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建設業許可の虚偽申請を行うとどうなる?罰則や申請時の注意点を紹介!

建設業を営むためには、建設業許可が必要です。建設業許可を持たずに、建設業許可が必要な営業行為や建設工事をすると罰せられます。

建設業の許可取得の上で、必須となるのが『許可要件』になります。建設業の許可要件に、“欠格要件に該当しない“ことが求められます。欠格要件に該当してしまうと、建設業の許可取得ができません。建設業を開始するときは勿論ですが、建設業者になった後も欠格要件に該当しないように注意しなければなりません。

建設業許可の取得や更新における虚偽申請には罰則があります。騙す意図を持って誤った情報の記載はもちろんですが、認識相違や単純な間違いを記載してしまったケースも虚偽申請に該当する場合があります。

今回の記事では、建設業の許可申請における欠格要件と虚偽申請についてとその罰則ならびに申請時の注意点を解説します。

1 建設業許可の欠格要件と虚偽申請

建設業許可は5つの許可要件を満たさなければなりません。許可要件の中で注意が必要なことの一つが欠格事由に該当しないことが挙げられます。ただし、欠格事由の分かりにくさや、業務中・業務外の行動なども影響してくるため、正しい理解が何よりも必要になります。

1−1 欠格要件とその対象

建設業の許可を取得するためには、以下の5つの許可事由を満たす必要があります。

《許可事由》

経営業務の管理責任者がいる 建設業を法人の取締役や営業所長などの役職、または個人事業主として建設業の経営経験が5年以上あるなどの要件に該当する経営管理者が必要です。
専任技術者がいる 許可を受けようとする建設業種に応じた国家資格を持っているなどの専任の技術者が必要です。
請負契約についての誠実性がある 許可を受けようとする者(法人の場合は法人と役員など/個人の場合は個人事業主と使用人)が、請負契約において不正や不誠実な行為を行うおそれがないことが必要です。
財産的基礎となる金銭的信用がある 自己資本が500万円以上ある、もしくは500万円以上の資金調達能力がある、あるいは直近5年間建設業許可を取得して継続的な営業実績があってかつ現在建設業許可があるなどの要件を満たす必要があります。
許可を受けようとする者が一定の欠格要件に該当しない 下記に詳細を記載する欠格要件に該当していないことが必要です。

●欠格要件とは

建設業許可には、欠格要件に該当すると許可を受けることができません。また、建設業許可を取得後に欠格要件に該当してしまった場合は許可の取り消し処分になります。

建設業を営もうとする場合には、建設業許可の有無に限らず欠格要件を常に正しく理解して、正しい対応をする必要があります。

建設業は、大きく「許可申請書と添付書類の重要事項において偽りの記載や重要な事実などの記載が記載していない場合」「法人における役員と令3条の使用人*と個人事業主と支配人**が欠格事由に該当する場合」の2つに分けられます。

代表者など建設業の経営に関与する人たちが欠格事由に該当する場合には、建設業許可が取得できない、維持できないという仕組みになっています。詳細は次の項にて説明します。

*令3条の使用人とは、主たる営業所以外の従たる営業所の代表者を言います。

**法人における議決権を5%以上所有する株主や顧問や相談役など、取締役と同等以上の支配力をもつ者(役職や名称は問いません)を言います。

1−2 代表者などの欠格事由

法人役員や個人事業主や支配人、令3条の使用人などが該当すると欠格事由となるのは以下の8つの事項があります。これは、平成27年4月1日に暴力団排除の徹底を目的として施行されています。

①破産者で復権を得ていない者

破産とは、債務者(法人と個人)が債務超過や支払不能になって、裁判所を通じて債務を清算することを言います。破産手続が開始されると、破産するものは権利が制限(資格制限)されます。この資格制限がなくなることを『復権』と言います。

復権は、破産手続によって免責許可が確定した場合や債権者全員の同意によって破産手続き廃止が確定した場合など、自己破産手続の完了後に行われます。

つまり、破産手続き中で資格制限が課されている者は建設業の代表者などになることはできません。また、建設業の代表者が破産する場合には、そのままでは取得していた建設業許可を失うことになります。一方、破産しても復権した者は建設業許可取得が可能です。

なお、破産となると気になるのがブラックリストです。ブラックリストとは、金融機関などで借入を申し込みしても断られる人のリストを一般的には言います。しかし、実際にはブラックリストというリストが存在するわけではありません。そのため、建設業許可の許可を受けるためにブラックリストに記載されているかどうかは問題になりません。

また、信用情報機関に遅れ情報が載っていることも建設業許可を取得する上では問題になりません。ただし、その後の金融機関などでの資金調達をする上では問題になってきます。

②建設業許可を取り消されてから日から5年経過していない者

建設業許可取得を不正な手段で許可を取得した、もしくは許可の取り消しされた日から5年間を経過していない者が対象になります。

③上記②に該当する旨の通知取得後に自主的に廃業する届出から5年が経過していない者

建設業許可を取得した事業者が、その不正な手段で建設行許可を取得したことで許可取り消しの処分になる通知を受け取ります。この通知を受け取ってから建設業許可の取り消しを回避するために廃業する事業者もいます。

廃業によって建設業許可の取り消しを回避した場合でも、通知を受け取った事業者とその代表者や役員など重要人物は届出を出した日から5年間は建設業の経営に関わる代表者などにはなれません

④上記③に規定する期間内に通知の日以前60日以内に役員などで、届出日から5年を経過していない者

上記の廃業届を出した建設業者で、通知が来る60日以前から法人の役員や支店長などの重要な役割を担っていた人物は、廃止届出の日から5年間は欠格事項に該当します。

これは、通知が来る前にその法人や事業者として不正行為や違反行為を行いながら通知が来る前に辞任という形で欠格事項に該当することの回避を防止しています。

⑤請負契約での不誠実な行為などによって営業停止や禁止を命じられている者

以下に挙げる代表的事項などによって営業停止を命じられてその営業停止期間を終了していない者が対象となります。

  1. ・建設工事において適切な施工をしなかったことが理由で公衆に危害を及ぼした、もしくは危害を及ぼすリスクが大きい
  2. ・請負契約において不誠実な行為を実施した

⑥刑期終了などから5年を経過していない者

禁固刑以上の刑罰に処されて刑の執行が終了した日、もしくはその刑執行が処されなくなることが確定した日から5年間を経過していない者が対象となります。

執行猶予がついた場合には、執行猶予期間が終了したタイミングで欠格事項に該当しなくなります。

⑦建設業法などの法律に違反して罰金以上の刑の執行が終わってから5年を経過していない者

定められた以下の法律の規定に違反して、処せられた罰金刑の執行が終わる、もしくはその刑執行を受けることが無くなった日から5年を経過していないものが対象となります。

  1. ・建設業法、建築基準法、宅地造成法、都市計画法、景観法など建設工事に係る法令のうちで政令が定める法律
  2. ・暴力団員による不当な行為の防止などに関する法律
  3. ・刑法や暴力行為等処罰に関する法律など
  4. ・労働基準法、職業安定法、労働者派遣法などの労働や雇用に関わる法律

なお、建設業法違反での罰金は以下の事項が罰金以上で欠格事項に該当します。

  1. ・無許可営業
  2. ・無許可業者との下請契約の締結(500万円以上)
  3. ・営業停止や禁止処分に従わずに営業を実施
  4. ・虚偽や不正の事実に基づいた建設業許可申請の実施
  5. ・虚偽の情報に基づく経営事項審査の実施

罰金でも欠格事項に該当する法律で注意したい法律が『暴力行為等処罰に関する法律』になります。

暴力行為等処罰に関する法律は、集団的な暴行や脅迫、障害、器物損壊など可罰性が高い犯罪行為類型に対して重い刑罰を規定する特別刑法になります。

一般的な暴行罪や傷害罪と比較すると集団による暴力や障害がこの法律の対象となります。同じ傷害罪などでも刑罰と比較して暴力行為等に関する法律に抵触した場合の方が罪状が重くなります。

⑧暴力団員または暴力団員ではなくなった日から5年を経過しない者

暴力団員による不当な行為の防止などに関する法律第2条第6号に規定する暴力団員、または暴力団員ではなくなった日から5年を経過していない者が対象となります。

なお、暴力団員が内部にいない場合でも、経営を外部から支配する場合についても欠格要件に該当します。

⑨精神機能の障害によって建設業を適切に営む上で必要な認知、判断および意思疎通を適切に行えない者

⑩上記事項に該当する者が法廷代理人となっている未成年者

などがあります。

1−3 建設業法における罰則

法律にはその法律を遵守させるために、違反に対する罰則があります。建設業法もその点は同様になります。違反行為と罰則については、その業界で事業をする上では必ず押さえて置かなければなりません。

これは、罰則があるから遵守しなければいけないという点はもちろんあるのですが、前述の通り欠格要件に該当してしまう点に注意が必要になります。罰則が発生することで欠格要件に該当してしまうと、建設業の事業や業務自体ができなくなってしまうリスクがあります。

違反事項と罰則は以下の通りです。

●3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)

  1. ・建設業許可を取得せずに建設業を営む*者
  2. ・下請契約における制限規定に対して違反した下請契約を締結した**者
  3. ・営業停止処分に反して建設業を営む者
  4. ・営業禁止処分に反して建設業を営む者
  5. ・虚偽や不正な方法によって建設業許可を取得した者

情状によっては、懲役と罰金の併科が適用される場合があります。

*建設業許可が必要な工事は、請負契約においては500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)になります。500万円未満(建築一式工事の場合は1,500万円未満)の場合には、建設業許可がなくても工事が可能です。

**下請契約における制限規定について詳細は、国土交通省作成の「建設業法令遵守ガイドライン(概要)」で確認ができます。

●6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金(建設業法第50条)

  1. ・許可申請書またはその添付書類に虚偽記載を行い提出をした者
  2. ・変更届などの必要提出書類の提出を怠る、または虚偽記載を行い提出をした者
  3. ・許可基準に該当しなくなったもしくは欠格要件に該当した事実を届出しなかった*者
  4. ・経営状況分析申請**もしくは経営規模等評価***の申請において虚偽記載を行い提出をした者

情状によっては、懲役と罰金の併科が適用される場合があります。

*許可基準に該当しなくなったもしくは欠格要件に該当する事実が発生した場合には、2週間以内に届出をする義務があります。この届出を実施すると建設業許可は取り消しされることになります。

**経営状況分析申請は、公共工事を受注しようとする建設業者の経営状況を把握するための、企業の会計的な状況を点数化する分析をするための申請になります。

***経営状況分析申請と経営規模等評価申請によって、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必須で受ける審査『経営事項審査』が行われます。経営規模等評価申請は、経営規模と工事における技術力や社会性などを総合的に評価します。

●100万円以下の罰金(建設業法第52条)

  1. ・主任技術者もしくは監理技術者を設置しなかった者
  2. ・土木工事業者もしくは建築工事業者が、一式工事を施工する場合において、一式工事以外の建設業を施工*する際に、必要な建設業許可を取得した建設業者に工事施工を依頼しなかった者
  3. ・建設業許可を受けた工事に付帯する工事*において、必要な建設業許可を取得した建設業者に工事施工を依頼しなかった者
  4. ・登録経営状況分析機関**による経営状況分析、もしくは国土交通大臣または都道府県知事が経営規模等評価に必要な情報提供の要求について、報告を実施しないもしくは資料の提出を怠る、あるいは虚偽の資料を提出する者
  5. ・国土交通大臣や都道府県知事、中小企業長官が必要と求める報告に応じないもしくは虚偽の報告を実施する者
  6. ・国土交通大臣や都道府県知事、中小企業長官が必要と求める検査に応じない、もしくは妨害や忌避する者

*政令によって定められた軽微な工事と、当該工事に関して建設業法第7条第2号イ・ロまたはハの該当者を工事現場における技術管理を司る者を設置して自ら施行する場合を除きます。

**登録経営状況分析機関とは、国土交通大臣の登録を受けた機関で、全国の建設業者の経営状況分析申請を受理し審査を行い結果通知書を発行します。2023年2月時点では10社あり、国土交通省のWebサイト『登録経営状況分析機関一覧』で確認できます。

●10万円以下の過料(建設業法第55条)

  1. ・廃業届の実施を怠った*者
  2. ・建設業許可の標識を表示しない**者
  3. ・建設業許可を取得していないにも関わらず、許可を取得している事業者であると明らかに誤認させる表示を行った者
  4. ・建設業を営む営業所毎に必要となる帳簿を備えない、帳簿への記載を実施しない、または帳簿に虚実記載を実施する、または帳簿保存を実施しない***者

*建設業許可を取得した事業者が廃業する場合には、廃業した日から30日以内に廃業届を提出しなければなりません。同様に、事業の一部廃業を実施する場合も同じく廃業届の提出が必要になります。提出を怠ることが虚偽申請につながる場合もありますので一部廃業の場合には特に留意が必要です。

**令和2年10月1日の建設業法改正により、工事現場に掲げる建設業許可証の掲示義務については元請業者のみになりました。一方で、営業所での標識の掲示は、『縦35センチ以上横40センチ以上』で、商号(または名称)/代表者氏名/一般建設業または特定建設業/許可を受けた建設業/許可番号と許可年月日/店舗で営業している建設業についての情報を記載しなければなりません。

***建設業事業者は、営業所毎に営業所で締結する建設工事請負契約に関する事項などの定められた営業に関する事項を記載する帳簿をつけて、5年間保存する義務があります。帳簿は営業所毎に保存しなければならず、本社において一括保存しておけば良いというわけではありません。

なお、帳簿はデータによる保存する方法も可能です。

●法人に関して1億円以下の罰金刑など

法人における以下の人物が、上記に紹介した建設業法第47条/第50条/第52条の罰金刑に違反した場合には、法人に足しても罰金刑が課されます

  1. ・法人の代表者
  2. ・法人の代理人、使用人や従業員

●監督処分

上記で紹介した罰則だけでなく、『指示処分(業務改善命令)』『営業停止処分』『許可取消処分』などの監督処分が監督官庁から課されることもあります。

『指示処分(業務改善命令)』は、監督処分の中では最も軽微な処分です。「やらなければいけないことが、うっかりなどの軽微なミスによって初めて違反の対象となった」というレベルの違反については指示処分が課されます

具体的には、軽微な労災事故や主任技術者の未設置などが該当することが多くなっています。ただし、これらの初回の違反である点に注意が必要です。どんな軽微な違反でも継続的かつ原因未解決の状態で発生する場合には指示処分ではなくなっていきます

指示処分は社内での周知や行動の徹底、再発防止のための研修の実施などが命じられます。

『営業停止命令』は、決められた期間の営業が停止・禁止される処分です。営業停止中は、業務ができず売上がなくなるため、処分としては重い処分と言えます。

指示処分に該当する違反行為が複数回繰り返される場合や指示処分に従わない場合、重大な違反や故意による過失などの場合が営業停止処分となります。

営業停止期間は数日から1年など、違反内容や過失や故意などの悪質性から期間は異なってきます。一般的には30日以下の期間が大半です。ただし、最も重い処分となるのは談合や贈賄になり、談合を主導した法人の代表者は1年間でその他の役員は120日間の営業停止になります。

『許可取消処分』は、建設業許可が取消になります。許可取消処分は、重大な違反や欠格要件に該当するなどの許可要件を満たさなくなった場合に課される処分です。

許可取消処分が課されるのは、以下に挙げるような場合になります。

  1. ・虚偽申告などによって不正に建設業許可を取得した場合
  2. ・役員などが傷害事件や暴行事件などによって懲役刑が課せられた場合
  3. ・法人税法や消費税法などの税法を故意的に破る脱税行為によって懲役刑が課された場合
  4. ・指示処分や営業停止処分に従わない場合や情状酌量の余地がない場合など

例え、軽微な指示処分(業務改善命令)であったとしても、監督処分が課されると国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」に情報が掲載されます。監督処分を受けた事業者は、『事業者名/本社住所/許可番号/許可を受けている種類/処分等年月日/処分等の種類/処分の内容(詳細)/処分の原因となった事実』などが掲載されます。

個人が課された刑罰などは検索することができませんが、監督処分は公共のサイトに詳細が掲載されます。そのため、監督処分を受けてからは半永久的に監督処分を受けた事実を消すことができない点は注意が必要です。

2 建設業の虚偽申請とは

建設業許可の申請における虚偽申請とは、意図的に事実と異なる内容を記載する、あるいは不利益となる事実を申告しない、偽造した書類を使用するなどがあります。

建設業許可を虚偽申請によって取得したとしても、虚偽が発覚すると建設業許可は取り消しになります。また、前述した通り新たな許可を取得しようとしても5年間は取得することができなくなります。

2−1 建設業の虚偽申請は必ず発覚する

建設業許可を取得する上で、虚偽申請を行う事業者は残念ながら一定数います。故意的な虚偽もありますし、意図せず誤認識などが原因として結果的に虚偽申請に該当するケースもあります。

●虚偽は申請時に発覚する可能性が高い

虚偽や不正などを含めた法令に則していない申請は、申請自体の受理がされないことが一般的です。なぜなら、一度許認可を出したものは余程のことがない限り取り消しされることがないためです。

元々建設業界は、人の毎日の生活に欠かすことができない社会基盤である住宅や道路や河川や鉄道や空港や上下水道、経済活動を支える工場や美ブルなどの産業施設、学校や病院などの社会施設などを建設・維持管理しています。そのため、社会への責任が大きい業界です。

社会的責任を適切に全うするための仕組みの1つが、建設業許可になります。建設業許可制を採用することで、必要な質と技術を維持することができます

建設業許可を適切に申請していないことを見抜けない場合には、建設業界が担う責任を全うできない可能性が高くなってしまいます。そのため、行政機関も申請内容を厳格に確認する運用をとっており、明確な虚偽などは申請時点でチェックが入るようになっています

●虚偽申請はいずれ発覚する

建設業界は、事業者間のつながりが深くて近い業界です。お互いに情報交換などを行い、協力し合う関係が強いことが一般的です。一方で、事業者同士で工事受注について競争する関係性でもあります。

お互いの距離が近いため不正や虚偽は同業者が見ればすぐわかってしまうものです。そのため、虚偽申請などの不正なやり方をしている事業者がいる場合には、不正事業者として競争から排除する動きを取る事業者もいます。つまり、事業者が監督官庁へ不正事業者を申告する動きを取ることがあります

不正の報告を受けた監督官庁は事実確認を行い、不正や虚偽を行っていた事実を確認できた場合には行政処分や場合によっては罰則を課す動きになっていきます。

また、同業者からの申告がなかったとしても、不正や虚偽は5年に1回の建設業許可の更新時に発覚する場合もあります。更新時には、建設業許可を取得時と同様に申請書類を作成・提出します。

この時点で、新規での建設業許可申請や以前の更新時の情報に不正や虚偽がある場合には、新たな更新時の申請情報と過去の情報の一致や整合性が合わなくなってしまうケースがあります。

2−2 建設業の許可申請時の多い虚偽申請

建設業許可申請に多い虚偽申請について内容を記載します。

●経営業務管理責任者の経営経験を虚偽の記載

経営業務管理責任者とは、建設業を営む法人や個人事業の経営業務を行う責任者を言います。

経営業務管理責任者には、建設業の経営者としての経験が5年以上必要になります。また、代表取締役などから具体的な権限以上を受けた執行役員など経営業務管理責任者に準ずる地位で5年以上の経験などが必要です。

経営業務管理責任者の経営経験がないが、建設業を立ち上げたいという方が多くいます。令和2年10月1日から常勤役員のみで要件を満たす場合や常勤役員と補佐する者のセットで要件を満たすなど、要件が緩和されました

それでも、実際には経営をしているがそのことを証明できないと言った場合などを含めて経営経験を虚偽記載してしまう事例があります。

●専任技術者の実務経験を虚偽の記載

専任技術者は、工事の請負契約を結ぶ契約者に対して適切な契約内容での締結を行うため、また契約内容通りの工事を実施するために必要な専門の技術知識を持った技術者を言います。

専任技術者は、営業所毎に設置することが義務付けられています。また、専任技術者になるためには、定められた国家資格を所有している、指定学科の卒業と学歴に応じた実務経験がある、もしくは10年以上の実務経験があるという大きく3つの要件が設定されています。

国家資格や指定学科の卒業については明確な証明ができますが、実務経験についての虚偽記載をしてしまう事例があります。

●経営業務管理責任者の略歴書や許可申請者の調書における記載漏れ

経営業務管理責任者の略歴書や許可申請者の調書には、賞罰についての記載欄があります。

賞罰において賞を記載し忘れることは問題がありませんが、罰について記載しないことが問題になります。罰については、行政罰のみではなく刑罰についても記載しなければなりません

特に、記載し忘れが多くなるのが駐車禁止や速度超過などの軽微な交通義務違反についての記載になります。交通義務違反についての記載は必要ないと認識している人もいますが、誤りです。交通義務違反も含めて、刑罰を受けた場合には全て記載する必要があります。

必要事項を記載しないことが原因で虚偽の申告と判断されると、欠格要件に該当してしまいます。刑罰は受けないようにするのが賢明ですが、刑罰を受けた場合にはその賞罰に漏らさず記載します。

刑罰は自身が申告しなければ調べられないと誤認されている方がいますが、実際は許可行政庁は調べています。許可行政庁は警察へ前科照会を行うことができます。前科照会をすると、刑罰を受けているかどうかがわかります

同じ理由で、刑罰を受けたにも関わらず記載せずに欠格要件に該当しないという誓約書を許可行政庁に提出することも虚偽の申請が明るみに出てしまいます。

3 まとめ

建設業許可の申請において虚偽の申請を行うことに対する罰則や実際の虚偽申請の内容などを紹介しました。

申請は、言うまでもなく真実を記載する必要があります。一方で、申請すべき内容を適切に理解しない状況で申請準備に入ることで意図しない虚偽申請になってしまうことや、準備の不足によって許可を得るために故意的に虚偽申請を行う場合も少なくありません。

重要なことは、許可要件や欠格要件を含めた申請内容を正確に把握して、建設業許可が取れる準備をした上で申請を実施することです。そのためには、事前に建設業許可並びに申請内容を把握しておくことが大切です。

建設業許可申請が全国一律76,000円!KiND行政書士事務所:東京