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一級建築施工管理技士がいるとどんな建設業許可が取れる?

建設業は、国民の生活インフラを支える重要な役割を担う業界です。そのため、建設や建築には工程を適切に管理できる人材が必須ですが、それを証明できる国家資格の一つが建築施工管理技士です。この建築施工管理技士の資格があれば、建設業許可取得・維持のために配置が必須の専任技術者や管理技術者などになることができます。

今回の記事では、これから建設業界で活躍しようとする人材にぜひ知っておいてほしい国家資格『一級建築施工管理技士』について、概要と建設業許可との関連性や受検資格や方法などについて解説するので、参考にしてみてください。

1 一級建築施工管理技士とは

建設業全体の就業者不足は大きな課題です。不足している就業者の中で、特に求められているのが施工管理技士になります。

施工管理技士は、建設業法で定められた国家資格になります。施工管理技士は安全性を求められる建設現場において“現場のエキスパート”として位置されます。

そのため、施工管理技士は建設業法上で以下の2点が認められています。

  1. ① 建設業許可要件である専任技術者*の設置に必要な主任技術者・管理技術者*の技術者要件が認められる。
  2. ② 経営事項審査**で、一級は5点、二級は2点の加点評価になる。

*専任技術者ならびに主任技術者・管理技術者については後述します。

**経営事項審査は、公共工事を直接発注者から請け負うために競争入札に参加するために建設業者が必須で受ける審査になります。審査は各公共工事の発注機関が実施し、客観的事項と主観的事項を点数化して格付け・順位付けを行います。

1-1 制度概要

一級建築施工管理技士は、施工管理技士資格の一つになります。施工管理技士は、建設工事における以下の事項を安全に実施する役割を担います

  1. ✓施工計画
  2. ✓施行図の作成
  3. ✓工事における施工管理

施工管理技士が求められるのは、工事の管理や監督をするための技術です。そのため、施工管理技士の資格は、国土交通大臣指定機関による試験に合格することで得られます。

●施工管理技士の種類

施工管理技士は、以下のように種類が分けられています。

種類 概要
一級・二級建築施工管理技士 建設業における広く建設現場において技術上の管理を行うことができます。
一級・二級土木施工管理技士 建設業における土木工事(建物を建設するための基礎部分やダムや道路などの建物以外の建設工事)において技術上の管理を行うことができます。
一級・二級電気工事施工管理技士 建設業における電気工事(送電線や配電盤など電力機器などの電気工作物に係わる専門工事)において技術上の管理を行うことができます。
一級・二級管工事施工管理技士 建設業における管工事(冷暖房やガスや空調、給排水などの管を使った水やガスなどを送るための設備を設置するための工事)において技術上の管理を行うことができます。
一級・二級電気通信工事施工管理技士 建設業における電気通信工事(インターネットや電話回線などの電気通信設備を設置するための工事)において技術上の管理を行うことができます。

●施工管理技士補の誕生

令和3年より、新たに『技士補』という称号が誕生しました。施工管理の資格取得までには、第一次検定(筆記試験)と第二次検定(実地)の合格が必要でした。この第二次検定に合格しないと、資格は取得できませんでした。

また、第一次検定(筆記試験)の合格後の2年以内に第二次検定(実地)合格が求められていました。そのため、2年以内に実地試験に合格しない場合には、改めて第一次検定から受けなおす必要がありました。

その上で、第二次検定合格することは簡単ではありません。2回試験を受けたとしても第二次検定に合格しないケースもありました。このような第二次検定に不合格の場合には、第一検定に合格したことのメリットが全くない状況となっていました。

技士補が開始されてからは第一次検定に合格した時点で技士補の資格を取得できることとなりました。また、第一次検定後に第二次検定合格までの2年間と言う期限の制約が無くなりました

そして、法改正により技士補の資格を持つものが、一定の要件を満たせば監理技術者『管理技術者補佐』になれる*こととなりました。

法改正により、元請の管理技術者を補佐する立場の管理技術者補佐を置けば、特例としてその監理技術者**は2つの現場を兼務できるようになりました。これにより、1つの工事現場に専任して管理技術者を設置しなければいけないことで生まれていた、専任技術者の不足や非効率性が解消されることが期待されています。

また、2年間の制約が無くなったことで、工事現場で十分に実務経験を積んでから第二次検定(実地)を受けることで受験者の負担を軽減することができるようになりました

*管理技術者補佐の要件は、以下の2つの要件に該当する者となります。

  1. ✓主任技術者の資格があり、一級施工管理技士補の資格を有している者または一級施工管理技士などの国家資格などの管理技術者の資格を有している者
  2. ✓直接かつ恒常的な雇用関係があって、監理技術者補佐になる時点から起算して雇用期間が3ヶ月以上経過している者

**この管理技術者を、特例管理技術者と言います。なお、監理技術者の専任の緩和の詳細は、国土交通省のWebサイト報道『「管理技術者制度運用マニュアル」を改正しました』にて確認ができます。

1-2 業務内容

一級建築施工管理技士は、建築現場の施工管理を行う専任技術者として認められます。一級建築施工管理技士のニーズが高い要因の一つは、建設業の中で建築工事の量が多いことに起因します。

建設業において、大きく工事を2分すると『建築』『土木』になります。令和2年度の実績*の工事種類別では、元請完成工事高は以下の表のとおり、全体のうちの60%以上が建築工事になっています。

表1 工事種類別 元請完成工事高(単位:億円)

  元請完成工事高 前年度比 構成比
合計(①+②+③) 756,589 ▲3.8% 100.0%
①土木工事 464,259 1.3% 26.5%
②建築工事 200,434 ▲6.3% 61.4%
③機械装備等工事 91,897 ▲1.3% 12.1%

建築と土木以外に、合計29種類の建設工事に分けられますが、建築と土木が非常に規模の大きい工事の2つと言えます。

建築は、家やマンションやビルなどの新築や増築、改築や移転をすることです。一方で、土木は建築以外の建築の基礎や道路やダムや鉄道などを建設することです。この建築工事の中でも、その工事規模の大きさで一般建設業と特定建設業に分けられます。

一般建設業は元請会社に求められる許可です。発注者から請け負った工事一式もしくはその一部を下請けに発注する際の下請代金が4,000万円(建築一式工事では6,000万円)未満のみの工事または下請のみをおこなう場合に求められます。

一方で、特定建設業は上記4,000万円以上(建築一式工事では6,000万円)以上の工事を取り扱う場合に必要な許可になります。

一級建築施工管理技士は、建築工事の中で特定建設業の工事においても管理技術者として認められる許可になるため、ニーズが高くなっています。

*国土交通省総合政策局令和4年3月31日公表『建設工事施工統計調査報告』より

● 業務内容

一級建築施工管理技士は、監理技術者として建設現場における『現場監督』として業務を行います。一級建築施工管理技士は、工事に係わってくる“工事の依頼主”と“設計者”と“工事業者と作業員”と“検査員”“工事現場周辺の住民”など、全ての人に配慮して工事を進めることが求められます。

そのため、専門知識はもちろんとして円滑に物事を進めるための、コミュニケーション能力が求められます。一級建築施工管理技士の業務内容は大きく以下の4つに分けられます。

・施行計画

建設工事が、安全に予算内・期限内に設計図の通りに実施するための計画を立案します。

工事の着工前に、業者選定や工事現場とその周辺状況を把握します。また、工事によって発生する資材の再利用計画・再資源化を計画し、廃棄物の運搬場所などを決定しておきます。

実際の建設において設計図の実現に課題がある場合には、問題なく工事が進むよう設計者と事前の調整を行います。

・工程管理

建設工事が、施工計画に則って進むために工程管理をします。工程管理は、工事現場における工事の開始から終了までに一連の工事工程のスケジューリングを行い、監理します。

工事現場では、複数の業者や作業者が作業を行います。そのため、各工程が計画通り進まない場合、その後の工程の工事を受け持つ業者や作業者の工事に影響が出てしまいます。そのため、工事が計画通り進むよう、工事の進捗を管理し、工事に合わせた資材の発注も実施します。

工事は、規模が大きくなっていくと工事の種類と工程が増えていきます。種類と工程の数が増えることに伴い、工事業者と作業者が増えていきます。そのため、工事規模が大きくなるにつれ、監理すべき工事工程も業者も作業者も増えていき、管理する難度が高くなります。

一級建築施工管理技士は、前述のとおり工事規模は問いません。工事の大きさに比例して増加する管理難度に対応できるための知識が一級建築施工管理技士には求められます。

・安全管理

建設現場には、危険が伴います。工事現場に出入りする作業者はもちろん、工事現場の周辺を往来する人たちなどの安全を確保するのが安全管理になります。

一級建築施工管理技士は、工事現場とその周辺の安全を確保するために、作業員や出入り業者に対しての安全教育や健康管理、危険を伴う工事や工程が発生することへの危険予知や全体周知、工事現場の安全チェックなどを行います。

・品質管理

設計図に則った建築を行うことが、一級建築施工管理技士に求められる品質管理になります。施工計画の段階で定められた使用資材を活用して必要な状態までに仕上げて、充分な性能を実現することが品質管理です。

外観などは目で確認でき、空調や水回りなどは実際に利用することで確認できますが、成果物である建築物の全てが図面通りに施工化されたかは専門義知識を持たない発注者には分かりません。

そのため、発注者が求める品質管理に到達させることは一級建築施工管理技士の大きな責任と言えます。

また、施工管理時点でも見抜けなかった実現できない設計内容がある場合には、工事はすでに始まっていたとしても依頼者と設計者に報告・相談を実施し、最終的な調整を行います。

1-3 日本国内の人数と需要

令和4年1月28日現在の一級建築施工管理技士の合格者は、308,521人になります。そのうち、令和3年度に実施された検定による合格者は8,025人(合格者全体の2.6%)になります*。

令和3年3月末時点の建設業許可業者は、473,952業者あり、うち特定建設業許可業者は47,055業者おります。また、建築工事業者は148,430業者になります。

これらの事から、建築工事業者数の約2倍の一級建築施工管理技士の資格所有者がいることになります**。

*一般財団法人建設業振興基金Webサイト『施工管理技術検定 建築施工管理技技術検定 実施状況』より

**国土交通省Webサイト『全国の建設業許可業者数が3年連続で増加~令和3年3月現在の建設業許可業者の現状~』より

●一級建築施工管理技士の需要

建設業の就業者は、高齢化が進んでいます。55歳以上が約3割を占めていて、逆に29歳以下が1割と低い状態です。これは、年齢層が低い就業者の建設業への流入が減少していることや他の業界への移動が多い結果です。

一方で、将来の建設需要自体は大きく減少しないと見込まれており、建設業許可業者は前述のとおり3年連続で増加傾向を示しています。

需要が減退せずに、就業者の高齢化とその後の引退による就業者不足に対応していくためには、若い人材が活躍できる環境に建設業界全体が変わっていく必要があります。

そのための対策の一つが、前述の法改正による一級建築施工管理技士補の誕生です。第一次検定は筆記になるため、経験が浅い若い年齢のうちに取得することができます。

実務が求められる第二次検定は工事現場での経験が必要であるため、経験が浅い若い年齢層には難度が高くなっていました。実際に、一級施工管理技士の第2次検定の合格者は2021年度で52.4%、2020年度で40.7%と、難度が高くなっています*。第一次検定合格後からの期限的制約が無くなったため、技士補として十分なキャリアを積むこともでき、かつ経験を積んだ後に第二次検定を受けられるように改正されています。

また、技士補を置くことができれば施工管理技士の工事現場の専任から兼任が許可されるのも一級建築施工管理技士の不足に起因する面もあります。

現在、一級建築施工管理技士の不足ないしは将来迎える高齢就業者の引退に対して対応を開始しています。それでも一級建築施工管理技士の需要は高いと言えます。現状では、必要に応じて二級施工管理技士についても技士補制度を導入することの検討が進められています。

*一般財団法人建設業振興基金Webサイト『施工管理技術検定 建築施工管理技技術検定 実施状況』より

2 建設業法と一級建築施工管理技士

建設業には、専任技術者と監理技術者という2つの技術者が求められています。その中でも、専任技術者は各営業所に配置することが義務付けられています。この義務を満たさなければ、建設業許可が下りないもしくは建設業許可の更新を失うことになります。

さらに、専任技術者が所有する専門知識によって取得できる業種が決定します。また、専任技術者には“常勤性”が求められます。

常勤性とは、原則その営業所が営業している場合にはそこで職務を行っていることが求められます。そのため、平日毎日稼働している営業所においては週3で勤務しているということでは常勤性が認められません。

退職などが発生して専任技術者が不在になると、建設業許可が維持できなくなります。そのため、1名の専任技術者では急な退職などに対応ができなくなり、複数の専任技術者を要している必要があります。

つまり、建設業者で常勤している専任技術者次第で建設業許可事態とその業種が決定します。専任技術者になるためには、定められた国家資格を取得しているなどの条件があります。その定められた国家資格の一つが、一級建築施工管理技士になります。

監理技術者は許可業者が工事を行う場合に、工事現場における技術上の管理をつかさどる役割を担います。この管理技術者になるための国家資格も同様に一級建築施工管理技士の資格が認められています。

2-1 専任技術者要件

建設業の許可要件について、その許可を受けようとする建設業種の技術に係わる部分について専任技術者の各営業所の設置が求められます。(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)

この要件は、建設工事の請負契約について適正な締結と履行を確保するための建設業者に求められる専門的知識を確保する為の要件になります。

専任技術者は、一般建設業か特定建設業のどちらの許可を取得するかによってその技術者要件は変わってきます。

一般建設業での専任技術者になるための要件は3つあります。

  1. ①許可を受けようとする建設業種についての国家資格などを有している
  2. ②許可を受けようとする建設業種での10年以上の実務経験がある*
  3. ③許可を受けようとする建設業種に定められた学歴を修了し、定められた実務経験がある

特定建設業での専任技術者になるための要件も3つあります。

  1. ①許可を受けようとする建設業種についての国家資格などを有している
  2. ②一般建設業の専任技術者要件を満たしていて、かつ許可を受けようとする建設業において発注者から直接請負、その請負代金が4,500万円以上のものを2年以上指導監督的な実務経験がある者
  3. ③大臣が特別に認定する

*複数業種に係わる実務経験がある場合には、類似した業種での実務経験を鑑みてその期間が変わります。詳細は国土交通省Webサイト『指定学科一覧 複数業種に係る実務経験を有する者』をご確認ください。

●特定建設業の専任技術者になることができる国家資格

特定建設業の専任技術者が、専任技術者において最も需要が高い専任技術者と言えます。そして、実務経験をもって特定建設業の専任技術者になるためには10年の実務経験と4,500万円以上の請負工事について2年以上の指導監督などの実務経験が必要です。

しかし、これからキャリアを積んでいこうとする若い年齢層がいち早く専任技術者の資格を得るためには時間が必要です。

そのため、経験が浅い若い人材が専任技術者にいち早くなろうとすると、国家資格を取得することになります。

特定建設業の専任技術者になることができる国家資格は、建設業種によって異なってきます。建設業法で定められている代表的な国家資格は以下の通りです*。

法律 国家資格 専任技術者になれる建設業種
建設業法(技術検定) 一級建設機械施工技士 土木/とび/舗装工事
一級土木施工管理技士 土木/とび・土木・コンクリート/石/鋼構造物/舗装/しゅんせつ/塗装/防水/解体工事**
一級建築施工管理技士 建築/大工/左官/とび・土木・コンクリート/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鋼構造物/鉄筋/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/熱絶縁/建具/解体工事**
一級電気工事施工管理技士 電気工事
一級管工事施工管理技士 管工事
一級造園施工管理技士 造園
建築士法(建築士試験) 一級建築士 建築/大工/屋根/タイル・れんが・ブロック/鋼構造物/しゅんせつ/内装仕上
技術士法 建設・総合技術管理『建設』(鋼構造とコンクリートを除く) 土木/とび・土木・コンクリート/電気工事/舗装/しゅんせつ/造園/解体工事**
建設・総合技術管理(鋼構造およびコンクリート) 土木/とび・土木・コンクリート/電気工事/舗装/しゅんせつ/造園/解体工事**

建築業法で定められた施工管理技士の他に、建築士法で定められた建築士の資格や技術士法で定められた総合技術管理資格などがありますが、難易度は非常に高くなっています。

*詳細は国土交通省作成『営業所専任技術者となり得る国家資格等一覧』で確認できます。

**解体工事については、経過措置などがあります。そのため、詳細は上記営業所戦に技術者となりえる解体資格等一覧をご確認ください。

●一級建築施工管理技士は、専任技術者になれる建設業種が最多

一級建築施工管理技士は、経過措置の解体工事を含めて17業種の専任技術者になることができます。他の国家資格が多くて7業種であることと比べると、一級建築施工管理技士の資格の優位性が分かります。

建設業許可の要件である専任技術者の各営業所への配置について、一級建築施工管理技士の資格をもつ専任技術者であれば17業種の建設業許可を取得することができます。

2-2 管理技術者の要件

特定建設業者が、発注者から直接請け負った工事において、合計4,000万円(建設一式工事では6,000万円)以上の下請契約締結を実施した工事には管理技術者の配置が必要となります。

前述の専任技術者は、営業所ごとに配置することが求められていましたが、管理技術者は工事に対して配置が求められています。

管理技術者の職務は前述のとおりですが、管理技術者は規模が比較的大きい工事を指導的立場で管理・監督する立場なので、やりがいと責任が大きい仕事と言えます。

●管理技術者の要件

管理技術者になるためには、指定建設業とそれ以外で資格要件が異なります。指定建設業は、土木工事・建築工事・電気工事・管工事・鋼構造物工事・塗装工事・造園工事の7つの業種で、これ以外の22業種は一定の要件を満たした実務経験があることで管理技術者になれます。

指定建設業の7つの業種の管理技術者になるためには、以下の一級国家資格などを取得していることが求められます。

指定建設業 求められる一級国家資格
土木工事 一級土木施工管理技士/一級建設機械施工技士/技術士
建築工事 一級建築施工管理技士/一級建築士
電気工事 一級電気工事施工管理技士/第一種電気工事士/一級計装士/技術士
管工事 一級管工事施工管理技士/一級計装士/技術士
鋼構造物工事 一級土木施工管理技士/一級建築施工管理技士/一級建築士/技術士
舗装工事 一級土木施工管理技士/一級建築施工管理技士/技術士
造園工事 一級造園施工管理技士/技能検定造園技能士/技術士

指定建設業以外の22業種に認められる実務経験による管理技術者の資格取得は指定建設業には認められていません。そのため、資格の取得が必須になっています。

指定建設業以外の22業種は、学歴や資格に応じた実務経験があれば取得することができます。

一級建築施工管理技士の資格を持っていれば、建築業種だけでなく『鋼構造物工事』と『舗装工事』についても管理技術者になれます。

該当の建設業種の一級国家資格があれば、一般財団法人建設業技術者センターへ申請を行うと『管理技術者資格者証』が交付されます。資格者証を受領後に、監理技術者講習を修了することで管理技術者としての稼働が認められます。

●専任技術者と監理技術者の両方に対応

一級建築施工管理技士の資格は、営業所での適正な契約締結を行うことを管理・監督する専任技術者と、規模の大きい特定建設業の工事現場が適正に運営され成果物である建築物が設計通りになるための管理技術者の双方に求められる専門知識に対応しています

一級建築施工管理技士は専任技術者と監理技術者のそれぞれの建設業種にも幅広く対応をしています。

そのため、一級建築施工管理技士の資格を所有し施工管理技士としての実務経験を積んでいくことで、建設業界内での転職に強くなることやキャリアアップなどの可能性を広げることができる資格です。

2-3 二級建築施工管理技士との違い

施工管理技士には、級があります。

一級と二級のどちらも、専任技術者になることが可能です。ただし、特定建設業の専任技術者として認められるのは一級の施工管理技士の資格のみになります。

そのため、特定建設業の建築業の建設業許可を取得しようとする場合には、一級建築施工管理技士の資格を持った専任技術者が必要になります。一方で、一般建設業の建築業の建設業許可を取得する場合には、二級建築施工管理技士の資格をもった専任技術者で対応可能です。

●管理技術者と主任技術者

専任技術者に級で差が出るように、一級の施工管理技士の資格で管理技術者になれますが、二級の施工管理技士の資格では管理技術者にはなれません。その代わり、二級の施工管理技士の資格で主任技術者になることができます。

管理技術者と主任技術者の違いは、工事規模=請負金額になります。管理技術者には、工事規模に制限がありません。一方で、主任技術者には工事の請負金額に4,000万円未満という制限があります。

請負金額以外には違いがないため、一般建設業の建設業許可のみを持っている建設業者にとっては主任技術者を工事に設置できる体制で対応可能です。

3 一級建築施工管理技士になるには

一級建築施工管理技士の国家資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。前述のとおり、令和3年の制度変更があり、今までより取得自体の難度は下がりました。

建築施工管理技士の資格は、級に係わらず、需要が継続的にあります。一方、一級建築施工管理技士の月収は30万円~40万円の設定での求人募集が一般的です。二級建築施工管理技士の月収は20万円~30万円になるので、一級と二級の差は月収で10万円前後の差があります。

一級建築施工管理技士の資格取得要件には、二級取得済みであることは必要ありません。そのため、二級建築施工管理技士の資格がない状態で一級建築施工管理技士の資格を目指す事も可能です。

3-1 受験資格

一級建築施工管理技士の受験をするためには資格要件があります。受験資格は、定められた最終学歴と実務経験年数が必要になります。必要な実務経験は、大きく4つの区分に分けられ、最終学歴とその学位が指定学科に該当するか、資格を有しているかによって異なってきます。

≪一級建築施工管理技士の受験資格要件≫

区分 学歴もしくは資格 実務経験年数
大学、専門学校の『高度専門士』 卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
短期大学、高等専門学校(5年制)、専門学校の『専門士』 卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校の専門課程 卒業後10年以上* 卒業後11年6ヶ月以上**
その他(学問問わず) 15年以上**
二級建築士資格合格者 合格後5年以上
二級建築施工管理技術検定第二次検定***合格者 合格後5年以上*
二級建築施工管理技術検定第二次検定***合格者で、実務期間が5年未満 短期大学、高等専門学校(5年制)、専門学校の『専門士』 卒業後3年以上 卒業後9年以上**
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校の専門課程 卒業後9年以上** 卒業後10年6ヶ月以上**
その他(学問問わず) 14年以上**
二級建築施工管理技術検定第二次検定***合格者 実務経験年数は問わず(ただし、第一次検定のみの受験資格となります。④の区分で受験申請をすると第一次検定合格をしても、第二次検定の受験資格はありません。)

*以下の該当要件がある場合には、実務経験年数を2年間短縮できます。

≪該当要件≫

主任技術者の要件を満たす。

専任監理技術者の配置が必要な工事で配置され、専任技術者の指導の下で2年以上の実務経験がある。

**以下の該当要件がある場合には、実務経験年数を2年間短縮できます。

≪該当要件≫

指導監督的実務経験を専任の主任技術者として1年以上の実務経験がある。

***令和2年までは実地の試験となります。

なお、申込にあたっての詳細確認は一般財団法人建設業振興基金が作成する『受験の手引』で確認できます。

● 受験資格で求められる実務経験

建築施工管理技術検定の受験資格で求められる実務経験は、建築工事における全施工の技術上の実務経験になります。つまり、実務経験は建築工事である制限はあるものの広い範囲の施工管理経験が対象となります。

具体的には、以下の3つの要件に該当することで必要な実務経験としてカウントできます。

≪受験資格に求められる実務経験の3要件≫

① 受注者の立場で、建設現場の施工管理を実施した経験、もしくは施工図の作成やその補助作業を実施した実務経験
② 設計者などの工事管理を実施した経験、もしくはその補助を実施した実務経験
③ 発注者の立場で、現場監督技術者などを実施した経験、もしくはその補助を実施した実務経験

3-2 申込方法

施工管理技士の資格試験は、年1回の実施です。一級建築施工管理技士の資格取得をしようとするタイミングでは、すでに仕事では責任ある立場で工事現場や会社にて活躍している方も多くいます。仕事と私生活を両立しながら、受験のための学習を行うため、忙しい状況なのが一般的とも言えます。

そのため、受験に向けては受付期限などを含めた申込手続きと当日用意するものなどポイントを抑えて、ヌケモレなく計画的に物事を進める必要があります。

●申込手続き

施工管理技士の申込をしようとする場合には、以下の手順で必要事項を1つずつ解消していきます。

①試験実施団体のWebサイトを確認する

一級・二級建築施工管理技士の試験実施団体は、一般財団法人建築業振興基金になります。

Webサイトでは、試験スケジュールを確認します。

令和4年のスケジュールは以下のようになっていました。

  1. ・願書配布期間:令和4年1月14日~2月10日
  2. ・申込受付期間:令和4年1月28日~2月10日
  3. ・試験日:一次試験 令和4年6月12日
    ニ次試験 令和4年10月16日

申込受付から試験までの期間が約4ヶ月空いているため、試験日のみを把握していると申込期限を超過する状況になりかねない点に注意してください。

②受験願書の購入

一級建築施工管理技士の試験を初めて受けようとする場合、書面申込のみの対応で、インターネット申込ができません。そのため、提出のための郵送に必要な日数なども計算して早めの受験願書購入が必要です。

受験願書の購入方法は、以下の3種類があります。

  1. ✓窓口販売
  2. ✓インターネット販売
  3. ✓郵送販売

窓口販売は、販売期間が最も長く、必要書類を持参すれば提出までを行える点がメリットになります。ただし、物理的に窓口までの距離の問題があります。最寄りの窓口は建築業振興基金のWebサイトで確認できます。

インターネット販売は、提出締め切りの1週間前までの販売になります。提出締め切り1週間以内はインターネット申込が利用できないので注意が必要です。また、販売最終日は日中に終了する点も注意が必要です。

郵送販売も同様に、提出締め切りの1週間前までに支払いをする点に留意が必要です。

③願書の提出

願書の提出には、以下の4つの添付書類が必要です。

  1. ✓実務経験証明書
  2. ✓住民票
  3. ✓受験料払込み証明書
  4. ✓証明写真
・実務経験証明書

実務経験証明書は、一級建築施工管理技士を受験するために必要な実務経験を証明するための書類になります。書式は、受験願書に封入されているものを使用します。経験を積んだ工事内容と年数を記入したうえで、勤務する法人や事業者の法人印や代表印を捺印します。

捺印が必要になるので、事前に勤務する法人や事業者に提出し、捺印を受け取るようにします。特に事業規模の大きい法人などで捺印申請などが必要な場合には捺印に必要な期間を逆算して申請を上げるなどの対策が必要です。捺印が無い場合には、実務経験証明書として無効となるため、注意しましょう。

個人事業主の代表本人が、受験する場合には実務経験証明を自身で行います。そのため、工事請負契約書など客観的なエビデンスをもとに必要な実務経験を証明しなければなりません。

また、学歴や資格を持って必要とする実務経験年数を短縮している場合には、対象となる学位を修了したことを証明する卒業証明や資格証明書も添付が必要です。卒業証明は、修了した学校から購入などで取得できますが、取得までに時間が必要になるケースも多いため、留意が必要です。

・住民票

住民票は、記載内容に変更がない場合には発行年月日に期限はありません。また、住民コードが分かるのであれば、住民票の添付は省略できます。マイナンバーが記載された住民票をそのまま提出することはできない点には留意が必要です。なお、再受験になる場合にも住民票の提出は不要です。

・受験料払込証明書

受験料払込証明書は、受験願書に同封されている振替払込用紙を使用します。

第一次検定受験手数料は10,800円(消費税非課税)となります。払込は、受験申込者名義で郵便局にて支払いを行います。払込をした証拠となる郵便局が押印した日附印がある振替払込受付証明書(お客様用)を指定された箇所に貼り付けします。

ATMで使用して支払いを行った場合には、受領証のみが発行されます。発行された受領証をコピーしたうえで、原本を指定された箇所に貼り付けます。

受験手数料は原則返金されません。ただし、そもそも受験資格がない場合と試験日1か月前まえに辞退届の提出をすれば手数料などを指しい引いた受験手数料は返金されます。

・証明写真

証明写真はパスポートサイズで、ふちがないカラー写真を用意します。申請を行う日から6ヶ月以内に撮影した物が必要です。証明写真になるため、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真では受取されません。

④申込書の提出

該当する受付期間中に一般財団法人建設業振興基金試験研修本部に提出します。なお、受付期間の最終日の消印までが有効です。

申込書類一式は、必ず郵送で提出します。申込書類の直接持参は受付されません。また、申込書類の郵送は、必ず申込者1名ずつ実施します。務める法人などで複数人が同時に受験する場合でも、必ず個別に申込書類一式を郵送します。

申込書の送付後に、住所・氏名・受験地を変更したい場合には願書に同封されている『住所・氏名・本籍・受検地変更(訂正)届』を簡易書留郵便またはFAXにて送付します。

氏名の変更 変更届と戸籍謄本を添付して簡易書類郵便にて送付します。
住所の変更 書類送付先住所が変更となる場合に対応します。書類送付先住所が勤務先住所などになっている場合には、変更届出は必要ありません。
受検地の変更 受検地の変更届は、試験日の10日前必着での申請が必要です。申請方法は簡易書留郵便とFAXのどちらでも構いません。
申請が認められた場合には、『受検地変更許可書』が送付されます。試験日の5日前までに受検地変更許可書が到着しない場合には、建築業振興基金財団へ問い合わせを必ず実施してください。問い合わせがないと、欠席扱いとなってしまいます。
⑤受験

受験には建設業振興基金から送付される検定受験票が必要です。検定受験票は試験日のある月の前月に送付されます。試験日の当月に入っても受験票が届かない場合には、必ず建設業振興基金へ問い合わせを入れるようにします。

また、万が一試験当日に受験票を忘れた場合には、当日の受付で手続きが可能です。この手続きには運転免許証などの顔写真付きの身分証明書の提示が必要です。

会場に時計が設置されていない場合なども想定できるため、腕時計も忘れずに身に着けておきます。その他の持ち物としては、筆記用具(HBの鉛筆もしくはシャープペンシルと消しゴム)が必要です。

⑥合否の確認

合否の発表は、一次建築施工管理技術検定から約1ヶ月後に通知が郵送されます。郵送以外では、合格発表日から2週間の間、建設業振興基金財団のWebサイトでも確認できます。

合否通知が上記期間を過ぎても到着しない場合には、速やかに建設業振興基金財団に連絡を行います。未到着の合否通知の再発行は、合格発表日から1ヶ月以内という期間が決められています。

合格通知には、合格証明書の交付申請手続き方法が記載されています。国土交通省へ申請を行うと、『一級建築施工管理技士(第一次検定)合格証明書』が交付されます。手続きの進め方の詳細は、一次検定合格通知書に記載されています。

●合格基準と留意点

一級建築施工管理技士の試験では、以下の通りの合格基準が開示されています。

≪合格基準≫

  1. 第一次検定(全体)の得点が60%以上
  2. 同(施工管理法(応用能力)の得点が60%以上
  3. 第二次検定の得点が60%以上

試験の実施状況などを踏まえて変更する可能性がありますが、60%以上の得点をとることが合格基準となります。不正行為と判断されるような受験行為があった場合には、建設業法施行令の規定に基づいて受験の禁止や合格の取消の処分になります。また、処分を受けると定められた3年以内の期間は受検を禁止することがあります。

4 まとめ

建設業の発展と建設業で活躍する人材に必須と言える国家資格である一級建築施工管理技士の概要ならびに資格取得の手順などについてご紹介しました。

一級建築施工管理技士の資格は、建設現場の安全性や施工の管理品質を維持・向上させるために必要な知識や経験を証明する資格です。そのため、一級建築施工管理技士の国家資格を取得すると、専任技術者や管理技術者などの建設業許可証の取得・維持に必須の要職に認められます。

今後、建設業の需要は横ばいが続いていく見込みの中で技術や経験をもったこれまでの建設業を支えた職人の高齢化と引退が予想されています。これからの建設業を支える人材として、新しい世代の一級建築施工管理技士の資格所有者への期待やニーズはますます高まっていくことが予想されます

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