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建設業で独立・開業するにはどうすればいい?必要な許可は?

将来、建設業界で独立・開業してみたいと思っている方は少なくないでしょう。しかし、その独立・開業する方法や必要な情報を知らない方も多いはずです。

そこで今回は建設業での独立・開業をテーマとしてその進め方や流れなどを解説します。業界特有の建設業許可の内容や要件等を説明するほか、独立のタイプや独立しやすい方法なども紹介していきます。

建設業でいつか独立したいと考えている方、建設業の仕事の未経験者でこの業界で事業を始めたいと思っている方などは、ぜひ参考にしてください。

1 建設業での独立・開業の流れ

建設業での独立・開業の流れ

まず、建設業で独立・開業する手順を確認してみましょう。

1-1 事業内容の決定

事業内容の決定は事業での職種、事業規模・範囲などを決めることですが、ほかに事業に必要な許可の確認・取得準備の検討なども含まれます。

事業内容の決定

建設業での事業は土木と建築に大きく分かれ、2種類の一式工事と27種の専門工事があります。建設業で事業を始めるにあたりどの工事でどのような仕事を対象として事業を営むかを決めておかねばなりません。

各工事に不可欠な作業スキル・ノウハウだけでなく事業を営むにあたっての許可を取得しなければならないケースもあります。しかし、状況によっては許可が受けられないこともあるため、早めに確認し取得の準備を進めるのが重要です。

そして、その許可の対象となる工事において、誰を対象にどのような作業内容をどの程度の範囲や規模で提供していくのかを定めていきます。

1-2 創業(事業)計画の策定

上記の内容に基づき独立・開業するための創業計画を作成するべきです。開業に伴い必要となる自動車、事務所、機器・道具等の資産、材料や従業員など準備すべきものを明らかにするとともに開業時の資金を見積るためにも一定の計画は作成する必要があります。

創業計画や事業計画の立案の仕方は様々ですが、自身で作成できない場合は役所、商工会等や公的支援機関などの経営相談で教えてもらい作成するべきです。また、資金調達の相談もかねて政府系金融機関である日本政策金融公庫へ計画について相談するのもよいでしょう。

その日本政策金融公庫のHPには内装工事業の創業計画書の例が提供されており参考になります。創業計画書の内容は、「1.創業の動機」「2.経営者の略歴等」「3.取扱商品・サービス」「4.取引先・取引関係等」「5.従業員」「6.お借入の状況」「7.必要資金と調達方法」「8.事業の見通し」「9.自由記述欄」についてです。

特に重要な項目の内容を下記に示しておきましょう

3.取扱商品・サービスの例

取扱商品・サービスの内容 ①住宅リフォームの内装工事 1カ所あたり○○万円以上(売上シェア40%)
②新築マンションの内装工事 1カ所あたり○○万円以上(売上シェア40%)
③各種修繕工事 1カ所あたり○○万円以上(売上シェア20%)
セールスポイント ・独立前にバリアフリー関連で多数のリフォーム工事を施工した実績があり、より快適で機能性の高いバリアフリーの居住空間を提供できる。
・施工後の定期的なアフターサービスに注力する。
販売ターゲット・販売戦略 ・○×地区での工事実績が多く、自身が担当した顧客が○○人いる。
当面は、その顧客や関係会社などからの紹介や元勤務先からの受注で仕事量を確保していく。
競合・市場など企業を取り巻く状況 ・工事の作業だけでなく、営業やアフターサービスが十分にできる企業は少なく差別化できるため、競合は多いものの受注確保が期待できる。

7.必要な資金と調達方法

必要資金 見積先 金額 調達の方法 金額
設備資金 店舗、工場、機械、車両など
(内訳)
・ワゴン車2台
・工具一式2セット
・事務機器や備品
・保証金
○○社
○×社
△△社
××社
640万円
350
150
90
50
自己資金 300万円
親、兄弟、知人、友人等からの借入(内訳・返済方法) 40万円
日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入 500万円
他の金融機関等からの借入(内訳・返済方法) 0
運転資金 商品仕入、経費支払資金など
(内訳)
・材料仕入
・外注費支払
200万円
150
50
合計 840万円 合計 840万円

*運転資金については、売上回収や経費等の支払いの支出を考慮して適切な期間を設定して算出することが重要です(日本政策金融公庫に提出する前に相談・確認)。

8.事業の見通し(月平均)

創業当初 1年後または軌道に乗った後 売上高、売上原価、経費を計算された根拠
売上高① 400万円 520万円 <創業当初>
①売上高 200万円/件×2件/月=400万円(受注契約あり)
②原価率 約63%(材料費、外注費)(独立前の勤務時の経験から)
③経費
人件費 代表者1人、役員1人、従業員1人で(代)30万円+(役)30万円+(従)20万円=80万円
家賃 15万円
支払利息 500万円×年○%÷12カ月=1万円
その他諸経費 30万円
<軌道に乗った後>
①創業当初の1.3倍(勤務時の経験から)
②当初の原価率を採用
③経費
人件費 役員報酬・従業員給与増額 計30万円増
その他諸経費 10万円増
売上原価(仕入高)② 250万円 328万円
経費 人件費 80万円 110万円
家賃 15万円 15万円
支払利息 1万円 1万円
その他 30万円 40万円
合計③ 126万円 166万円
利益①-②-③ 24万円 26万円

なお、上記の創業計画の資料には含まれていませんが、下記のような収支計画も作るとよいでしょう。

●収支計画予測

年度内容 開業期の予測値 開業後1年目 開業後2年目 開業後3年目 備考
売上高
売上原価
売上総利益
販売管理費
営業利益
支払利息
その他損益
経常利益
当期減価償却費
キャッシュフロー

単位:百万円
※経常利益×50%+当期減価償却費

1-3 開業資金の準備

開業資金の準備

独立・開業するにあたり、具体的にいくらの開業資金をどのように調達するかを決定しなくてはなりません。

まず、必要資金の額ですが、これは先の創業計画の「No.7や8」の作成などから見積ることが可能です。必要資金の見積方としては、以下のような考え方で設定されるケースが多く見られます。

開業時の見積り必要資金=初期費用(設備資金等)+毎月の運転資金(支出)×3カ月程度以上

たとえば、初期費用を600万円とし、毎月の運転資金を50万円とすると、600+50×4カ月=800万円が開業時の必要資金の金額であり必要調達額になるわけです。このうち300万円を自己資金で賄うことができれば、残りを借入等に頼ることになります。

会社設立して株式の発行により他者からの出資に頼ることができれば借入の必要性もなくなりますが、個人事業(一人親方を含む)で開業する場合は金融機関からの借入は重要です。

個人が銀行からの融資を受けるのは容易ではないですが、先の日本政策金融公庫ならその可能性は十分になります。同公庫に相談しながら先の創業計画などを適切に作成できれば創業資金の調達は実現しやすくなるでしょう。

1-4 従業員、事務所や機器・道具等の準備

創業計画書などに基づき開業に必要な経営資源を確保し事業を始めるための準備を進ます。

特に従業員を雇う場合は早めに採用活動を開始することが重要です。個人事業や小規模会社で事業をスタートする場合、従業員の確保は容易ではないため、人脈を活かした採用を開業前から早めに進めましょう。

知人等の紹介以外で採用する場合建設業での新規採用は特に難しいため、建設人材の確保が得意な採用支援事業者などを活用することも検討しなくてはなりません。

また、自動車・機器・道具の設備類、事務所および事務機器・備品、材料・資材などの事業に必要なものを開業に合わせてその必要数量を確保することもスケジュール化して漏れなく実施しましょう。

1-5 会社設立・開業の手続

独立・開業する場合、会社設立か個人事業主としての開業を選択することになります。事業の範囲、資金などの制約のほか、事業収入による税金の面なども考慮して検討するべきです。

また、手続面では会社設立の方が手間と費用がかかりますが、経営上の利点も多いため総合的な判断が求められます。なお、税金面では会社の場合法人税率が20%程度となりますが、個人事業主は累進税率が適用され所得が増えるほど税金負担が重くなります。

事業の内容にもよりますが、年収が500万円や600万円以上になってくると会社設立した方が税金は少なく済むこともあるため、開業後の収入を予測して企業形態を決定した方がよいでしょう。

①個人事業での開業手続
その手続は比較的楽で、以下のような内容になります。

・税務署
開業後1ヶ月以内に、納税地の税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
消費税の課税事業者選択届出の有無
給与等を支払う人数
ほかにも「青色申告承認申請手続」「消費税課税事業者選択届出手続」などがあります。

・地方自治体
事業開始等届出書の提出

・従業員を雇用する場合の手続
労災保険:労働基準監督署への届出
雇用保険:公共職業安定所への届出

②会社設立の開業手続
手続内容は以下のようになります。

会社設立の開業手続

1)基本事項の決定(会社設立の準備として必要)
社名(商号)、事業内容、会社の住所、資本金、発起人(出資者)、公告の方法、株式譲渡制限の有無、事業年度、機関設計(役員、役員任期、会社組織の形態 など)、役員報酬額、法人実印(代表者印)を決定します。

2)定款の作成および認証
会社の基本ルールにあたる定款を作成する必要があり、作成後は公証役場における定款の認証も受けねばなりません。

3)資本金の払込み
資本金を準備し発起人の個人名義の銀行口座へ入金しておく必要があります。

4)登記書類の作成と設立登記手続
法人登記に必要な書類等を準備して法務局で設立登記を行います。手続は個人でも不可能ではありませんが、司法書士などへ依頼すると効率的です(手数料必要)。

5)会社設立後の各種行政などへの手続
税務署への届出(法人設立届、青色申告の承認申請書 等)
年金事務所への届出(新規適用事業所現況書、被保険者資格取得届 等)
労働基準監督署への届出(雇用保険の加入手続。社員を雇用しない場合は不要) など

なお、建設業では軽微な建設工事を除き建設業許可が必要となるため、開業に合わせて取得できるように準備しなくてはなりません。

2 建設業と建設業許可

建設業と建設業許可

ここでは建設業法に定められている建設業の内容やその事業を営むにあたって必要な建設業許可について説明しましょう。

2-1 建設業許可とその種類

①建設業の定義
建設業法では建設業のことを、「元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負うこと」と定義しています。この請負とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約束する契約のこと」です。

②建設業の許可を必要とする者
建設業の事業を行う者は、以下に示す工事(軽微な工事)を除いて、全てが許可の対象となり、建設業の種類(業種)ごとに、国土交通大臣または都道府県知事の許可を得なければなりません。

●許可が不要な工事(軽微な建設工事)
建築一式工事以外の建設工事で
1件の請負代金が500万円(注)未満の工事(消費税込み)

●建築一式工事で下記のいずれかに該当するもの
(1)1件の請負代金が1,500万円(注)未満の工事(消費税込み)
(2)請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)
*(注)
一つの工事を2以上の契約に分割して請け負う場合、各契約の請負代金の額の合計額
注文者が材料を提供する場合、市場価格または市場価格および運送費を当該請負契約の請負代金の額に加えたものが上記の請負代金の額

③許可者の区分
建設業許可は、以下の区分に従い、国土交通大臣または都道府県知事が許可を行います。
ア 二つ以上の都道府県に営業所がある場合:国土交通大臣許可

イ 一つの都道府県のみに営業所がある場合:知事許可
建設工事自体は営業所の所在地に関わりなく、他府県でも行うことが可能

※「営業所」とは、請負契約の締結などを実際に行える事務所のことで以下のような要件があります。つまり、営業所の要件を満たせない場合許可が受けられないケースもあるわけです。

営業所の要件:
A 外来者と実際に建設工事の請負契約締結等の業務を実施している
B 電話、机、各種事務台帳等を完備している
C 契約の締結等ができる場所があり、かつ、居住部分、他法人(や他の個人事業主)とは間仕切り等により区分され独立性がある
D 営業用事務所としての使用権原がある(自己所有の建物或いは賃貸借契約等を結んでいること。住居専用契約は原則不可)。
E 看板、標識等で建設業の営業所と認識できる表示がある
F 経営業務の管理責任者または建設業法施行令第3条に規定する使用人(建設工事の請負契約締結等の権限を付与された者)が常勤している
G 専任技術者が常勤している
*単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所等は、この営業所に該当しない

④建設工事と建設業の種類
建設業法では建設工事と建設業の種類の内容が規定されています。たとえば、建設工事の種類として「土木一式工事」、その建設業の種類として「土木工事業」というように規定されているのです。

建設工事の種類 建設業の種類
土木一式工事 土木工事業
建築一式工事 建築工事業
大工工事 大工工事業
左官工事 左官工事業
・・・ ・・・

※一式工事と専門工事に大別される
※土木一式、建築一式の許可を受けていても、各専門工事の許可がない場合、500万円以上(消費税込み)の専門工事を単独で請け負うことは不可能

2-2 建設業の許可区分

建設業の許可区分

建設業許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」とに分けられています。この区分は、発注者から直接請け負う工事1件につき、4000万円(建築工事業の場合は6000万円)以上となる下請契約を締結するか否かで判断されるものです。

発注者から直接請け負った1件の工事代金につて、4000万円(建築工事業の場合は6000万円)以上となる下請契約を締結する場合 特定建設業の許可
上記以外。従って、以下の場合:4,000万円未満(建築一式は6,000万円未満)工事の全てを自分(自社)で施工 一般建設業の許可

*発注者から直接請け負う請負金額については、一般・特定に関わらず制限はありません。
*発注者から直接請け負った1件の工事が比較的規模の大きな工事であっても、その大半を自社で直接施工するなど、常時、下請契約の総額が4000万円未満であれば、一般建設業の許可でも可能です。
*上記の下請代金の制限は、発注者から直接請け負う建設工事(建設業者)に対するものであるため、下請負人として工事を施工する場合には、上記の制限に抵触しません。

2-3 建設業許可の基準

ここでは知事から許可を受けるために必要な資格要件について東京都の例を参考にその建設業許可の基準を説明しましょう。

*建設業許可を受ける場合、下記項目のほか先の営業所の要件も満たす必要があります。

①経営業務の管理責任者の常勤
許可を受けようとする場合、下記の条件を満足しなければなりません。

  • ・法人の場合、常勤の役員(持分会社の業務執行社員、株式会社或は有限会社の取締役、指名委員会等設置会社の執行役、これらに準ずる者)のうち1人
  • ・個人の場合は本人または支配人のうち1人

上記の方が下表のいずれかに該当する必要があります。

一般建設業 特定建設業
イ 許可を受けようとする建設業(業種)に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

ロ イと同等以上の能力を有するものと認められた者
1)許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者
a 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
b 6年以上経営業務を補佐した経験
*事前の確認・相談が必要

2)許可を受けようとする建設業以外の建設業(業種)に関し6年以上次のいずれかの経験を有するもの
a 経営業務の管理責任者としての経験
b 経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な 権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験
*事前の相談が必要

3)その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

②専任技術者の営業所ごとの常勤
全ての営業所に、下表のいずれかに該当する専任の技術者が常勤していなければなりません。

一般建設業 特定建設業
許可を受けようとする建設業(業種)に係る建設工事に関し、次のいずれかの要件に該当する者

イ 学校教育法による高校指定学科卒業後5年以上、大学指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者

ロ 10年以上の実務経験を有する者

ハ イまたはロに掲げる者と同等以上の知識・技術・技能を有すると認められた者

同左

イ 一定の資格区分に該当する者

ロ 法第7条第2号イ・ロ・ハに該当し、かつ、元請として消費税を含み4500万円以上(時期で金額が異なる)の工事に関し、2年以上の指導監督的な実務経験を有する者

ハ 国土交通大臣が、イまたはロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者

③請負契約に関する誠実性の保有
請負契約に関する誠実性を有するとは、建設工事の請負契約の締結または履行において詐欺・脅迫等の法律違反による不正行為や、工事内容や工期などの請負契約に違反する不誠実な行為をする者であってはならないという意味になります。

たとえば、暴力団の構成員、建設業法・建築士法・宅地建物取引業法等で「不正」または「不誠実な行為」を行って免許等の取消処分や営業停止等の処分を受けて5年を経過しない者は許可が受けられません。

その不正な行為とは、請負契約の締結または履行の場合での法律違反行為であり、詐欺、脅迫、横領、文書偽造などのことです。不誠実な行為は、工事内容、工期、天災などの不可抗力に伴う損害負担等に関して請負契約に違反する行為等が該当します。

④財産的基礎等の要件
請負契約を履行するに足る財産的基礎等のあることが求められています。

一般建設業 特定建設業
次のいずれかに該当すること。
A 自己資本が500万円以上ある
B 500万円以上の資金調達能力がある
C 直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在東京都知事許可を有している
次の全ての要件に該当すること
A 欠損の額が資本金の20%を超えない
B 流動比率(流動資産÷流動負債×100%)が75%以上である
C 資本金が2,000万円以上ある
D 自己資本が4,000万円以上ある

*上記の判断基準は、原則として既存の企業においては許可申請時の直前の決算期の財務諸表により、新規設立企業では創業時の財務諸表により判断されます。

⑤欠格要件
下記の欠格要件に一つでも該当していれば、許可は受けられません。

1)許可申請書或いは添付書類中に重要事項について虚偽記載があり、または重要な事実の記載が欠如している場合

2)法人ではその法人の役員等、個人ではその本人、その他建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人、支店長、営業所長等)が、以下のような要件(他にもある)に該当している場合

A 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

B 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができない者(施行規則第8条の2)

C 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者

D Cに該当するとして聴聞の通知を受け取った後、廃業の届出をした場合、届出から5年を経過しない者

E 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、または危害を及ぼすおそれが大であるとき、あるいは請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

F 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

G 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、または刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

H 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員または同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(Iの「暴力団員等」という)

I 暴力団員等がその事業活動を支配する者

⑥適切な社会保険への加入
令和2年10月の建設業法改正に伴い「適切な社会保険への加入」が許可の要件に加えられました。従って、適切な社会保険に加入していない場合は許可が受けられません。なお、保険の加入状況に変更が生じた場合、2週間以内に変更届の提出が必要です。

社会保険への加入は各企業の状況により異なるため、国土交通省の「『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』における『適切な保険』について」の資料を参照ください。

また、国土交通省が示す元請企業および下請企業の取組の指針となる「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、「平成29年度以降については、元請企業に対し、社会保険に未加入である建設企業を下請企業として選定しないよう要請するとともに、適切な社会保険に加入していることを確認できない作業員については、特段の理由がない限り現場入場を認めない取扱いを求める」と要請されています。

建設業の許可を既に受けている事業者でも適切な社会保険に加入しておかないと作業員が現場に入れず作業できなくなる可能性について留意しておくべきです。

3 建設業での独立・開業のタイプとその方法

建設業での独立・開業のタイプとその方法

建設業でどのような独立・開業のタイプがあるのか、どのような形態が独立しやすい方法なのか といった点を説明しましょう。

3-1 建築業で独立・開業するパターン

建築業で独立・起業するパターンは主に以下の3つになります。

建築業で独立・開業するパターン

①元請け
元請けは自社で工事を施主より直接受注する事業形態です。建設業許可や資金・人・モノなどの経営資源などの面で負担が重くなり、個人が元請けで起業するのは簡単ではないですが、収益の大きさや事業の拡大など多くのメリットがあります。

建設工事の大手の元請企業は、大規模な建物や土木の工事などを手掛けるゼネコンといわれる大手建設会社や住宅販売などを行うハウスメーカーなどです。

ほかにも個人の住宅や小規模ビル等の工事の元請けとなる中小規模の建設会社も多いですが、一定規模の資金等の経営資源が必要になり、個人が元請で独立・開業するのは容易ではありません。

②下請け
下請けは元請けから仕事(工事)を受注(下請け)する事業形態です。元請けから工事を下請けする一次下請け、さらに一次下請けから下請けする二次下請けなどが多数存在しています。

一人親方は末端層の下請事業者であり、小規模な個人事業者や会社なども含め多くの下請企業で建設業界は支えられているのです。

下層の下請けは自分が担当する工事を遂行するのに必要な経営資源(機器・道具や人材など)を確保すればよいため経営上の負担も軽く独立・開業も比較的容易と言ってよいでしょう。

ただし、その分参入しやすくライバルも多く存在するため競争が厳しくなったり、仕事の確保が難しかったりすることもあり経営が不安定になることも珍しくありません。

また、請け負う仕事量が少ないと当然収入も少なくなるほか、請負単価も低くなる傾向があるため、利益を出しにくい事業構造になりやすいです。

③元請けと下請けの両方
このタイプは、自社で工事案件を施主より直接受注するほか、ゼネコン等の元請けからの下請けもする事業形態になります。元請けからの下請け仕事だけだと仕事量が不安定になったり、低利益化したりする可能性も小さくないため、自分で元請けとなり下請けでのマイナス面をカバーするわけです。

受注量の不安定さや低収益性などのリスクを低減し成長の機会を拡大するためにはこの事業形態は有効になります。自分で工事案件を受注するため、建設業許可や経営資源の確保など一定の事業規模に対応できる能力が必要です。

そのため一人親方や小規模の個人事業者がいきなりこの事業形態をとるのは簡単ではないですが、下請事業者から脱却する場合の目標や手段になるでしょう。

3-2 一人親方としての独立・開業

建設業で事業を開始する場合、労働者を雇用せず経営者個人で事業を行う「一人親方」の形態も少なくありません。

①一人親方のメリット・デメリット
一人親方にはどのような良さや悪さがあるのかを、そのメリット・デメリットから確認していきましょう。

●メリット

メリット

1)業務上の自由度の高さ
会社に帰属しない一人親方は、上司や先輩などがおらず彼らからの不合理な指示などを受けることがありません。一人親方には、自分の判断で仕事を適切に進められるという自由度があり、仕事に対するモチベーションが高くなりやすいです。

また、会社と違って上司や先輩等との関係構築のための社内営業に疲れることはなく、同僚同士の社内トラブルを起こすこともありません。

2)仕事の確保が比較的容易
元請けなどを安定して確保できれば、下請仕事の量を確保することは比較的容易です。元請けとして仕事を自分で受注する形態では、常時の営業活動も必要で受注を確保するのも簡単ではないですが、一人親方の請負仕事の確保はそれに比べると負担は小さくなりやすいでしょう。

3)雇用されるより収入が多くなる可能性
一人親方の場合、元請け等から工事代金が直接支払われるため、事業主に雇用されている場合の賃金より収入が多くなる可能性があります。

理由の1つは請け負う工事の金額は自分で判断して決められ、収入を増やせるという点です。また、会社等に雇用されている場合、会社が決めた常用支給額で賃金が支払われるケースが多いですが、一人親方の場合元請け等が決めた常用支給額で支払われるため収入が増える可能性が増します。

また、将来労働者を雇いその人数が増えれば元請けからの常用支給額との差額が利益の増大に繋がります。また、事業者としての諸々の経費はかかるものの、そうした費用は工事の対価に含まれているため、経費を節約することで手元に残るキャッシュを増やすことも可能です。

4)働き方の自由度
一人親方の場合は自分の判断で物件内容や物件数などを選べるため、自分の都合に合わせた仕事がしやすくなります。雇用される職人などの場合、仕事を自分で選ぶことができず休みたい時に休暇を取るのは困難ですが、一人親方の場合ならある程度の調節も可能です。

少し長めの休日であっても事前にスケジュールを立てておけば確保できないことはありません。

5)開業資金が少な目
一人親方での起業の場合は他のタイプより開業資金が少なく済む可能性が高いです。会社などを設立すると、事務所や従業員等の費用、備品や自動車等の資産などを用意する必要があり、運転資金も含めると多額の資金を準備しなくてはなりません。

一方、一人親方の場合事務所は自宅、準備する資産も自分が業務を行うために必要な分だけで済むため開業資金は比較的少なく済みます。

●デメリット

デメリット

1)仕事量の限界と不安定さ
一人親方は、自分一人で工事を担うため、自ずと工事の量や範囲が限られ収入を増やすにも限界があります。一人親方が複数人集まったグループで仕事をしたり、職人を雇ったりしないと仕事量や収入を増やしていくのは厳しくなるでしょう。

また、複数の元請企業から安定的に仕事を受注できればよいですが、限定される場合は仕事量が不安定になって急に激減するリスクもないとは言えません。

2)仕事・物件の確保
雇われの職人と違い一人親方は自分で元請け等から工事物件を受注して確保しなければなりません。そのため受注に向けた営業活動も仕事の傍らでする必要があります。受注活動を上手く進めるためには元請け等の会社や同業者との関係を良好にしなければならず、そのための交際の負担は軽いとは限りません。

3)確定申告
被雇用者であれば会社が代わりに納税までしてくれますが、一人親方は自分で確定申告し納税まで済ませる必要があります。会計業務や申告手続を税理士等に依頼する方法もありますが、自分や家族などで実施する場合は一定の作業負担があることを覚悟しておくべきです。

4)融資等の不利
一人親方や独立して間のない個人事業主などの場合、銀行などの民間の金融機関からの借入は難しくなります。また、個人としての融資・ローンにおいても審査で不利になる可能性は小さくありません。金融会社によってはクレジットカードなども作るのが困難になる恐れがあります。

5)怪我・病気による影響
一人親方に限らず一人で事業を行っている場合、本人が病気や怪我で倒れ仕事ができなくなれば、それ以降は収入が得られません。従業員を雇っている会社等では経営者が一時的に仕事を出来なくても従業員が工事を確保し完工してくれれば事業収入が得られ、経営者も無収入に陥ることはありません。

しかし、一人親方の収入は本人の体調次第で大きな変化が生じるため、健康管理や保険による収入の補填などの対策が必要になります。

6)大手元請等の取引は困難
建設業の下請構造は重層的ですが、一人親方は下層の末端に位置し大企業の元請会社と直接取引することは難しいです。二次下請けや三次下請けなどから受注することも多いですが、その分受注単価が低くなる傾向があります。

その他、値引き、踏み倒しや倒産などのリスクもあり様々な面で元請会社との直接取引よりも不利な条件での取引になるケースは少なくないでしょう。

②一人親方の職種
建設業は土木と建築に大きく分かれますが、ここでは一人親方が多いと言われている建築業の職種について説明します。

*土木工事、道路舗装工事や造園工事などの土木業の場合、下請工事でも大人数での作業になることが多いことから一人親方は多くありません。

●建設業の職種
職種としては、型枠大工、大工、造作大工、左官、塗装、内装(クロス貼り等)、ユニットバス組み立て、設備・ボイラー、建具 などです。特に内装系の一人親方が多く存在しており、ハウスメーカーの下請仕事として、戸建住宅、アパート・マンションなどの工事を担当しています。

●一人親方として独立しやすい職種
一人親方として独立しやすい仕事では内装関係が多く、具体的にはクロス貼り、床・カーペット施工、ユニットバス組立、シャッター・ドアの取り付け、クリーニング(美装)などです。これらの仕事では新築のみならず、リフォームでの需要も期待できます。

クロス貼り職人:部屋の壁紙等の貼り付け・張り替え
床・カーペット職人:床・カーペットの施工・張り替え
ユニットバスの組立職人:ユニットバス・メーカーのユニットバスの組み立て・設置
シャッター・ドアの設置職人:住居のシャッター・ドアの取り付け
美装:新築住居の最終仕上げとしてのクリーニング。リフォーム等でのクリーニング

これらの職種は比較的短期間でスキルを身につけることも可能であるため、未経験者でも参入するのは難しくありません。また、シャッター・ドアのメーカーなどが未経験者に教育を施し独立を支援するケースも少なくないです。

リフォーム業などでフランチャイズシステムを提供している事業者もおり、未経験者でも研修を経て短期間で参入できるケースもあります。

フランチャイズシステムの対象分野は、クロスの張り替え、ふすま・障子・網戸の張り替え、床暖・防音床の施工、アルミサッシの補修、雨どい修理、エアコン交換、修理・クリーニング などです。

●リフォーム工事の需要動向等
新型コロナ禍で新築工事の需要増が危ぶまれる中、一人親方の仕事としてはリフォーム工事も期待できるため、その動向を確認しておきましょう。

株式会社矢野研究所が2020年8月21日に発表している「住宅リフォーム市場に関する調査を実施」の内容によると、「2019年の住宅リフォーム市場規模は6.5兆円、2020年は5.9兆円を予測」としており、以下のような点を指摘しています。

・近年の市場動向は、2013年に市場規模が6.9兆円に達した後2018年までほぼ減少傾向で推移し、2019年は10月施行の消費税率引上げを見込んだ駆け込み需要で市場拡大に繋がった

・住宅リフォーム市場は参入障壁が低いため、異業種からの参入など新規参入事業者が多く、事業者間の競争は厳しさを増している

以上の状況を踏まえ、同社は以下のようにまとめています。
・自社の独自性や専門性のある得意分野で、ユーザーに適切にその点をアピールし他社との差別化を図ることが重要である

・新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動が停滞し、リフォーム需要も減退傾向が予想されるため、リフォーム事業者の淘汰が進む可能性が高い

ただし、株式会社日本総合研究所はリフォーム市場の今後の動向について、リフォームの中心層である50~60歳代世帯数の増加がリフォーム市場を下支えする可能性を指摘しています。

また、今後10年間で築20年を迎えるマンションストック戸数は全体の3割を占め、中古マンション取引の拡大の可能性があり、それに伴うマンション購入後のリフォームやリノベーションの増加が期待されると、分析しているのです。

以上のように新型コロナ禍による影響でリフォーム業界の需要は減少する恐れがありますが、中長期的に見れば需要増も期待できる状況にあると言えるでしょう。

4 建設業を営むにあたって注意すべき点

建設業を営むにあたって注意すべき点

最後に建設業で独立・開業する際に特に注意しておきたい点を説明します。

4-1 建設業許可に関する様々な注意点

建設業許可を受けるためには各種の要件を満足しなければならず、種類によっては直ぐに受けられない可能性もあるため、早めにその内容を正確に把握し準備することが重要です。

建築一式工事以外の建設工事で、工事1件の請負代金の額が500万円未満の「軽微な建設工事」では建設業許可が不要ですが、少し事業規模が大きくなれば500万円以上になってしまいます。つまり、事業を拡大していきたい場合は建設業許可が必要になります。

一般建築業許可を受けていない場合、新規の取引などで不利になる恐れもあり留意しておくべきです。また、元請工事をするようになり発注者から直接請け負う1件の工事代金が4000万円以上となれば特定建設業の許可が必要になります。

これらの建設業許可を受けるための条件は起業者にとっては負担になることも多いため早めの準備が欠かせません。各種の経営資源、経営業務の管理責任者や専任技術者の確保が必要であり、経営業務の管理責任者についてはその実務経験などの証明も求められます。

その証明には前の勤務先の協力が欠かせないため、トラブルなく退職し良好な関係を持続させておくことも必要です。

4-2 企業形態と資金繰り

法人と個人事業主とでは資金調達力に差が生じる可能性が高く、どちらを選ぶかで開業後の資金繰りに影響することも少なくないでしょう。

建設業の下請仕事では、利益率が低い、開業費が少なからずかかる、資金回収が遅い といった構造になっているケースも少なくありません。そのような事業構造では資金繰りが悪化しやすく、仕事量の変動や失注の増加などにより倒産・廃業リスクが高くなってしまいます。

こうした場合、金融機関からの迅速な融資に頼りたいところですが、法人と個人事業主とでは融資の決定や融資額などに差が出ることも珍しくありません。開業時では法人化する必要がなくても事業が少しずつでも成長していけば法人化を検討することも重要です。

4-3 事故による影響への備え

建設工事では危険な作業も多く、その結果事故が発生することも少なくありません。自分や自社が事故を起こして周囲に迷惑をかけることもあれば、逆に他者が起こした事故に巻き込まれることもあります。

一度事故に遭えば命にかかわる怪我をしたり、長期の入院を強いられたりする可能性も低くないため、事故の防止に努めるとともに保険での備えも重要です。

労働者でない一人親方は原則的に労災保険に加入できないですが、特別加入が認められているため、万が一のために加入を検討するべきでしょう。また、自社が事故を起こした場合の他者が被る損害に備えた建設工事保険や賠償責任保険などの加入も検討するべきです。

5 まとめ

まとめ

建設業は危険な作業を伴う特殊な業界と思っている方もいますが、分野・タイプによっては未経験者でも独立・開業することが可能です。ただし、軽微な工事以外では建設業許可が必要となるため、事業規模を大きくしていくには許可の取得が必要になります。

建設業許可には一般建設業許可と特定建設業許可があり、取得には経営業務の管理者責任者や専任技術者の常駐などの要件をクリアしなければなりません。開業時にあたっては許可の内容を正確に把握し早めに準備するように努めてください。

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