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建設業許可の事業承継のやり方・手順とは

2020年10月1日に建設業法が改正され、事業承継における建設業許可の取り扱い方が変更されました。許可を受けた業者の地位を承継できるようになったため、建設業の事業承継のハードルが大きく下がり、後継者不足などの課題を解決できる一助になることが期待されています。

そこで、今回は改正後の建設業の事業承継についてと、そのやり方や手順について解説します。建設業に携わる方はご参考ください。

1 事業承継とは

事業承継とは、企業や事業の経営する権利を第三者の別法人に引き継ぐことを言います。法人や事業の所有者が変わることで、経営者並びに経営自体が変わるのが一般的です。事業承継はそれ自体が目的ではなく、承継した事業で利益を確保しながら持続していくことになります。

そのためには、事業承継で移動する3つの要素を理解して、うまく活用することが求められます。

●事業承継によって移動する3要素

事業承継をするにあたっては、複数の事項が引き継がれます。中小企業庁HP『事業承継マニュアル』によると、中でも重要度の高い要素3つは以下の通りです。

✓経営権

企業や事業を経営する、つまりは意思決定ができる権利が移行します。

株式会社で言うと、株式の譲渡を受けて株主総会において意思決定ができる割合を保有した株主になります。中小企業で言えば、100%の株式を移動する場合なども一般的です。

一方で、実務上では従業員や取引先があって企業や事業は成り立っています。そのため、経営権をもった株主という立場だけでなく、より良い職場環境や取引先との関係性を構築していく経営者であると従業員や取引先に認められる行動が必要です。

✓資産

資産とは、一般的な現金や貯金や不動産等の資産はもちろんですが、建設機械やトラックや許認可など事業を行う上で必要不可欠な事業用資産を含みます。また、貸付債権や売掛金などの権利も資産に含まれます。一方で、借入金や買掛金などの負債・義務も含まれます。

✓知的資産

知的資産とは、企業や事業の特性や差を生み出すものになります。具体的には、商品やサービスとそのマーケティングや取引先や組織体制などがあります。これらの知的価値は、売買することができない為、資産として移転することができないノウハウや知恵になります。

この知的資産の価値を適切に見抜き、活用することが事業承継を成功させる大きな要素と言えます。

これらの事業承継によって引き継がれる3つの要素を活用して事業価値を高めながら事業を継続することが事業承継のゴールになります。

1-1 建設業の事業承継

建設業の事業承継は、以下のような目的から実施されています。

  1. ① 承継元の経営者の高齢化に伴う、企業や事業の存続のため
  2. ② 経営統合などによる、規模の拡大による経営や事業の効率向上のため

建設業全体大きな課題になっている”高齢化”への対策として、今後事業承継が増加する可能性が高いと推測されています。

建設業では、経営者を含めた就業者全体での高齢化が進んでいます。そのため、高齢を背景とした退職による就業者の減少が予想されており、経営の後継者や就業者の確保をするために事業承継が増えることが予想されています。

●建設業許可の承継

建設業は、建設業許可が必要です。必要な許可は、営業所の所在地(知事許可と大臣許可)/請負形態(一般建設業と特定建設業)/工事の種類(29業種)と大きく3つに分かれています。

また、それ以外に請け負う工事の規模によって、建設業許可が必要になります。税込で500万円以上の工事(建設一式工事の場合は税込み1,500万円以上の請負工事)を実施する場合、建設業許可*が必要になります。

*その他、建設一式工事でかつ木造住宅建築において150平米以上の延床面積の工事の場合にも、その請負金額に関わらず建設業許可が必要になります。

小さい規模の工事を専業で実施する業者がいないわけではありません。しかし、外部から仕事を受注する建設業者にとって建設業許可は必須です。

令和2年10月から施行された改正建設業法では個人事業主が絡む事業承継における建設業許可の取り扱いが大きく変更されました。

建設業許可について、改正の前後で以下のように変更されています。

✓改正前

建設業者が事業承継する場合には、承継元の会社がもっていた建設業許可を承継後の企業が引き継ぐことができませんでした。そのため、承継先の企業は建設事業をやろうとする場合には新たに建設業許可を取得することが必須となっていました。

具体的には、事業承継をする場合には承継前の企業で取得した建設業許可について廃業届を提出し、承継後の企業で新たに建設業許可を取得する必要がありました。

承継後の企業で新たに建設業許可を取得する迄の期間は、無許可状態になるため前述の建設業許可を必要とする工事を行えません。申請準備と申請後の許可が出るまでの期間は、標準的には各2ヶ月程度かかります。つまり、事業承継してから4ヶ月前後も建設業許可が必要な工事や事業ができない期間が発生していました。

✓改正後

建設業の事業承継において、事前に認可を取得しておけば建設業許可も承継できるようになりました。

つまり、改正によって承継された企業によって新たに建設業許可を取得する必要が無くなりました。これにより、前述の建設業許可が必要な事業ができない4ヶ月の期間が発生しなくなりました。また、万が一にも事業承継した企業で建設業許可が下りない、といった最悪なケースも発生を回避できるようになりました。

1-2 改正で事業承継の変わった点

令和2年の建設業改正によって、事業譲渡や法人の合併や分割であっても許可番号を引き継ぐことができるようになり、最もメリットが得られたのは建設業を営む個人事業主です。

改正前には、個人事業主は建設業許可を移転することができませんでした。そのため、“法人成り”する場合でも、法人となった会社で新たに建設業許可の取得が求められました。

新たに建設業許可を取得することは、前述のとおり事業上空白期間が発生してしまう点が大きなデメリットになります。それ以外のデメリットとして、許可取得からの期間がリセットされてしまう点があります。

建設業許可番号には、般―〇〇や特―〇〇となっています。この〇〇部分には、建設業許可を取得した年度が記載されます。そのため、許可番号を見れば、どれだけ事業をしているのかが分かるようになっています。

許可番号が古いほうが長年建設業を営んできた証になるため、許可番号は新しい取得年度より古い取得年度の方が好まれます。しかし、今まで建設業許可番号の承継はできなかったため、事業承継や“法人成り”や合併などの場合には許可の取り消しをしなければなりませんでした。

●具体的な建設業許可の引継ぎ

個人事業主が取得した建設業許可を、事業の後を任せる後継者に引き継ごうとする場合には以下の3つの方法があります。

  1. ① 法人設立
  2. ② 個人間の事業譲渡
  3. ③ 相続

それぞれの方法の流れを以下で説明します。

① 法人設立

個人事業主の建設業許可を引き継ぐ最もベーシックな方法が、“法人成り”と呼ばれる法人設立になります。

まず、事業を引き渡そうとする個人事業主が株式会社などの法人を設立します。そして、個人事業主として取得した建設業許可を役所と事前相談の上、法人に移します。その法人に、事業を引き継ごうとする人を役員などで経営に参画させます。調整のうえその法人の経営や所有を引き継ぎます。

株式会社を設立して建設業許可をその株式会社に引き継いでおくことで、引き継ぐ先が法人であったとしても対応が簡単になります。株式会社同士であれば、事業承継の形で株式を譲り渡せます。

② 個人間の事業譲渡

個人事業主が個人事業主に建設業許可を引き継ぐ場合の方法になります。

このやり方も、改正前には実現できないやり方でした。法人成りとは異なり、法人の設立をしないため、まずは役所に事業譲渡を行う事前相談をします。そして、役所の許可が降りたら個人事業主同士の事業譲渡契約を締結します。

この事業譲渡契約が成立した時点から、事業譲渡先の個人事業主が建設許可番号を所有・利用することができます。

個人事業主同士の事業譲渡は、法人成りには必須の会社設立の手間がかからないという利点があります。

③ 相続

相続は、建設業許可を持つ個人事業主が亡くなった場合の建設業許可の引継ぎ方法になります。

改正前は、建設業許可の相続は認められていませんでした。そのため、やはり新規で建設業許可の取得が必要でした。しかし、相続に関しても令和2年10月の法改正によって引継ぎができるようになりました。

改正前は、建設業許可の相続は認められていませんでした。そのため、やはり新規で建設業許可の取得が必要でした。しかし、相続に関しても令和2年10月の法改正によって引継ぎができるようになりました。

相続はその事柄上、役所への事前相談ができません。そのため、建設業許可を取得していた個人が死亡などによる相続が発生した場合には、その相続の日から起算して30日以内に建設業許可の引継ぎの申請をして、引継ぎの許可を得ることができれば許可番号を相続できるようになりました

1-3 留意点

建設業許可を引き継ぐことは、建設業法改正によって格段に簡単になりました。建設業許可を含めた、企業や事業を引き継ぐことは築いてきた業界内での信用を引き継ぐことになるのでその後の仕事を行う上で大きなメリットになります。

一方で、事業承継で引き継がれるものをきちんと確認しておかないと、のちのちにトラブルとなるケースもあります。ここでは、事業承継における留意点について解説します。

● 総べてを引き継ぐこと

事業承継は事業に関わる全てを引き継ぐことが基本です。

建設業許可や現金や不動産といった資産だけを引き継ぐことはできません。また、事業承継時には知らなかった借り入れなどの負債が承継後に判明したとしても、承継された事業に関わるものであればそれも引き継いだことになります。

事業承継をしようとする場合には、その引き継ぐ範囲の会社や事業について状況分析が必須です。経営者が全く別の法人や血縁関係のない第3者の個人事業主同士の地位承継では、引き継ぐ対価を決める上でも状況分析を念入りに実施します。

しかし、親族の間や相続の時などの時間が限られている場合にはこの状況分析が不足する場合があります。そのような場合に、意図していないものを引き継いでしまう結果になる場合があります。

相続で引き継ぐ場合には、個人事業という限定された部分を引き継ぐこととは異なります。事業だけでなく、個人的な借金や未払がないかも確認が必要です。

● 建設業許可のマイナスポイントに注意

建設業許可を事業承継する場合には、建設業許可に関わる建設業の全部を引き継ぐことになります。許可を受けている建設業の一部だけを事業承継されることは認められていません(国土交通省 建設業許可事務ガイドライン 第17条の2関係)。

もし、建設業の一部だけを事業承継する場合には、被承継人(承継をする事業者)はもともとの事業者がもつ許可を廃業したうえで、承継人(承継を受ける事業者)は新規の建設業許可を受ける必要があります。

建設業許可の事業承継を受けるということは、『建設業者の地位を承継する』ことになります。つまり、被承継人と承継人は同じ立場で権利と義務を果たすことが求められます。そのため、被承継人が建設業者として受けた建設業法に基づく監督処分や経営事項審査の結果も引き継ぐことになります。

監督処分とは、法令違反などの行為に対して管轄する行政機関が発する命令を言います。建設業者では、建設業法や入札契約適正化法などに違反行為があった場合には建設業法上の監督処分の対象となります。

経営事項審査とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする際に必要な審査です。公共工事を発注する機関は、その発注は競争入札を実施しますが、その競争入札に参加するには資格審査を実施している業者であることが必要です。

ただし、法第45条から第55条に該当する罰則は、違反行為をおこなった被承継人個人や法人に対しての刑罰に該当するため、承継人に承継されません(建設業法第45条から第55条には、賄賂や建設業許可がない状況での建設業を営んだ場合などの罰則事項が規定されています)。

そのため、従業員に会社の方向性や評価方法や処遇面での説明を充分に実施し、分からないことから生まれる不安をできるだけ減らす努力が必要です。事業承継には、PMIと言われる経営や業務ならびに意識の統合を行うプロセスを丁寧に実施することが重要です。

2.新しい事業承継のやり方と手順

建設業における事業承継をパターンに分けて、事業承継ができる要件を抑えたうえで、具体的なやり方と手順を解説していきます。

前述のとおり、事業承継には留意すべきポイントもあります。そのため、事業承継の目的は何かを忘れることなく、継続的かつ効率的に手続きを進める必要があります。

● 建設業許可の事業承継の要件

建設業許可を含めた事業承継をおこなうため、承継人となる企業や個人事業者が建設業許可を取得する際の要件を満たしていることが必要になります

つまり、以下の5つの要件を満たしている必要があります。

  1. 1 建設業にかかる経営業の管理責任者がいる
  2. 2 専任技術者がいる
  3. 3 誠実性(誠実に契約履行を実施する)
  4. 4 財産的な基礎が安定している
  5. 5 欠格要件に該当しない

建設業として事業を行う上で必要とされている要件であるため、建設業許可を引き継ぐ先でもこの要件は求められます。

建設業を営む上で必要な要件であり、建設業にかかる全ての範囲を引き継ぐことが建設業許可の事業承継に求められているため、全部引き継げば要件を自然と満たしていることになります。

すでに専任技術者や誠実性や財産的な基礎などはある上で経営をしているからです。一方で、経営者の交代を事業承継のタイミングで実施する場合で、承継人の企業ないしは個人事業主が“建設業にかかる経営業の管理責任者”に該当すれば基本的に問題ありません。

● 経営業務管理責任者

建設業にかかる経営業の管理責任者を経営業務管理責任者(通称『経管』)と言います。この経営業務管理責任者は、経営をする人を立てただけでは要件を満たしたことになりません。

建設業では、取引金額の大きさや、社会インフラを支える重要な業界である点などから顧客や社会に与える影響の大きさがあります。そのため、社会的責任の大きさに対応できる堅実な経営を行う能力のある経営者を立てることが求められています。

経営業務管理責任者に求められる要件は二つです。

  1. 経営業務管理責任者に必要な要件
  2. 1 常勤性
    経営業務管理責任者は、常勤することが求められます。そのため、経営業務管理責任者が他の事業の常勤役員や従業員を同時に行うことは認められません。
  3. 2 建設業での一定期間の経営経験この期間は、経営経験のタイプによって異なってきます。
    ① 許可を受けようとする建設業区分における経営経験が5年以上ある
    ② 許可を受けようとする建設業区分以外の建設業での経営経験が7年以上ある
    ③ 許可を受けようとする建設業区分における経営業務管理責任者に順ずる立場で経営業務全般の補佐業務経験が7年以上ある

上記の経営経験をまとめると、次のようになります。

管工事業の許可を得ようとする場合を例として説明します。もし、承継人の個人事業主もしくは法人の経営者が管工事業での経営経験(取締役以上の地位や個人事業主本人や支配人などの立場での経験)が5年以上あれば要件を満たしていることになります。また、管工事業以外の建設業の経営経験が7年以上ある場合も同じく要件を満たしています。

もしくは、管工事業での経営補佐経験(父親が代表を務める個人事業で息子と一緒に事業運営を行っているなどの期間)が7年以上ある場合にも要件を満たすことになります。

2-1 手順

建設業許可の事業承継の大枠の手順をここでは説明します。建設業許可を引き継ごうとする時に、全ての手続きで共通して必要なのは『事前許可』の手続きになります。この事前許可が下りないと次に進みません。

そのため、許可を引き継ぐ上では事前認可のやり方を押さえる必要があります。事前の申請は、許可行政庁へ実施します。本店住所ならびに営業所の住所によって問い合わせ先は異なってきますが、国土交通省のHPで問い合わせ先を確認できます。

事前申請から許可までの流れは以下になります。なお、都道府県知事の認可と大臣の認可へは流れも異なるので留意が必要です。

  1. 1 都道府県知事許可の場合
    ①事前相談
    ②申請書提出(窓口審査)
    ③受付
    ④審査
    ⑤認可
    ⑥通知書送付
    ⑦後日提出必要資料の提出
  2. 2 大臣認可
    ①地方整備局への事前相談
    ②大臣認可
    ③都道府県知事への届出書提出

●事前相談先とスケジュール

事前認可申請の受付期間は、事業承継における事前相談は随時行っている許可行政庁が一般的です。(但し、事前に電話などで問い合わせを行うようにしてください。)

そして、事前相談は承継しようと思う日から4ヶ月前を目安として相談していくことが推奨されています。申請の受付から最終的な認可が通知書として送付されるまでに2ヶ月前後かかるので、逆算して早い段階から事前相談と申請書の提出を準備します。なお、認可手続きにおいて許可行政庁への手数料は発生しません。

この時に建設業許可の有効期限には注意が必要です。承継者ならびに譲受者ともに建設業許可業者の場合には、それぞれの建設業許可の有効期限が満了する30日より以前の日付であることが必要です。

建設業許可の有効期限は5年になります。登録の更新をする場合には有効期限満了の日から90日前から30日前までに更新申請をする必要があります。

● 申請書類提出から審査

上記②申請書類提出(窓口審査)では、必要申請書類と確認書類が記入漏れなど無く正しく記載・添付されているかという確認と、申請内容によって認可基準を満たしていることの確認を行います。

上記③受付は窓口審査を通過した後に実施できます。この際、正本と副本と電算入力用紙の各1部ずつ必要になります。受付では正本を申請のために提出し、副本には受付年月日や受付番号が押印されて返還されます。

受付が終了した後には、④審査に移行します。審査で申請書類などから審査を行い、その内容に疑義が発生した場合には、新たな情報や確認書類などの徴収依頼や、営業所調査などを実施します。

④審査に必要とされた情報や資料の提供/提出がない場合には、認可はおりません。万が一、依頼された書類を用意することができない場合には、許可行政庁への相談やすり合わせを行う必要があります。

2-2 事前申請の手続き

建設業許可の事業承継の事前申請には、事業承継にかかる書類と、添付書類が必要になります。実際に事業承継をする際には、必要書類について許可行政庁に問い合わせをし、書類自体とその記入方法について把握すると良いでしょう。

例として東京都の事業譲渡の事前認可に必要な書類は以下になります。東京都ではこのとじ順での提出を求められます。

1 必要書類一覧

  1. ① 譲渡/合併/分割認可申請書
  2. ② 相続認可申請書
  3. ③ 役員等の一覧
  4. ④ 営業所一覧表
  5. ⑤ 専任技術者一覧表
  6. ⑥ 工事経歴書(直近1年分)
  7. ⑦ 直近3年の各事業年度における工事施工金額
  8. ⑧ 使用人数
  9. ⑨ 誓約書
  10. ⑩ 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(該当者がいる場合のみ)
  11. ⑪ 定款
  12. ⑫ 直近1期分の財務諸表(法人/個人)
  13. ⑬ 営業の沿革
  14. ⑭ 所属建設業者団体
  15. ⑮ 健康保険等の加入状況
  16. ⑯ 健康保険等の加入状況およびその確認資料の提出に関する誓約書
  17. ⑰ 主要取引金融機関名

⑰ 主要取引金融機関名

  1. ① 常勤役員など証明書もしくは常勤役員などおよび常勤役員など直接補佐する者の証明書
  2. ② 常勤役員などの履歴書もしくは常勤役員などの直接補佐する者の履歴書書
  3. ③ 専任技術者証明書
  4. ④ 技術者要件の証明書類
  5. ⑤ 許可申請者の住所と生年月日などに関する調書
  6. ⑥ 建設業法施行令第3条に規定する使用人住所と生年月日などに関する調書(該当者がいる場合)
  7. ⑦ 株主や出資者に対する調書
  8. ⑧ 発行後3ヶ月以内の登記事項証明書(法人の場合)
  9. ⑨ 事業税納税証明書

さらに、確認資料と添付資料が必要です。

  1. ① 承継方法などの書類
    この書類は、事業承継(さらにその方法)と相続によって異なります。
    ≪事業承継の場合≫
    ・事業譲渡…契約書写し/株主総会議事録、社員総会決議録、無限責任社員または総社員の同意書など
    ・合併…合併方法や条件が記載された書類/合併契約書の写しおよび合併比率の説明書/株主総会議事録、社員総会決議録、無限責任社員または総社員の同意書など
    ・分割…分割方法や条件が記載された書類/分割契約書の写しまた分割比率説明書/株主総会議事録、社員総会決議録、無限責任社員または総社員の同意書など
  2. ≪相続の場合≫
    相続では、申請者が建設業者としての地位を引き継ぐことがふさわしいかの判断をするための確認資料が必要です。
    ✓被相続人が死亡した日を確認する書類
    ✓被相続人と申請者との続柄を確認できる書類(住民票や戸籍謄本など)
    ✓申請者以外にも相続人がいる場合には、申請者が被相続人の建設業許可業者の地位を引き継いで建設業を営むことに対する他の相続人の同意書
  3. ② 預金残高証明書
  4. ③ 『成年被後見人や被保佐人に該当していない旨の登記事項証明書』または、『医師の診断書』(双方ともに発効から3ヶ月以内)
  5. ④ 破産して復権を得ていないなどに該当していないことを証明するための身分証明書(発行後3ヶ月以内)
  6. ⑤ 常勤役員などの経営経験確認資料
  7. ⑥ 専任技術者の技術要件確認資料
  8. ⑦ 社会保険加入状況を証明する資料
  9. ⑧ 法人番号が証明できる書類
  10. ⑨ 営業所住所/郵便番号/電話番号などが確認できる書類
  11. ⑩ 役員氏名一覧表

上記の他に後日提出する書類があります。そして、後日提出書類には提出期限があります。この提出期限を過ぎても提出がされない場合には、認可が取り消しされます。後日提出書類はリスト化し、有効期限を超過しないよう提出スケジュールを作成しておく必要があります。

また、提出期限は、承継の場合には承継した日からカウントします。また相続の場合には認可を受けた日からカウントします。

後日提出の書類※()は提出期限

  1. ① 法人を新規設立の場合には定款、承継によって変更された定款と変更の議事録(30日以内)
  2. ② 承継直後の財務諸表(30日以内)
  3. ③ 営業の沿革(30日以内)
  4. ④ 所属建設業団体(30日以内)
  5. ⑤ 発行後3ヶ月以内の登記事項証明書(30日以内)
  6. ⑥ 相続や新設法人時の事業税納税証明書の代わりとしての法人設立届または事業開始届(30日以内)
  7. ⑦ 法人番号を証明する資料(30日以内)
  8. ⑧ 承継日時点の常勤役員、専任技術者などの常勤性が確認できる資料(2週間以内)なお、常勤役員などに変更がある場合には、変更後の書類とあわせて変更前の者の常勤性を確認できる資料も必要です。また、専任技術者は、原則として申請時点から継続が求められます。しかし、変更が必要な場合は認可申請の前もしくは承継後2週間以内に変更届の提出が必要です。
  9. ⑨ 申請受付の際に後日提出を誓約している場合、健康保険などの加入状況(2週間以内)
  10. ⑩ 申請受付の際に後日提出を誓約している場合、社会保険の加入証明資料(2週間以内)
  11. ⑪ 営業所住所/郵便番号/電話番号などが確認できる書類(2週間以内)
  12. ⑫ 被承継者の決算報告書(事業年度終了後4ヶ月以内)

以上が、都道府県に事前相談と認可を受けるために必要な書類になります。

2-3 各書類の詳細内容

ここでは、各書類について説明をしていきます。事業承継を実施するタイミングでは、事業譲渡をいつまでに完成させなければいけないかという大きな期限があります。

その期限に間に合うために、逆算的に考えると半年以上前から準備を開始する必要があります。事業承継を検討する段階から同時並行で事前申請の準備を開始した方が良いことを覚えておいてください。

準備をする中で、決めなければいけない事が分かっていると書類準備がスムーズに進みます。そのため、事前に書類の内容を理解しておき事業承継前後で決めなければいけないことをリスト化しておくと役に立ちます。

●譲渡および譲受け認可申請書

認可申請書に必要な情報は、譲渡人と譲受人の住所/事業者名/代表名称を記載します。

また、譲渡および譲受け年月日とその理由と価格を記載します。理由に関しては、事業承継を行った経営判断の経緯や理由が分かるように、一般市民が閲覧しても分かる様式で記載する必要があります。

引き続き使用する建設許可番号を記載します。なお、建設業同士の事業承継等の場合には、今後も使用する建設番号を選択して記載します。

譲受人が、譲渡後に営もうとする建設業業種とその許可番号について記載します。もし、譲受人が無許可業者である場合には記載しません。

そして、この申請の担当者氏名と連絡先を記載します。もし、行政書士が代理申請を行う場合には、行政書士法施行規則第9条2項および第11条に則って行政書士の職印押印が必要です。

注意点として、新設法人を通じて建設業許可を事業譲渡する場合の記載方法です。事前申請時点では、新設法人は設立されていない場合がほとんどです。この場合、新設法人が申請者になっている場合の代表者は被承継者全員を記名します。そのうえで、最上段には筆頭者を記名します。

● 役員などの一覧

承継する日に、役員になる者と発行済み株式の5%以上を所有する株主の全員記入が原則になります。

ただし、申請時点では役員になっていないことが原因で、身分証明書や登記されていないことの証明書が取得できない場合もあります。この場合には、身分証明書を用意できる役員や株主のみを事前申請時には記載します。その上で、承継日での役員追加について変更届を提出します。

また、申請時点では退任していないものの承継日前に退任する予定がある役員の情報も記載が必要です。この場合も、承継日時点で役員の変更事項として変更届を提出します。

経営業の管理責任者は、譲受企業に移籍していない状況であったとしても記入します。

● 工事経歴書と直近3年間の施工金額表

いずれの書類も、承継事業について作成します(施行規則13条の2)。譲受事業者も決算や確定申告を実施している場合、譲受事業者の実績や決算内容を記載しないよう留意が必要です。

●財務諸表

承継にかかる契約において、財産などの引継ぎの有無によって提出する財務諸表の対象が変わってきます。

財産などの引継ぎがない場合には、直近の決算を作成します。また、財産などの引継ぎがある場合には、承継した直後の財務諸表を作成します。この財務諸表から、建設業許可の要件の一つである財産的要件を判断します。そのため、財産の引継ぎがある場合には、財務諸表の提出は後日提出になります。

一般建設業の許可の財務的要件は、申請時の残高が500万円以上あることが証明できれば財務諸表の内容は問わずに要件を満たせます。そのため、財産などの引継ぎによって純資産が500万円を割り込む際には、申請時に残高証明書の送付が必要になります。

● 所属建設業者団体

様式に沿って、所属している団体と所属年月日を記載します。もし、加入していない場合には『なし』と記載します。

● 主要取引金融機関名

金融機関は、政府関連/普通銀行と信用銀行/中央金庫や信用金庫や信用協同組合など/ゆうちょ銀行などのその他の金融機関に分けて報告します。

● 健康保険等の加入状況およびその確認資料の提出に関する誓約書

この誓約書は、申請者が健康保険などの加入状況とその確認資料を提出する誓約書になります。この書類は、承継日ないしは合併や分割の日から2週間以内に提出することを誓約します。

そして、その誓約した期間以内に健康保険等の加入状況およびその確認資料を提出できないと、許可が取り消しになります。

健康保険の加入状況とは、営業所単位で従業員数に対して、健康保険と厚生年金保険と雇用保険のそれぞれの加入状況を記載します。そして、保険の加入状況は、令和2年10月でその記載方法が変更されている場合が多くあります。

例えば、東京都では健康保険等加入状況に応じて、下記のように3つに区分されています。

≪保険の加入状況≫

1 適用事務所、適用事業の届出を行っている
2 適用が除外されている
3 一括適用の承認に関わる営業所

なお、健康保険などに加入していない場合には建設業許可要件を満たさないことになり、建設業許可の事業承継も認可が下りません。

この部分は、個人事業主を含めて健康保険等に加入させ、未加入の事業者を無くして働きやすい業界に建設業界全体で変わっていくための取り組みになります。建設業界は、就業者が減少しながら高齢化が進み、これからの建設業を担う若手の就業者の流入を増やすことが大きな課題です。その点を理解し、健康保険等の加入を適切に実施していく必要があります。

●常勤役員等証明書もしくは常勤役員等および常勤役員など直接補佐する者の証明書

常勤役員とは、前述の常勤する経営業務管理責任者を言います。そして、常勤役員等証明書では常勤役員が経営業務の管理責任者に必要とされる経験を有していることを証明する必要があります。

常勤役員の『役職名称』と『経験年数』と、その経験年数を『証明する者(自己証明も可能)』を記載します。そして、証明者が申請者以外の建設業者の場合には、その証明者の許可番号と許可年月日と許可業種を記載します。また、自己で証明する場合には、経営業務を経験した会社名などを記載します。

加えて、証明者の事業者住所と事業者名称と役職と氏名を記載します。同様の項目で申請者の情報も記載します。

証明者は、原則証明の対象となる期間に被証明者が在職していた法人の代表者や個人事業主がなります。しかし、正当な理由で法人の代表者や個人事業主以外を証明者とする場合には、備考としてその理由を記載します。そのうえで、当時の取締役や本人等の別の証明者を立てます。

『常勤役員等および常勤役員など直接補佐する者の証明書』にその目的が補佐する者の証明を行う点で異なりますが、その記載事項については同じになります。

なお、直接に補佐する者(以下は『直接補佐者』という)は、業務経験年数などの必要要件を満たしていれば財務管理と業務運用と経営補佐の三役を兼ねることは可能です。また、主たる営業所の専任技術者を兼ねることも可能です。ただし、常勤役員等と兼ねることはできません。

常勤役員等と直接補佐者は、組織図になどで直属の上司と部下の関係である必要があります。

なお、常勤役員等および直接補佐者の確認資料は他にもいくつか必要になります。

  1. ① 申請日現在で常勤性を確認する資料
    個人の場合には、他の事業者の社会保険に加入していないことが確認書類になります。一方で法人の場合には、申請する法人において社会保険加入が確認書類になります。
     
    そのため、個人と法人の場合に共通して氏名と生年月日が分かる有効期限内の保険証の写しが必要です。法人の場合には、保険証に事業所名が印字されている場合には保険証の写しの身の確認書類です。
     
    加えて、個人の場合には直近の決算における個人汚確定申告書の写しが必要になります。また、法人の保険証に事業所名が印字されていない場合には申請者への所属が分かる以下にあげるいずれかの追加資料が必要です。
    ✓健康保険と厚生年金被保険者に対しての標準報酬決定通知書原本
    ✓資格取得確認および標準報酬決定通知書原本
    ✓直近決算における法人用確定申告書の写し
    ✓健康保険組合等が発行する資格証明原本 など
  2. ② 申請日現在で常勤役員等および直接補佐者の地位にあることが確認できる資料
    常勤役員等は、その申請時点で個人の場合には授業主もしくは支配人であること、法人の場合には取締役または権限委譲がなされた執行役員であることが求められます。

    そのため、個人の場合には他の事業者に在籍した事実がない事業主であったことを確認できる個人確定申告書の写し、もしくは支配人であることを示す履歴事項証明書などの確認書類が必要です。

    法人の場合には、役員の事実を示す履歴事項証明書など、もしくは権限委譲を受けた執行役員である事実を示す株式総会や取締役会の議事録などが確認書類として必要です。

    ≪直接補佐者≫
    申請時点において、常勤役員に対して直属の関係にあることを確認できる書類(組織図など)が必要です。

  3. ③ 経営などの経験に対する確認書類
    許可を得ようとする建設業における経営もしくはその補助や業務経験の確認資料については、過去の期間分の経験年数を建設業の経営業務を管理していたことを証明する必要があります。具体的には、以下のような確認書類があります。

    なお、この確認書類は上記②『申請日現在で常勤役員等および直接補佐者の地位にあることが確認できる資料』の書類と重複することになります。ただし、それぞれ必要期間を満たすだけの期間を確認できる必要があります。具体的には以下の確認資料などが求められます。

    ✓建設業で5年以上、役員であった事実を示す履歴事項証明書
    個人では、他の事業者に在籍せずに事業主であった事実を示す確認書類
    ✓建設業で5年以上、権限委譲を受けた執行役員である事実を示す株式総会や取締役会の議事録など
    ✓建設業で6年以上、経営業務の管理責任者に準じる立場にあった事実を示す資料
    ✓建設業で2年以上、役員もしくは権限委任された執行役員であった事実を示す確認資料と、それらの合計期間が5年以上になる役員もしくはそれに次ぐ立場であった事実を示す確認資料

    上記は、過去の経営期間を示す確認書類になります。それと同時にその期間建設業の経営や補助を実施していた事実を示す確認資料が必要です。そのための確認資料が以下になります。

    ✓証明期間中に、建設業許可があった場合
    建設業許可通知書、または受付印が押印されている建設業許可申請書などの写し
    ✓証明期間中に、建設業許可がない場合
    期間通年分の建設業を営んでいたことを示す確認書類(工事請負契約書や工事請書や注文書や請求書などの写しなど)
    ✓大臣の特認がある場合には、有効期限内の認定証の写し(有効期限を経過した認定書はその効力を失うので注意が必要です。)

●専任技術者証明書

専任技術者証明書は、建設業法第7条第2号と同法第15条第2号に規定されている専任の技術者を営業所に配置していることを証明するための書類です。

記載事項としては、申請者情報(事業者住所/事業者名称など)と許可番号、加えて技術者の氏名や生年月日や今後と現在に担当している建設工事の種類ならびに有資格情報と、配置されている営業所の名称と住所などになります。

また、専任技術者の確認資料も常勤役員同様に複数必要になります。概ね内容は重複する為説明は割愛しますが、実際に申請する際には事前に内容の確認が必要です。

3 まとめ

2020年10月の改正によって建設業許可を引き継ぐことができるようになったことは、建設業を営む事業者にとっては朗報でした。今まで、個人事業者が“法人成り”する場合や、個人事業主と跡取りが共同で事業を営んでいた状況から事業を引き継ごうとする場合でも、も新たな建設許可の取得が必要だったことを考えれば大きな前進と言えます。

この結果、今後の建設業の後継者不足の解消や事業の拡大に向けた一歩になることが期待されています。

一方で、建設業許可という社会や生活インフラを支える責任ある業種であることからも、その事前申請は厳格であり、申請の必要書類を作成するのは簡単ではありません。

また、事業承継は、建設業許可を含めた建設業の全てを引き継ぐことになるため、プラス面はもちろんマイナス面も引き継ぐことには留意が必要です。

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