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建設業界で役立つ資格15選

就職や転職を考えている学生や会社員の方の中には、勤務先として建設業界を検討している方もおられるのではないでしょうか。そして、その建設業界への就活において有利に進められるように資格取得を考えている方もおられるはずです。

そこで今回は建設業界で役立つ資格を取り上げて説明していきます。建設業界の特徴、現在や今後の建設業界の市場動向、建設業での業種・職種やそれに役立つ資格のほか、建設業界に就職・転職する際のポイントなどを解説します。

どの産業へ就職しようかと迷っている方、現在の仕事が不安で他業界から建設業界への転職を検討している方は参考にしてみてください。

1 建設業界の特徴と市場動向

建設業界の特徴と市場動向

まず、建設業での仕事の種類や主な内容などを説明するとともに、建設業の現状や将来性などを簡単に紹介しましょう。

1-1 建設業とは

建設業法(第2条2項)において建設業は、「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業」と規定しています。

①建設工事の種類

上記の「建設工事」には下表のような種類があってそれに関係する仕事(各工事)が存在します。

建設工事の種類

建設工事は一式工事と専門工事に分類され、一式工事は「土木一式工事」と「建築一式工事」の2つがあり、特定の建物や土木の工事を一式まとめて行う工事になります。そして、一式工事を請け負う業者は一般的に「総合建設業者」や「ゼネコン(ゼネラルコンストラクター)」と呼ばれています。

専門工事は「大工工事」や「左官工事」などの個別の専門的な工事で、それを請け負う企業は専門工事業者です。ゼネコン企業等が受注した工事物件の下請などとして担当工事を受け持つ事業者が該当します。

なお、各工事の業務を遂行するあたり必要とされる資格は他の産業と比べて多い方でしょう。

土木一式工事
建築一式工事
大工工事
左官工事
とび・土工・コンクリート工事
石工事
屋根工事
電気工事
管工事
タイル・れんが・ブロック工事
鋼構造物工事
鉄筋工事
舗装工事
しゆんせつ工事
板金工事
ガラス工事
塗装工事
防水工事
内装仕上工事
機械器具設置工事
熱絶縁工事
電気通信工事
造園工事
さく井工事
建具工事
水道施設工事
消防施設工事
清掃施設工事
解体工事

②建設業の職種

上表では専門工事は27種類あり、各工事には営業や設計などの事務職や施工管理や現場作業などの現場職など様々な職種があります。なお、一式工事を請け負うゼネコン企業等での大まかな職種は営業、購買、施工管理(土木・建築・設備等)、設計やエンジニアリングなどです。

建設業の業種を大まかに分けると、施工、設計、営業の3つがよく挙げられます。施工関係では現場の担当者として働いたり、現場スタッフをとりまとめ工事を管理したりする仕事があります。たとえば、施工管理は建物の建造の工程管理や安全管理などを担当し、作業チームの責任者として従事する仕事です。

設計は建造物の設計を担う仕事で、意匠設計、構造設計、設備設計などがあります。企業のタイプなどにより住宅からマンション、オフィスビル、商業施設、倉庫や工場など請け負う建造物は様々で設計の範囲や難度が異なってきます。従って、設計担当者の仕事も勤務する企業や部門などで変わってくるわけです。

営業は企業が建設工事を請け負うために受注活動する仕事で、その企業が請け負った工事の実績や技術を顧客にPRして建設工事の受注に努めます。

③代表的な建設業種の仕事内容

代表的な建設業種の仕事内容

1)ゼネコン企業
ゼネコンとは総合建設業者で、建物の造成に関わる土木工事や建築工事を一式で請け負う業者です。もちろん自社のみですべての工事を行うケースはほとんどなく他の多くの専門工事会社を下請けとして利用し請負業者として工事を進めて行きます。

具体的な工事例は、ダム・トンネルなどの社会インフラから大規模マンション、高層建築物、大型病院、学校、大規模商業施設などです。代表的な会社には、大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設などが挙げられます。

2)デベロッパー
デベロッパーとは土地・建物の企画・開発を行う不動産開発事業者のことです。開発に必要な土地を確保し、その土地の大きさや性質などを踏まえて有効な利用方法を検討し適切な建物の建築を計画し実行していきます。

具体的な開発案件としては、分譲マンション、オフィスビル建設、大規模宅地造成、都市再開発やリゾート開発などです。デベロッパーの代表的な会社には、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産などが挙げられます。

3)ハウスメーカー
ハウスメーカーとは主に戸建住宅の設計から建築、販売までを一貫して行う住宅建設事業者のことです。ハウスメーカーの特徴としては、全国や広範囲の地域への事業展開、建物の仕様・規格の統一、比較的短い工期、商品やサービスの安定した品質などが挙げられます。

代表的な会社には、大和ハウス工業、積水ハウス工業、住友林業、三井ホームなどです。

4)組織設計事務所
組織設計事務所とは、建築設計の中でも主にオフィスビルや公共建築などの大規模建築物の設計業務を専門的に行っている事務所のことです。組織設計事務所の中にゼネコン企業のように建築物の計画立案から工事管理などの幅広い業務を行っているケースも見られます。

なお、住宅などの小規模建築物の設計を少人数で行っている会社は、「アトリエ系設計事務所」と呼ばれ、組織設計事務所と区別されています。組織設計事務所の代表的な会社としては、日建建設、三菱地所設計、日本設計、NTTファシリティーズなどです。

その他の業種としては、「リフォーム・リノベーション」「空間プロデュース」「ディスプレイ」などがあります。また、ゼネコン企業等の下請となる各種の専門工事業者が多く存在しています。

1-2 建設業界の現状と今後

建設業界の現状と今後建設業界の特徴と市場動向

ここでは建設業界の現状や将来性などを説明しましょう。

①建設業界の現状

日本国内の建設投資額は2019年度において62.9兆円となり、2010年の底から緩やかに回復してきました。一般社団法人 日本建設業連合会の「建設業ハンドブック2019」の「建設市場の現状」を見ると以下のような点が確認できます。

・建設投資は1992年度の84兆円をピークに減少傾向が続き、2010年度にはピーク時の50%程度にまで減少した

・その後、東日本大震災の復興需要や民間投資の回復により増加傾向で、2019年度は18年度比3.4%増の62.9兆円となる見通し

2015年からは50兆円に回復し19年まで増加しています。特に民間投資においては2010年を底として19年までほぼ一貫した増加傾向(緩やか)が見られました。なお、2019年の建築投資額では1992年のピーク時の49.1兆円には及ばないものの41.3兆円にまで回復してきています。

②維持修繕工事の推移

国内の維持修繕に必要な工事は、国内資産の老朽化に伴いその工事額が徐々に増大してきました。上記の建設業ハンドブックを見ると、維持修繕工事について以下の点が指摘されています。

・ストックの増加を背景に維持修繕工事は増加傾向にあり、2017年度には16.4兆円と過去最高の水準となった

・維持修繕工事では、発注者別で民間工事が全体の約7割を占め、工事種類別では非住宅建築工事が約4割を占める

・維持修繕工事比率(維持修繕工事完工高/完工高計)を発注者別にみると、民間・公共ともに、ストックの老朽化を背景に90年代後半以降上昇が続いていたが、2013年度以降は新設工事の増加により横ばいの状況が続いている

維持修繕工事額については、2010年に12.4兆円と底になって以来その後緩やか増加傾向を辿り19年には16.4兆円と増加してきました。社会インフラの老朽化による維持修繕工事の増加のほか、民間での需要も増加してきています。

③手持ち工事高と受注高

国交省が発表している「建設総合統計」の「手持ち工事高(推移)」を見ると2018年をピークに19年からはやや減少傾向がみられます。つまり、将来の完成工事高や売上高は少し減少することが予測されるのです。

また、同省の「建設工事受注動態統計調査」(受注高時系列エクセルデータ)から「受注高」を見ると2017年が約83兆円、18年が86兆円、19年が82兆円と停滞あるいはやや減少傾向がみられます。

以上の点から今後の建設業の新設工事に関する動向は、比較的高水準にあるもののやや伸び悩む可能性が否定できません。一方、維持修繕工事は潜在的な需要も多いため今後も少しずつ増加する可能性が高いです。

④建設業を取り巻く状況

1)新設工事
2019年まで東京オリンピック・パラリンピック向けた五輪競技施設、宿泊施設、各種商業施設の建設や、都心の大型再開発工事、災害の復旧工事などで建設業界は比較的好調な業績を維持してきました。

「建設バブル」と呼ばれるような状況でしたが、東京五輪の延期や新型コロナ禍の影響による工事の停滞などにより2020年は建設工事の停滞と需要の減速が懸念されています。

しかし、20年後半にかけては新型コロナ禍によって中断された工事が徐々に再開されだし、今後の需要回復が期待できるようになりました。また、東京五輪後においても比較的な大きなプロジェクトが控えています。

たとえば、東京メトロの銀座線全駅リニューアル計画、大阪万博に向けた関連施設およびインフラの整備、品川・名古屋駅間のリニア中央新幹線開通プロジェクト などです。ほかにもIRリゾートの開発なども期待できるでしょう。

以上のように現在の建設業界を取り巻く環境は優しくないものの、アフタコロナで東京五輪が21年に開催されれば、今後の建設需要の回復は期待できるはずです。

2)維持管理・更新
今後においては新設工事以上に維持管理・更新の分野の需要は増大するものと見込まれます。国交省の「インフラメンテナンス情報」サイトによると2018年度の維持管理・更新費の推計は約5.2兆円、23年度は約5.5~6.0兆円と1.2倍となるほか、年々増加するものと推察されているのです。

年度 推計結果
2018年度 約5.2兆円※
2023年度(5年後) 約5.5~6.0兆円〔1.2〕
2028年度(10年後) 約5.8~6.4兆円〔1.2〕
2038年度(20年後) 約6.0~6.6兆円〔1.3〕
2048年度(30年後) 約5.9~6.5兆円〔1.3〕

〔〕の値は2018年度に対する倍率
*出典:インフラメンテナンス情報」サイトより

⑤建設業の人材ニーズと技術の動向

建設業界はこれまでの建設バブルや災害復旧工事の増大などにより慢性的な人手不足が問題になっており、現在においても解決されていません。新型コロナ禍の影響で多少緩和されていると見られますが、工事の再開とともに人手不足の状況は深刻化する恐れがあります。

従って、建設業界は現状から判断すると就職先や転職先として有望であると判断でき、若者から中高年に至るまで建設業界では就業機会に恵まれていると言えるでしょう。特に高齢者の熟練技能者が減少する中、設備機械も高度化しているため、高度なスキルを持つ技能者や専門知識・資格を有する人材が期待されています。

なお、こうした人手不足の対策も含め建築業界でもICT(情報通信技術)の導入が進展しており、IoT(モノのインターネット)化が進んできました。たとえば、AI(人工知能)を活用した画像解析による建築物の劣化に関する画像診断、ドローンで建設工事の進行状況や建築物の施工状況の確認などの取り組みが始まっています。

ほかにも完成後の建物の状況を仮想現実空間(VR)で確認できるPR方法を駆使している会社もあります。このようにICTを建設工事、設備機械や商品などに活用されるケースが増加しており、それらに対応するための専門知識や資格も求められるようになってきているのです。

2 建設業界の仕事と資格

建設業界の仕事と資格

ここでは建設業界で求められることの多い資格の種類や、その資格がどの程度の年収に結びついているかを紹介しましょう。

2-1 求人で指定されることの多い建設業資格

ここでは求人の多さという観点から建設業界に役立つ資格を紹介します。具体的にはハローワークや求人募集サイトの求人募集の条件として提示されることの多い資格を確認し表にしてみました。

①建設関係技術者等

建築士1級と2級(最多)、木造建築士(1級2級比べ少ない)
建築施工管理技士1級と2級(2級が最多)
建設機械施工技士1級と2級(2級が最多)
技術士(建設、水道)
インテリアコーディネーター、インテリアプランナー *前者の方が多い
建築物環境衛生技術者
建築設備士
建設業経理士1、2、3、4級(2級が最多)
昇降機検査資格者
設備管理士
建築CAD2級、3級、準1級(3級最多)
建築積算資格者

*上位ほど募集が多く見られる

②鉱工業技術者、電気作業 他

電気工事士1種、2種(最多)
電気主任技術者1種、2種、3種(最多)
電気工事施工管理士1級、2級(最多)
土木施工管理技士1級、2級(最多)
宅地建物取引士
測量士(士補)
消防設備士 甲種、乙種(最多)
消防設備点検資格1種、2種(最多)
ボイラー技士1級、2級(最多)
クレーン関係(移動式クレーン運転士、小型移動式クレーン等)
コンクリ技士主任技士
ビルクリーニング技能

2-2 年収と建設業資格

年収と建設業資格

資格所有者への募集条件の内容や平成30年賃金構造基本統計調査(厚労省)(*印)の結果から各資格で期待されるおおよその年収を表にまとめました。

資格 期待される年収
1級建築士* 約740万円
2級建築士 400万円~500万円
技術士* 約560万円
施工管理技士 400万円~700万円
建設機械施工技士 400万円~500万円*建設機械運転工:約400万円
建築設備士 500万円~700万円
ボイラー技士* ボイラー工:約410万円
マンション管理士 300~500万円
コンクリート診断士 500万円~700万円
電気工事士 400万円~600万円*電気工:480万円
電気主任技術者 第三種:400万円~600万円
インテリアコーディネーター 300万円~600万円
インテリアプランナー 300万円~600万円
消防設備士 400万円~600万円
消防設備点検資格者 400万円~500万円

3 建設業界で役立つ資格15選

建設業界で役立つ資格15選

建設業界での求人の多さ、年収の高さや将来のニーズなどの点から就職・転職に役立つおすすめの15資格を紹介していきましょう。

3-1 設計系に役立つ資格

資格名 1級建築士(国家資格)
資格の内容 1級建築士は建築士法に基づく国家資格で、規模の大きな建設業務で不可欠な資格です。設計業務と工事監理業務に必要な資格で、設計では住宅、学校、体育館、病院、オフィスビル、工場・倉庫、劇場、商業施設などすべての構造物の設計ができます。
受験等の要件 受験資格は建築または土木課程の大学卒等、2級建築士、建築設備士などの資格取得者。*受験時の要件には「実務経験」は問われませんが、登録要件(大卒で実務2年以上等)で必要です。*大卒資格での受験生が約7割、2級建築士資格での受験生が約2割となっています。
取得難易度 試験には、学科試験と製図試験があり両方で見た合格率は10%~13%程度と高いです。
就活等での優位度 全般的に求人数が多く、ゼネコン企業など大企業への就職に有利で高額年収も期待できます。
資格名 2級建築士(国家資格)
資格の内容 2級建築士は建築士法に基づく資格で、1級と同様に設計業務、工事監理業務を行います。主に戸建住宅など大規模建造物以外の建築物(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の設計等)の設計が可能です。
受験等の要件 指定科目履修の大学卒または高等専門学校卒など*受験時の要件には「実務経験」は問われませんが、登録要件(大卒等は実務経験なし、高卒等は2年以上の実務経験必要)で必要になります。
取得難易度 試験には、学科試験と製図試験があり両方での合格率は20%~25%程度です。
就活等での優位度 求人数が多く設計の仕事に就くにあたり欠かせない最初の資格と言えます。
資格名 技術士(国家資格)
資格の内容 技術士は、技術分野での高度な科学技術と実務経験を持つ者として認められる国家資格です。建設部門の技術士は国の機関、ゼネコン企業や建設コンサルタント会社などで働くケースが多く、独立して建設コンサルタントを開業する方も少なくありません。設計業務に従事する技術士の中では建築設計よりは土木設計を担当するケースが多いです。
受験等の要件 技術士第1次試験(制限なし)の合格者と大学等での指定された教育課程の履修者が「修習技術者」となります。修習技術者が一定の実務経験を得ると技術士第2次試験の受験が可能となり、2次試験に合格すれば技術士の登録が可能です。
取得難易度 技術士第1次試験の合格率は30%~50%程度、技術士第2次試験は10%~15%程度です。
就活等での優位度 技術士に対する募集は、中途採用などでも多く転職で有利になります。公共事業で必要となりやすい資格であるため、公共事業関連の仕事を行う企業で求められやすいです。

3-2 施工管理系に役立つ資格

資格名 施工管理技士(国家資格)
資格の内容 施工管理技士は、建設業許可を受けた事業所において必要となる「専任の技術者」になれる国家資格の一つです。その具体的な仕事は、建設工事の工事計画の作成、安全の確保、工事進行の調整などになります。
施工管理技士の種類には、土木施工管理技士、建築施工管理技士、管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士、造園工管理技士、建設機械施工技士などがあり、各々1級と2級があります。施工管理技士を取得すると、級により該当する工事の「主任技術者」や「監理技術者」等の取得に有効です。
受験等の要件 施工管理技術検定試験には1級と2級の等級があり、試験は各々「学科試験(1次試験)」と「実地試験(2次試験)」の計2回です。
各級において、学歴と実務経験年数による要件があります。
取得難易度 難易度は高いです。1級建築施工管理技士の場合、学科と実地試験の各々合格率は30%~40%程度です。2級より1級の方が取得は難しくなっています。
就活等での優位度 資格取得者を有する企業は、公共工事等の受注の際に有利になるため、資格取得者に対する企業の評価は高いです。
(例:1級建築施工管理技士の場合、その企業は経営事項審査の技術力評価について資格者1人あたり5点が加算される)
資格名 建設機械施工技士(国家資格)
資格の内容 建設機械施工技士には1級と2級があり、1級建設機械施工技士の仕事は各種建設機械を使用する施工に関する指導・監督的な業務です。2級の仕事は機械を使用する施工で、運転・施工の業務について、各機種の運転技術者あるいは一般建設業の現場の主任技術者として施工管理を担います。
受験等の要件 各級において、学歴と実務経験年数による要件があります。
取得難易度 試験は学科と実地試験です。合格率は、1級学科試験が25%~45%程度、実地試験が60%~80%台後半程度となっています。
就活等での優位度 この資格も経営事項審査の技術力評価において有利となり、また、車両系建設機械に対する事業所内の特定自主検査者資格が得られるため企業の評価も高いです。

3-3 設備管理系に役立つ資格

資格名 建築設備士(国家資格)
資格の内容 建築設備士は、建築設備全般についての知識および技能を持ち建築士に高度化・複雑化した建築設備の設計・工事監理に関する適切な助言ができるスペシャリストです。
受験等の要件 所定の教育課程を履修した学卒者、1級建築士等の資格取得者、建築設備での一定の実務経験者 などの要件があります。
取得難易度 第1次試験[学科](建築一般知識、建築法規および建築設備)と第2次試験[設計製図]があります。合格率は、1次が25%~30%、2次が50%台です。
就活等での優位度 建築設備メーカー、設備工事会社、建設会社、建設コンサルタント会社、設計事務所、ビル管理会社、不動産会社、などの企業で求人が多いです。
資格名 ボイラー技士(国家資格)
資格の内容 ボイラー技士は、空調・温水ボイラーの操作、点検などの業務を行い、設備管理会社、メーカーの工場や大規模商業施設などで従事するケースが多いです。ボイラー技士には、管理するボイラーの伝熱面積が多いい順に、特級、1級と2級があります。
受験等の要件 各階級に「1つ前の階級取得」という要件があります。2級には受験資格がないですが、1級、特級は一定の学歴と実務経験が必要です。
取得難易度 基準点以上の点数で合格できる制度になっています。合格率は1級が40%程度、2級が50%程度です。
就活等での優位度 ビル管理会社、建設会社のほか、ボイラーを使用しているホテルや病院などの施設での就職・転職に有利です。
資格名 マンション管理士(国家資格)
資格の内容 マンション管理士は、専門的知識を有して管理組合の運営、建物構造上の技術的問題などマンションの管理について管理組合の管理者等またはマンションの区分所有者等の相談に乗り助言や指導等の支援を行います。
受験等の要件 制限なし
取得難易度 試験の合格水準は、50問中37問以上の正解 などの絶対基準です。合格率は、平成30年度が7.9%、令和元年度が8.2%となっています。
就活等での優位度 築30年を超える老朽化したマンションが今後も増えると予想されており、マンション管理士の需要は今後も高いと考えられます。同資格については不動産管理会社や不動産コンサルティング会社などで求人が多いです。ほかに「管理業務主任者」や「宅地建物取引士」の資格を持っていると歓迎されます。
資格名 コンクリート診断士(民間資格)
資格の内容 コンクリート診断士は公益社団法人日本コンクリート工学会が認定している資格です。橋梁、トンネルや道路土工構造物などのコンクリート構造物に関する点検や診断などが業務となります。
受験等の要件 コンクリート診断士講習会の受講と一定の資格保有・学歴+実務経験が要件となっています。*1級建築士などの資格保有者の取得が可能です。
取得難易度 試験は四肢択一問題と記述式問題です。合格率は、2017年度・2018年度(全国平均)で約15.0%となっています。
就活等での優位度 コンクリート診断士は国土交通省や都道府県の業務発注に関して重視されている資格であるため、ゼネコン企業、建設コンサルタント会社や土木建設関連会社などで歓迎される資格です。社会インフラのメンテナンス維持にかかる工事が増加していく中、コンクリート診断士の需要は益々増加していくものと期待されます。

3-4 電気系に役立つ資格

資格名 電気工事士(国家資格)
資格の内容 電気工事士は、住宅、オフィスビル、工場、商業施設などの電気設備の工事等を行うのに必要な資格です。資格には第1種と第2種の2種類あり、第2種の範囲は一般住宅、小規模な店舗・事業所など600V以下で受電する設備、第1種は第2種の範囲プラス最大電力500キロワット未満の工場・ビルなどになります。
受験等の要件 第2種には制限がないですが、第1種は実務経験(5年以上等)が必要です。
取得難易度 第2種電気工事士の試験には筆記試験と技能試験があります。筆記試験の合格率は50%~60%程度、技能試験は60%~70%程度です。第1種試験は筆記が40~50%程度、技能が60~70%程度になっています。
就活等での優位度 電気工事士の需要は比較的多く、通年での採用も多いです。同資格は電気工事会社、建設会社、ビル管理・メンテナンス会社などで求められ、就活などで有利に働きます。
資格名 電気主任技術者(国家資格)
資格の内容 電気主任技術者は、電気設備や電気工作物に関する維持・管理・運用における保安を監督するために必要となる資格です。
電気主任技術者は、高圧受変電設備や電気設備等を保守・管理する者(保安等に関する監視と改善指導など)であり建設工事会社、設備管理会社などで求められています。
同資格には第1種、第2種、第3種があり、各種により扱える設備が異なってきます。1種は電力会社、2種は大規模な設備を有する事業所、3種は一般事業所などの設備です。
受験等の要件 制限なし。第1種、第2種は1次試験と2次試験があり、第3種は1次試験のみです。
取得難易度 各種、1次と2次の両方とも、6割以上の得点(率)で合格となります(難易度により合格点の引き下げもある)。令和元年の合格率は、第1種・1次が24.2%、2次が17.2%、第2種・1次が23.6%、2次が22.8%、第3種・1次が9.3% です。
就活等での優位度 同資格保有者は、電気設備、空調・熱源設備、給排水設備などの管理会社やメンテナンス会社、設備管理が必要な工場、ホテル等の宿泊施設や病院等で求められます。

3-5 インテリア系に役立つ資格

資格名 インテリアコーディネーター(民間資格)
資格の内容 インテリアコーディネーターは、居住者が快適と感じる住空間を造るための有効な提案や助言を行うスペシャリスです。同資格の認定はインテリア産業協会が行っています。
具体的な仕事は、内装、家具、ファブリックス、照明器具、住宅設備などに関する広範囲な知識を持ち、インテリアについての計画や商品選定などについてのアドバイス等です。
受験等の要件 1次試験(学科・筆記)と2次試験(プレゼンテーション・論文)があり、1次には制限がなく2次は1次合格が要件となります。
取得難易度 平成30年度試験の合格率は、1次試験は32.4%、2次試験が59.0%です。
就活等での優位度 同資格はハウスメーカー、設計事務所、工務店、内装施工会社などでの募集が多く見られ、就活で有利に働きます。
資格名 インテリアプランナー(民間資格*平成12年度まで国家資格)
資格の内容 「インテリアプランナーは高品質で魅力的なインテリア空間をトータルに実現できる設計能力を持った資格者に与えられる称号であり、インテリア設計等に関し、建築士の業務と共通部分を持ちつつ、専門的・高度なまたは独自の知識・技能を有する者として、試験・登録・更新講習制度により、その能力を証明されたプロフェッショナルです」同資格制度は公益財団法人建築技術教育普及センターが運営しています。インテリアプランナー試験の学科試験の合格者は、登録により「アソシエイト・インテリアプランナー(准インテリアプランナー)」の称号が与えられます。
受験等の要件 学科試験と設計製図試験があります。受験資格については、学科試験の場合制限なしです。設計製図試験では、当該年度および前4年度の学科試験の合格者、アソシエイト・インテリアプランナー、建築士(1級・2級・木造建築士)が対象になります。
取得難易度 イテリアプランナー試験の学科試験と設計製図試験の両方でみた合格率は22%~30%程度です。
就活等での優位度 インテリアプランナー登録者の約80%が建築士となっています。インテリアの設計・施工会社、建築設計事務所、総合建設業、プレハブ会社や不動産業などでの募集が見られます。

3-6 消防・防災系に役立つ資格

資格名 消防設備士(国家資格)
資格の内容 消防設備士は警報設備や(特殊)消防用設備などの工事、整備、点検を行う専門家です。劇場やショッピングセンター等の商業施設、ホテル・旅館等の宿泊施設などの建物は、用途、規模、収容人員に応じて屋内消火栓設備、スプリンクラー、自動火災報知設備等を設置する義務があり、それらの工事や整備等を行う場合消防設備士が必要になります。同資格には甲種と乙種の種類があり、前者は消防用設備等または特殊消防用設備等の工事、整備、点検が可能です。乙種は消防用設備等の整備、点検ができます。
受験等の要件 乙種(1類~7類)は制限なし。甲種は第1類~5類の種類があり類型により要件が異なります(他の類型の取得、学歴、実務経験 等)。
取得難易度 試験は筆記試験と実技試験(写真・イラスト・図面等による記述式)があり、各6割以上の正解で合格です。合格率は、乙種(平均)が30%~50%程度、甲種(平均)が20%~35%程度となっています。
就活等での優位度 消防設備士には(防災)設備会社、ビル管理・メンテナンス会社、エンジニアリング会社などでの求人が多く見られます。
資格名 消防設備点検資格者(国家資格)
資格の内容 消防設備点検資格者は、スプリンクラー、消火栓、消火器、誘導灯などの適正な設置や維持管理について点検・報告ができる消防法に基づいて要請されている技術者のことです。資格の種類は、1種、2種、特種の3つがあります。
受験等の要件 資格取得には「消防設備点検資格者講習」の受講が必要で、その受講要件があります。消防設備士、施行管理技士や電気工事士などの資格取得者、消防設備等の工事実務経験、学歴+実務経験 など様々です。
取得難易度 取得には講習の受講と修了試験の合格が必要ですが、合格率は90%となっています。
就活等での優位度 消防設備点検資格者は設備施工会社、ビル管理・メンテナンス会社、(防災)設備設置会社などで求められるケースが多いです。

4 建設業界に就職・転職する際のポイント

建設業界に就職・転職する際のポイント

建設業界に就職・転職する際に注意しておきたい点について説明します。

建設業界に就職・転職する際のポイント

4-1 建設業界への志望動機の明確化

就職・転職で採用を勝ち取るには、建設業界並びにその就職先・転職先を選んだ理由や志望動機を明確にしておくことが不可欠です。

建設業界に限らず就職・転職の際の面接試験ではその志望動機が重要となるため、適切に回答できなければなりません。また、採用後の職務等のミスマッチとならないためには、自身の希望職務や職務に関する知識・スキル・経験等にマッチした業種・職務・勤務先である必要があります。

ミスマッチなどを回避するためには、「なぜ建設業界を選んだのか、なぜその業種や職務なのか、なぜその会社なのか」という点を明確にした志望動機を整理しておく必要があるのです。建設業が自分にとってどのような業界なのか、何故その企業でその仕事をしたいのかをまとめておきます。

たとえば、「人の生活基盤となる住居、仕事をする場所、移動するための交通網、水・電気・ガス等のエネルギー供給網、暮らしに必要な食品・衣料・雑貨等の供給施設 などを提供する建設業に携わりたい」「そういう施設・建物を作りたい」などの理由の整理が必要です。

また、業種や職種については、販売、設計、各種施工および施工管理などについて自分の性格や学校での履修科目などから適切に説明できるようにしましょう。

たとえば、建設会社や設計事務所などで設計業務を希望する場合、「○○分野の建物に興味があり私自身でそれらの設計がしたいため、学校は建築学科を卒業しました。また、学校では□□分野の設計の研究に取り組んできています。(貴社への)入社後は設計の仕事に従事しながら1級建築士の資格を取得し早く第一線で活躍できる設計士になれるよう努めます」、といった志望動機をまとめておくのです。

なお、就職先・転職先については、上記の業界と業種・職種の動機内容との整合性が取れていなければなりません。建設業の分野、自分の学歴・知識・スキル・経験・資格等の状況、希望する業種・職種と就職先との整合性に注意しましょう。

たとえば、「貴社は、自分が携わりたい○○分野の建築に優れており実績も豊富であり国内ではトップクラスに属します。また、建物の独創性や機能性における業界での評価が高く、私が学校等で学び経験を積んできた○○分野の設計技術、特に高機能な建物の設計力を活かせる職場になると判断しました」といった内容です。

このように、やり仕事に就きたい、知識・スキル・経験・資格を活かしたい、保有する資質・能力等で就職先等に貢献したいというような志望動機を適切に整理して面接等の機会で回答できるようにしておきましょう。

4-2 就職・転職にマッチした資格取得

建設業界に就職・転職したいからと言って闇雲に建設業界関連の資格を取得するのではなく、業種・職種にマッチした資格を選ぶことが重要です。

建設業界に就職・転職する場合、必要な資格を取得しておくと採用で有利になるは多いです。しかし、それは業種・職種にマッチしない資格である場合にはその効果は期待できません。

たとえば、設計や施工の職種の場合に「宅地建物取引士」や「マンション管理士」の資格を取得しておいても大きな効果は得にくいです。逆にその業種・職種に関連する資格を複数取得しておく場合、選考でより有利になる可能性が高まります。

たとえば、建築設備士の募集などにおいては、同資格以外に第3種電気主任技術者、1級建築士、建築施工管理技士やエネルギー管理士など他の資格を取得しておくと有利です。もちろんそういった資格の職種が同時に募集されているケースも少なくありません。

なお、難易度の高い資格を複数取得することは困難ですが、たとえば、高難易度である1級建築士、技術士や1級土木施工管理技士などの資格保有者が受験資格となる「コンクリート診断士」のような資格もあるため、検討するとよいでしょう。

4-3 就職先・転職先の労働条件等の確認

就職先・転職先の労働条件等の確認

いかに自分の夢がかなう、やりがいを感じられる仕事であっても就職先・転職先の労働条件や処遇が悪すぎては、たとえ就職・転職できても成功したことにはなりません。

建設業の労働環境は以前に比べ改善が進んできたと言われており、土木・建築に関連する会社や現場では週休二日制が採用されるケースが増えてきました。また、国の指導などもあり建設業での賃金も改善され上昇が見られるようになっています。

しかし、業界の大手企業以外ではまだまだ労働者への給与やその他待遇面で改善されていないケースも多く、週休二日制が採用されていないケースも少なくありません。土日に休めない、休日が変則になる、給与が上がらないといったケースが今も見られます。

また、給与に関して日給月給制をいまだに採用している事業者も多く、月の稼働日数次第で月の収入が大幅に変動するといった不安定な報酬制度になっているケースもあるのです。この場合、病気や怪我で欠勤した日数が多くなればその月の給与が大幅に減少してしまいます。

ほかにも社会保険などの保障がない小規模事業者も多く、建設業界は他の業界以上に労働環境が良くないケースもあるため、就職先・転職先の企業の労働条件等はしっかり確認しておかねばなりません。

なお、資格取得と給与などの待遇面の関係などもチェックしておきましょう。要求されている資格取得が給与にどのように反映されるかは各企業によって異なるため、資格の有無が年収に大きく反映される可能性もあります。

同じ資格でも1種と2種、1級と2級などの違いで年収に大きな差が生じることも少なくありません。また、別の資格を取得した場合の手当の有無なども企業によって違います。

4-4 就職先・転職先の企業体質や将来性などの評価

就職先・転職先の募集における仕事内容や労働条件などが満足できるものでも、会社としての将来性や企業体質などに対する事前評価も不可欠です。

建設業界の業況は最近まで比較的好調に推移してきており、新型コロナ禍の影響が緩和すれば景気はある程度回復するものと見られています。しかし、5年、10年といった先になると企業の取り組み次第では業績が低迷する可能性はないとは言えません。

国内の新規建設工事よりも維持修繕工事のほうが需要の増大が期待される状況においては、維持修繕工事にも対応する企業等を応募先として検討することが重要になってくるでしょう。

また、企業の成長には海外需要の取り込みも必要となるため、海外展開しているあるいはする意志がある企業の検討も欠かせません。現状の企業の業績や財務状況などの評価とともに企業の将来性のチェックは必要です。

なお、企業の将来の事業展開によっては別の資格取得が求められるケースも起こり得ます。たとえば、維持修繕工事分野へ今後進出する企業ならコンクリート診断士やコンクリート技士といった資格が今後重要視されることになるでしょう。そのため将来を見据えた資格の取得を検討することも必要です。

さらに会社員として勤務する上では企業体質も確認しなければなりません。労働条件が良くても自分に合わない社内慣行があることもあります。自由闊達な意見が出せない雰囲気がある、パワハラが多く見られる、挑戦意欲が欠けている、成功体験にしがみついている などが風土として組織に定着しているケースは少なくありません。

社外の者にとってはこうした状況は見えないため事前の確認は難しいですが、学校のOBからの情報、就職情報サイトの評価、その他ネット上の評判などを確認するようにしましょう。

4-5 職業・職種の特徴の考慮

将来就職・転職する際、就くべき職業・職種の特徴を確認し自分に適しているかどうかを判断しておく必要があります。

建設業の仕事も多岐にわたるためその職業・職種が自身の性格に合わない、求められる資質がない といったことも十分にあり得るのです。自分に合わない職業等での勤務は辛いものとなるため、長続きしない可能性が高まります。そうならないためには事前に仕事で求められる資質などを把握しておかねばなりません。

たとえば、施行管理では、作業現場の集団を工事の工程に合わせてまとめて進めて行くリーダーシップ力、予定された作業を工期にあわせて進行させる計画性、現場をまとめ上げるためのコミュニケーション力、突発なトラブルなどを適切に処理できる柔軟性 などが求められます。

こうした資質の適合性は企業側も重視しているため、職業等で求められる資質が志望者にあり適しているということであれば、そうした面をアピールすることで就活も有利に進められるでしょう。

5 まとめ

建設業は人々の生活に欠かせない住居や社会インフラを作り維持するための重要な産業で、多様な業種や職種が存在するため必要される資格も多様です。

この記事で取り上げた資格はその中のほんの少しですが、今後もニーズの高い資格と考えられます。資格取得にあたり学校での関連知識の履修や実務経験などが求められる難易度の高い資格も多いですが、その分採用に直結するケースも多いため取得のメリットは小さくありません。

建設業は今後も産業として期待される業界であるため、就職・転職に備えて必要かつ有効な資格の取得をこの機会に検討してみてください。

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