建設業許可検索の方法とエラーが出た時の対処法

建設業を営む上で一部の軽微な工事を除いて建設業許可が必要になります。建設業では、下請け業者と共に建設工事を実施しているため、自社が建設業許可を持っているだけでなく、仕事を依頼する下請け工事業社も建設業許可を持っている必要があります。
建設業許可を持っているかどうかは、建設業許可業者毎に固有で割り当てられる建設業許可番号の確認で判明します。そこで今回の記事では、建設業許可検索の方法についてと検索結果にエラーが出た時の対処法などを解説するので、ぜひご参考ください。
目次
1 建設業許可検索の方法
建設業者に仕事を依頼する場合、必ず建設業許可の有無を確認する必要があります。建設業許可のない事業者に、建設業許可が必要な工事*を請負契約を締結してしまうと元請(依頼者)も請負(依頼請負者)も罰則があります。
元請業者 | 建設業者の不正行為等に対する監督処分第14条第6項に該当し、7日以上の営業停止処分が課されます。(建設業者に酌量すべき情状がある時は必要な減軽を行うこともあります) |
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請負業者 | 建設業法第47条の無許可営業に該当して、『3年以下の懲役』または『300万円以下の罰金』が課されます。また、情状によっては懲役と罰金が併科される場合もあります。 また、懲役や罰金を受けた場合には、その時点から5年間は建設業許可の取得ができなくなります。 |
営業停止処分などは信用や信頼が重視される建設業者にとっては、事業の継続に大きく影響を及ぼすリスクがあります。そのため、許可が必要な工事について無許可事業者との請負契約を絶対に発生させないよう建設業許可検索は必須としなければなりません。
*以下の建設業許可が必要ではない軽微な工事以外は、全て建設業許可が必要な工事になります。
<建設業許可が必要ではない軽微な工事>
建築一式工事以外の建設工事 | 1件あたりの工事請負代金が500万円未満となる工事 |
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建築一式工事 | 1件あたりの工事請負代金が1,500万円未満の工事 請負金額に関わらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事 |
代表的な建設業許可事業者の検索は、以下の2つがあります。
- ・建設業者・宅建事業者等企業情報検索システム(国土交通省提供)
- ・ツクリンク(ツクリンク株式会社提供)
1-1 検索ツール『建設業者・宅建事業者等企業情報検索システム』
建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムは、国土交通省が提供する行政オンラインサービスになります。建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムでは、以下の7業種の許可事業者を検索できます。
- ・建設業者
- ・宅地建物取引業者
- ・マンション管理業者
- ・測量業者
- ・建設コンサルタント
- ・地質調査業者
- ・補償コンサルタント
●建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムでできること
建設業許可は、その営業所の展開方法*によって『国土交通省大臣許可』と『都道府県知事許可』の2つに分かれます。
国土交通省大臣許可ならびに都道府県知事許可のどちらの許可を受けた事業者も、建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムで検索できます。
*営業所が複数の都道府県に設置されている建設業者は国土交通省大臣の許可が必要になります。一方、営業所が1つの都道府県に設置されている建設業者は都道府県知事の許可が必要になります。1つの都道府県にあるのであれば、営業所の数は問いません。
●検索方法
建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムの検索項目は、以下の項目になります。
- ①商号または名称
- ②許可番号
- ③所在地
- ④業種
- ⑤営業所キーワード
①商号または名称
商号または名称は、株式会社や有限会社などの法人格を除いて漢字もしくは全角カナで検索できます。
②許可番号
許可番号は、国土交通大臣許可か都道府県知事許可かを選択します。その上で、許可番号を入力します。許可番号を複数検索したい方のために、「〜」検索もできます。
③所在地
所在地は、本店住所指定と都道府県選択ができます。
本店住所を指定して、都道府県を選択すると指定された都道府県に本店がある建設業許可業者が検索されます。本店住所を選択せずブランクにして都道府県のみを選択すると、本店支店に関わらず指定された都道府県に営業所を設置している建設業許可業者が検索されます。
④業種
建設業の業種は、工事において必要な専門知識や技術の違いから建設業許可も29つの業種に分けられています。また、取り扱う工事規模によって一般建設業と特定建設業に分けられています。
業種では、この29業種と一般建設業と特定建設業をそれぞれ指定して検索できます。
⑤営業所キーワード
営業所キーワードは、フリー入力になっています。営業所の具体的な所在地から検索をしたい場合に、市区町村などを入力して検索ができます。
検索条件はANDとORが選択できます。AND選択では、指定した複数の検索項目の両方が一致した検索結果が表示されます。また、OR選択では、指定した複数の検索項目のうち1つの検索項目でも該当するものがあれば検索結果が表示されます。
実際にこれから取引を実施するために許可番号の有無を確認する場合には、仕事を引き受ける事業者からヒアリングした建設許可番号を検索するのが最も効率的です。
●検索結果の表示項目
建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムの検索結果では以下の情報を確認できます。
- ①許可番号
- ②商号又は名称
- ③代表者の氏名
- ④主たる営業所の所在地
- ⑤電話番号
- ⑥法人・個人区分
- ⑦資本金額
- ⑧建設業以外の兼業の有無
- ⑨保険加入状況
- ⑩許可業種
①許可番号
許可の種類(国土交通大臣許可か都道府県知事許可)と許可番号が表示されます。例えば、秋田県知事許可の許可を受けている場合には、『秋田県知事許可』と表示されます。
②商号又は名称〜⑤電話番号
事業者の商号又は名称から電話番号までが表示されます。
⑥法人・個人区分
事業者が法人格を持っている場合には「法人」と表示され、個人事業の場合には「個人」と表示されます。
⑦資本金額
事業者が法人格で資本金がある場合には、その金額が千円単位で表示されます。事業者が個人事業など資本金がない場合には、0千円と表示されます。
⑧建設業以外の兼業の有無
建設業以外の事業を建設業と兼業している場合には、『あり』と表示されます。兼業をしていない場合には、『なし』と表示されます。
⑨保険加入状況
建設業では、法令で加入が義務付けられている社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)の加入を推進しています。
そのため、建設業者・宅建業者等企業情報検索システムでは、「健康保険」「年金保険」「雇用保険」の加入状況が表示されています。
各保険に加入もしくは適用除外の場合には、「○」が表示されます。加入状況を確認中の場合には、「ー」が表示されます。未加入の場合には、枠内がブランクになっています。
加入義務のある社会保険への未加入の問題は、建設業の就労環境の悪化に影響を及ぼします。また、就労環境の悪化によって現在建設業界で働く就労者が他の業種への移行や若年入職者離れにつながる要因になります。
社会保険への加入促進をするためにも、取引を行おうとする建設業者の社会保険加入状況は確認をします。
⑩許可業種
事業者が取得している建設業許可について、29業種のうち許可を取得している業種並びに一般建設業(「1」と表示)と特定建設業(「2」と表示)のどちらの許可かが表示されます。
また、許可の取得年月と許可の有効期限と許可の条件も表示されます。
建設業許可を取得していることで安心してしまうのではなく、これらで表示されている情報が請負契約を締結先からの情報と全て一致するかを確認していきます。
特に、許可の種類が建設工事を依頼しようとする業種と実際に取得している建設業許可が相違している場合や許可の有効期限が切れてしまう場合には、前述の無許可での請負契約の締結に該当してしまいます。
許可内容と期限については工事内容と工事期間と照らし合わせて確認をするようにします。ただし、建設業許可の更新はできるため、工事期間より許可の有効期限が短いから即無許可での営業となるわけではありません。
●便利機能と更新頻度
建設業者・宅建業者等企業情報検索システムの検索結果の業者の詳細画面についてはPDFデータでの保存や印刷もできます。契約を締結する前に調べた内容を残しておく際に便利な機能になります。
システムの情報は月に2回更新されていきます。そのため、企業情報の変更や建設業許可の更新などがあれば情報が変わっていきます。オンタイムで情報が更新されていくわけではないので、新規で建設業許可を取得してすぐには情報が載っていない場合もある点には注意が必要です。
1-2 マッチングサイト『ツクリンク』
ツクリンクは、民間企業のツクリンク株式会社が提供する建設事業者向けのマッチングサイトになります。ツクリンクは建設工事において必要となった発注先や受注先などの協力企業を見つけられるWebサービスになります。
前述の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムと比較すると、各事業者の詳細な情報収集ができます。
●ツクリンクでできること
ツクリンクでは、仕事を依頼したい元請会社や仕事を探している下請け会社や職人をマッチングしています。実際に、工事の応募に対して求職者側の要件が一致すると、契約まで成立することが可能です。
ツクリンクでは、元請会社と協力会社の双方が仕事を募集できます。そのため、各事業者の詳細情報が登録されています。
●検索方法
ツクリンクでは、以下の項目で建設事業者を検索ができます。
- ①商号又は名称
- ②所在地
- ③対応可能工事種別 など
ツクリンクは、仕事を依頼するもしくは受注することを目的とした検索の作りになっています。そのため、建設業者・宅建業者等企業情報検索システムでできた建設業許可番号での検索などができません。
●検索結果
ツクリンクの検索結果では、建設業者についてより詳細なデータを確認できます。ツクリンクの情報は、『会社情報(建設業許可と工事)』と『会社概要』に2分されています。
会社情報では以下の情報を確認できます。
- ①業種
- ②対応可能工事種別
- ③主な施工工事区分
- ④主な建物種別
- ⑤技術者資格保有状況
- ⑥対応可能エリア
①業種〜④主な建物種別
建設業許可を取得している業種と、そこからどのような工事を主に実施しているかが表示されています。
⑤技術者資格保有状況
事業者が保有している技術者資格内容と資格者の数が表示されます。建設工事の内容によって必要となる技術者資格を保有しているかを確認できます。
⑥対応可能エリア
工事の依頼に対応できるエリアを表示しています。広域対応している業者もいますが、都道府県を絞って対応している事業者もいます。その他、保有建設機材なども表示されます。
もう1つの情報が会社概要になります。会社概要では以下の情報を確認できます。
- ①事業内容
- ②ウェブサイト
- ③代表者
- ④担当者
事業内容では、得意とする工事や兼業している事業内容などが表示されます。
②ウェブサイト〜④担当者
事業者のウェブサイトから担当者まで表示されます。担当者は、仕事の依頼などをする上での問い合わせや連絡窓口の人になります。
事業者によっては、主要取引先や資本金や売上などより詳細な情報が表示される事業者もいます。
●ツクリンクの使い方
ツクリンクは建設業許可を有しているのかということはもちろんですが、事業者としてどのような工事を得意としているのか、もしくはどんな工事を依頼や発注しているのかが分かります。
また、記載されている事項が具体的だったり詳細を丁寧に記載している事業者は丁寧な仕事が期待できるなど、記載方法や項目によって仕事の仕方の一端がわかることもできます。
●ツクリンク以外のマッチングサイト
ツクリンク以外のマッチングサイトも、複数あります。株式会社コントラフトが運営している「請負市場」などがあります。
1-3 検索サイトの使い分けとその他収集すべき情報
適切な建設業許可を取得しているかどうかを確認するためには、建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムが便利です。特に、すでに建設業許可番号を把握している場合には、番号で検索して事業者情報と業種を確認することで確認は完了できます。
建設業者・宅建事業者等企業情報検索システムは、国土交通省が運営しているサイトであるため、公共性や信頼性が高い情報の取得ができる点が大きなメリットになります。
一方、ツクリンクは事業者が主体となって情報を提供できる民間企業が運営するサイトになるため、豊富な事業者ならびに工事における情報を収集できる点がメリットになります。
ツクリンクの情報は仕事を得たいもしくは事業者を探したい事業者が作成する情報です。そのため、情報の信頼度が低いケースがある点には注意が必要です。請負契約を締結する際などには、技術者資格の確認など必要な情報については客観的な事実確認をする必要があります。
●建設業許可申請/事業年度終了届の閲覧
都道府県知事の建設業許可を受けている事業者の以下の書類は直近5年分まで閲覧可能です。
- ①建設業許可申請書
- ②事業年度終了届
書類の閲覧方法は、各都道府県が独自に条例や規則を制定しています。そのため、各都道府県の窓口で確認してください。
①建設業許可申請書
建設業許可申請書は、建設業許可を申請するための書類になります。建設業許可申請書には、受けようとする建設業許可や申請時に既に許可を受けている業種などの許可に関する情報が記載されています。また、商号又は名称や代表者情報や主たる営業所の住所など事業者についての情報も記載されています。
②事業年度終了届
事業年度終了届は、決算変更届とも呼ばれます。事業年度終了届は決算終了後の4ヶ月以内に建設業許可事業者に提出が義務付けられている届出になります。義務になっているため、事業年度終了届を提出しないと次の建設業許可の更新ができなくなる可能性が高まります。
事業年度終了届は、以下の書類提出が必要です。
- ・表紙(共通)
- ・工事経歴書*(共通)
- ・直近3年の工事施工金額(共通)
- ・貸借対照表(共通)
- ・損益計算書(共通)
- ・株主資本等変動計算書(法人)
- ・個別注記表(法人)
- ・個人事業税納税証明書(個人事業主)/法人事業税(法人)
()は、提出が必要な事業者になります。共通とは個人事業主と法人の両方が提出が必要です。
*工事経歴書は、事業年度内に実施した工事に関して「期間」「金額」「内容」を記入していきます。工事経歴書は、許可を受けている業種ごとに作成が必要となるため、3つの業種の許可を受けている場合には3枚の作成が必要です。又、複数の工事を実施している場合は売上金額が大きい上位10件の工事を記載すればよく、全てを記載する必要はありません。
●ネガティブ情報等検索サイト
建設業者との新規取引時などに確認した方が良いのが、『ネガティブ情報等検索サイト』になります。ネガティブ情報等検索サイトは、建設業者が行政処分を受けているかどうかを確認できます。運営は国土交通省になるため、情報の信頼度も高いです。
ネガティブ情報等検索サイトでは、国土交通大臣や各地方整備局長や地方公共団体などが建設業者へ実施した行政処分を取りまとめています。情報はおおむね1ヶ月に一度更新され、直近5年間分の行政処分情報が掲載されています。
検索項目に「商号又は名称」「所在地」「代表者名」があるため、取引をしようと検討している事業者の情報をそれぞれ検索できます。行政処分を受けた事実を隠そうとするケースもあるため、1つの検索で安心せずに複数の検索項目での確認が必要です。
●取引先企業への訪問と決算書類の確認
取引先企業へ実際に訪問することで得られる情報は、たくさんあります。事務所が整理整頓されているか、従業員や社内の雰囲気はどうかなど自身の目で見ることでわかることが多くあります。
また、定期的に決算書類を徴収することも重要です。売上は増えているか、コストは増えていないか、その上で利益は十分あるかなど損益を確認します。加えて、現金などの資産は十分あるか、借入などの負債は増えていないかなど資産状況も確認できます。
2 検索結果がエラーの場合の対処法
建設業者・宅建業者等企業情報検索システムでは、建設業許可を受けた事業者は原則登録されています。
そのため、これから取引を行おうとする建設業者の許可番号を検索すれば該当事業者が検索結果として表示されます。しかし、検索しても該当事業者が検索結果として表示されないケースもあります。
ここでは、建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、検索結果が得られない場合の対処法を解説します。
2-1 検索方法を確認する
検索をしてうまくいかない場合には、まずは検索が正しく行われたかを確認します。検索が正しく行われない原因は、以下の2つの方向から確認していきます。
- ①ネットワークがうまくつながっていない
- ②検索方法が正しくない
①ネットワークがうまくつながっていない
建設業者・宅建業者等企業情報検索システムは、ウェブサイトになるのでインターネットの接続状況によっては検索自体がうまくいかない可能性があります。
そのため、まずはネットワーク環境が適切に動いているかどうかを確認します。ネットワーク環境が適切かどうかは、他のウェブサイトを確認して通常通り動作するかを確認します。
他のウェブサイトを確認しても、動作が異常の場合にはネットワーク環境もしくはパソコンやスマートフォンなどの端末側の問題の可能性があります。
②検索方法が正しくない
商号などで検索する場合には、誤字などを確認しけっかがただしいばあいます。漢字などが異なれば検索結果で該当企業が表示されなくなります。
建設業許可で検索する際には、業種や一般建設業か特定建設業かの種類を指定している場合で、その指定が誤っているとやはり検索結果が正しく表示されません。
また、建設業許可番号が正しくないケースもあります。建設業許可番号が間違っていると異なった検索結果が表示されます。
●ネットワークが適切で、検索方法が正しい場合
ネットワークが適切で検索方法が正しい場合、建設業者・宅建業者等企業情報検索システムに登録がない可能性が高くなります。
取引を行う上で先方から提供を受けた情報の場合には、先方の情報が誤っている可能性があります。そのため、念の為先方に情報の確認ができない旨を伝えた上で情報提供を再度依頼します。
聞き間違いや読み間違いが発生しないように、電話などでヒアリングするのではなくメールなどで「商号または名称」「住所」「代表者名」「建設業許可番号」「建設業許可種類」など複数の項目を情報収集します。
また、登録の反映が間に合っていない場合もあり得るため建設業許可の取得年月日を確認しておくことも重要です。
●建設業許可がない=悪質業者と決めつける必要はない
前述の通り、軽微な工事であれば建設業許可は不要です。そのため、軽微な工事を専門としている事業者もいます。そのような事業者の中には、建設業許可を取得していない事業者も存在します。
そのため、建設業許可がない事業者が全て建設工事に必要なスキルがないなどの問題事業者や悪質事業者と決めつける必要は全くありません。
一方で、建設業許可があるように見せておいて実際には取得していないもしくは失効しているような状況はリスクを伴うケースが多くなります。請負契約などは、信義則に則った2社間契約になるため信用できない相手との契約は止めるほうが良い判断です。
2-2 建設業許可がない場合に発生するトラブル
建設業を営む事業者が、建設業許可を必要とする工事を許可なく営業・工事することは建設業法で禁止されています。
また、法律で禁止されているだけでなく、建設工事の適正な施工を確保して発注者を保護するとともに、建設業の健全な発展促進と公共の福祉増進に寄与するという目的に反します。
建設業の仕事の資質を確認するのは、専門知識を持たない人からすると非常に困難です。そのため、法律を制定・遵守していかなければ安全な建築物や住居かどうかが分からず、万が一の時に想定していなかった事故につながるリスクが潜む状況になってしまいます。
そのため、建設業許可を取得する要件は厳格になっています。一定規模の工事を請け負う一般建設業許可であっても、以下のような要件があります。
- ①建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者として「経営業務の管理責任者の設置」(建設業法施工規則第7条第1号)
- ②専任技術者の設置(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)
- ③誠実性(法第7条第3号)
- ④財産的基礎等(法第7条第4号、同法第15条第3号)
- ⑤欠格要件(建設業法第8条、同法第17条)に該当しない
これらの要件の詳細は、国土交通省『建設産業・不動産業 許可の要件』で確認できますが、簡単には建設業許可を取得できないようになっています。
特に、⑤欠格要件に該当しないことが必要になりますが、建設業許可を取消しになってから5年が経過していないことや取り消しとなった事業者の役員や一部の使用人は欠格要件に該当してしまいます。
また、建設業の取り消しになっていなくても、禁錮以上の刑に処されてから5年間経過していない場合や破産者で復権を得ていない場合なども欠格要件に該当します。
●許可のない事業者の問題点
建設業許可を持っていない事業者でも、木造工事や軽微な建設工事はできます。現在、許可のない事業者も決して少なくありません。しかし、無許可の事業者のイメージが悪く、現状では多くの建設事業者が建設業許可を取得する流れができています。
建設業を無許可で行う事業者は、建設工事における品質の担保が難しいという問題があります。
建設業許可を取得するためには工事に対する専門性を担保できる専任技術者を設置する必要があり、経営の安定性・継続性を担保するために経営業務の管理石印者や財産的基礎が求められます。
専門性がない、あるいは経営の安定性・継続性がない。もしくはその両方がない場合に、建設工事の依頼をすること自体にリスクがあると考えるのは当然です。
現代の建設工事は複数の専門技術を持つ工事業者が複数かつ同時に現場に入り工事を進めていきます。そのため、1つでも予定した工事に遅滞が発生すると、全体のスケジュールや安全性を損なうリスクが増加します。
2-3 トラブル回避のための確認事項
建設工事の請負契約においては、その契約内容を示す請負契約書に記載しなければいけない事項が決められています(建設業法19条)。下請け工事を依頼する際の請負契約においても、記載しなければいけない事項は適用されます。
しかし、必ず記載しなければいけない事項にはお互いが建設業許可を有していることを義務付ける内容はありません。
つまり、建設業法が求める事項をカバーした請負契約を締結した場合で、下請け事業者が所持しているとしていた建設業許可が実は虚偽であったとしても請負契約自体は2社間の合意として成立してしまいます。
●請負契約の約款に「必要な建設業許可の所持」を加える
請負契約の締結時に利用する契約約款に、必要な建設業許可の所持を義務付けることを加える必要があります。さらに、建設業許可の所持に違反があった場合には契約の破棄並びにそこから発生する損害の賠償を求める記載をしておきます。
建設業許可の所持の義務化と、諸事の義務に違反があった場合の契約の破棄や損害の賠償などを約款に盛り込むことで許可の不所持の隠蔽などを事前に防止するのと同時に万が一に発生した場合の対策を取りやすくしておきます。
●無許可状況を黙認しない
無許可業者と請負契約を締結している事実が発覚したら、黙認してはいけません。事実の発覚時点で工事を停止するなど、事態の収拾を図る必要があります。
3 まとめ
建設業許可を検索する方法と、もし検索の結果がエラーや該当する事業者が表示されなかった場合の対処方法を解説しました。
工事を依頼したい時に下調べもせずに事業者を選択すると、建設業許可を持っていない事業者に対して建設業許可が必要な工事を依頼してしまう場合があり得ます。
その時には許可がない事業者は当然ですが、依頼をしてしまった事業者にも行政処分などがあります。また、行政処分だけでなく建設業界での信用を下げることになり、その後の取引などにも影響が発生するリスクがあります。請負契約を締結する時には、相手事業者をよく調べて実施するようにしましょう。