらず、メリットが実感できないと言った経営者や現場スタッフもいます。

そこで今回の記事では、建設業におけるクラウドサービスの導入するメリット、おすすめのツールの紹介や実際の建設業における導入事例などを解説します。

1 建設業のクラウドサービス

建設業に限らず全ての業界で今後の業務効率化へつながる大きな効果を期待されているのがクラウドサービスです。

業務効率化をする上でクラウドサービスの活用は、何でも良いわけではありません。「知り合いの建設業者が導入しているから」「営業マンに勧められたから」と言った、何となく導入を決めてしまうと想定した効果が得られない場合があります

クラウドサービスに限らず、新しいITツールやシステムなどを導入する場合には、準備が必要です。

●導入準備

クラウドサービスやITツールを導入すれば、当然業務や運用が変わります。そのため、導入準備が必要です。

導入準備で必要になるのは、大きく以下の2つになります。

  1. ①現在の業務や運用の問題点をどう解決するのか決める
  2. ②業務や運用の目的機能を間違いなく抑える

●現在の業務や運用の問題点をどう解決するのか決める

現在の業務や運用には解決すべき問題点があります。その問題点を改善することで業務改善などの効果が得られます

そして、この問題点を解消する方法で最も適切な解決方法がクラウドサービスである場合に、クラウドサービスを導入します。

●業務や運用の目的機能を間違いなく抑える

業務や運用の変更をする場合には、その変更前と後の業務や運用手順を明確にしておきます。これは、業務や運用での間違えてはいけない『目的機能』がどのように出来上がるかを明確に理解するためです。

目的機能とは、例えば見積もり作成業務で言えば“見積もり“になります。目的機能を誤ると、業務効率の変化より業務自体の意味を失ってしまいます

そのため、目的機能が正しく出来上がるのかを導入準備として入念に確認しておきます。

1−1 クラウドサービスとは

クラウドサービスは、インターネットを経由してサービス提供をするサービスです。そのため、パソコンはもちろん、スマートフォンなどの携帯電話やタブレットがあれば場所を選ばずシステムやアプリケーションが利用できます。

過去は、必要なデータを建設現場で確認するためにはUSBなどを持ち歩く必要がありました。そのため、USBの管理が必要になり、時としてはUSBの紛失による顧客情報の漏洩問題なども発生しました。

また、USBに保管されたデータは、あくまで保管時点のデータになります。USB保管後にデータベース側で情報の更新・変更が行われると、USBに保管されたデータとは一致しなくなります。また、USBにあるデータを更新・変更した場合でも、元のデータベースにあるデータは更新・変更されません。

これらのデータの不整合が、データの入力し直しや変更連絡などの業務上の生産性を下げることや、不整合に気づかず大きな業務上の失敗につながるケースが散見されていました。

クラウドサービスを利用すれば、インターネットが活用できる状況下であれば、どこからでも最新の情報の閲覧・利用・更新ができるため、データの不整合の問題は発生しなくなります

●クラウドサービスの特徴

クラウドサービスの普及は、インターネット回線の高速化した2000年代の後半からになります。クラウドサービスは、インターネットを経由して別のコンピュータにあるアプリケーションやデータを閲覧・利用する仕組みであるため、インターネットの高速化が必要不可欠でした。

クラウドサービスの特徴は、インターネット経由で活用できる点が最大の特徴です。インターネット経由で活用できることで複数の利便性が生まれます。

複数の利便性の中で、建設工事現場での仕事が多い建設業にとっては、インターネットにつながっているスマートフォンやタブレットがあれば、社内のシステムやアプリケーションにアクセスできる点は大きな利便性になります

●今までは自社で保有・管理

クラウドサービスが開発されるまでは、事務所などで設定されたネットワークに繋がったパソコンなどのハードウェアに専用のアプリケーションなどのソフトウェアをインストールし、データの入力や閲覧などの保有・管理・利用をしていました。

この自社の事務所などの施設でハードウェア・ソフトウェアを設置・利用する方法を『オンプレミス』と言います。

クラウドがなかった過去は、ほぼ全てオンプレミスでシステムやアプリは動いていました。また、現在でも事務所での使用に限定されていて、機密性が高い情報などを使用するシステムやアプリなどはオンプレミスのやり方を採用しているものも多くあります

オンプレミスには、カスタマイズに強い点や既存の社内システムとの連携が取りやすいなどの特徴があります。

●クラウドサービスの主な利用方法

クラウドサービスでできることは様々あります。前述の令和2年の通信利用動向調査には、企業におけるクラウドコンピューティングサービスの利用状況が公表されています。それによると利用サービスの主な利用方法は以下のようになっています。

<企業におけるクラウドサービスの主な利用状況>

  1. ①ファイル保管・データ共有(59.4%)
  2. ②電子メール(50.3%)
  3. ③社内情報共有・ポータル(44.8%)
①ファイル保管・データ共有

今までのファイル保管やデータ共有は、社内ネットワークに繋がったパソコンなどの端末やファイルサーバなどに格納されていることが多くなっていました。

クラウドサービスを利用してファイルやデータを保管・共有することができます。クラウドサービス上のファイル保管やデータ共有をすることで外出先や会議中などにインターネット環境のみを用意すれば保存していたファイルやデータを確認・編集できます

②電子メール

個人においては利用が一般的になっているGmailなどのWebメールが企業においても利用が進んでいます。GmailなどのWebメールも、クラウドサービスになります

過去は、社内ネットワークに設置したメールサーバなどによって電子メールを利用する企業が一般的でした。

しかし、クラウドサービスを利用した電子メールは、携帯電話やタブレットや外出先のパソコンから見れる利便性があります。それにより、早いリアクションが求められる現在のビジネス環境における適時確認と返信ができます

③社内情報共有・ポータル

社内情報共有の方法は、前述のファイル保管やデータ共有をクラウドサービスで実施して共有する場合があります。

また、PaaS(Platform as a Service)と呼ばれるクラウドにあるプラットフォームサービスを活用して社内情報を蓄積・共有する方法もあります

ポータルは、SaaS(Software as a Service)と呼ばれるクラウド上のWebアプリケーションを活用してポータルサイトを作成します。また、IaaS(Instructure as a Service)と呼ばれるクラウド上のネットワークやサーバを活用してポータルサイトの作成をする場合も同様です。

1−2 建設業でクラウドサービス導入が求められる背景

建設業がクラウドサービス導入や活用を求められる背景には、建設業の働き方改革があります。

建設業では、休日出勤や長時間労働などの働き方に多くの課題を抱えています。少子高齢化による人口減少に伴う労働者不足に加え、建設業を敬遠する若年層の就業労働者流入減少が長期的な人手不足という重大な問題を発生させています

建設業は日本の社会インフラを支える事業であるため、業界の衰退は日本社会に影響が出てしまいます。そのため、建設業は日本政府とともに働き方改革を進めています。

●建設業の労働環境の課題

建設業の労働環境では『長時間労働』『労働者不足』の2点が課題になっています。長時間労働においては、建設業の令和2年の総実労働時間*は年間1,985時間で、産業全体と比較して360時間以上超過しています**。

この数値は、平成9年と比較すると、41時間ほど短くなっています。しかし、全産業の総実労働時間は平成9年から166時間短くなっていることを考えると、建設業は長時間労働の是正が不十分と言えます。

また、年間出勤日数も244日間と産業全体より32 日多くなっています。平成9年からの減少も建設業が9日に対して、全産業は29日となっているため、総実労働時間と同様に建設業の是正は不十分と言えます。

また、労働者不足という点で言うと、平成9年には建設業就業者はピークの685万人になりました。その後、減少を続け平成28年には492万人まで減少し、令和2年まで横ばいの状況が続いています

建設業で働く20代以下が建設業就業者全体の11%になっています。一方で、これから先10年から15年で引退していく55歳以上の建設業就業者の36%おり、20代以下の約3倍以上の状況**になっています。

これらのことから、建設業では長時間労働が十分に進まない中で、将来を支える20代以下の就業者不足の中で55歳以上の高齢就業者の割合が多くなっている労働環境となっています。この労働環境の改善は中期的に建設業と建設業が担う社会インフラの建設・メンテナンスを維持するための大きな課題とされています。

*総実労働時間とは、実際に働いた合計時間を言います。総実労働時間の算出方法は、所定内労働時間と所定外労働時間(残業や早出や休日出勤)の合計から、休憩時間を差し引いた労働時間を言います。

**厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報』より

***国土交通省『最近の建設業を巡る状況について【報告】』より

●建設業の労働環境の課題解決に向けて

建設業の労働環境を改善しようという動きが、『働き方改革』になります。具体的には、以下の大きく4要素によって改善を図っていく動きが取られています。

要素 詳細
賃金
  • ・適切な賃金水準の確保
  • ・担い手3法の趣旨の徹底…建設業者が適切な賃金を支払いできるように適正な利益確保のために、歩切りの根絶やダンピング対策を強化する
  • ・建設キャリアアップシステムの活用
雇用安定・人生設計
  • ・施工時期の平準化…閑散期になる4月〜6月の仕事量確保
  • ・社会保険の加入促進…平成29年4月以降は社会保険未加入企業の排除が2次下請け以下にまで拡大
労働時間・休憩
  • ・週休2日モデル工事の拡大…公共工事において週休2日モデルの工事を順次拡大中
  • ・建設現場の生産性向上(i-Construction)…建設業における測量や施工や検査などのすべてのプロセスをICTの活用により作業効率の改善を実現して作業日数を削減することで長時間労働の抑制や休暇の拡大を実現させる
職場環境・人材育成
  • ・女性活躍の推進
  • ・職場環境の改善
  • ・教育訓練の充実

●ICTの全面的な活用

上記の長時間労働の抑制や休暇の拡大を目指して実施しているのが、ICTの全面的な活用になります。ICTを建設工事の全プロセスに活用することで、建設現場の生産性を2025年までに2割向上させることを目指しています

実際の進捗状況などは、国土交通省が取りまとめた政策結果である「i-Constructionの推進」で確認ができます。

1−3 クラウドサービスでできること

クラウドサービスは、経済産業省が日本企業に推進しているDXにも深く関わっています。経済産業省は、日本企業に対してDXを推進しています。DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略になります。本来なら、DTと略されるべきかもしれませんが、英語ではトランスフォーメーションを「X-formation」という表現をする場合があり、そのためDXと略していると解釈できます。

DXは「データとデジタル技術の活用によって、ビジネスモデルを変革して、業務そのものだけでなく、プロセスや組織、企業文化や風土を変革して、競争上の優位性を確立すること」が定義になります。

経済産業省は、DXの必要性を『DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜」でまとめています。

このDXレポートでは、2025年以降に日本企業がDXの実現ができない場合には毎年12兆円の損失が発生しうると警告しています。具体的な損失の要因として組織変革ができず、ビスネスモデルの転換が遅滞し、現場の意識も行動も硬直化が挙げられています。

●DXには部門間の情報共有の円滑が絶対条件

情報が円滑に社内・部門間で情報共有ができることがDXには絶対に必要になります。そして、円滑な情報共有に必要不可欠なのがクラウドサービスです。クラウドサービスは、複数のサービスやシステムを連携することが比較的簡単にできるという特徴があります。

そのため、お客様がWebで入力した申込情報(データ)が、事務所にある基幹システムにタイムリーに反映されて閲覧ができるという動きが実現しています。

クラウドサービスを使う以前のオンプレミスでも、上記のような動きはできました。しかし、それぞれのシステムを1から構築しなければいけなかったため、開発と維持に多くの資金と時間が必要でした。

しかし、クラウドサービスが一般的に普及されているため、オンプレミスでは自社で構築しなければいけなかったものが既存のサービスでの実現が可能になりました。そのため、実施したいサービスを実現するための時間も費用も大きく削減できるようになりました

時間も費用も削減できるため、クラウドサービスを利用することで使用できる資金も限られている中小企業でも情報連携や情報共有が実現できるようになりました

●クラウドサービスの導入形式

クラウドサービスの導入には、大きく3つの形式があります。導入形式によって同じクラウドサービスでも特徴やメリット・デメリットが異なってくるので、導入を検討する場合にはどの形式なのかの理解は必須です。

<クラウドサービスの導入形式>

  1. ①ファイル保管・データ共有(59.4%)
  2. ②プライベートクラウド
  3. ③ハイブリッドクラウド
①パブリッククラウド

不特定多数のユーザーが利用するクラウド形態が、パブリッククラウドになります。AMAZONが提供するクラウドサーバサービスのAWSなどがその代表例になります。

サーバなどのインフラをクラウドサービスで利用することで、利用状況によって変わってくるサーバ容量が変更できるというメリットがあります。また、パブリッククラウドは、リソースを他のユーザーと共有する仕組みになっているため、導入コストも利用コストも抑えることができます

②プライベートクラウド

自社専用でクラウド環境をクラウド環境を構築する導入形式が、プライベートクラウドになります。プライベートクラウドの導入形式は、自社と自社がアクセスを許可したユーザーしかアクセスしないことを前提としています。

プライベートクラウドの種類は、オンプレミス型とホスティング型の2つの種類に分かれます。オンプレミス型は自社のネットワーク環境下にクラウドサービスの環境を構築します。一方で、ホスティング型はパブリッククラウドを活用しながらも自社専用のサーバとして構築します。

プライベートクラウドは、パブリッククラウドの懸念点だった自社独自のセキュリティ対応やカスタマイズができるメリットがあります。一方で、導入時の初期費用や運用コストは高くなってしまう点が懸念点です。

③ハイブリッドクラウド

すでに構築済みの自社の基幹システムとパブリッククラウドを組み合わせるなど、統合したネットワークを構築するのがハイブリッドクラウドになります。

事業者が既存のオンプレミス型の基幹システムを持っていて、新しいシステムをパブリッククラウドで構築していき、既存のオンプレミス型のシステムと新しいクラウドサービスのシステムをつなげるということは、実際には多い事例です。

複数のシステムをつなげることで、システムとシステムの間の情報連携を人間が手で移し替える手間を削減できます。システム間連携は、オンプレミスの環境下でもパブリッククラウドの環境下でも実施できるため、やりたいことに応じて導入形式を検討できるのがハイブリッドクラウドのメリットになります。

一方で、ハイブリッドクラウド形式の導入では、複数のシステム提供事業者によって自社のシステム群を維持することになります。そのため、複数のシステム提供事業者を取りまとめるマネージメントが求められます

●クラウドサービス活用における課題

活用している事業者からするとメリットの多いクラウドサービスですが、多くの企業ではまだ不十分な理解の上で利用が進んでいません。

クラウドサービスに限らず、会社において決済者の承諾がなければ物事は先に進みません。一人親方の事業者であっても、多くの従業員がいる大企業でも決済者の承諾がなければ物事が先に進まないのは、同じになります。

決済者の承諾に必要なのは、一般的には決済者の理解です。稀に、決済者が担当者に決定権を委譲して決定を委ねるケースもあります。しかし、そのような企業は一部の例外と言えます。そのため、決済者が理解できない事項には、決済者は承諾をしにくくなります

決済者の理解が得られないのは、組織の硬直を生みます。決済は経営層が実施しているため、経営層が理解できない内容が承認のプロセスに乗らないケースも多くあります

さらに課題は、組織内でも「どのように進めていいかわからない」という課題もあります。クラウドを使用したら社内の効率は改善できる、従業員が直感的に感じていても組織内でどのように進めたら良いか分からず先に進まない、ということもあります。

実際のところ、クラウドサービスと言ってその内容を説明できる人は希少です。それに加えて、「パブリック」「プライベート」「ハイブリット」と導入方法がわかられていく中では、システム人材でなければITリテラシーが不十分な人に説明するのは困難を極めます

2 建設業がクラウドサービスを導入するメリットと注意点

クラウドサービスを導入するメリットは、前述の通りです。建設業がクラウドサービスを導入するメリットや注意点をここでは解説していきます。

メリットと注意点を理解しておくことは、導入を決める時点では必要になります。それだけでなく、導入後に効果を出そうとする上でもメリットや注意点を実際の利用者である社員などが理解していることが必要です。

実際の利用者である社員などが目的や求める効果を理解していると、クラウドサービスの積極的な推進や効果的な利用を追求する協力が得られます。一方で、目的やメリットや注意点をユーザーがわかっていないと目的と異なった利用方法やそもそも利用しないといった問題が発生することがあります

2−1 建設業がクラウドサービスを導入するメリット3点

建設業では、働き方の改革を進めるためにもクラウドサービスなどのIT C技術の積極的な利用は競争優位になるという点で大きなメリットになります。ただし、競争優位以外にも建設業がクラウドサービスを導入するメリットはあります。

●情報共有が適切にできる

建設業は、建設現場と営業所や事務所など異なる場所にいるスタッフが情報共有をしなければなりません。また、元請けと下請けとさらに2次受けなどの複数の事業者も情報共有をしなければなりません

そのため、情報を更新することが簡単ではありません。情報を更新すると、対象者全員に最新の情報を伝達しなければなりません。伝達ができなければ、工事計画の遅滞の原因になってしまいます。

クラウドサービスを利用する前は、情報更新ができる方法が営業所などに限られているなど制限が多かったため、更新作業を行うことにも手間がかかっていました。加えて、情報共有も紙などを使用しなければならなかったため、印刷と配布の手間がありました。

クラウドサービスを利用することで、常に最新の情報をどこの場所からも、工事に関連するどの事業者やスタッフも閲覧ができます。しかも、情報更新を実施したタイミングから閲覧ができます

●資料管理のコストが圧倒的に減る

建設業の資料管理は、非常に手間のかかる作業でした。建設業は、建設工事現場で働く人が資料を閲覧する必要があるのですが、資料を保管できるのは一般的には事務所です。

そのため、工事業者などは設計図などの資料をバインダーに綴じるなどして保管していました。しかし、そのためには資料を持って事務所へ戻って作業する必要がありました。

建設業では、事務所に毎回工事終了後に戻るわけではありません。建設工事の現場が遠方の場合などは事務所に戻らないケースもあります。そのような場合に、資料の確認のために事務所に戻るのは生産性を阻害します

クラウドサービスを活用すれば、資料管理がどこでもできます。そのため、事務所で資料を保管する必要がなくなります。資料の印刷と保管は、件数が増えると場所をとります。また、資料の印刷や保管自体にも作業が発生します。どこに資料が保管されているのかも管理しなければなりません。

クラウドサービスはデータをクラウド上に保管できるため、物理的な場所は不要です。また、資料の印刷が不要になるため印刷・保管の作業は不要になります。

●導入コストが抑えられ、かつコスト適正化が簡単

クラウドサービスの特徴は、導入コストが抑えられる点があります。クラウドサービスは、利用量に応じて毎月料金が発生していきます。一方で、オンプレミス型はサーバやシステムを導入時に購入するため導入コストが高くなるケースが一般的です。

また、クラウドサービスの利用量に応じた課金体制や月額固定の料金体制はコストの適正化にも適しています

具体的には、保管したデータを共有しようとするためにはパソコンと合わせてサーバが必要になります。サーバには容量があり、容量の大きいサーバほど多くのデータ量を保管できますが、その分価格は高くなります

本来は、実際の使用に必要なデータ量に応じて、サーバ容量を決めると良いのですが、先々の使用を鑑みてサーバ容量は決定することが一般的です。

そのため、オンプレミス型で自社でサーバ導入をすると、導入当初には将来利用を見込む分の容量は、未使用サーバ容量になってしまいます。

クラウドサービスを利用してデータ保管をする場合には、そのタイミングで必要な量のサーバを選択できます。必要な量が増えたら、増加分の容量を追加できます。逆に、多すぎた場合には容量を減らすことも可能です。

2−2 注意点2点

クラウドサービスは非常にメリットも大きいですが、何事にもそうですがクラウドサービスにも注意点があります。

クラウドサービスだけでなく、オンプレミス型も含めてシステムは想定する全員が使用することが必要です。一方で、ITリテラシーが低い人などはどんなに利便性が高くなることが理解できても、利用しないケースなどもあります。

そのため、クラウドサービスの注意点を理解して、利用に影響が少ないように配慮した上で導入することを検討しておく必要があります。

●クラウドサービス提供会社への依存が高い

クラウドサービスは、すべて提供会社があります。クラウドサービスもビジネスであるため、利用者が多くなれば提供会社は利益を確保しやすくなります。提供会社が儲かれば、セキュリティ対策やサービスの追加など新たな機能拡張も進んでいきます

一方で、儲からないクラウドサービスはセキュリティ対策が新機能などが最低限のものになってしまう場合もあります。

クラウドサービスは、自社でセキュリティを強化するといったことが難しい面があり、クラウドサービス提供会社に依存することが多くなります。開発なども提供会社が許容しなければ、開発自体を許可されないケースも出てきます。

そのため、クラウドサービス導入を検討する時は、クラウドサービスの利用者がいるか、セキュリティ対策の実施状況確認、クラウドサービス提供会社はどのような会社なのかなどを確認します

●想定以上の費用になるケースもある

クラウドサービスの料金体系の多くは、利用量に応じて金額が決定します。そのため、利用量が増加していけばその分クラウドサービスにかかる費用は上がっていく場合があります

クラウドサービスの利用量に応じて売上が増加していき、クラウドサービスにかかる費用以上に利益が増加するなら問題ないかもしれません。しかし、クラウドサービスの費用と売上や利益の増加に関連性がないパターンには特に注意が必要です。

例えば、クラウドサービスでデータ保管をしているケースで多いのは、「重複資料が利用者毎に保管されている」「すでに使用しない古いデータが削除されずに保管されている」といった運用で解消すべきデータによってクラウドサービスの利用量が増加して費用が増えているといったものです。

クラウドサービスを利用する場合には、どのような料金体系になっているのか、無駄な利用や費用が発生しないように運用方法を事前に定めて、適時利用状況の確認が必要です。

2−3 導入時のチェックポイント

クラウドサービスを導入する場合、必ずやらなければならないことがいくつかあります。それだけを実施していれば導入が必ず成功するというものではありませんが、失敗を減らすことはできます

●目的に適うか

クラウドサービスを導入する上で最も大事なことは、導入によって目的が適うかどうかです。トップダウンで導入を決定した場合などに発生することがあるのは、導入の目的が現場に浸透しておらず、導入すること自体が目的になってしまうケースです。

導入すること自体が目的になるケースでは、導入してから実際の現場の運用と一致せずに、せっかく導入したクラウドサービスを利用しないということも起こりかねません。また、導入して利用するようになった結果、現場の生産性が悪化するケースもあります

このような事態にならないよう、クラウドサービスを導入する目的を明確にします。また、決済者や実際に利用する頻度が多い従業員などに導入目的の解決になるかを確認していきます

●利用は簡単か

クラウドサービスなどは、ITリテラシーが高い若者層ほど導入後の利用が簡単に感じます。一方で、年齢が高くなるとITツールの利用に拒否感を持つ方が増えてきます。

前述の通り、建設業においては高齢化が進んでいます。そのため、できるだけ利用する上で簡単なものから導入することが必要です。使い慣れて、利用するメリットを感じてもらい、クラウドサービスを利用する習慣を持ってもらうことを優先する必要があります。

そのために、導入のタイミングでは利用が簡単かをチェックすることは必須です。最初は単純にして、使い慣れてきたタイミングでより便利になる機能を追加していくといった工夫も必要です。

また、導入する前にテストなどで現場の職人などに操作をしてもらい、意見を確認することも有効な工夫の1つです。事前に導入前に相談や意見を伺っておくことと、何も聞かず導入して利用を強制するのでは利用率や利用への積極性は大きく異なってきます

3 建設業おすすめクラウドツールと導入事例

ここでは、おすすめのクラウドサービスと導入事例を紹介していきます。

3−1 おすすめクラウドツール

●ダンドリワーク

ダンドリワークは、建築現場における図面や仕様書や現場写真など複数の情報をクラウド上で一元管理することで業務効率を向上させることができるツールになります。

一元管理することで、連絡自体の手間やコミュニケーショントラブルを回避して、施工現場での情報管理と適切な施工管理が実現できます

ダンドリワークでできる機能は以下のようになっています。

現場管理機能 建築現場における基本情報の閲覧と編集機能があります。
現場写真格納 写真画像のアップロードとダウンロードができます。現場写真撮影後すぐにリアルタイムで共有が可能です。
資料格納 図面や仕様書、各種書類のアップロードとダウンロード、閲覧ができます。
連絡事項掲示板 許可されたユーザーのみが閲覧と投稿ができます。契約書や保証書のPDFデータが添付できます。建築工事完了後のアフターメンテナンス時に、当時の契約や画像を確認しながらうち合わせや商談ができます。

ダンドリワークのおすすめポイントは、工務店などの元請け企業から大工や電気・設備工事などの工事業者のすべての情報を一元管理と共有ができる点です。そのための使いやすさの追求と合わせてツール利用における説明会などのサポート体制も充実しています

料金は、以下のようになっています。

  1. ・初期費用10万円〜(プランによって変わります)
  2. ・月額料金19,800円〜(ユーザーアカウント数によって変わります)

●CONOCクラウド型業務管理システム

建設業の「アナログ産業で生産性の悪い」や「どんぶり勘定で、属人的な採算管理」などの課題を解決し、「業務改善」「収益増加」を実現するクラウド型工事原価管理ツールになります。

CONOCクラウド型業務管理システム(以下「CONOC」と呼びます)から見積書や請求書を作成することで、顧客と自社の担当者を紐づけて建設工事を管理できます。また、入力されたデータは、月次で経営指標としてダッシュボードに自動反映されるため、リアルな経営状況を数値化することができます

CONOCでできる機能は以下のようになっています。

経営状況の数値化 ダッシュボードでリアルタイムに個人別の予算と実績が表示できます。そのため、業績や数値で課題を把握することができ、従業員への業績への意識づけや競争環境の醸成に繋げることができます。
また、従業員の個人評価やフィードバックにも活用できます。
下請け業者とのオンライン受発注 下請け業者に対してもアカウントを無料発行でき、本ツールを通して見積もり作成・受け渡し・発注ができます。
取引先業者リスト作成 建設業は、外注や仕入れ先など多くの取引先企業がいます。この取引先企業の基本情報を登録できるため、社内でスムーズな情報共有や検索ができます。また、支払口座や支払サイトなど経理部門が必要な情報も登録できるため、正確な支払と合わせて支払い処理作業の簡素化ができます。
書類作成の簡素化 業務に必要な書類(契約書や発注書など)は、企業情報・顧客情報・工事情報と紐付けられるため、制作作業が簡単かつ情報の全社共有や検索が可能です。

CONOCのおすすめのポイントは、工務店など建設業者が欲しい機能を揃えて業務効率を改善しながら、業績を数値化/見える化することで業績改善の意欲を醸成できる点にあります。また、直感的な操作性を重視して利用しやすいインターフェースを実現しています

料金は、以下のようになっています。

  1. ・初期費用35万円〜(プランによって変わります)
  2. ・月額料金30,000円〜(プランによって変わります)
  3. ・最低利用価格5,000円〜

●ANDPAD

ANDPADは、アナログで煩雑になることも多い建設現場のコミュニケーションを効率化するクラウド型建設プロジェクト管理ツールです。

ANDPADは、サービスリリースの2016年から継続して直感的な使いやすさにこだわった開発と導入後のサポート体制を拡充しており、契約社数2,000社/利用事業者15万社を突破するトップシェアサービスになります。加えて、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録され、41万人以上のユーザーが利用したツールです。

紙やエクセルをメールやFAXする従来のコミュニケーションツは、管理が煩雑になり、最新情報の共有や統一を図る作業が困難で、必要な時に確認できないなどの課題がありました。

ANDPADは、図面・写真・工程表をクラウド共有して、事務所はもちろん、建設現場やお客様先や打ち合わせ時など場所を選ばず最新データや必要な情報にアクセスができます。また、チャット機能があるため、気軽にポイントを絞ったコミュニケーションが実現できます

ANDPADの機能は以下の通りです。

チャット簡単コミュニケーション 電話やFAXなどのコミュニケーションが、チャットによる全体一括連絡へ変更できます。工事進捗なども建設工事現場から報告ができるので、移動が不要です。
自社テンプレートが作成できる 稼働管理や、自主検査などの自社のノウハウをテンプレートに落とし込みができます。稼働状況や施工状況を把握できるため、品質向上につなげられることが可能です。
顧客の見込み/進捗管理ができる 引き合いから契約、契約後のアフターフォロー対象まで、どの状況にいるお客様も一気通貫での顧客管理ができます。プレゼンテーションや見積もり、契約書や予算管理、最終的な施工主への報告書まですべての書類データ管理も可能です。
オンライン受発注 ANDPAD受発注機能を活用すれば、オンラインでの発注・請負・納品・請求対応ができ、経理データへの連携も可能なので、書類作成や支払い依頼などの手間が大幅に軽減できます。。

料金体系は、初期費用と月額費用とオプション費用があります。プランによって料金が変わってくるため、詳しく知りたい方はANDPADのサイトから問い合わせができます

3−2 導入事例

実際にクラウドサービスを導入している事業者の導入事例を知ることは非常に有効です。良い部分と懸念点を知ることができます

ITトレンドというIT製品の比較や資料請求サイトには、建設業のクラウドツールが複数掲載されています。おすすめ度・価格・サポート品質・使いやすさ・昨日への満足度からなる全体満足度がスコアリングされています。

さらに、評判や口コミも掲載されています。この評判や口コミは、ポジティブな評判とネガティブな評判が分けて掲載されているため、偏らない意見を見ることができます

これらの評判や口コミは、導入した企業や実際に利用したユーザーからの書き込みがあるので、導入検討には非常に有効です。

また、ITトレンドでは掲載クラウドサービスの一括資料請求にも対応できるため、資料請求を効率的に実施できます。

4 まとめ

若年層の就業者流入不足と日本全体の少子高齢化によって、建設業の就業者人数の減少からの回復は簡単ではありません

一方で、社会インフラの建設やメンテナンスの担い手として今後も建設業には継続したニーズと使命があります。そのため、建設業は生産性向上が必ず成し得ない課題になってきます

建設業の生産性向上により、女性でもできることや働き方やライフワークバランスの確保など働く環境の改善を図っていき、建設業で働く人の増加が実現できます。

建設現場と事務所には物理的な距離があり、報告や情報共有や資料確認などに時間や処理の煩雑さがあります。どこでも情報閲覧・編集できるクラウドサービスの導入は多くの課題解決のサポートになります

導入するためのポイントを抑えて、比較的導入のハードルが低いクラウドサービスを導入し、自社の課題解決につなげていけることを願います。

建設業許可申請が全国一律76,000円!KiND行政書士事務所:東京