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建設業許可で求められる実務経験とは?業種ごとに紹介

建設業許可は、建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に受けなければならない許可です。建設業許可を受けるためには、すべての営業所に専任技術者を配置することが求められます。

また、専任技術者として認められるためには、建設業法で定められた要件を満たす必要がありますが、建設業における実務経験を積むことでクリアできる場合があります。

そこで今回の記事では、建設業の各業種において、実務経験によって専任技術者として認められるケースについて解説しています。建設業に携わる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1 建設業許可とは

「建設業許可」とは、建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に国土交通大臣または都道府県知事から受ける許可のことをいいます。建設業許可が必要となる一定規模以上の建設工事は、次のとおりです。

①建築一式工事

  1. ・工事1件の請負金額が1,500万円以上の工事
  2. ・延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事

②建築一式工事以外の建設工事

  1. ・工事1件の請負金額が500万円以上の工事

(注)金額は、材料費込みの税込金額です。

なお、工事1件の請負金額が500万円未満の工事など上記に該当しない建設工事は、「軽微な建設工事」として建設業許可を受ける必要はありません。建設業許可の対象となる工事および業種は、次のとおりです。

土木一式工事
建築一式工事
土木工事業、建築工事業
以上の2業種
専門工事 大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業
以上の27業種

上表で、一式工事とは、専門工事を複数組み合わせた総合的な工事のことです。建設業許可の対象となる工事は、①一式工事の区分では、「土木一式工事」「建築一式工事」の2工事で、対応する業種は、土木工事業と建築工事業の2業種となっています。

また、②専門工事の区分では、「大工工事」以下の27工事で、対応する業種は、大工工事業をはじめ27業種となっています。

2 建設業許可の種類

次に、建設業許可の種類についてみていきましょう。建設業許可には、一般建設業許可特定建設業許可の2つの種類があります。

 2-1 一般建設業許可

一般建設業許可は、建設業法に基づき、「軽微な工事」を除く建設工事を請け負う場合に受ける許可をいいます。

「軽微な工事」とは、

①建築一式工事では、

  1. ・工事1件の請負金額が1,500万円未満の工事
  2. ・延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事

②建築一式工事以外の建設工事では、

  1. ・工事1件の請負金額が500万円未満の工事

をいいます。

この軽微な工事に該当しない建設工事を請け負う場合には、必ず一般建設業の許可を受ける必要があります。

 2-2 特定建設業許可

特定建設業許可とは、元請として1件の工事について下請代金合計額4,000万円以上(建築工事一式の場合は、1件の工事につき下請代金合計額6,000万円以上)で下請に出す場合に受ける許可をいいます。

特定建設業許可は、次の2つの条件を満たす場合に受けなければならない許可です。

  1. ①発注者から直接工事を受注する「元請」である
  2. ②1件の工事について、下請代金合計額4,000万円以上(建築工事一式の場合は、1件の工事につき下請代金合計額6,000万円以上)で下請に出す

よく混同されることも多いですが、この場合、発注者からの受注金額は問題になりません。例えば、元請として発注者から1億円で工事を受注したとしても、下請に出さずに自分が工事を施工すれば、特定建設業許可を受ける必要はありません。

また、下請に出すとしても、1件の工事について、下請代金合計額4,000万円未満(建築工事一式の場合は、1件の工事につき下請代金合計額6,000万円未満)であれば、特定建設業許可は不要です。これらのケースでは、一般建設業許可を受ければよいことになります。

3 建設業許可の要件

次に、建設業許可を受けるための要件についてみていきましょう。建設業許可を受けるための要件は、次のとおりです。

  1. ①経営業務の管理責任者を配置すること
  2. ②社会保険に加入すること
  3. ③専任技術者を配置すること
  4. ④不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
  5. ⑤財産的基礎があること
  6. ⑥欠格要件に該当しないこと

 3-1 経営業務の管理責任者の配置

建設業許可を取得するには、主たる営業所に「経営業務の管理責任者」を配置する必要があります。経営業務の管理責任者とは、営業所において営業取引上対外的に責任を有する地位にあり、建設業の経営業務について総合的な管理・執行の経験を持つ者をいいます。

経営業務の管理責任者となるには、法人の場合は常勤役員のうち1人が、個人の場合は本人または支配人のうち1人が、建設業法の定める経営業務の管理責任者としての要件を満たす必要があります。

 3-2 適切な社会保険への加入

建設業許可を取得するには、健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法に定められた適用事業所に該当するすべての営業所について、適正に届出がされている必要があります。

 3-3 専任技術者の配置

第3の要件は、営業所ごとに、許可を受けようとする業種にかかる一定の資格や経験を持つ技術者を専任で配置することです。建設工事の請負に関する見積・入札・契約締結などの業務は各営業所で行われることから、すべての営業所に専任技術者を配置する必要があります

「専任」とは、営業所に常勤して、専らその職務に従事することをいい、次の人は原則として専任とは認められません。

  1. ・住所が勤務を要する営業所から非常に遠く、常識的にみて通勤不可能である人
  2. ・他の営業所で専任の職務に従事している人
  3. ・他の法人の常勤役員である人や他で個人営業を行っている人など、他の営業について専任に近い状態にあると認められる人
  4. ・専任の宅地建物取引士や建築士事務所を管理する建築士など、他の法令により特定の事務所等において専任が必要とされる人

専任技術者としての要件は、次のとおり、建設業法で定められています。

【専任技術者の要件】

一般建設業許可 特定建設業許可
①一定の国家資格を保有する者
②高等学校・中等教育学校在学中に許可を受けようとする建設業の指定学科を修め、卒業後5年以上の実務経験がある者、または、大学・短大・高等専門学校在学中に許可を受けようとする建設業の指定学科を修め、卒業後3年以上の実務経験がある者③許可を受けようとする建設業の建設工事に関して10年以上の実務経験がある者④国土交通大臣が上記の者と同等以上の知識・技術または技能を持っていると認定した者
①一定の国家資格を保有する者
②一般建設業のいずれかの専任技術者の要件を満たしている者で、許可を受けようとする建設業に関して、発注者から直接請け負い、その請負金額が政令で定める金額(4,500万円)以上であるものについて、2年以上の指導監督的な実務経験がある者(ただし、指定建設業を除く)③国土交通大臣が上記の者と同等以上の能力を持っていると認定した者

専任技術者としての要件は、一般建設業許可に比べ特定建設業許可で厳しくなっています

①の一般と特定の双方に規定されている「一定の国家資格を有する者」については、特定建設業許可の要件を満たす国家資格は、一般建設業許可に比べ、厳選された資格となっています。

次に、一般建設業許可では、②:学校で建設業の指定学科を修め、高等学校・中等教育学校では卒業後3年以上、大学・短大・高等専門学校では卒業後5年以上の「実務経験」がある者、③:許可を受けようとする建設業の建設工事に関して10年以上の「実務経験」がある者となっています。

一方、特定建設業許可では、②:一般建設業の専任技術者の要件を満たしている者で、許可を受けようとする建設業に関して発注者から直接請け負い、その請負金額が政令で定める金額(4,500万円)以上であるものについて2年以上の「指導監督的な実務経験」がある者とされています。

すなわち、特定建設業許可では、㋐一般建設業の専任技術者の要件を満たしており、㋑発注者から直接請け負った請負金額4,500万円以上の建設工事について2年以上の指導監督的な実務経験の2要件が求められているのです。

  1. 特定建設業許可の専任技術者要件
  2. =一般建設業許可の専任技術者要件 + 2年以上の指導監督的な実務経験
  3. ・一般建設業許可の専任技術者要件①(一定の国家資格)+2年以上の指導監督的な実務経験
  4. ・一般建設業許可の専任技術者要件②(一定の学歴+実務経験)+2年以上の指導監督的な実務経験
  5. ・一般建設業許可の専任技術者要件③(10年以上の実務経験)+2年以上の指導監督的な実務経験
  6. ・一般建設業許可の専任技術者要件④(国土交通大臣が認定)+2年以上の指導監督的な実務経験

上の要件中にある一般建設業許可における「実務経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいい、建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事し、または現場監督技術者として監督に従事した経験、土工およびその見習いに従事した経験などが含まれます。

ただし、単に建設工事の雑務のみの経験は含まれません

また、特定建設業許可における「指導監督的実務経験」とは、許可を受けようとする建設業に関し発注者から直接請け負い、その請負金額が政令で定める金額(4,500万円)以上の建設工事について、その設計または施工の全般について、工事現場主任または工事現場監督者に類する立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験が該当します。

したがって、建設工事の技術面を総合的に指導監督した経験でなく、従事しただけの経験では、その工事が4,500万円以上の請負金額で発注者から直接請け負った工事であったとしても、「指導監督的実務経験」には該当しません。

例えば、1億円の請負金額で発注者から直接請け負った建設工事について、その発注にあたって設計技術者として設計に従事した場合や土工およびその見習いとして従事した場合などは、一般建設業許可における「実務経験」には該当しますが、特定建設業許可における「指導監督的実務経験」の要件を満たしているとはいえません。

なお、指定建設業である土木・建築・菅・鋼構造物・舗装・電気・造園の7業種(指定7業種)については、特定建設業許可の専任技術者に1級の国家資格等取得者が必要とされているため、実務経験者では要件を満たしません。

 3-4 不正・不誠実な行為をするおそれがない

建設業許可を受けるには、次のように、不正・不誠実な行為をするおそれがないことが必要です。

①法人の場合

法人・法人の役員・政令で定める法人の使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

②個人の場合

本人・支配人・政令で定める使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

 3-5 財産的基礎がある

建設業許可を受けるためには、建設業の請負契約を履行できる財産的な基礎または金銭的な信用を有することが要件となっていますが、一般建設業許可に比べ特定建設業許可では厳しくなっています。

【財産的基礎の要件】

一般建設業許可 特定建設業許可
次のいずれかに該当することが必要です。
㋐自己資本の額が500万円以上であること
㋑500万円以上の資金を調達する能力を有すること
㋒許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有すること
次のすべてに該当することが必要です。
㋐欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
㋑流動比率が75%以上であること
㋒資本金の額が2,000万円以上であり、
かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること

 3-6 欠格要件に該当しない

建設業法の定める欠格要件に該当する場合は、建設業許可を受けることができません。

【欠格要件の例】

  1. ㋐許可申請書や添付書類の重要な事項について、虚偽の記載がある、または重要な事実の記載が欠けている場合
  2. ㋑破産手続開始の決定を受けて復権していない者
  3. ㋒営業停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者など

4 各業種で求められる実務経験

それでは、建設業の各業種で求められる実務経験について見ていきましょう。

 4-1 一般建設業許可

一般建設業許可において、実務経験により専任技術者の要件を満たすことができるパターンは、次の3つです。

  1. ①大学・短大・高等専門学校の指定学科を卒業 + 3年以上実務経験
  2. ②高校・中等教育学校の指定学科を卒業 + 5年以上実務経験
  3. ③学歴不問の場合 10年以上実務経験

【A表 一般建設業許可】

業種 大学・短大・高等専門学校の指定学科を卒業 高校・中等教育学校の指定学科を卒業 学歴不問
土木工事業 土木一式工事の実務経験3年以上 土木一式工事の実務経験5年以上 土木一式工事の実務経験10年以上
建築工事業 建築一式工事の実務経験3年以上 建築一式工事の実務経験5年以上 建築一式工事の実務経験10年以上
大工工事業 大工工事の実務経験3年以上 大工工事の実務経験5年以上 大工工事の実務経験10年以上
左官工事業 左官工事の実務経験3年以上 左官工事の実務経験5年以上 左官工事の実務経験10年以上
とび・土工工事業 とび・土工工事の実務経験3年以上 とび・土工工事の実務経験5年以上 とび・土工工事の実務経験10年以上
石工事業 石工事の実務経験3年以上 石工事の実務経験5年以上 石工事の実務経験10年以上
屋根工事業 屋根工事の実務経験3年以上 屋根工事の実務経験5年以上 屋根工事の実務経験10年以上
電気工事業 電気工事の実務経験3年以上 電気工事の実務経験5年以上 電気工事の実務経験10年以上
管工事業 管工事の実務経験3年以上 管工事の実務経験5年以上 管工事の実務経験10年以上
タイル・れんが・ブロック工事業 タイル・れんが・ブロック工事の実務経験3年以上 タイル・れんが・ブロック工事の実務経験5年以上 タイル・れんが・ブロック工事の実務経験10年以上
鋼構造物工事業 鋼構造物工事の実務経験3年以上 鋼構造物工事の実務経験5年以上 鋼構造物工事の実務経験10年以上
鉄筋工事業 鉄筋工事の実務経験3年以上 鉄筋工事の実務経験5年以上 鉄筋工事の実務経験10年以上
舗装工事業 舗装工事の実務経験3年以上 舗装工事の実務経験5年以上 舗装工事の実務経験10年以上
しゅんせつ工事業 しゅんせつ工事の実務経験3年以上 しゅんせつ工事の実務経験5年以上 しゅんせつ工事の実務経験10年以上
板金工事業 板金工事の実務経験3年以上 板金工事の実務経験5年以上 板金工事の実務経験10年以上
ガラス工事業 ガラス工事の実務経験3年以上 ガラス工事の実務経験5年以上 ガラス工事の実務経験10年以上
塗装工事業 塗装工事の実務経験3年以上 塗装工事の実務経験5年以上 塗装工事の実務経験10年以上
内装仕上工事業 内装仕上工事の実務経験3年以上 内装仕上工事の実務経験5年以上 内装仕上工事の実務経験10年以上
機械器具設置工事業 機械器具設置工事の実務経験3年以上 機械器具設置工事の実務経験5年以上 機械器具設置工事の実務経験10年以上
熱絶縁工事業 熱絶縁工事の実務経験3年以上 熱絶縁工事の実務経験5年以上 熱絶縁工事の実務経験10年以上
電気通信工事業 電気通信工事の実務経験3年以上 電気通信工事の実務経験5年以上 電気通信工事の実務経験10年以上
造園工事業 造園工事の実務経験3年以上 造園工事の実務経験5年以上 造園工事の実務経験10年以上
さく井工事業 さく井工事の実務経験3年以上 さく井工事の実務経験5年以上 さく井工事の実務経験10年以上
建具工事業 建具工事の実務経験3年以上 建具工事の実務経験5年以上 建具工事の実務経験10年以上
水道施設工事業 水道施設工事の実務経験3年以上 水道施設工事の実務経験5年以上 水道施設工事の実務経験10年以上
消防施設工事業 消防施設工事の実務経験3年以上 消防施設工事の実務経験5年以上 消防施設工事の実務経験10年以上
清掃施設工事業 清掃施設工事の実務経験3年以上 清掃施設工事の実務経験5年以上 清掃施設工事の実務経験10年以上
解体工事業 解体工事の実務経験3年以上 解体工事の実務経験5年以上 解体工事の実務経験10年以上または土木工事、建築工事、とび土工工事のいずれかと解体工事の実務経験が通算して12年以上あり、そのうち解体工事の実務経験が8年以上

すでに説明したように、上の「A表 一般建設業許可」に記載されている「実務経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。

建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事し、または現場監督技術者として監督に従事した経験、土工およびその見習いに従事した経験なども含まれます。

ただし、単に建設工事の雑務のみの経験は含まれません。

 4-2 特定建設業許可

特定建設業許可において、指導監督的実務経験により専任技術者の要件を満たすことができるパターンは、次の4つです。

  1. ①一定の国家資格を保有 + 2年以上指導監督的実務経験
  2. ②大学・短大・高等専門学校の指定学科を卒業 + 3年以上実務経験 + 2年以上指導監督的実務経験
  3. ③高校・中等教育学校の指定学科を卒業 + 5年以上実務経験 + 2年以上指導監督的実務経験
  4. ④学歴不問の場合 10年以上実務経験 + 2年以上指導監督的実務経験

なお、上の②~④は、一般建設業許可の場合と類似したパターンですが、特定建設業許可の専任技術者要件は、一般建設業許可の専任技術者要件に「2年以上の指導監督的な実務経験」が上乗せされています。

  1. 特定建設業許可の専任技術者要件
  2. =一般建設業許可の専任技術者要件 + 2年以上の指導監督的な実務経験
  3. ・一般建設業許可の専任技術者要件①(一定の国家資格)+2年以上の指導監督的な実務経験
  4. ・一般建設業許可の専任技術者要件②(一定の学歴+実務経験)+2年以上の指導監督的な実務経験
  5. ・一般建設業許可の専任技術者要件③(10年以上の実務経験)+2年以上の指導監督的な実務経験
  6. ・一般建設業許可の専任技術者要件④(国土交通大臣が認定)+2年以上の指導監督的な実務経験

【B表 特定建設業許可】

業種 一定の国家資格を保有 大学・短大・高等専門学校の指定学科を卒業 学高校・中等教育学校の指定学科を卒業 学歴不問
土木工事業
建築工事業
大工工事業 ①2級建築施工管理技士(躯体)②2級建築施工管理技士(仕上げ)③2級建築士④木造建築士⑤技能検定(建築大工)⑥技能検定(型枠施工)
のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上
大工工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
大工工事の実務経験5年以上
および
<指導監督的実務経験2年以上
大工工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
左官工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②技能検定(左官)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 左官工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
左官工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
左官工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
とび・土工工事業 ①2級建設機械施工技士(第1種~第六種)②2級土木施工管理技士(土木)③2級土木施工管理技士(薬液注入)④建築施工管理技士(躯体)⑤技能検定(とび・とび工・型枠施工・コンクリート圧送施工)⑥技能検定(ウエルポイント施工)⑦地すべり防止工事士のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 とび・土工工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
とび・土工工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
とび・土工工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
石工事業 ①2級土木施工管理技士(土木)②2級建築施工管理技士(仕上げ)③技能検定(ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工)④技能検定(石工・石材施工・石積み)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 石工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
石工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
石工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
屋根工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②2級建築士③技能検定(建築板金・板金工【建築板金作業を選択】・板金【建築板金作業を選択】)④技能検定(かわらぶき・スレート施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 屋根工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
屋根工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
屋根工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
電気工事業
管工事業
タイル・れんが
・ブロック工事業
①2級建築施工管理技士(躯体)②2級建築施工管理技士(仕上げ)③2級建築士④技能検定(タイル張り・タイル張り工)⑤技能検定(築炉・築炉工・れんが積み)⑥技能検定(ブロック建築・ブロック建築士・コンクリート積みブロック施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 タイル・れんが・ブロック工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
タイル・れんが・ブロック工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
タイル・れんが・ブロック工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
鋼構造物工事業
鉄筋工事業 ①2級建築施工管理技士(躯体)②技能検定(鉄筋組立て【鉄筋施工図作成作業および鉄筋組立て作業を選択】)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 鉄筋工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
鉄筋工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
鉄筋工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
舗装工事業
しゅんせつ工事業 2級土木施工管理技士(土木)を保有し、指導監督的実務経験2年以上 しゅんせつ工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
しゅんせつ工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
しゅんせつ工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
板金工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②技能検定(工場板金)③技能検定(建築板金・板金工【建築板金作業を選択】・板金【建築板金作業を選択】)④技能検定(板金・板金工・打出し板金)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 板金工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
板金工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
板金工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
ガラス工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②技能検定(ガラス施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 ラス工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
ガラス工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
ガラス工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
塗装工事業 ①2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)②2級建築施工管理技士(仕上げ)③技能検定(塗装・木工塗装・木工塗装工)④技能検定(建築塗装・建築塗装工)⑤技能検定(金属塗装・金属塗装工)⑥技能検定噴霧塗装⑦技能検定(路面表示施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 塗装工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
塗装工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
塗装工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
防水工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②技能検定(防水施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 防水工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
防水工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
防水工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
内装仕上工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②2級建築士③技能検定(畳製作・畳工)④技能検定(内装仕上げ施工・カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工・表装・表具・表具工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 内装仕上工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
内装仕上工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
内装仕上工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
機械器具設置工事業 機械器具設置工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
機械器具設置工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
機械器具設置工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
熱絶縁工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②技能検定(熱絶縁施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 熱絶縁工事の実務経験3年以上および
指導監督的実務経験2年以上
熱絶縁工事の実務経験5年以上および
指導監督的実務経験2年以上
熱絶縁工事の実務経験10年以上および
指導監督的実務経験2年以上
電気通信工事業 電気通信主任技術者の資格を保有し、指導監督的実務経験2年以上 電気通信工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
電気通信工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
電気通信工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
造園工事業
さく井工事業 ①技能検定(さく井)②地すべり防止工事士のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 さく井工事の実務経験3年以上および
指導監督的実務経験2年以上
さく井工事の実務経験5年以上および
指導監督的実務経験2年以上
さく井工事の実務経験10年以上および
指導監督的実務経験2年以上
建具工事業 ①2級建築施工管理技士(仕上げ)②技能検定(建具製作・木工【建具製作作成を選択】・カーテンウォール施工・サッシ施工)のいずれかを保有し、指導監督的実務経験2年以上 建具工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
建具工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
建具工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
水道施設工事業 2級土木施工管理技士(土木)の資格を保有し、指導監督的実務経験2年以上 水道施設工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
水道施設工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
水道施設工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
消防施設工事業 消防施設工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
消防施設工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
消防施設工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
清掃施設工事業 清掃施設工事の実務経験3年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
清掃施設工事の実務経験5年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
清掃施設工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上
解体工事業 要件を満たさない 要件を満たさない 解体工事の実務経験10年以上
および
指導監督的実務経験2年以上

上の「B表 特定建設業許可」の区分で、「一定の国家資格を保有」とは、一般建設業許可における専任技術者の要件(3-3 専任技術者の配置において説明)の中の「①一定の国家資格を保有する者」に該当します。

すなわち、上表に掲げた一定の国家資格を保有していれば一般建設業許可を受けることができ、さらに、「2年以上の指導監督的実務経験」があれば、特定建設業許可を取得することが可能です。

  1. 特定建設業許可の専任技術者要件
  2. =一般建設業許可の専任技術者要件 + 2年以上の指導監督的な実務経験
  3. ・一般建設業許可の専任技術者要件①(一定の国家資格)+2年以上の指導監督的な実務経験
  4. ・一般建設業許可の専任技術者要件②(一定の学歴+実務経験)+2年以上の指導監督的な実務経験
  5. ・一般建設業許可の専任技術者要件③(10年以上の実務経験)+2年以上の指導監督的な実務経験
  6. ・一般建設業許可の専任技術者要件④(国土交通大臣が認定)+2年以上の指導監督的な実務経験

ただし、このB表中の「一定の国家資格」は、一般建設業許可における専任技術者の要件である「一定の国家資格」と完全にイコールではありません。一般建設業許可における専任技術者の要件である「一定の国家資格」の中には、特定建設業許可における専任技術者の要件を満たすものも含まれているため、それらの資格を除いたものとなります。

例えば、一般建設業許可における大工工事の専任技術者の要件には、1級建築施工管理技士と1級建築士の2つが含まれていますが、これらの資格を保有していれば特定建設業許可における大工工事の専任技術者の要件も同時に満たすことになります。

したがって、1級建築施工管理技士と1級建築士については、指導監督的実務経験がなくても資格を保有していることのみで特定建設業許可における大工工事の専任技術者になることができるのです。

このため、B表の大工工事業では、一定の国家資格の中に1級建築施工管理技士と1級建築士の2つは含まれていません

このように、B表中の「一定の国家資格」の欄に掲げた資格は、一般建設業許可における専任技術者の要件である「一定の国家資格」から、特定建設業許可における専任技術者の要件を同時に満たす資格は除いてあるのです。

また、特定建設業許可における「指導監督的実務経験」とは、①:建設工事の設計または施工の全般について、工事現場主任または工事現場監督者に類する立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験であること、②:①の建設工事は、許可を受けようとする建設業に関し発注者から直接請け負い、その請負金額が政令で定める金額(4,500万円)以上の工事であることの2要件を満たす必要があります。

また、以下の業種(上表の黄色部分)は指定建設業であるため、特定建設業の専任技術者になるには、1級の国家資格または技術士試験の合格が必要です。したがって、学歴や実務経験だけでは、専任技術者としての要件を満たさないため、上表では「-」(該当なし)と表示しています。

  1. ①土木工事業
  2. ②建築工事業
  3. ③電気工事業
  4. ④管工事業
  5. ⑤鋼構造物工事業
  6. ⑥舗装工事業
  7. ⑦造園工事業

 4-3 実務経験の証明方法

実務経験により専任技術者の要件を満たすためには、その技術者に実務経験があることを証明する必要があります。ここでは、一般建設業許可における専任技術者に必要な「実務経験」と特定建設業許可における専任技術者に必要な「指導監督的実務経験」について、その証明方法をみていきましょう。

【実務経験の証明方法】

実務経験を証明するためには、次の書類を所管行政庁に提出します。提出のタイミングは、建設業許可の新規申請や変更届の提出時です。

  1. ①実務経験証明書
  2. ②実務経験があることを確認できる資料
  3. ③常勤であることを確認できる資料

①実務経験証明書

実務経験証明書は、様式が定められています。

実務経験証明書の証明者は、証明を受ける技術者を雇用していた法人の代表者または個人の事業主となります。

証明する内容は、

  1. ㋐技術者の氏名・生年月日
  2. ㋑使用者の商号・名称
  3. ㋒技術者が雇用されていた期間
  4. ㋓実務経験の内容
    従事した工事名、その時の役職名、時期(実務経験年数)

などについて、一覧に記載します。

㋓実務経験の内容では、具体的に建設工事に携わった実務の経験について記載します。例えば、「〇〇駅ビル増改築工事現場監督」や「都市計画街路〇〇線改良工事現場主任」のように具体的な工事名を記載し、建設工事に関する実務経験の内容が具体的に明らかになるよう作成します。

また、実務経験年数の欄には、上記の実務経験の内容の欄に記載した建設工事にかかる経験期間を記載し、その期間を積み上げた合計年数が要件年数を満たすことが必要となります。なお、実務経験期間が重複している場合は、2重に計算しないとされています。

②実務経験があることを確認できる資料

  1. ㋐証明期間において建設業許可を有していた場合
    ・建設業許可通知書または受付印が押印された建設業許可申請書・変更届・廃業届など
    これは、証明しようとする業種に対応するものが必要です。過去の建設業許可期間を合理的に推定するに足る書類であれば、建設業許可通知書のすべてを提出しなくてもよい場合があります。
  2. ㋑証明期間において建設業許可を有していなかった場合
    業種内容が明確にわかる期間通年分の工事請負契約書、請負書、注文書、請求書などです。
    なお、請求書、押印のない工事請書、FAXで送付されたため原本を提示できない注文書については、入金を確認できる資料が必要です。

③常勤であることを確認できる資料

専任技術者が実務経験を積んだ期間、常勤であったことを確認できる資料も必要です。例えば、個人なら保険証や直近決算の個人確定申告書、法人なら保険証、保険証に事業所名が印字されていない場合は、所属がわかる資料(健康保険・厚生年金被保険者に関する標準報酬決定通知書、資格取得確認及び標準報酬決定通知書、住民税特別徴収税額通知書)のいずれかで証明することができます。

【指導監督的実務経験の証明方法】

指導監督的実務経験を証明するためには、次の書類を所管行政庁に提出します。

提出のタイミングは、建設業許可の新規申請や変更届の提出時です。

  1. ①指導監督的実務経験証明書
  2. ②指導監督的実務経験があることを確認できる資料
  3. ③常勤であることを確認できる資料

①指導監督的実務経験証明書

指導監督的実務経験証明書は、様式が定められています。指導監督的実務経験証明書の証明者は、証明を受ける技術者を雇用していた法人の代表者または個人の事業主となります。

証明する内容は、

  1. ㋐技術者の氏名・生年月日
  2. ㋑使用者の商号・名称
  3. ㋒技術者が雇用されていた期間
  4. ㋓指導監督的実務経験の内容

従事した工事名、工事請負代金の額、その時の役職名、時期(指導監督的実務経験期間)

などについて、一覧に記載します。

指導監督的実務経験では、許可を受けようとする建設業にかかる建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上であるものに関し、2年以上の指導監督的な実務経験が必要となります。

したがって、発注者から直接請け負った建設工事にかかる経験のみが認められ、発注者としての経験や下請としての経験は含めることができません。

なお、以下の建設工事にかかる経験は、請負代金の額が4,500万円以上の工事にかかる経験として扱われ、その経験期間は指導監督的実務経験期間に加えることが認められています。

  1. ・昭和59年10月1日前に、請負代金の額が1,500万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた経験
  2. ・昭和59年10月1日以降~平成6年12月28日前に、請負代金の額が3,000万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた経験

②指導監督的実務経験があることを確認できる資料および③常勤であることを確認できる資料については、一般建設業許可における実務経験の証明で提出する資料に加え、工事契約書、施工体系図などその技術者が指導監督的な地位にあったことがわかる資料が必要です。

なお、実務経験を証明するための提出書類・資料については、国土交通省および東京都の説明資料を参考にして記載してあります。具体的な提出書類・資料の種類や原本提出か写しでよいかなどについては、所管行政庁により異なります。実際に実務経験を証明する場合は、事前に所管行政庁に確認してください。

5 まとめ

建設業許可で求められる専任技術者の実務経験は、一般建設業許可を得る際に必要となる「実務経験」と特定建設業許可を取得する時に必要である「指導監督的実務経験」に分けることができます。

一般建設業許可を得る際に必要となる「実務経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。

すなわち、建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事し、または現場監督技術者として監督に従事した経験、土工およびその見習いに従事した経験などが該当します。

ただし、単に建設工事の雑務や事務のみの経験は含まれません。

それに対して、特定建設業許可を取得する際に必要となる「指導監督的実務経験」とは、

①許可を受けようとする建設業に関し発注者から直接請け負い、その請負金額が政令で定める金額(4,500万円)以上の建設工事について、②その設計または施工の全般について、工事現場主任または工事現場監督者に類する立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験が該当します。

特定建設業許可は、元請として1件の工事について下請代金合計額4,000万円以上(建築工事一式の場合は、1件の工事につき下請代金合計額6,000万円以上)で下請に出す場合に受ける許可です。このため、一般建設業許可に比べその取得要件が厳しくなっています。

建設業許可を受ける際は、技術者の資格、学歴、実務経験が許可の取得要件を満たしているかについて、事前に確認することが重要です。

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