建設業で注目されているグリーンサイトとは?加入するメリット・デメリットも
グリーンサイトとは、施工体台帳や労務安全書類をクラウド上で一括管理することが可能で、書類の作成・提出・確認までのすべてを行うことができるサービスです。利用登録はオンラインで簡単に行うことができ、IDとパスワードが発行されることで利用することができます。近年では、グリーンサイトを導入している元請け会社も多く、協力会社が加入を勧められるケースも増えてきています。
今後は、元請け会社・協力会社ともにグリーンサイトを導入する企業が増えていくことが予想されるため、この記事では、グリーンサイトの加入に際してどのようなメリット・デメリットがあるのかを詳しく解説します。
目次
1 グリーンサイトとは
グリーンサイトとは、クラウド上の管理システムで手間なく簡単にグリーンファイル(労務安全書類)の作成・提出・確認までのすべてを行うことのできる登録サイトです。
元請け会社の加入では、ID利用料・プロジェクト利用料の2つの利用料金がかかり、協力会社の加入ではID利用料がかかります。有料サービスでの提供となりますが、グリーンサイトを活用することで、グリーンファイル(労務安全書類)を作成する手間や時間の削減・ペーパーレス化を図ることができます。
作業はすべてWeb上で行うことができるため、ソフトをインストールする必要もありません。ネット環境が整っていれば、どこでも入力や提出・確認を行うことが可能になります。グリーンサイトの提供元は、三菱商事株式会社より分社した株式会社MCデータプラスです。
2 グリーンファイル(労務安全書類)とは
グリーンファイルはとは、建設現場の安全な環境を整えるため・安全を守るために必要な書類で、労務安全書類とも呼ばれる安全書類のことです。みどり色は安全のイメージがあることから、グリーンのファイルが使われることが多く、グリーンファイルと呼ばれています。
グリーンファイルは、現場の工事体制や工事内容・作業員を把握するための目的として作成されています。安全書類の作成は、管理者と作業員の関係性を明確にすることができるため、作業員の安全・権利を保証することができます。
また、事故が起きてしまったときの責任の所在を明確にするとともに、現場での事故防止・作業員の命や権利を守る目的もあります。
安全書類の記入内容は共通しており、それぞれの現場で提出が必要となるため、書類の種類や内容・目的や意味を理解しておくことが重要です。主に提出を求められることが多い書類を以下で紹介していきます。
2-1 作業員名簿
作業員名簿は、個人情報である作業員の氏名や住所・年齢などを記入する書類です。基本的に作業員を雇用する事業所が作成を行います。作業員名簿は、元請け会社が作業員の個人情報や雇用状況・資格の有無などを把握するために作成するものです。
工事現場では、どれだけ万全に安全対策を行っていても、事故が起きてしまうことがあります。こうした事故が起きたときに備え、作業に関わるすべての作業員の情報を記入しておく必要があります。
また、現場では電気工事など資格がないとできない工事がありますが、この場合は資格証の提出をしなければいけません。一次下請以下の協力会社が作成・提出する書類のため必要に応じて作成します。
作業員名簿の作成は、改正建設業法が施行された2020年10月1日より、義務化となっています。
2-2 工事安全衛生書
工事安全衛生書は、工事を安全に行うためにどのような対策をしていくかなどの方針や目標を示す書類です。工事期間や工程を記載し、工事期間内に起こりうる危険性や有害性などリスクをまとめ、体制や段取りを作業員と共有するためのものです。
工事安全衛生書は、工事に携わる関係者で起こりうる危険をすべて把握し、どのような措置をとっていくか話し合うことが重要です。
2-3 新規入場時等教育実施報告書
新規入場時等教育実施報告書は、下請け業者が現場に入る前に、作業員が安全衛生教育を受けたことを元請け会社に証明・報告するために作成する書類です。
現場では、毎日たくさんの作業員の出入りがありますが、作業員一人ひとりにルールを伝えて理解してもらわなければなりません。
新規入場時等教育実施報告書は、作業員が現場のルールを聞きて理解したことを裏付ける役割も果たすため、受講者氏名欄には作業員の直筆のサインを書いてもらいましょう。
労働者の安全と衛生を守る労働安全衛生法は、新規に入る下請け会社に対して元請け会社は安全衛生教育を実施する責任があると定めています。また、新規入場等教育実施報告書は5年間保管しておかなければいけません。
2-4 安全ミーティング報告書
安全ミーティング報告書は、建設現場に携わるすべての作業員が参加して行う、打ち合わせ・会議の内容をまとめて報告する書類です。基本的に建設現場では、毎日のように安全朝礼が行われ、作業についての細かい打ち合わせを行います。
作業員同士が現場の事故防止やその日に行う作業におけるリスクを共有し、事故が起きないように注意・対策をすることを目的としています。
また、安全ミーティング報告書があれば、万が一の事故や災害時にも、現場での安全対策がしっかりと行われていたことの証明となります。
2-5 持込機械等(移動クレーン/車両建設機械等)使用届
持込機械等(移動クレーン/車両建設機械等)使用届は、建設現場で重機(移動式クレーン・高所作業車・ブルドーザー・ショベルカーなど)を使用する場合に、元請け会社に提出をする書類です。
持込機械等(移動クレーン/車両建設機械等)使用届は、重機使用においての事故やトラブルの防止・使用状況の把握を目的とし、安全性を証明するためのもので、現場に機会を持ち込むたびに提出が必須となります。
提出の際には、車両を運転する運転者の氏名・必要な免許・資格の記入をし、資格証のコピーも準備しておきましょう。
2-6 工事・通勤用車両届
工事・通勤用車両届は、元請け会社が現場に出入りする工事関係車両を管理するための書類です。万が一、作業中や通勤中に事故や災害にあった際の責任の所在を明確にするために必要となります。
工事・通勤用車両届は、トラックや生コン車・会社から現場に向かう際の車両などを使用する、すべての協力会社が提出をします。
また、工事・通勤用車両届は、使用する車1台に対し1枚の提出が必要です。フォーマットによっては、複数台記入できる様式のものもあるため、様式に合わせて作成しましょう。
2-7 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届は、二次下請け以下の会社が危険物を使用する際に作成する書類です。この書類は、SDS安全シート・安全対策の資料など、危険物の有害性や取り扱い方法が記載されたものと一緒に元請け会社に提出をします。
元請け会社は提出された書類をもとに、危険物の使用方法や管理方法を確認し、現場での事故を避けるため消防署への届出を行います。
2-8 火気使用届
火気使用届は、建設現場で火気を使用する場合に、元請け会社から許可を取得するために作成する書類です。火気の使用場所や目的・火気の種類・管理方法などをまとめて記載し、提出をします。
現場内の事務所や休憩所・宿舎などがある場合は、暖房器具や湯沸し器なども該当となるため、記載が必要です。
2-9 その他12種類の安全書類
上記で紹介した安全書類以外にも、さまざまな書類が存在します。規模の違いや工事体制によっても提出書類が異なるため、現場ごとに確認を行い必要な書類を提出しましょう。
- ●労務・安全衛生管理事項引受確約
- ●労働基準監督署提出書類報告書
- ●安全帯使用の確約書
- ●脚立の単独使用の確約書
- ●建設業法・雇用改善法等に基づく届出書(変更届)
- ●下請負業者編成表
- ●有資格者一覧(技能講習)
- ●年少者就労報告書
- ●高齢者就労報告書
- ●外国人就労に関する契約書
- ●免許・技能講習修了証貼付台紙
- ●職長教育修了証貼付台紙
3 多くの建設会社がグリーンサイトを利用している
近年では、大手・準大手・中型ゼネコン・設備会社など多くの元請け会社がグリーンサイトを利用しています。また、一人親方を含む協力会社でも利用企業数は年々増加しており、元請け会社から加入を勧められるケースも多くあります。
元請け会社では、書類の確認や管理を目的として使用しており、協力会社では、安全書類の作成・提出を目的として使用しています。
2021年9月現在では、約350社の元請け会社がグリーンサイトに登録をしています。常時稼働している現場は約21,000現場となり、スーパーゼネコンはもちろんのこと、多くの大手・中型ゼネコンなどの現場で利用されていることになります。
3-1 グリーンサイトの利用企業数
グリーンサイトを利用中の企業数は以下のとおりです。
- ●グリーンサイトを利用中の元請け会社:合計約350社
- ●利用中の現場数:常時21,000現場以上
- ●グリーンサイトに加入している協力会社:全国約86,000社以上
- ●上位企業がグリーンサイトに代行登録している協力会社:全国597,000社以上
グリーンサイトを導入している主な元請け会社は以下のとおりです。
株式会社きんでん | 東レ建設株式会社 |
大成建設株式会社 | 東鉄工業株式会社 |
岐建株式会社 | 東亜建設工業株式会社 |
清水建設株式会社 | 鉄建建設株式会社 |
株式会社加賀田組 | 株式会社熊谷組 |
鹿島建設株式会社 | 株式会社鴻池組 |
株式会社奥村組 | 大和ハウス工業株式会社 |
株式会社大林組 | 大和リース株式会社 |
オーク設備工業株式会社 | 五洋建設株式会社 |
株式会社淺沼組 | 大鉄工業株式会社 |
岩田地崎建設株式会社 | 親日鉄住金エンジニアリング株式会社 |
青木あすなろ建設株式会社 | 株式会社大気社 |
伊藤組土建株式会社 | 住友不動産株式会社 |
株式会社イチケン | 新菱冷熱工業株式会社 |
株式会社安藤・間 | ジェイアール東海建設株式会社 |
矢作建設工業株式会社 | 東急建設株式会社 |
戸田建設株式会社 | 三菱ケミカルエンジニアリング株式会社 |
三井住友建設株式会社 | 飛鳥建設アブ式会社 |
西松建設株式会社 | 丸彦渡辺建設株式会社 |
松井建設株式会社 | 株式会社長谷工コーポレーション |
株式会社福田組 | 株式会社フジタ |
株式会社藤木工務店 | 前田建設工業株式会社 |
4 グリーンサイトの登録方法
グリーンサイトに登録するには、インターネットからの申し込みが必要ですが、元請け会社と協力会社では登録方法が異なりますので、以下で詳しく見ていきます。
4-1 元請け会社の登録
①資料請求をする
元請け会社としてグリーンサイトに登録する際には、以下の内容を申込フォームに入力し、資料請求をします。
- ●企業名
- ●部署名
- ●役職
- ●氏名
- ●郵便番号
- ●住所
- ●電話番号
- ●メールアドレス
- ●施行台帳が必要な現場数
②必要書類の送付・登録を行う
上記の入力を完了し送信すると、グリーンサイトから元請け利用に関する資料と見積もりのシミュレーションシートが自動送信メールで送られてきます。
届いた資料に沿って、利用申込書・登記簿謄本(原本)・印鑑証明書(原本)をMCデータプラスに送り、登録をしていきます。
③請求書発行
必要書類がMCデータプラスに到着したあと、請求書が発行されます。
④入金
請求書の記載内容を確認し、初期設定費用と一年分の利用料の支払いを行います。元請け会社の場合は、ID利用料とプロジェクト利用料がかかります。
⑤利用開始
入金確認後に、IDとパスワードが記載された利用開始のメールが届きます。このIDとパスワードでグリーンサイトにログインし利用開始となります。
4-2 協力会社の登録方法
①協力会社としてグリーンサイトに申し込む際には、専用の手続きページから手続きが可能です。
②申込手順や利用規約をしっかり確認して同意したら、以下の情報を入力していきます。
- ●企業情報
- ●企業担当者
- ●請求担当者
- ●契約内容
契約内容の入力でユーザーの上限数を1~50で設定しますが、利用開始後の変更は変更手数料がかかるため、しっかり確認をしてから設定を行う必要があります。
③グリーンサイト申込情報の入力
- ●建設業許可情報
- ●建設業退職金共済情報
- ●中小企業退職金共済情報
- ●労災上乗せ保険情報
申込情報の入力が完了したら、再確認後にフォームを送信します。
④必要書類の送付
申込情報の入力フォームの送信をすると、グリーンサイトからメールが届きます。届いたメールの記載に沿って必要書類である利用申込書・登記簿謄本(原本)・印鑑証明書(原本)
⑤入金
請求書の記載内容を確認し、初期設定料金と一年分のID利用料金を支払います。
⑥グリーンサイトの利用開始
利用料金の入金が確認できたら、自社のIDとパスワードが利用開始メールで届きます。このIDとパスワードでグリーンサイトにログインができるため、大切に保存しておきましょう。ログインができたら、利用開始となります。
5 グリーンサイトの使い方
グリーンサイトの使い方は慣れれば簡単ですが、はじめに行う登録や操作に慣れるまでは少し大変な方かもしれません。まずは、操作慣れるためにも一度入力を進めていき、出来上がった書類を見てみるとわかりやすいです。
グリーンサイトの使用の流れとして、まずは書類作成をするための基本情報の入力を行います。会社情報は入力すれば全書類に自動的に反映されるようになっています。入力に間違いがないかもチェックしておきましょう。
会社情報と同じように作業員の情報も入力しておけば、自動的に反映される仕組みになっているので、登録しておきます。
つぎに各種資格の入力も行っていきますが、グリーンサイトでは資格の候補が出てくるようになっているので、複雑な正式名所の入力の手間がなく選択するだけで入力することができます。
作業員名簿の作成では、登録しておいた作業員情報から作業員を選択するだけで行うことができます。作業員を選択すると、資格なども自動で反映されるので記入漏れ防止にもなります。
万が一、書類の不備や差し戻しがあった場合でも、スマホやパソコンからすぐに確認することができるため、事務所に戻って確認したりする手間がなくなり、作業の効率化を図れます。
6 グリーンサイトの利用料金
グリーンサイトの利用料金は、元請け会社と協力会社それぞれで異なります。どちらの場合でも、グリーンサイトにログインするためのID利用料がかかります。それに加えて、元請け会社の場合は現場を管理するためのプロジェクト利用料が必要です。
グリーンサイトの利用料金を以下にまとめました。
元請け会社の場合 | 協力会社の場合 |
---|---|
|
|
<ID利用料>
初期設定料金 | 10,000円 |
---|---|
基本利用料(ID利用料) | 1ID 4,800円/社・年(税抜) 10ID 12,000円/社・年(税抜) 20ID 24,000円/社・年(税抜) |
追加利用料 | 追加10IDごと +1,000円/社・月(税抜) |
※グリーンサイトを操作される方、1名毎に1IDが必要です。操作を行う人数分のID数でお申込みをお願い致します。
<プロジェクト利用料>
初期設定料金 | 300,000円 |
---|
コース名 | 契約プロジェクト数(pj) | プロジェクト利用単価 | 利用枠の追加単価 |
---|---|---|---|
Aコース | 10pj~99pj | 7,000円/社・月(税抜) | 1pj |
Bコース | 100pj~249pj | 6,500円/社・月(税抜) | 10pj |
Cコース | 250pj~499pj | 6,000円/社・月(税抜) | 10pj |
Dコース | 500pj~999pj | 5,000円/社・月(税抜) | 10pj |
Eコース | 1,000pj~2,999pj | 4,000円/社・月(税抜) | 10pj |
Fコース | 3,000pj~4,999pj | 3,000円/社・月(税抜) | 10pj |
Gコース | 5,000pj以上 | 2,500円/社・月(税抜) | 10pj |
※ プロジェクト: 通常は現場単位、諸口管理の場合は管理グループ単位です。
※プロジェクト利用枠を12ヵ月分前払いでの支払いとなり、発注数量分までご利用が可能となります。
利用枠超過について(Aコースの場合):利用開始月前に利用枠の追加の申し込みができます。(価格は残期間×月額換算単価となります)
利用枠超過について(Bコース以上の場合):各月の利用枠超過分を後払いで支払いできます
7 グリーンサイトに加入するメリット
グリーンサイトの加入は元請け会社にとっても協力会社にとっても、メリットが多いことがわかりましたが、実際にどのようなメリットがあるのか詳しくみていきましょう。
7-1 パソコンがあれば書類作成や電子提出・確認までできる
グリーンサイトに加入すると、インターネットに接続できるパソコンやスマホがあれば、いつでも書類作成や電子提出・確認までのすべてを行うことができます。
従来の紙ベースの書類作成では、現場から会社に戻って書類を作成したり、判子を押すためだけに会社に行かなければならないなどの手間がありました。グリーンサイトを利用することで、このような手間が省け、作業の効率化を図ることもできます。
7-2 帳票漏れや入力漏れを防げる
グリーンサイトでは必要な項目のすべてが入力できていないと、書類を提出することができません。入力漏れがある場合は自動でチェックしてくれるため、帳票漏れや入力漏れを防ぐことができます。
一度入力した内容は、他の帳票にも自動で反映される仕組みとなっているため、手作業によるミスの軽減に繋がります。
7-3 資格の有効期限切れなどのお知らせ機能がある
グリーンサイトでは、健康診断日や各種資格・免許・建設業許可等の登録や管理をすることで、健康診断の期日が近づくとお知らせしてくれたり、資格や免許の期限切れに対するお知らせ機能があります。
このお知らせ機能で更新漏れや期限切れを防止することができるほか、社会保険加入状況や適正配置対象者等の現況も簡単に確認することができます。
7-4 帳票の自動作成が可能
グリーンサイトでは入力した内容が自動で反映されるため、施工体台帳や施工体系図などの帳票を自動作成することが可能です。そのため、今までの紙ベースでの書類作成の手間が大幅に軽減されます。
7-5 作業員の入退場の管理がスムーズ
作業員の現場への入退場の管理を、通門管理機能でスムーズに行うことができます。これは、グリーンサイトで出力されるQRコードを使うことで利用することができます。また、入退場の履歴は生体認証やFelicaなどのデバイスで登録が可能です。
7-6 印鑑・印刷が不要
グリーンサイトでは印鑑・印刷が必要な書類がほとんどありません。今までの紙ベースの書類では、印刷・押印をしてから郵送しなければなりませんでしたが、印刷や印鑑が必要なければ会社に行かなくても提出可能です。
近年では、ペーパーレス・ハンコレス・テレワークも進む世の中ですから、このように一括管理ができるのは非常にメリットとなります。
7-7 安心のサポート体制
グリーンサイトでは、マニュアルやFAQ・PCで視聴できる操作説明動画など、充実したサポート体制が整っています。また、不明点はヘルプデスク(電話窓口)に問い合わせが可能です。
8 グリーンサイトに加入するデメリット
次に、グリーンサイトに加入するデメリットを紹介していきます。
8-1 利用料金がかかる
グリーンサイトは有料サービスのため利用料金がかかります。元請け会社・協力会社それぞれで加入が必要となり、どちらかだけの加入だけではグリーンサイトを活用するこができません。
元請け会社の場合は、グリーンサイトに加入することで業務の効率化やコスト削減などに繋がりますが、協力会社によっては加入が負担となる場合があります。そのため、協力会社が加入を拒んだ場合は、元請け会社が協力会社の利用料金を負担するケースもあります。
8-2 パソコンが使えない環境で利用できない
グリーンサイトは、クラウド上での管理システムとなるので、ネット環境が整っていない場所では利用することができません。ネット環境さえ整っていればパソコンやスマホでどこでも利用することができます。
8-3 元請会社が導入しないと使えない
先ほども少しお話しましたが、グリーンサイトは元請け会社・協力会社それぞれで加入をしなければ活用できません。協力会社だけ加入をしても、元請け会社が加入していなければ、利用する意味がないということになります。
グリーンサイトを利用している元請け会社は多くいますが、規模の大きい元請け会社の利用が多い傾向にあるため、グリーンサイトを利用していない元請け会社の現場では協力会社としてグリーンサイトを利用することができません。
グリーンサイトの利用ができない場合には、今まで通り紙ベースで安全書類を作成が必要となります。
9 グリーンサイトを使用するときの注意点
グリーンサイトは便利で効率的であることがわかりましたが、使用をするときの注意点がいくつかあるので、以下で見ていきましょう。
9-1 自動作成される書類のチェックをする
先ほどもお話しましたが、グリーンサイトは一度入力した内容が自動で反映されることで書類の自動作成ができるようになっています。
しかし、自動作成の盲点としてすべての書類に反映されることから、それぞれ自動作成された書類の最終チェックを行う必要があります。
自動作成だからといって確認を怠ると、ミスを見落としている可能性もあり、差し戻されてしまいます。最終チェックはしっかり行いましょう。
9-2 持込み機械の情報が最新か確認する
建設現場では、フォークリフト・バックホウ・高所作業車などの重機を使用することが多くあります。使用の際は、正しく点検されているかの確認とともに、点検情報が最新のものであるかの確認を行う必要があります。
点検情報の更新忘れによる不備があると、工事当日に重機の使用ができなく工程通りの作業ができなくなります。工事は納期を考えた工程を組んでおり、工程を伸ばすことが出来ない現場もあるので、点検情報の更新の確認・不備がないかの確認をしっかり行いましょう。
10 まとめ
グリーンサイトの加入は、安全書類作成による負担が大幅に軽減され、各資格や免許・建設業許可の有効期限の見逃し・期限確認の手間がなくなります。グリーンサイトへの加入は、元請け会社・協力会社ともに増加しています。
今後は、さらに大手企業を中心に利用者数が増えることが見込まれ、協力会社は元請け会社からグリーンサイトへの加入を勧められるケースが増えてくることが予想されます。
安全書類は、主要なものだけでも20種類にもおよび、各書類の種類や内容・目的をしっかり理解しておく必要があります。グリーンサイトは、現場の安全管理の向上にともなう管理システムなので、加入を検討してみてください。