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建設業経理士とはどういう資格?仕事内容や将来性、試験制度の概要

建設業経理士という資格は、建設業にいる人であればともかく、一般の人には意外となじみが薄いかもしれません。建設業経理士とは、一般社団法人 建設業振興基金が運営する、建設業経理検定の1級、2級に合格した人のみが名乗れる名称です。

建設業経理士とはどういう資格

また、今後5年ごとの登録研修が必要となる方向で進んでいますが、建設業経理士の資格があると、経営事項審査(経審)という、公共事業で入札する際の判断材料になる審査でプラスになります。試験自体は、建設業経理検定1級が半年から1年、2級が3ヶ月から半年と、一定期間の集中学習は必要ですが、着実に勉強をすれば受かると言われている資格でもあります。

この記事では、建設業経理士制度や建設業経理検定について詳しくご紹介するので、参考にしてみてください。

1 建設業経理士・建設業経理検定とは?

建設業経理士・建設業経理検定とは?

建設業に関しては、様々な業界内の専門資格があります。中でもメジャーなのは、難易度が高い「技術士」などです。一方、建設業経理士は現場で働くというより、経理を統括するデスクワークの側面があるものの、現場管理などの場面でも経理・会計知識のバックグラウンドがあることは、建設業界で活躍する上で強みになります。

建設業経理士が特徴的なのは、「建設業経理士」という資格そのものがあるわけではなく、「建設業経理検定」の1級・2級に合格して初めて、建設業経理士として扱われるという点です。

宅建士・社会保険労務士などのように、「建設業経理士」という試験があるわけではないということを、最初に念頭に置く必要があります。

1-1 建設業経理士とは

まず、建設業経理士そのものに触れる前に、「建設業経理検定」という試験制度に関して触れておきましょう。

建設業経理検定は、一般財団法人建設業振興基金が運営する検定試験です。建設業は、受注・下請けなど様々な点で、会計処理が特殊な部分があります。そのため、財務や経理を担当する責任者・担当者は、「建設業界独自の会計への理解、建設業に特化した会計知識」が求められることになります。

建設業経理検定の級は1~4級まであり、1級・2級を取得すると、建設業経理士として名乗ることができるようになります。試験に関しては、1・2級は3月と9月の年に2回、3・4級は3月の年1回で行われます。

また、建設業経理士は、「経営事項審査」、いわゆる「経審」の評価対象となります。(後ほど述べますが、今後は5年ごとの研修が必須になる方向で進んでいます)

建設業計理士の資格を有していると、建設業界で歓迎されやすくなります。その点で考えると、建設業経理士は、建設業の事務担当としてのスキルアップや、他業界から建設業界に転職するためのキャリアアップのための資格と言えます。

1-2 建設業経理士の試験制度の概要

建設業経理士になるためには、建設業検定試験の1級もしくは2級に合格する必要があります。建設業検定試験は、1級から4級まであり、それぞれ難易度・求められるスキルが大きく異なります。

級数 試験内容・レベル
1級 建設業原価計算、財務諸表、財務分析。難易度は高く、建設業簿記、建設業原価計算及び会計学をマスターした上で、建設業の財務諸表作成・経営分析など、決算だけでなく、より踏み込んだ分析ができるスキル
2級 建設業の簿記、原価計算、会社会計。建設業経理士を名乗ることができる基準のため、難易度はかなり難しい。建設業簿記のマスター、建設業原価計算等習得し、経理の責任者として、決算にかかる実際の実務のレベルの理解が求められる
3級 建設業の簿記、原価計算。建設業経理スタッフとして求められる知識をマスターしているかが問われる
4級 簿記の仕組み。基本的な建設業簿記に関しての知識が問われる

また、建設業経理士1級には、科目合格の仕組みというシステムがあります。原価計算、財務諸表、財務分析の3科目でそれぞれ合格点(70%以上の正解率)を取る必要があります。

合格した科目は5年間有効で、5年以内に他の科目も合格すると、建設業経理1級として総合合格になります。

しかし、5年が経過すると合格が消滅、再度受験する必要があります。

1-3 建設業経理士の試験難易度は?

建設業経理士の試験難易度は?

建設業の経理で特殊な点はあるとはいえ、やはり日商簿記など通常の簿記をマスターしていると有利です。一般的には、日商簿記2級と建設業経理士2級、日商簿記1級と建設業経理士1級が近い(ただし、建設業経理士の方がより建設業に特化した専門的な知識が問われる)と考えた方が良いでしょう。

その他の点も含め、1級から4級の難易度をまとめます。

級数 難易度
1級 日商簿記1級か、それに類する難易度で、半年~1年等のしっかりした学習が必要となる。また、受験チャンスが年に2回あるため、1回目で科目合格、2回目で総合合格を狙うという手もある。合格率は、財務諸表が20.5%、財務分析が30.3%、原価計算が16%(令和元年9月)と、どの科目も難関
2級 簿記の基礎知識(日商簿記2級~3級)があればさほど難しくないといわれている。逆に、知識ゼロからの場合は、簿記の基礎や、建設業経理士3級、4級などから入ってステップアップして行くという手もある合格率は、41.4%(令和元年9月)と、1級に比べ倍率も高く、建設業経理士としても認められ、経審でもプラスになるので狙い所
3級 建設業経理士の入り口を学ぶために、建設業で経理に配属される初任者や学生向けといえる。業務上では、知識の整理という観点とてみるとよい。合格率は64.3%(平成31年3月実施)
4級 高校生など学生向けのレベル・立ち位置で、通常の大人は3級、もしくは2級から入った方がよい。合格率は78.5%(平成31年3月実施)と、非常に高い

以上を踏まえると、簿記の基礎的な学習もしつつ、2級から入っていく形が望ましいと言えます。他の○○士と名の付く国家資格ほど難しいという訳ではありませんが、1級・2級になるときちんとした勉強時間・取り組みが要されます。

1-4 建設業経理士は、どんな人に向いている?

建設業経理士は、どんな人に向いている?

建設業界でキャリアアップを図る人、経理関係の知識がある程度あり、建設業界に転職したい人向けの資格です。建設業界というのは、不動産業界などと同じく、単価が高く、大きなお金が動く業界です。

また、公共・民間双方から需要がある分野のため、底堅い経理担当者の需要が考えられます。建設業界というのは、建設にかかる技術や専門知識、実績があってこその世界であり、分野によっては昔ながらの職人気質が残っている業界でもあります。

体力や腕に自信のある技術者は多くても、経理の知識を備えつつ、建設業界に身を置く人材というのは限られてくるケースが想定されます。その点、建設業経理士の資格を持っていることで、「この人材は建設業の経理に関して、全体を統括できる知識を持っているのだ」ということが伝わります。

また、建設業において本格的に「経営者」というポジションに就く人に取っても、建設業経理士の資格は有用です。会社の代表者が、会社の財務内容や経営分析が苦手という状態では、建設業に携わる上で心許ないことも考えられます。

その中で、代表者が建設業経理士を有していると、経理担当者も「建設業経理」という共通言語で話がしやすくなりますし、経営数字を分析する上でも有用です。

社員に会計・決算の作業をさせることができても、経営者自身が実務者の側の目線で、作業の正確性、数値の分析など判断できるかは重要といえます。

1-5 建設業経理士の学習で学べること

建設業経理士の学習で学べること

建設業経理士・建設業経理検定の学習を行うことでどのようなスキルがつくのでしょうか。

得られるスキル 内容
建設業界独自の会計処理や事務作業のプロセスが理解できる 前述の通り、建設業は通常の経理と異なり、独自の会計処理を行う。経理ができる人材・建設業の実務経験がある人材はそれぞれ多いが、経理×建設業のクロススキルを身につけることができ、結果として経理自体も学ぶことができる
建設業独自の用語が理解できる 建設業の場合、一般のビジネスでは「売上」に当たるものが、建設業経理の場合は「完成工事高」にあたる。また、「買掛金」は「工事未払金」、「前受金」は「未完工事受入金」など、独特の用語が多いので、建設業経理独自の用語に慣れることができ、建設業界に対する知見が深まる

上記のように、建設業に携わる人全体にとって、「建設業会計・経理」の数字を読めることは、大きな強みに繋がり、加えて一般の簿記のスキルも身につけることができます。

1-6 建設業経理士のスキルが活かせる場所

建設業経理士のスキルが活用できるのは、建設業だけではありません。狭いジャンルではありますが、建設業の決算に関わる税理士・建設業の許可・経審書類の作成を行う行政書士などの専門家など、士業の事務所で働く人材に建設業経理士のスキルがあると、「建設業の経理がわかる人材」「建設業の許認可・経審などで経理がわかる人材」として重宝されます。

2 建設業経理士のこれからと試験対策

建設業経理士のこれからと試験対策

建設業経理士は、昭和56年に制度が開設されました。そのため、既に40年近い歴史を有しています。建設業というのは、人の安全・命に関わる局面も多い、重要な産業である一方、建設業には中小・零細企業が多く存在し、ピラミッド型の多重下請構造が存在するという点は、以前から現在においても続く課題であります。

そこで、こちらでは建設業経理士の現状を踏まえ、今後の需要や展望についてご紹介します。また、建設業経理士と名乗るための第一歩である、建設業経理士検定2級に合格するための方法なども併せてご紹介します。

2-1 建設業経理士の今後の需要は?

建設業経理士の需要に関しては、「建設業」が社会インフラを担う産業であるため、需要が大きく減ることは考えにくく、今後もニーズは手堅いでしょう。

一方で、公的な建設事業に関しては、国・地方自治体も予算が限られるケースが増え、必ずしも以前のように、採算性の高い案件ばかりではなくなっているという意見もあります。

とはいえ、公的な事業を請け負い、完成させることは「それだけ確かな作業ができるのだ」という印象を外部に与えますし、標識に社名が大きく出ますので、「あの会社、頑張っているな」という印象を、地元の人が持ってくれます。

また、都道府県や関連団体などの表彰を受けると、地元紙などメディアに大きく取り上げられる地域もあるため、受賞は企業の大きなイメージアップに繋がります。

以前は公共事業を「税金の使い方として、もう少しあり方を考えて行くべきではないか」という意見もありましたが、近年の度重なる災害や自然現象により、「公共事業でインフラ整備・治水などが行われていることの重要性」が強く見直されることとなりました。

加えて、民間住宅でも、台風などの自然災害を受けた地域では、復興需要が大変強くなります。いずれにせよ、建設業が見直され、改めて重要な産業であるというイメージが醸成されている傾向はあります。今後も建設業経理士の需要は根強くあるでしょう。

加えて、建設業における「経営事項審査(経審)」は、建設を行う事業者の規模・経営状況などを全国統一の基準で判定し、公共工事への入札の際に重視される要素ですが、建設業経理士の「数・1級か2級か」が評価基準になるため、建設会社にとっては建設業経理士(特に1級)が多ければ多いほど経審でプラスになるのです。

具体的には、建設業経理検定1級の建設業経理士は、「公認会計士等数 評価テーブル」で公認会計士・税理士と同じ評価の加点、建設業経理検定2級の建設業経理士は、×0.4の加点になります。

このように、1級は難しい分、経営事項審査における評価も高くなっている背景も追い風となっています。

2-2 建設業経理士の役割

建設業経理士の役割

建設業経理士は、建設業界で「建設業の経理」という知識を武器に、様々な形で活躍ができる士業です。それだけでなく、建設業全体を俯瞰して見るという観点では、仕事を受注してくる営業や、工事の進捗管理や下請の管理を行う管理者も、建設業経理士の知識があることは武器になります。

例えば、営業として工事を受注する場合であれば、建設業の経理を明確に理解することで、適正な価格で受注したり、営業相手に対し、金額の根拠を、自信をもって説明しやすくなります。

また、進捗管理・下請の管理などを行う管理者も、工事がコスト面で問題ないかという観点や、工期の遅れによるマイナス、人件費や下請に支払う費用などの適正な管理ができるようになることも望めます。

以上のように建設業経理士は、「建設業」という業態の中で、様々な形で資格の学習で得た知識を活かすことができます。

2-3 建設業経理士の一般的な試験対策

建設業経理士を名乗るためには、建設業経理検定の1・2級に合格する必要があります。建設業経理検定は、1~4級までありますが、3級・4級は、あくまで初学者向け・若年層向けの知識の整理という側面があります。

そのため、建設業経理の実務に携わっている人や、「建設業経理士」の資格を早く取りたいという人は、建設業経理検定の3級・4級を飛ばして、2級からチャレンジすることが理想的です。

加えて、どの資格試験に関してもいえることですが、「まず過去問を解く・もしくは眺める」ことが重要です。学校の時の試験と異なり、資格試験を受験する人には、様々な知識のバックグラウンドが存在します。

例えば、簿記2級を持っている人が建設業経理検定2級を受けるケースと、「簿記の借方・貸方のどちらが左でどちらが右なの?」という知識の人が受けるケースでは、必要な勉強量が相当異なります。

後者のように、簿記そのものがさっぱりわからないという方の場合は、簿記3級など、簿記の基礎の部分をしっかり学んでから、建設業経理検定2級に挑んだ方がスムースでしょう。

予備校や通信教育の、ゼロから建設業経理検定2級合格を目指すというカリキュラムでも、「まずは簿記3級レベルの基礎をマスターする」という過程を入れているケースを多く見かけます。

では、自分のレベルがどれくらいなのか、ということを見定める上で、実際の過去問を見てみましょう。建設業計理士検定協会のホームページには、建設業経理検定の過去問が掲載されています。

建設業経理検定の合格ラインは、1級・2級とも正答率70%以上です。(1級は3科目とも合格する必要あり)

掲載されているのは問題だけで、回答は未掲載のため、実際に答えを知りたい場合は、出版されている過去問集を購入する必要がありますが、まず解く前に、2級の問題全体を確認してみてください。

簿記の基礎の部分からあやふやな場合は、簿記3級、もしくは簿記3級レベルの基礎を学ぶカリキュラムのある、建設業経理検定2級用学習プログラムを選ぶと良いでしょう。

試験勉強で人がつまずく原因の一つが、「言葉がわからない」ということです。テキスト・試験問題でも、読んでいて言葉がわからず、その都度言葉の意味を調べていると、時間がかかり、ストレスの原因にもなります。

まず、自身の経理・簿記に対する知識レベルを確かめ、建設業経理検定2級をダイレクトに狙うか、もしくは簿記3級などもう少し優しい試験から入り、「簿記・経理の世界」に慣れていくかを考えた方が良いでしょう。

2-4 建設業経理士も過去問ファースト

一部の難関国家資格(弁護士・公認会計士・税理士・司法書士・不動産鑑定士等)の「落とすための試験」を除き、多くの検定試験は、「一定の知識水準があれば合格できる」ように設計されています。

また、多くの資格試験の傾向として、問題のレベルをそれぞれ分けている傾向があります。

具体的には、

  • ・4割~5割は、「確実にここは正解してもらわないといけない」というレベル
  • ・2割~3割程度が、「合否を分ける問題」
  • ・残りが「このレベルでは解けたらすごいけれども、解けなくても合格できるよ、という難問

という形が多いように見受けられます。

そのため、「みんなが落とさない問題を自分も落とさない」という基礎固めと、「合否を分ける問題をしっかり解ける能力」、「難問で時間や焦りを生まないように、難しい問題を見分け、後回しにする目利き」が重要になります。この見分ける能力をつけるためには、やはり、「繰り返し過去問を解く」ということが必要になります。

まずは、書店で解答付きの建設業経理検定過去問集を購入し、最新年度分を実際の試験時間に合わせて解いてみましょう。そうすると、多くの人は「想像以上に解けない」という現実に直面するかと思います。答え合わせをすると、2割~5割程度までしか取れていない場合、合格ラインである7割まで持っていくのが、今後の勉強をしていく上での課題になります。

あわせて、実際に問題全体を解いてみると、「これはサービス問題だな(知っていれば取れる、用語系問題など、これは難問でわからないな」という問題に度々出くわすかと思います。

わからない部分は、テキストなどをひもときつつ深掘りしつつも、あまり難問にはまって時間をかけるのではなく、書籍が基礎・基本などとしている部分を、しっかり理解しておくべきです。

サービス問題は着実に正解し、難問は後回しにするという、「試験中の仕分けスキル」は、過去問を複数年さかのぼり解くことで、向上します。特に、過去問を解けば解くほど、「あれ、この問題、以前にも見たぞ」というものが増えてくるかと思います。

このように、繰り返し出題してくる問題こそが典型的なサービス問題であり、確実に正解を取る必要があります。

試験勉強の常として、テキストから入る人と、過去問から入る人がいます。本来は、テキストから入るのが一般的なパターンかもしれません。しかし、建設業経理検定試験では「試験問題で70%以上の正解率を取る」という明確なゴールが存在します。

このゴールに対し、自身が現在どの位置にあるのかを見定めるためには、やはり過去問全体を解くことが必須と言えます。過去問を実際に解くこと、また、複数年分を解き、試験の全体像や過去問の共通項を体感することによって、試験合格への道が近まります。

2-5 建設業経理士はどう学ぶか?

建設業経理士はどう学ぶか?

建設業経理士(建設業経理検定1級・2級)の勉強をする上、学び方として、

  • ・専門学校への通学
  • ・通信教育の活用
  • ・参考書等の独学
  • ・建設業経理事務士 特別研修(3級・4級)の受講

などの手法があります。

どの方法が良いのかに関して、結論から言うと、「ケースバイケース」という答えになります。受験される方の知識と好み、時間の都合や、会社が特別研修を受けさせてくれるかなどの諸条件により、自分にとって望ましい方法を考えるのが良いといえます。

一例として、レベルや環境により、これが望ましいのではないかという学び方を挙げます。

○自身に簿記の知識がある程度あり、テキスト・問題の内容が把握できる→独学
○簿記の知識がなく、テキストを見ても何が書いてあるかわからない→専門学校・通信教育、もしくは職場で受講の機会を与えてくれるようであれば特別研修の受講

もちろん、一番モチベーションが上がりやすく、わかりやすいのは専門学校への通学(もしくはWeb受講)ですが、ある程度の費用がかかります。また、通信教育の場合でも数万円はかかります。所属している会社が受講手当を出しているケースは、その制度をぜひ活用すべきです。

また、会社からは受講手当がないケースでも、教育訓練給付金制度という、雇用保険を財源にした制度があります。

教育訓練給付金制度は、

  • ・一般教育訓練制度→10万円を上限とし、20%相当額をハローワークが支給
  • ・特定一般教育訓練給付金→20万円を上限とし、40%相当額をハローワークが支給

となっており、それぞれ細かな条件がありますので、詳しくは教育訓練給付金制度のページを確認することができます。他にも、専門実践教育訓練給付金、教育訓練支援給付金などもあります。

どれも、ハローワークに自身が支給対象か、講座が支給対象かを事前に確認する必要がありますので、ご注意下さい。

2-6 建設業経理士としてのスキルアップ

建設業経理検定1級・2級に合格し、建設業経理士になると、スキルアップセミナー・実務セミナーなどが無料・割引価格などで受講できます。2020年に行われたセミナーとしては、次の2種類があります。

「地域建設業の勝ち残りのための会計情報の活用方法」~会計情報を会社組織へどのように取り組むか~ ・現在の建設業経理を取り巻く環境の説明
・金融検査マニュアル廃止後の金融機関との対応
・働き方改革と建設業クラウド会計
・事業承継対策
「建設業に役立つ経営分析と経営事項審査」~関連法律の解説と建設現場における「労務管理」のポイント~ ・建設業の経営分析および経営事項審査制度
・経営状況分析を中心とした視点からの、各建設企業の持つ問題点の分析やその解決策経営事項審査評点アップのためのポイントや留意点
・今後予定されている経審改正

2-7 建設業経理士に求められるアップデート

国土交通省の「経営事項審査の審査基準の改正について」の資料では、令和3年4月から、”経理に関して継続的に知識の向上に努めている者であることを経営事項審査上の評価要件とすることに見直す”という記載があります。

改正案として、「(研修を受講し)登録経理士講習実施機関に登録された、1級・2級登録経理士であること」を要件とし、今後、登録経理士講習の受講を必須としていく方向性が出されています。

既に、一般財団法人 建設業振興基金のページでは、登録建設業経理士制度が実施されており、一度研修を受けると、5年間の間、登録建設業経理士1級、2級として認定されます。

このように、建設業経理士についても、他の会計資格同様、「一度合格すれば終わり」ではなく、取得後も継続的な学習・知識の維持が求められるようになる方向付けが進んでいます。企業会計が複雑化する中、知識を常にアップデートすることは労力を伴います。

しかし、今後も建設業経理士は、建設業界の会計・経理を担う存在として中心的な役割を果たすことは代わりがないでしょう。研修が加点の対象になっていくことは、「建設業経理士」、「建設業経理検定1級、2級」の合格者の知識を向上し、質を担保するためにも、価値のある制度改正といえます。

3 まとめ

建設業経理士は40年近くの歴史を持つ、伝統ある資格ですが、今後変わりゆく建設業・企業経営等に適用できるように、様々な角度からアップデートがされています。

建設業経理士が一番力を活かせるのは、やはり建設業界ですが、会計・税理士事務所、社会保険労務士事務所、建築設計事務所などで、建設業経理の知識を活かした業務に従事する人もいます。

試験の難易度としては、建設業経理士を名乗れるレベルである1級、2級に関しては、建設業の経理従事者として、適正な知識・実務能力があるかを問う高い難易度です。

建設業でのキャリアアップ、建設業界への転職などを考える上で、ぜひ取得を検討する価値はあると言えます。

建設業許可申請が全国一律76,000円!KiND行政書士事務所:東京