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建設業許可事務ガイドライン改訂の内容を解説!押さえるポイントはどこ?

建設業を営む上でほぼ必須となる許可が「建設業許可」です。この建設業の許可申請を行う上で基準となるのが、建設業許可事務ガイドラインとなります。建設業許可事務ガイドラインを通して、申請における必要書類や記入事項などの詳細を把握することができます。

改訂された建設業許可事務ガイドラインが令和3年1月1日より適用されます。改訂内容を理解しておくことは、建設業許可の新規取得や5年に一度の更新や何か事業上の変更があった際に必要となります。

そこで今回の記事では、建設業許可事務ガイドラインとその改訂内容のポイントとなる部分を中心に解説するので、参考にしてみてください。

1 建設業許可事務ガイドラインとは

建設業許可事務ガイドラインとは

建設業許可事務ガイドラインは、国土交通省がまとめる建設業の許可申請についての基準になります。ここで取り扱われる許可申請は新規申請や更新申請だけではなく、情報の変更があった場合や廃業についても規定があります。

このガイドラインを通じて建設業許可についての行政側の事務手続きが進められていき、最終的には建設業の許可・不許可が決定していきます。そのため、建設業許可事務ガイドラインに沿わない申請や運営をおこなっていると、建設業許可を得ることができないもしくは失う事態が発生します。そして、各手続きには期限が設定されているものも多くある点も注意が必要です。

建設業許可事務ガイドラインは、建設業法の改正とその改正の内容に許可に関わる部分があると改訂されます。建設業法は近年継続的に改正が行われています。そのため、建設業許可の更新に関わってくるため、建設業法の改正とあわせて建設業許可事務ガイドラインの改訂もセットで押さえておくことが必要です。

1-1 建設業法の改正

建設業法の改正

今回の建設業許可事務ガイドライン改訂の背景にあるのは、令和2年10月の改正建設業法です。

建設業許可事務ガイドラインとは

この改正は、働き方改革関連法案(2020年4月施行)をうけての『建設業の働き方改革促進』や、少子高齢化に対応するための『建設現場の生産性向上』や建設業の国民の生活や安全を守る使命を果たすための『持続可能な事業環境の確保』などを目的としています。

この建設業法改正は、3回に分かれ施行されます。最初が令和元年(2019年)9月1日で、次が令和2年(2020年)10月1日、最後が令和3年(2021年)4月1日になります。ただし、そのほとんどが2回目の令和2年10月1日の施行に集中しています。

●建設業法改正の中で建設業許可事務ガイドライン改訂にかかわる内容
今回の建設業法改正の中では、建設業許可に関わらない内容の改正内容も含まれています。建設業許可にかかわる内容については以下2つの内容が含まれています。

建設業法改正の中で建設業許可事務ガイドライン改訂にかかわる内容

①経営業務管理責任者の要件を見直し

建設業では、建設会社の経営を適切に実施することを目的として、許可を受けようとする建設業において経営業務の管理責任者として5年以上の経験がある者(=経営業務管理責任者)を常勤として配置することが求められていました。つまり、経営業務管理ができる個人が必要になっていましたが、その要件が廃止となりました。

その代わり、「建設業に関わる経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するもの」が求められることになりました。この能力を有する基準は以下のように国土交通令で定めています。

≪経営業務管理責任者基準≫
以下の2要件を満たしていることが求められます。

①適正な経営能力を有していることが以下の2つのいずれかの体制が構築されている。
〇常勤役員などのうち1名が以下のア~ウのいずれかに該当するものである。
イ 建設業において経営業務管理責任者としての経験が5年以上ある
ロ 建設業において経営業務管理責任者に準ずる立場から、経営業務の管理する経験が5年以上ある
ハ 建設業において経営業務管理責任者に準ずる立場から、経営業務管理者の補助業務を行った経験が6年以上ある
〇常勤役員などのうち1名が以下のニに該当する者がいて、その常勤役員などを直接補佐する者(許可申請等を得ようとする建設業での財務管理/労働管理/業務管理の経験を5年以上有する者がそれぞれいることが求められます。
ニ 建設業の財務管理/労務管理/業務運営の3つの業務のいずれかを建設業の役員などやその次の地位で5年以上の経験を有する者
②社会保険に適切に加入している
社会保険(狭義)ならびに労働保険などに適切な加入を行っていることが求められます。
これは建設業全体として進める労働環境の改善の一環として、社会保険や労働保険の未加入を少なくするための施策です。建設業者の100%社会保険加入が目標とされています。

上記2要件を満たしていることを示す書類の提出も必要となります。それぞれの必要書類は以下になります。

①適正な経営能力を有している
今まで通りに必要な書類
・決算書/確定申告書のコピー
・請負工事に関する契約書などのコピー
・商業登記簿謄本(法人の場合)
新規で必要になる可能性がある書類
・使用人の証明書
・法人の組織図
・職務分掌規定など
②社会保険に適切に加入している
今まで通り、各保険に関する納入証明書や領収書コピーなどの提出が必要となります。

なお、許可取得後に上記2つの要件に変更が発生した場合には、変更があった2週間以内に届出が必要になる点もご注意ください。

②事業承継(合併や事業譲渡などでの)事前認可手続きの新設

事業承継(合併や事業譲渡などでの)事前認可手続きの新設

これまでの建設業許可制度においては、建設業許可を承継することはできませんでした。当然、建設業を営む法人や個人事業主も事業譲渡や相続などを行うこともあります。しかし、建設業許可を引き継ぐことができませんでした。

つまり、会社を事業譲渡*や相続*で引き継ぐことになっても、建設業許可はその事業譲渡先や相続で新たに引き継いだ者が新規に建設業許可の申請・取得することが必要でした。新規での申請が必要になるため、許可審査期間が必要となり、要件を満たしていない場合には取得できないこともおこりえます。そのため、事業譲渡や相続の弊害となっていました。

最も大きな弊害は、新規申請によって建設業許可を得るまでに事業上の空白期間が必ず発生してしまう点でした。その理由として、建設業の新規申請が『事業の合併や譲渡などが行われた事実があった後に申請する必要があったためです。このため、新規申請に都道府県知事の許可は2ヶ月程度で国土交通大臣の許可は4ヶ月程度の期間を要していたため、事業上の空白期間が生じていました。

この期間は、無許可期間となるため、建設業許可が必要となる建設の営業を行うことができません。そのため、新規の受注が停止します。建設業では新規の受注が停止すれば売上も入ってきません。そのため、費用も最小化する必要があります。事業の停止が長期化すると従業員などへの給与などにも影響が出てくる事態となりえます。

今回の建設業法改正によって、事業承継(事業譲渡や合併や相続)において建設業許可も引き継ぐことが可能となりました。その承継方法によって許可の承継方法が異なってきます。具体的には以下のようになります。

事業譲渡、合併、分割による承継 元の事業主と引受先の事業主同士が許可行政庁へ事前に許可申請を行います。その申請に許可が下りることで、『事業譲渡』『合併』『分割』の各効力が発生する日において建設業許可を受けた地位が承継されます。
相続による承継 建設業者の死亡によって相続が発生した日から30日以内に相続人**による認可申請が必要になります。この期間内の認可申請日から認可が下りる日までは相続人に対して許可をしたこととみなす事になります。

●承継による許可の有効期限
建設業許可は承継を行った日の翌日から起算して5年間が有効期限になります。これはその承継方法によって変わることはありません。

*事業承継、事業譲渡、相続について

事業譲渡と相続は以下のように異なっています。

事業承継 現在の経営者から次の経営者(後継者など)へ事業を引き継ぐこと
事業譲渡 法人で行っている事業を別の法人へ受け渡すことを言い、事業価値に応じた対価が支払われることが一般的です。
相続 個人事業における相続は、事業主の財産は個人の財産と同義となり、遺産分割などの対象となります。
法人における相続は、株主として株式を相続する形になります。つまり、法人の役職を相続すること

1-2 建設業許可事務ガイドラインの使い方

建設業許可事務ガイドラインの使い方

前章にて建設業法改正に伴う建設業許可の一部内容に変化があることは理解いただけたでしょうか。しかし、実際に具体的にどのように申請が変わるのか、どのように申請をしたらよいかまでは説明されていません。まさに、実際に申請をどのように出したらよいかが記載されているものが建設業許可事務ガイドラインになります。

法律の改正は、概して大枠を定めています。そのため、実際に運用にのせるためにはより詳細な決め事や規則が必要になります。この詳細な決め事や規則が施行規則になります。

●施行規則とは
施行規則とは、大枠を定めた憲法や法律や命令を施工するため、または法律や政令の委任にもとづいて制定されたルールになります。法律や政令の委任があるため、施行規則には罰則や国民の権利の制限や義務を課することができます。また、建設業法においては、『建設業法施行規則』がこれに該当します。

そして、この建設業法施行規則の中で建設業許可における各行政庁の事務手続きのやり方をさらに具体的にブレイクダウンしたものが『建設業許可事務ガイドライン』になります。そのため、建設業許可事務ガイドラインは建設業許可を申請する上では大切な指針ではありますが、この全て詳細を把握・理解する必要は建設業者にはありません。

建設業者は、この建設業許可事務ガイドラインのポイントを押さえて、かつ申請書や必要な書類を確認したうえで、不明点は各申請先である行政機関に問い合わせを行うことが必要です。

●建設業のガイドライン・マニュアル
建設業に関わるガイドラインやマニュアルは建設業許可事務ガイドラインだけではありません。その他にも複数のガイドラインなどがあります。

国土交通省のWebページに建設業などのガイドライン・マニュアルがまとめられたページがあります。ここに令和3年1月1日から適用の建設業許可事務ガイドラインについても解説がありますが、その他の建設業に関わるガイドラインやマニュアルなどもあります。令和に入ってから改訂などがされているものも多いので、建設業の経営に関わる方は定期的に確認をする必要があります。

≪ガイドライン・マニュアル一例≫

  • ・建設業法令順守ガイドライン
  • ・建設工事における適正な工期設定のためのガイドライン
  • ・管理技術者制度運用マニュアル
  • ・社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン

2 建設業許可事務ガイドラインのポイント

建設業許可事務ガイドラインのポイント

建設業許可事務ガイドラインを建設業法にそってポイントをまとめます。

●建設業法『第2条』について
建設工事について、その工事の内容や必要とされる専門知識や技術に応じて工事の種類が分けられています。また、その工事の種類に応じた建設業許可が必要になります。

工事の種類は以下になり、一式工事の2種類および専門工事27種類になります。どの工事の許可が将来必要になるのかは検討が必要です。また、複数の建設業許可を取得することも可能です。

土木工一式工事 企画や指導や調整を行い、総合的な土木工作物の建設を行う工事です。ダム工事などの一式を請け負う工事を言います。
建築一式工事 企画や指導や調整を行い、総合的な建築物の建設を行う工事です。マンション建設工事などの建築物一式を請け負う工事を言います。
大工工事 木材の加工・取付による工作物の築造工事、または工作物へ木製設備を取り付ける工事になります。
左官工事 土壁やモルタルやプラスタ―などを吹付やはり付けやこて塗理などを行う工事になります。
とび・土工・コンクリート工事 建設現場などの足場の組立てや鉄筋などの組立て等の工事、くい打ちやくい抜きなどを行う工事、コンクリートによる工作物の築造工事などの、工事における基礎的ないし準備的工事になります。
石工事 石材を加工することや積み上げることで工作物を築造する、もしくは工作物に石材を取り付ける工事になります。
屋根工事 瓦やスレートなどで屋根をふく工事になります。
管工事 冷暖房設備や冷凍冷蔵設備や給排水などの設備設置や、金属製などの管を利用した水やガスなどの送配設備の設置の工事になります。
タイル・れんが・ブロック工事 タイル、れんがやコンクリートブロックなどで工作物を築造する、もしくは工作物にタイルやれんがやコンクリートブロックなどの取付け・はりつけの工事になります。
鋼構造物工事 鋼を利用した形鋼・鋼板などの加工や組立てによる工作物の築造工事になります。
鉄筋工事 棒鋼などを加工・接合・組立てを行う工事になります。
舗装工事 アスファルトやコンクリートや砂などによって道路などの地盤面を舗装する工事になります。
しゅんせつ工事 湾岸や河川などの水底にある土砂などを除去する土木工事になります。
板金工事 金属薄板などの加工したものや金属製などの付属物を工作物へ取付けする工事になります。
ガラス工事 ガラスを加工して工作物に取付けする工事になります。
塗装工事 塗料や塗材などを工作物に吹付・塗付・貼り付ける工事になります。
防水工事 アスファルト・モルタルなどを利用して行う防水工事になります。
内装仕上工事 建築物の内装を仕上げる工事になります。(利用するものは木材・石膏ボード・吸音板・たたみ・カーペットなど多数)
機械機器設置工事 機械機器を組み立てるなどによって工作物を建設する、もしくは工作物に機会機器を取付けする工事になります。
熱絶縁工事 工作物などを熱絶縁する工事になります。
電気通信工事 有線や無線の電機通信設備や、ネットワーク設備や情報設備などの電気通信設備の設置をする工事になります。
造園工事 庭園や公園などの築造や、道路や建築物の屋上などの緑化などを行う工事になります。
さく井工事 さく井機器などを使ってさく孔やさく井の工事やその工事に伴う揚水設備設置などを行う工事になります。
建具工事 工作物にサッシやふすまやシャッターなどの建具などを取付けする工事になります。
水道施設工事 上水道や工業用水道などのための取水や浄水や配水などの施設築造のための工事や下水処理設備の設置工事になります。
消防施設工事 火災警報や消火・避難設備や消防活動のための設備設置や、工作物にスプリンクラ―や金属製避難はしごや救助袋などを取付ける工事になります。
清掃施設工事 ごみ処理施設やし尿処理施設を築造する工事になります。
解体工事 既存の工作物を解体する工事になります。

●建設業法第3条について
ここで記載されているのは、許可についてです。ポイントは以下になります。

許可者について 許可者は国土交通大臣ならびに都道府県知事の許可に分かれます。
国土交通大臣許可:営業所の場所が2つ以上の都道府県にある業者の建設業許可が対象です。
都道府県知事許可:営業所の場所が1つの都道府県にある業者の建設業許可が対象です。1つの都道府県で複数の営業所を持っている場合も都道府県知事の許可になります。
建設業許可について 建設業の許可は前述の工事の種類の他に、『一般建設業』と『特定建設業』に分かれます。
一般建設業:下請け業者として、元請から依頼を請けて工事を行う業者が対象です。
特定建設業:元請業者として、依頼者から直接依頼受けてかつその工事を政令が定める金額以上で下請け業者に依頼する業者が対象です。
政令が定める金額は、4,000万円以上となっています。なお、建築一式工事の場合には6,000万円になっています。
【注意】同一種類の工事において、一般建設業と特定建設業の両方の許可を1業者が同時に取得できません。
建設業許可の有効期限について 建設業許可の有効期限は、許可があった日から5年間となります。また、その更新申請の提出期限は有効期限の30日前になります。
なお、一般建設業と特定建設業の許可区分の変更申請時に変更前の建設業許可の有効期限が到来した場合には、変更前の許可区分での更新が可能です。
また、更新申請を行った状況で許可の有効期限の経過後にその更新申請が不許可だった場合には、その不許可が出るまでは従前の許可の効力は継続して有効になります。
許可の通知 許可の通知は、申請者に直接郵送されるか手渡しがなされて、通知を受け取った記録が残るかたちにすることになっています。

●建設業法第4条について
建設業者は以下の2つの工事を請け負うことができることとなっています。
・建設業許可がある建設工事
・上記建設工事に対して発生する附帯工事
附帯工事とは、主たる建設工事を完成させるために発生する建設工事になります。そのため、附帯工事のみで独立して使用目的が発生することはありません。

●建設業法第5条と第6条について
建設業法第5条では、国土交通省令が定める建設業許可の申請書に必要な事項を規定しています。また、建設業法第6条は、第5条の申請書に添付する書類が規定しています。

≪建設業許可申請書に記載する必要がある事項≫

商号または名称
営業所の名称と所在地
法人の場合:資本金額(出資総額を含む)と役員など*の氏名個人の場合:申請する者と支配人がいる場合にはその支配人のそれぞれの氏名
営業所に常勤する役員やの支配人がいる場合には、その氏名
許可を申請する建設業
他の業務を実施しているときはその業種

*その名称に関わらず、法人に対して業務執行を行う社員や取締役や執行役やこれらに準ずる者で同等以上

≪建設業許可申請書に添付する書類≫

工事経歴書
直前3年の事業年度分の工事施工金額が分かる書面
使用人数の記載書面
許可を受けようとする法人や個人とその法定代理人などが建設業法第八条に定められた欠格要件に該当していないことの誓約書面
第七条の建設業の許可基準を満たすことを証明する書面
その他、国土交通省令で定める書面

許可の更新においては、『工事経歴書』『直前3年の事業年度分の工事施工金額が分かる書面』『使用人数の記載書面』を添付する必要はありません。

≪申請取り下げと許可の拒否≫
許可申請を申請者が取り下げようと場合には、許可申請取り下げ願書を提出します。この取り下げを行うと、審査中の申請を取り下げることができます。許可申請取り下げ願書のフォーマットは、任意書式になるため申請先の国土交通省や各都道府県に問い合わせをします。なお、提出方法も郵送などは受け付けていない場合もありますので、確認が必要です。また、申請を取り下げしても、申請時にかかった申請手数料は戻りません。

申請した建設業許可が下りない場合には、『許可の拒否通知書』が申請者に送付され、通知を受け取ったことを記録として残る形になります。なお許可の拒否が不服の場合には、通知が到着した日の翌日から3ヶ月以内に国土交通大臣に審査請求を行うことができます。また、同到着した日の翌日から6ヶ月以内に国を被告として取消訴訟を提起できます。ただし、どちらも正当な理由がある場合には実施することができません。

●建設業法第7条について
第7条では、建設業の許可を得るために必要な以下の4つの許可基準を定めています。

経営業務管理責任者が1名以上いること
各営業所に以下の条件のいずれに該当する専任技術者が配置されていること
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事について、国土交通省が定める学科を修めて中学や高校を卒業後の5年間もしくは大学や専門学校を卒業後の3年以上の実務経験がある者
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事について10年以上の実務経験がある者
ハ 国土交通大臣が認定した者(イとロと同程度の知識や技術を有していること)
法人の場合にはその法人や役員などが、個人の場合にはその申請者などが請負契約において不正や不誠実な行為を行うおそれがない者
請負契約を履行するために必要な財産的基盤もしくは金銭的信用を有している者を言います。一般建設業と特定建設業で、その財産的基礎等は異なります。
一般建設業(下記のいずれかに該当すること)
・自己資本が500万円以上である
・500万円以上の資金調達力がある
・許可申請までの過去5年の間に許可をうけて営業の継続実績がある
特定建設業(下記のいずれかに該当すること)
・資本金が2,000万円以上で、自己資本が4,000万円以上あること
・欠損の額が資本金の20%を超過しないこと
・流動比率が75%以上あること

●建設業法第8条について
建設業許可において以下のいずれかの事由に該当する場合、許可が行われません。
・許可申請書や添付書類において虚偽記載や重要な事実の記載が欠けている場合
・許可申請者やその役員などや使用人などに欠格事由に該当する者がいる場合
上記の欠格事由は14項目あり、詳細は国土交通省ウェブサイト『許可の要件』で確認することができます。

●建設業法第9条について
既に受けていた建設業許可について変更をしなければいけない場合には、『許可換え』が必要になります。許可換えが必要になるのは、以下の場合になります。

国土交通大臣許可を受けた業者が、営業所の場所が1つの都道府県になった場合、その営業所がある都道府県の知事許可に換えることが必要です。
都道府県の知事許可を受けた業者が、営業所の場所が2つ以上の都道府県になった場合、国土交通大臣許可に換えることが必要です。
都道府県の知事許可を受けた業者が、移転によって営業所の場所が異なる都道府県に移った場合、移転先の都道府県知事の許可が必要になります。

許可換えの申請は、新しい営業所の設置や移転を行う前に実施することができます。許可換えを申請している期間、新たな許可が降りるまで既存の許可の効力は継続します。許可換えの申請を行っている期間中に既存の許可の有効期限を経過した場合でも、同様になります。

●建設業法第10条について
建設業許可の申請を行う場合には、登録免許税もしくは許可手数料のいずれかを納める必要があります。

●建設業法第11条について
建設業の許可を受けた業者が、許可申請書や添付書類に記載されている事項に変更があった時などは許可行政庁に変更届出を行うことが必要になります。また、その変更事項によって変更事実が発生してからの届出期限が分けられています。

変更事実発生後14日以内 経営業務管理責任者とその氏名/専任技術者の追加・変更・交替による削除や氏名など/令第3条に規定する使用人の就任・退任/欠格要件に該当する事由の発生
変更事実発生後30日以内 名称や商号/資本金/営業所についての名称や所在地変更や営業業種や新設・廃止/代表者/役員などの就任と退任と常勤・非常勤/廃業
事業年度終了後4ヶ月以内 事業年度終了/使用人数変更/国家資格者と監理技術者の変更・削除/社会保険等の加入状況の変化/定款変更

変更があったにもかかわらず、変更届出を行わない場合には監督処分などを含めた罰則が適用されるため、変更届出は適切に実施することが必要です。

●建設業法第12条について
建設業を廃業する場合には、廃業の届出が必要です。廃業届出を行う必要があるのは、以下の場合です。

許可を受けた法人または個人がなくなる場合 個人事業主が亡くなった場合や、法人が合併や解散などによって消滅した場合に廃業届出が必要です。
許可を受けた業種について廃業する場合 建設業の複数業種の許可を受けている場合、その業種を廃業する場合に廃業届出が必要です。また、一つの業種の許可を受けている場合で、その業種の廃業=建設業の廃業を行う際にも廃業届出が必要です。

建設業の廃業する事実が発生した日から30日以内に許可行政庁の窓口で届出が必要です。

3 まとめ

まとめ

建設業許可の申請にまつわるガイドラインである建設業許可事務ガイドラインについてまとめました。このガイドラインのポイントを理解することで建設業の申請に必要なことが把握できます。

許可基準や更新や変更届出などの必要な知識を把握していないと、建設業許可を受けることができない事態や、許可を失効する事態が起こりえます。また、申請に必要な記載事項や添書類の内容を理解していないと、申請自体ができません。改めて、この機会に建設業許可事務ガイドラインを一読して内容を理解したうえで、今後の建設業法の改正やガイドラインの変更毎にそのポイントを押さえることが建設業の経営には必要です。

建設業許可申請が全国一律76,000円!KiND行政書士事務所:東京