建設業許可の業種を増やす方法は?手続きを詳しく解説!

建設工事に必要な専門技術や知識が異なっているため、建設業許可は分けられています。
そのため、取り扱う建設工事の種類を増やしたい場合には、『業種追加』が必要です。業種追加とは、建設業許可の業種を増やすことを言います。今回の記事では、この業種追加の概要と方法、詳細手続きなどを解説するので、参考にしてみてください。
目次
1 業種追加の概要
建設業許可の申請は、29ある業種の中から1つ以上の業種を指定して申請します。業種によって求められる要件があります。業種ごとの要件を満たしていれば、29業種全てを指定することもできます。
一般的には、建設業者は確実に営業予定がある業種に絞って申請します。詳細は後述しますが、指定業種を増やすと要件も増えるためです。
建設業の経営が軌道に乗っていく中で、許可業種の工事に関連した工事や元請業者や既存の依頼者から許可業種以外の工事の依頼が発生します。このようなタイミングでは、許可が不要な金額帯*を超えた許可業種以外の工事を受注することは違法行為になります。
そのため、許可が必要な金額帯の許可業種以外の工事は、知り合い事業者などを紹介するなどして仕事を回すことになり、自社の受注という意味では機会損失になります。
このような機会損失を減らすために、許可業種の追加を検討する事業者も多くいます。
1-1 業種追加とは?
業種追加とは、営業をする上で建設業許可が必要な工事の営業行為を行うことを目的に29つの建設業許可業種を追加することを言います。
業種追加をする時には、以下の2つの選択が必要です。
- ①追加業種
- ②許可種類(一般/特定)
●追加業種の選択
建設業の業種は29業種あります。この中で追加する業種を選択する場合には、これから工事の幅を広げていこうと考えている主たる工事に必要な業種を選択します。
具体的には建設業の工事を請け負う場合には、複数の業種の技術が必要になります。例えば、エレベーターやエスカレーターなどの電気で動く機械機器設備を設置する工事を請け負いたい場合には機械機器設置工事業と電気工事業の2つの工事業種に跨った工事を行うことになります。
結論としては、主たる工事に該当する業種を追加業種として対応する必要があります。前述の例で言えば、エレベーターやエスカレーターなどの機会機器設備の設置においての主たる工事は機会機器設備工事業の業種の建設業許可が必要です。一方で、主たる工事ではない電気工事業は附帯工事という扱いになり業種許可は必要ありません。
主たる工事の判断基準は、以下の3つになります。
①請負契約書記載の工事名称 | 請負契約書や請求書に記載されている工事名称を確認します。この工事名称が、国土交通省例示の建設工事名と合致する場合には、その工事業種が主たる工事となります。 |
---|---|
②発注者の目的に合う工事業種 | 建設業法の制定されている目的には、発注者の保護があります。そのため、発注者がどのような目的を持って発注したのかという観点で、主たる工事を判断します。 |
③請負金額にしめる割合 | 請負契約において、その請負金額構成において最も高い工事費用が主たる工事であると判断します。 |
●許可種類(一般/特定)
建設業許可に追加したい業種の選択後には、許可種類を『一般』と『特定』から選択します。一般と特定の差は、受注した工事を下請業者に発注するのか、発注する場合の工事代金の規模によって区別されます。
許可種類の違いは、以下のようになっています。
一般建設業 |
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特定建設業 |
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一般と特定を分けるのは、元請事業者として直接依頼者から仕事の依頼を受けて、かつそれを下請事業者に4,500万円以上の工事代金として発注するかどうかになります。
そのため、直接依頼者から仕事の依頼を受けるだけ(下請事業者には仕事を発注しない)場合には工事代金の大小に関わらず一般建設業許可で対応できます。
また、下請事業者として工事を受注して孫受(2次下請)業者に仕事を発注する場合も工事代金の大小に関わらず一般建設業許可で対応できます。
なお、既存の建設業許可が一般と特定のどちらか片方である事業者は、追加できる業種は既存の許可種類に限定されます。一般の建設業許可のみの場合には一般の業種、特定の許可のみの場合には特定の業種といった形で業種追加できる業種の許可種類は限定されます*。
*一般の許可業種だけを取得している事業者が、新たに許可種類を特定とする業種を追加で申請すること自体はできます。その場合の手続きを『般特新規申請』と言います。
同一の業種で、一般と特定の2つの許可を持つことはできません。そのため、もし一般の電気工事の建設業許可を持っている事業者が特定建設業者として電気工事の業種許可を受けたい場合には、一般の建設業許可を廃業させる必要があります。
●業種追加の有効期限
業種追加をした場合の有効期限には注意が必要です。業種追加をした許可の有効期限は、大元の建設業許可の有効期限と異なるためです。
それぞれの建設業許可の有効期限が、取得したタイミングから5年になります。例えば、もともとの取得している建設業許可の有効期限が2021年5月1日〜2026年4月31日だとして、2023年6月1日に新たに追加業種をした場合にはその有効期限は2023年6月1日〜2028年5月31日になります。
そのため、それぞれの有効期限に対して更新の手続きが必要です。また、それに伴って有効期限管理や申請手続き・準備や更新手数料がそれぞれに発生してきます。
●業種追加の有効期限の一本化
業種追加によって建設業許可の有効期限が複数になってくることに対応するため、許可の一本化が可能です。
許可の一本化は、どちらか先に来る有効期限の更新に合わせてまだ有効期限内の建設業許可も併せて更新します。併せて更新することで、次の有効期限を揃えられるだけでなく、管理や更新申請自体も1回で実施することができます。
1-2 業種追加申請の要件
業種追加を行う場合には、建設業許可を申請するときと同様に要件を満たさなければなりません。
業種追加時に満たさなければならない要件は1つになります。
- ①業種追加を行う工事業種に対する専任技術者を営業所ごとに設置
なお、上記2項目以外にも、建設業許可に必要な以下の要件を満たしていることも求められます。ただし、すでに建設業許可を取得している場合ため、原則すでに満たしている要件になります。
- ①経営業務の管理責任者がいる
- ②財産的基礎もしくは金銭的信用
- ③誠実性
- ④欠格要件に該当しない
- ⑤社会保険に加入している(令和2年10月以降の建設業法改正対応)
追加申請時には、新規申請と同じ手続きが求められます。すでに、新規建設業許可の申請を経験し、許可を取得している状況でも追加申請は同様の手続きが必要になる点に留意してください。
社会保険への加入は、令和2年10月から許可要件に追加されています。社会保険には、雇用保険・健康保険・年金保険の3つの保険が含まれます。
法人の場合に役員しかいない、個人事業主は一人親方として従業員を雇用していない場合には雇用保険の適用外になります。つまり、法人でも個人事業主でも1名でも従業員を雇用した時点から雇用保険の加入義務が発生します。
●業種追加を行う工事業種に対する専任技術者を営業所ごとに設置
新たに追加しようとする工事業種に対して要件を満たしている専任技術者が営業所に常勤することが求められます。
専任技術者は、工事業種毎に求められる専門技術や知識を有するためには10年の実務経験が必要になります。そのため、複数の工事業種の専任技術者になるためには各10年の実務経験が求められます。
例えば、2つの工事業種の専任技術者になるためには10年×2つの20年以上の実務経験が必要です。そう考えると、複数の工事業種の兼任は難しいのが実情です。
一方で、同じく実務経験が求められる経営業務の管理責任者は、複数の業種を行う事業でも6年以上の経営経験を持つ経営業務の管理責任者が1名在籍すれば要件が満たせます。
●特定建設業の専任技術者はより厳格
一般建設業許可と特定建設業許可では、専任技術者の要件が異なっています。一般建設業許可では、10年以上の実務経験もしくは国家資格が必要です。しかし、特定建設業では、10年以上の実務経験と合わせて指導監督的実務(元請業者として4,500万円以上の規模の工事について)通算2年以上の経験が必要です。また、国家資格も1級の資格が必要になります。
●単独の営業所のみの追加申請も可
複数の営業所で業種追加を申請する場合には、申請する営業所の数だけ常勤する専任技術者が必要です。
ただし、業種追加は営業所単位で追加申請が可能です。例えば、A・B・Cという3つの営業所がある事業者が、A営業所のみで業種追加を申請することができます。A営業所のみの業種追加であれば、A営業所に常勤する専任技術者1名を手配できれば申請が可能です。
●財産的基礎の省略
業種追加を行う上で、建設業許可の更新を実施しているかどうかで財産的基礎要件が省略できる場合があります。
建設業許可の登録有効期限は5年間になります。そのため、建設業を継続する場合には、有効期間満了する90日から30日前までに更新手続きを行います。
この更新手続きを行なっている許可種類が一般の事業者の場合には、財産的基礎要件は省略できます。なお、許可種類が特定の事業者の場合には、財産的基礎要件は省略できません。
特定建設業の財産要件は、以下の4つをすべて満たしていることが求められます。この財産要件は、許可申請時だけでなく、特定建設業許可を受けている間は継続的に満たしている必要があります.
≪特定建設業の財産要件4項目≫
- ①欠損金額が資本金額の20%を超過していないこと
- ②流動比率が75%以上であること
- ③資本金額が2,000万円以上であること
- ④自己資本金額が4,000万円以上であること
なお、財産的基礎要件が更新後に省略できるのは、毎年決算書の提出を実施しているためになります。
1-3 新規申請と追加申請の違い
建設業許可を新規で取得するための申請である『新規申請』と、建設業許可をすでに取得している状況で業種追加するための『追加申請』において手続きは概ね同じになります。
前述の通り、要件は新規申請も追加申請も概ね同一になります。常勤できる専任技術者がいる場合には、建設業許可を取得するタイミングで営業活動をする可能性がある業種はすべて含んでおく選択をする事業者もいます。
ただし、複数の業種を申請している場合には、その業種の数だけ専任技術者の常勤が必要となるのは事業継続中も同様になります。そのため、常勤している専任技術者が退職して後任の専任技術者が見つけられない場合には『業種削除』が必要です。
また、業種削除を実施しない場合でも、専任技術者が退職した場合には14日以内に専任技術者の退職・変更の届出が必要になります。
●業種削除とは
業種削除とは、許可を取得している業種の許可を取り消しする申請になります。業種削除を行う主な理由は、以下の通りになります。
- ①対応する専任技術者の退職
- ②担当する経営管理者の退職
- ③事業の一部の整理・廃業
- ④対応する支店の閉鎖
なお、業種削除は廃業届出と同じ扱いになるため、事実が発生した日から30日以内に届出を行わなければなりません。
●業種削除の必要書類
業種削除の必要書類は以下のようになります。
- ①変更届出の表紙
- ②変更届出書(様式第22号の2)
- ③届出書(様式第22号の3)
- ④廃業届(様式第22号の4)
- ⑤役員等もしくは専任技術者の一覧表(様式1号別紙1もしくは4)*
- ⑥委任状**
*経営管理責任者の削除がある場合には、『役員等の一覧表』を届出します。専任技術者の削除がある場合には、『専任技術者の一覧表』を届出します。両方の削除がある場合には、両方の一覧表を届出します。
**代理人が申請する場合にのみ委任状を添付します。
●業種削除には手間がかかる
前述の必要書類を用意するのは、手間がかかります。たまたま専任技術者の要件を満たす社員がいるといった理由だけで、営業する予定もない業種についても“ついで“感覚で建設業許可を取得しておくことには注意が必要です。
業種追加にかかる手数料は、1回につき5万円かかります。これは、追加する業種に関わらず一律で5万円になります。そのため、業種追加は必要性が発生したタイミングで実施しても大きな費用負担にはなりません。
2 業種追加の方法と手続き
追加すべき業種を決定したのちには、業種追加の手続きを行います。業種追加の手続きは、基本準備ができ次第いつ申請しても問題ありません。一般的には、追加する業種の営業を開始したいタイミングから逆算して申請準備を行います。
特に営業の開始時期などが決まっていない場合には、建設業の許可の更新タイミングに合わせて実施する選択も可能です。建設業の更新タイミングと合わせると、前述の『有効期限の一本化』ができます。
いずれにしても、どのタイミングで業種追加を行うかから逆算して業種追加の申請書類や要件を満たすための専任技術者の手配などを計画立てて進めていきます。
2-1 業種追加の申請方法
建設業の業種追加の許可申請は、主たる営業所がある住所を管轄している都道府県知事もしくは都道府県知事を通して地方整備局長へ申請します。
すでに建設業許可の申請や更新などの手続きを実施している窓口で対応することになります。
●業種追加の申請手数料
業種追加の追加申請には、手数料がかかります。なお、手数料の支払方法は、収入印紙を添付するのが一般的です。事前に窓口へ確認することをお勧めします。
≪業種追加 申請手数料≫
一般 | 特定 | |
---|---|---|
一般建設業者 | 5万円 | 不可 |
特定建設業者 | 10万円 | 5万円 |
知事許可であっても大臣許可であっても業種追加の手数料は変更ありません。また、特定建設業者が一般建設業の業種を追加しようとする場合には、金額が上がります。(一般建設業者が特定建設業の業種追加はできません。)
●業種追加の許可決定までの標準日数
業種追加の申請から許可決定までには、行政庁の許可審査があります。許可審査には、標準処理期間という審査に必要とされる日数が決められています。標準処理期間はあくまで目安の期間になるので、業種許可が必要となる日が決まっている場合には余裕を持って申請をすることをお勧めします。
標準処理期間は、国土交通大臣許可と都道府県知事の許可権者によって異なってきます。国土交通大臣許可では120日程度になります。都道府県知事許可では45日程度になります。
この日数は行政機関の稼働日のカウントになるため、土曜と日曜と祝祭日は含まれません。
2-2 申請の手続き詳細
業種追加の申請では、大きく申請書類と添付書類を用意します。それぞれ用意しなければいけない書類の量が多いため、抜け漏れが無いように注意しなければなりません。書類は様式が定められているため、提出先の都道府県などのホームページなどからダウンロードして使用します。
<建設業許可の業種追加における申請書と様式>
No | 書式 | 様式番号 | 説明 |
---|---|---|---|
1 | 建設業表紙 | 申請書には必ず表紙が必要です。 | |
2 | 建設業許可申請書 | 第1号 | 申請書に記載する主な事項は以下の通りです。
|
3 | 役員等の一覧表 | 同別紙1 | 代表取締役と取締役などの役員の氏名と役職名などを記載します。 |
4 | 営業所一覧表 | 別紙2 | 主たる営業所と従たる営業所のそれぞれの所在地を記載します。また従たる営業所はその名称も記載します。 |
5 | 収入印紙、証紙、登録免許税領収証明または許可手数料領収書添付欄 | 別紙3 | 業種追加に必要な手数料分の収入印紙または収入証紙を添付します。収入印紙と収入証紙は区別されています。事前に手数料の納付方法を確認してから実施するようにしてください。 |
6 | 専任技術者一覧表 | 別紙4 | 工事の種類ごとの専任技術者の氏名と常勤する営業所名称を記載します。 |
7 | 工事経歴書 | 第2号 | 工事発注者/工事名称/工事請負金額や施工時期などを記載します。 |
8 | 工事施工金額(直近3年の事業年度での工事施工分) | 第3号 | 直近3年の事業年度で実施した工事の完成工事高*を工事別で記載します。 |
9 | 使用人数 | 第4号 | 使用人は、雇用契約を締結して雇用主のために就業する人を言います。使用人に含まれるのは、役員・専任技術者・その他技術者や事務所員などの人数を記載します。 |
10 | 誓約書 | 第6号 | 誓約書の対象となる人物**は、欠格事由に該当しないことを証明するために誓約書に署名と捺印を実施します。 |
11 | 経営業務の管理責任者証明書 | 第7号 | 経営業務の管理責任者について以下の情報を記載して、個人印もしくは法人印の捺印を実施します。
|
12 | 経営業務の管理責任者証明書 | 別紙 | 経営業務の管理責任者の経歴を記載します。 |
13 | 専任技術者証明書 | 第8号 | 営業所に常勤する専任技術者について以下の情報を記載します。
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14 | 実務経験証明書 | 第9号 | 専任技術者の要件に実務経験が該当する場合に必要な書類になります。専任技術者の実務経験を記載します。 |
15 | 指導監督的実務経験証明書 | 第10号 | 特定建設業の申請の場合に必要になります。専任技術者の指導監督的実務経験(4,500万円以上の建設工事を指導監督的実務経験を2年以上実施)していることを証明するために経験内容を記載します。 |
16 | 建設業法施行令第3条***に規定する使用人一覧表 | 第11号 | 支店などを開設している場合に必要となります。支店毎の責任者の氏名と住所などを記載します。 |
17 | 許可申請者に関する調書 | 第12号 | 建設業許可の申請者について以下の事項を記載します。
|
18 | 建設業法施行令第3条***に規定する使用人に関する調書 | 第13号 | 支店などを開設している場合に必要となります。支店使用人について以下の事項を記載します。
|
19 | 健康保険などの加入状況 | 第20号の3 | 社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)の加入状況と登録番号を記載します。加入義務が発生している場合には、加入していない場合には建設業許可がおりませんので注意してください。 |
*完成工事高は、建設事業者が実施した建設工事の売上高を言います。
**誓約書の対象となる人物には、法人の「役員」と令3条の使用人、申請者の法定代理人、法定代理人の役員になります。
***建設業法施行令第3条は使用人を規定しています。使用人は、建設工事の請負契約の締結や履行において一定の権限を持つと判断される者を言います。具体的には、支店や支店に準ずる営業所の代表を務める支店長や営業所長を言います。
<業種追加における必要な添付書類>
添付書類は以下の書類を用意します。なお、添付書類には様式はありません。そのため、提出方法について不明な点がある場合には窓口に問い合わせするなどして適切な準備が必要です。
1 | 経営業務管理責任者の要件証明書類 | 経営業務管理責任者となる人間がその要件を満たしていることを示す証明書類が必要です。証明書類の例は以下のようになります。
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2 | 専任技術者の要件証明書類 | 専任技術者となる人間がその要件を満たしていることを示す証明書類が必要です。証明書類の例は以下のようになります。
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3 | 申請者と役員の身分証明書 | 申請者と役員となる人が非後見人や被保佐人もしくは破産者ではないことを証明する書類になります。本籍地の市区町村役場で取得できます。 |
4 | 申請者と役員の登記されていないことの証明書 | 申請者と役員となる人が被後見人や被保佐人として登記されていないことを証明する書類です。 |
5 | 社会保険への加入証明書類 | 社会保険への加入証明書類を添付します。具体的な証明書類は以下のようになります。 ー社会保険加入証明書類ー
ー雇用保険加入証明書ー
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2-3 業種追加の留意点
業種を新たに追加しようとすると申請を実施してから2ヶ月近くかかります。そのため、建設業許可を取る上で専任技術者の常設などの要件を満たすことができるのであれば許可を受けている業種は多い方が良いと考えられます。
そのため、業種追加をしておくことも併せて許可が必要な事業を行う上では幅広い工事に対応できる業者になる方が受注可能性も高くなります。
一方で、業種追加などによって許可業種が複数あることによる業務上のデメリットも一部あります。その点を抑えて業種追加の判断をする必要はあります。
<業種追加の留意点>
- ①作業負担が大きくなる
- ②専任技術者の雇用継続負担
- ③複数の営業所対応に留意
●作業負担が大きくなる
建設業許可の申請には、業種の数だけ工事経歴書の作成が必要です。1業種のみの建設業許可であれば、工事経歴書は1部のみ作成すれば済みます。しかし、複数の業種について建設業許可を申請する場合には、申請する業種の数だけ工事経歴書を作成する必要があります。
工事経歴書の作成が建設業許可申請の新規申請のみに必要な対応なら良いかもしれませんが、毎年実施する変更届でも同様に対応が必要です。
業種毎の建設工事の経歴を管理しておくようにしておけば、あとは毎回の申請などの時にまとめるだけで済みます。しかし、毎回の申請や届出時に整理しようとすると作業負担が大きくなってしまいます。
●専任技術者の雇用継続負担
建設業の許可業種毎に専任技術者の常勤が求められます。1人で複数の専任技術者を兼任することも禁止されてはいません。しかし、実務経験10年以上などの要件を満たすことが簡単ではないため、専任技術者の兼任は困難です。
そのため、専任技術者の雇用を維持するためのコストがかかります。これは、建設業許可を取得している業種はありますが、実際にその業種について工事を受注していない状況であると専任技術者の雇用費用分だけコスト増になる場合もあります。(もちろん、専任技術者が他の工事にも入る場合などもあるため、単純なコスト増というわけではありません。)
また、退職などの理由から専任技術者が不在になることがわかった時点でそく代わりの常勤できる専任技術者を配置する必要があります。そのため、実態として配置する以上の専任技術者を採用しておくことや退社の意向を受けたら即採用活動をするなど専任技術者を雇用し続ける負担や手間も考える必要があります。
●複数の営業所対応に留意
業種追加を行って複数の営業所で新たな業種の営業を行う場合には営業所ごとに専任技術者の常勤が必要です。営業に必要な専任技術者が常勤できない場合には営業行為を行えません。
一方で、本店では業種追加をして支店では行わない場合には、支店では500万円未満の工事であっても支店では本店が業種追加した業種については契約ができなくなる点です。
3 まとめ
建設業において、業種を追加するための申請である業種追加について開設しました。業種を追加することで申請自体やその後の許可の維持には手間がかかります。しかし、業種追加をすることで手間が増える以上に受注機会を増やすことも可能です。一部の工事の受注から、関連する工事の受注をすることで効率的な工事を実現し、利益を伸ばすことに繋げることもできます。
今後も続く建設業界の大きな変化の中で生き残るためにも、営業機会を増やすことにつながる業種追加は是非一度は検討したい事項です。