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建設業許可業者の帳簿保存義務ってなに?

建設業許可を受けて建設業を営む場合、事業を開始し営業(工事)していく上で様々な義務が建設業法により課されますが、帳簿の保存もその1つです。契約など営業等に関する事項について帳簿を作成して、添付書類等とともに保存することが建設業の許可業者に義務付けられています。

そこで今回の記事では、建設業者の帳簿の備え付け、記載と保存について詳しく解説します。建設業許可の概要とともに、建設業許可業者の帳簿の記載事項、添付書類や営業に関する図書の内容、保存期間、保存方法、違反した場合の罰則や影響などを説明するので、建設業者の帳簿保存の内容や書式などについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

1 建設業許可と帳簿保存の義務とは

建設業の許可を受けると公共工事などを請け負うことができるなどのメリットが得られますが、その反面、様々な手続とその費用がかかるほか、各種の義務が発生します。その義務の1つが建設業における帳簿の保存です。ここではその主な内容を説明していきましょう。

 1-1 建設業者に課せられる帳簿保存義務の概要

建設業者は、各営業所にその営業に関する事項を記載した帳簿を作成して、添付書類とともに保存することが下記の「建設業法(帳簿の備付け等)第40条の3」で義務付けられています。

  1. 「建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿およびその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。」

そのため、この保存についての適用対象は、以降に説明する「帳簿(記載事項等)」「帳簿の添付書類」「営業に関する図書」の3つです。

具体的には、帳簿の記載事項等の内容について「建設業法施行規則第26条」で、帳簿の記載方法等は「同第27条」で、帳簿および図書の保存期間は「同第28条」で規定されています。

このように建設業者には営業上の帳簿に関する記載や保存等でのルールが法律により規定されており、守らない場合には罰則が適用されるなど業務上での不利益を被る恐れもあるため注意が必要です。

 1-2 帳簿保存義務のある建設業者とは

上記の帳簿保存義務のある建設業者は全ての業者が対象ではなく、建設業の許可を取得している建設業者になります。

建設業法第3条で、建設工事の完成を請け負う営業を行う場合、その工事が公共工事あるいは民間工事であるかに関わらず、建設業の許可を受けなければなりません。ただし、「軽微な建設工事」だけを対象として請け負って営業する場合は、建設業の許可を取得しなくてもよいとされています。

*「軽微な建設工事」とは、以下のような建設工事です。

  1. 1)建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
  2. 2)建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事
    (※上記金額には取引にかかる消費税および地方消費税を含む)

一人親方などの個人事業主の建設業者などでは建設業許可を受けていないケースが少なくないですが、小規模以上の多くの建設業者は建設業許可を受ける傾向が見られます。なお、令和3年3月末現在の建設業許可業者数は473,952業者で、前年同月比1,479業者(0.3%)が増加しました。

建設業許可を取得すると、上記のように帳簿等の保存といった各種の義務が課される一方、公共工事への入札が可能、500万円以上の工事が可能、顧客・取引先からの信用が向上、といったメリットも得られます。

そのため、建設業者として事業を拡大させ企業を発展させるのに建設業許可の取得は重要です。建設業者の方は、各種の義務の負担(取得・変更での費用、決算報告、法の規制等)を考慮しながらも取得することを検討したほうが良いでしょう。

 1-3 帳簿保存ができていない場合の問題や影響

建設業法で規定された帳簿等が適切に整備されなかったり保存されなかったりする場合は義務違反になる恐れが生じ、罰則を受けたり余計なトラブルを被ったりする恐れがあります。

①帳簿保存義務違反の罰則

法第55条は罰則の規定ですが、その5号が帳簿保存義務の違反についての内容で、対象者は「10万円以下の過料に処する」と規定されているのです。

  1. 「5 第43条の3規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、または帳簿若しくは図書を保存しなかった者」に罰金が科せられます。

具体的には、帳簿を備え付けていない、帳簿等に必要事項を記載していない、帳簿に虚偽を記載している、帳簿や図書を保存しない、などの場合には10万円以下の罰金が科せられることになります。たとえば、以下のようなケースが挙げられます。

●建設業法上違反となる行為事例(国土交通省 「建設業法令遵守ガイドライン(第6版)P35」より)

  1. 1)建設業を営む営業所に帳簿および添付書類が備付けられていなかった場合
  2. 2)帳簿および添付書類は備付けられていたが、5年間保存されていなかった場合
  3. 3)発注者から直接請け負った建設工事の完成図等の営業に関する図書が、10年間保存されていなかった場合

*3)に関しては、平成20年11月28日以降に工事目的物の引渡しをしたものに限る

②帳簿保存義務の必要性や違反による問題・影響

1)罰則の適用

建設業法では、国や都道府県知事が帳簿書類等について検査できるとしており、その検査の結果、帳簿保存義務違反が発覚すれば、上記の通り、罰金を科せられる可能性があります。

2)トラブル(による訴訟)対策

建設工事の完成後等でトラブルが生じるなどの場合に、帳簿等が適正に保存されていると、訴訟や訴訟の際の不利な状況を回避するのに役立ちます。逆に帳簿等がない、必要な記載事項がないなどの場合、トラブルが生じで訴訟等に至れば裁判で不利になり余計な損失を被る可能性もあります。

施主や下請業者などとの間での工事代金等に関する金銭トラブルや、目的物を引き渡した後などで工事に関する瑕疵(欠陥)等のトラブルなどが発生するケースは少なくありません。

こうした場合、契約や工事内容などに関する帳簿等の必要な書類等が紛失して存在しない、保存されていないなどの状態であると、裁判等で不利になり重い責任を科せられる恐れが生じます。そうした不利な状況にならないためにも規定に従った適正な記録・保存等に努める必要があります。

3)労働災害認定の証明

自社従業員が特定の建設工事で労働災害認定を受ける際に、その工事に従事してたことの証明として帳簿等の適正な記載・保存などが必要になることがあります。逆に帳簿等がなく適切に記載されず保存されていないようでは労働災害の認定受けるのが難しくなってしまいます。

労働災害認定を受ける怪我や疾病には、症状が直ぐに現れるものもあれば時間を要して発症するものもあります。たとえば、ムチウチ・腱鞘炎・難聴などは後者にも該当する疾病です。

これらの病は特定の建設工事に起因するものであっても工事が完成し引き渡してからしばらく経った後に発症するケースも珍しくありません。この場合に特定の工事が原因であるとして労働災害認定を求める場合、その工事に自社および従業員が従事していたことを証明する必要があります。

その証明には、自社がその工事を請け負って施工に従事していたことを保存している帳簿等の記載・添付書類等から示すことが必要となるため、規定に則った帳簿保存義務の履行が不可欠となります。

2 建設業法の営業上の帳簿に関する記載事項

建設業者が営業する上で必要となる帳簿の記載事項の内容は、建設業法施行規則第26条第1項により規定されています。

 2-1 帳簿における記載事項の内容

帳簿の記載事項の内容は以下の通りです。

1)営業所の代表者に関する事項

a 工事名称とその現場の住所

⇒請け負った建設工事の名称と工事現場の所在地

b 注文者との契約締結日

⇒aの建設工事に関する注文者と請負契約を締結した年月日

c 注文者の商号・名称(氏名)、住所、許可番号

⇒当該注文者(その法定代理人を含む)の商号、名称または氏名および住所並びに当該注文者が建設業者である場合はその者の許可番号

d 完成検査の完了日

⇒aの建設工事の完成を確認するための検査が完了した年月日

e 当該建設工事の目的物(工事目的物)を注文者に引渡した年月日

3)発注者(宅地建物取引業者を除く)と締結した住宅の新築工事の請負契約に関する以下の事項

a 当該住宅の床面積
b 建設業者の建設瑕疵負担割合(発注者と複数の建設業者の間で請負契約が締結された場合の瑕疵負担割合)

⇒当該住宅が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律施行令第3条第1項の建設新築住宅である場合、同項の書面に記載された2以上の建設業者各々の建設瑕疵負担割合の合計に対する当該建設業者の建設瑕疵負担割合の割合の記載が必要です。

*新築住宅を請け負った建設業者は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅の主要構造部分や雨水の浸入防止部分の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。

住宅を新築する建設工事の発注者と2以上の建設業者との間で締結された請負契約の場合、特定住宅建設瑕疵担保責任の履行にかかる当該建設業者の各々の負担割合(建設瑕疵負担割合)を決め書面にそれを記載して相互に交付しなければならないことになっています。

c 発注者に交付している住宅瑕疵担保責任保険法人の名称(資力確保措置を保険により行った場合)

⇒当該住宅について、住宅瑕疵担保責任保険法人(住宅瑕疵担保責任保険を提供する保険法人)と住宅建設瑕疵担保責任保険契約を締結し、保険証券(相当する書面等)を発注者に交付している場合は、当該住宅瑕疵担保責任保険法人の名称を記載します。

*住宅取得者(購入者)の利益保護を目的に、平成19年3月に「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)が成立し、平成21年10月から住宅事業者(新築住宅を購入者へ引き渡す者)は、新築住宅瑕疵保険への加入などにより十分な修理費用を賄えるようにして新築住宅を引き渡すことが義務付けられました。

この保険制度は、国土交通大臣が指定する保険法人により提供される「新築住宅の保険」を利用した住宅に対して、引き渡し後10年以内に瑕疵があった場合、補修を行った事業者に保険金が支払われるという仕組みです。

しかし、住宅事業者の倒産などにより当該事業者による補修等が実施されない場合、発注者・購入者は保険法人に対し、瑕疵の補修等にかかる費用(保険金)を請求することができます。

4)下請負人と締結した建設工事の下請契約に関する以下の事項(下請契約に関する事項)

a 下請負人に請け負わせた建設工事の名称と工事現場の所在地
b aの建設工事について下請負人との契約を締結した日(契約日)、当該下請負人(法定代理人を含む)の商号または名称と住所。当該下請負人が建設業者である場合は、その者の許可番号
c 下請工事の完成を確認するために自社が行った検査の年月日(完成検査実施日)
d aの下請工事の目的物について、下請業者から引き渡しを受けた年月日
e 請契約が法第24条の6第1項に規定する下請契約である場合

⇒発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業の許可を受けている者が注文者となり、一般建設業者(資本金が4,000万円以上の法人企業を除く)に建設工事を下請負した場合は、以下の事項

  1. (1)支払った下請代金の額、支払った年月日および支払手段
  2. (2)下請代金の全部または一部の支払につき手形を交付した場合、手形の金額、手形を交付した年月日および手形の満期
  3. (3)下請代金の一部を支払った場合、その後の下請代金の残額
  4. (4)遅延利息を支払った場合、その遅延利息の額および遅延利息を支払った年月日(下請負人からの引渡しの申出から50日を経過した場合に発生する遅延利息(年14.6%)の支払いにかかるもの)

*参考:特定建設業者にかかる下請代金の支払期日の特例

⇒特定建設業者は、下請負人(特定建設業者または資本金額が4,000万円以上の法人を除く)からの引渡し申出日から起算して50日以内に下請代金を支払う義務があります。

*建設業の許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」の別に区分されています。

  1. ・特定建設業の許可:
    ⇒発注者から直接請け負った1件の工事代金について、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結する場合
  2. ・一般建設業の許可:
    ⇒上記の特定建設業の許可の範囲以外の下請契約を締結する場合

 2-2 帳簿作成の書式例

帳簿作成の書式は原則、自由ですが、規定内容を漏らさず記載するためには国土交通省九州地方整備局が公開している「よくわかる建設業法」などを参考に作成すると良いでしょう。

1)営業所情報

 

営業所の名称 代表者の氏名 代表者となった年月日
○○営業所 国土 太郎 平成22年10月1日

2)注文者と締結した建設工事の請負契約

請け負った建設工事の名称 ○○ビル新築工事
工事現場の所在地 ○○県○○市○○町2-1
請負契約締結年月日 平成26年11月1日
注文者にかかる事項 商号、名称または氏名 九州工業株式会社
住所 ○○県○○市○○町2-1
許可番号 大臣・知事/特定・一般 大臣/特定
番号 第12465号
検査完了年月日 平成27年3月1日
引渡年月日 平成27年3月2日

3)発注者と締結した住宅の新築工事の請負契約

 

当該住宅の床面積 建設業者の建設瑕疵負担割合 ※1 発注者に交付している住宅瑕疵担保責任保険法人 ※2
○○㎡ ○○% ○○(株)

(※1 当該新築住宅が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律施行令第3条1項に該当する場合)

(※2 当該新築住宅について、住宅瑕疵担保責任保険法人を利用している場合)

4)下請負人と締結した下請契約

下請契約の名称 ○○ビル新築鉄筋工事
工事現場の所在地 ○○県○○市○○町1-1
下請契約締結年月日 平成26年10月11日
下請負人にかかる事項 商号、名称または氏名 鉄筋工業株式会社
住所 ○○県○○市○○町3-1
許可番号 大臣・知事/特定・一般 知事/一般
番号 第12368号
検査完了年月日 平成27年3月1日
引渡年月日 平成27年3月2日

*下表は上表の右側の部分に続くものです。

法第24条の5第1項に規定する下請契約に該当する場合
下請代金既支払額 10,000千円
支払年月日 27年3月28日
支払手段(現金・手形・その他) 現金・手形
手形を交付した場合 手形の金額 5,000千円
手形交付年月日 平成27年3月28日
手形満期年月日 平成27年5月31日
下請代金未支払額 0千円
遅延利息支払額 0千円
遅延利息支払年月日

3 建設業法の帳簿保存における添付書類と営業図書

建設業法上の帳簿は、契約書もしくはその写しまたはその電磁的記録を添付しなければならないとされており、帳簿の添付書類については建設業法施行規則第26条第2項等で規定されています。

なお、上記の通り帳簿は電磁的記録が可能であり、パソコン内のファイルまたは磁気ディスクなどに記録し保存することが可能です。ただし、その場合各営業所の帳簿記録等の内容はパソコンから紙面へアウトプットして表示できなければなりません(*建設業法施工規則第26条6項、7項)。

 3-1 帳簿における添付書類の規定内容

添付書類は以下の規定に従って備えます。

1)建設工事の請負契約の内容に関する書面(契約書)またはその写し

(建設業法第19条の第1項および第2項の請負契約)

2)特定建設業の許可を受けている者が注文者となり、資本金4,000万円未満の法人または個人である一般建設業者と下請契約を締結した場合は、下請負人に支払った下請代金の支払済額、支払った年月日および支払手段を証明する書類(領収書等)またはその写し

3)建設業者が施工体制台帳を作成した場合は(元請工事に限る)、工事現場に備え付ける施工体制台帳の以下の部分を添付(工事完了後に施工体制台帳から必要な部分のみを抜粋)

⇒たとえば、以下のようなケースです。

自社が発注者から直接請け負った建設工事について、

  1. ・公共工事に関して下請契約を締結した場合、
  2. ・それ以外の建設工事に関して下請契約の総額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円。)以上となる場合、

工事完成後に施工体制台帳の内容の中で以下に掲げる事項が記載された部分(工事完了後に施工体制台帳から必要な部分のみを抜粋)を添付します。

●施工体制台帳からの必要な部分
  1. a 当該工事について、実際に工事現場に置いた監理技術者の氏名と、その者が有する監理技術者資格
  2. b 監理技術者以外に専門技術者を置いた場合は、その者の氏名と、その者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格
  3. c 当該建設工事の下請負人(末端までの全業者を指す。以下同様)の商号・名称、当該下請負人が建設業者である場合は許可番号
  4. d cの下請負人に請け負わせた建設工事の内容、工期
  5. e cの下請業者が実際に工事現場に配置した主任技術者の氏名と、その者の主任技術者資格
  6. f cの下請負人が主任技術者以外に専門技術者を配置した場合は、その者の氏名と、その者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格
*施工体制台帳:

⇒施工体制台帳とは、「下請・孫請など工事施工を請け負う全ての業者名、各業者の施工範囲、各業者の技術者氏名等を記載した台帳」のことです。元請業者に現場の施工体制を把握させることを目的に施工体制台帳の作成が要請されています。

*監理技術者

⇒元請負の特定建設業者が当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)になる場合に当該工事現場に専任で配置され、施工における技術上の管理を担当する技術者が監理技術者です。

*主任技術者:

⇒建設業の主任技術者とは、工事現場に必ず置くことが義務付けられている技術者のことを言います。建設業者は、請け負った工事を施工する場合、元請け、下請け、工事代金の多寡を問わず、すべての工事現場に技術者を配置しなければなりません。

なお、建設業者が、発注者から直接工事を請け負い、その工事で4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上を下請負させる場合は、上記の通り主任技術者の代わりに監理技術者を現場に設置することが義務付けられています。

上記に規定される書類は、スキャナを使った読み取り等による電磁的記録での保存も可能です。

 3-2 営業に関する図書の保存

上記の帳簿保存に加えて、「営業に関する図書」の保存も建設業法施行規則第26条第5項により義務付けられています。営業に関する図書とは下記のa~cのことです。

  1. a 完成図(建設工事の目的物の完成時の状況を表したもの)
    ⇒建設業者が建設工事の施工上必要に応じて作成した場合、または発注者から受領した場合の完成図
  2. b 発注者との打合せ記録
    ⇒建設工事の施工上必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録(請負契約の当事者が相互に交付したものに限る)
  3. c 施工体系図
    ⇒法令上施工体系図の作成が義務付けられている場合だけが対象となります。

*公共工事においては下請契約を締結した場合、それ以外の建設工事においては下請契約の総額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる場合が対象です。

なお、保存すべき図書は下記の建設業者により異なります。

  1. (1)作成建設業者(建設業法第24条の7第1項の規定により施工体制台帳を作成する場合の当該特定建設業者)はa~c
  2. b 発注者との打合せ記録
    ⇒建設工事の施工上必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録(請負契約の当事者が相互に交付したものに限る)
  3. (2)(1)以外の元請業者=作成建設業者を除く発注者から直接建設工事を請け負った建設業者はaとb

※a~cに掲げる書類は、電磁的記録による保存も可能

4 帳簿の記載方法・保存期間と注意点

帳簿の記載方法と保存期間については建設業法施行規則第27条と28条で規定されています。

 4-1 帳簿の記載方法等

施行規則第26条で規定された事項の記載および書類の添付については、請け負った各建設工事で、各々の事項または書類にかかる事実が発生し、または明らかになった場合に、遅滞なく、その必要な記載および書類の添付を行わねばならないと要求されています。

また、上記の事項について変更があった場合は、遅滞なく、当該変更があった年月日を付記して変更後の事項を記載する必要があります。

 4-2 帳簿および図書の保存期間

第28条の規定では、上記の帳簿(記録されたファイルまたは磁気ディスクを含む)および添付された書類の保存期間は、請け負った建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをした時から5年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事にかかるものは10年間)です。

上記の図書(記録されたファイルまたは磁気ディスクを含む)の保存期間は、請け負った建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをした時から10年間となっています。

 4-3 帳簿の記載・保存の注意点

これまで見てきた帳簿の記載や保存に関しての注意点を紹介しましょう。

①本社等での一括保存は不可

帳簿は営業所ごとで契約した内容などに関する証拠となるものであることから各営業所で保管しなければならず、本社等での一括保存は認められていません。各営業所で保存しましょう。

②建設業許可を取得した者は全て適用

この帳簿の記載・保存の義務は、公共工事や民間工事などの種類のほか、請負代金の多寡なども関係なく、また、元請負人や下請負人の地位に関わりなく建設業許可を取得している業者に適用されます。

自社が個人事業主、一人親方、売上高が小さい、下請け専門業者、などであるからと勝手な思い込みで帳簿等の備え付け、必要事項の記録、添付書類や営業図書の保存を怠らないようにしましょう。

③電磁的記録へのデジタルタイムスタンプの使用

帳簿、添付書類と営業図書の各々は電子データとして保存することが可能ですが、改ざん防止等のためにデジタルタイムスタンプ等の使用を検討することも必要です。

行政や取引先などから帳簿等の書類の提出を求められた際に電子データで提出する場合、電子データの性質上その内容に改ざんや不正が疑われることもあり得ます。

そうした場合の疑念を晴らすためには電子データがある時刻に確実に存在していたことを証明するデジタルタイムスタンプ(電子的な時刻証明書)などの使用が有効です。

デジタルタイムスタンプ等の使用は義務ではないですが、余計な疑い・トラブルを回避するために使用を検討してみましょう。

④添付書類だけのファイリングは不可

帳簿の書式は自由ですが、これまで見てきた法律で定められた内容の記載が求められます。また、帳簿は規定の項目に関して書面にまとめて記載しなければなりません。そのため契約書等の添付書類だけを用意し、それらを綴じて帳簿としようとしても建設業法上の帳簿とはならない点を理解しておきましょう。

5 まとめ

建設業の許可を受けた場合各種の義務が課されますが、営業上の情報を記録した帳簿の備え付けや保存等もその義務の1つです。具体的には、建設業許可を取得した事業者は必ず営業所ごとに帳簿を備え付け建設業法で規定された記載事項の記録、添付書類や営業に関する図書の保存を行わなければなりません。

この帳簿保存は法的義務であるため、違反すると罰金が科されるほか、施工後のトラブルが生じた場合や労働災害が発生した場合に、不利益を被る恐れあるため、法にそのため適正な帳簿保存の義務を果たすように努めることが大切です。

建設業許可申請が全国一律76,000円!KiND行政書士事務所:東京